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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第三種
令和3年12月2日
令和5年4月10日
ネオアンチゲン-抗原提示細胞がんワクチン療法の安全性試験
ネオアンチゲンがんワクチン療法
金沢医科大学病院
川原 範夫
ネオアンチゲンを標的としたがんワクチンの品質及び安全性の検証
1
がん・肉腫
募集終了
金沢医科大学認定再生医療等委員会
NB4150006

変更内容

管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
氏名:伊藤 透
氏名:川原 範夫
令和5年4月1日
管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
Name:Ito Tohru
Name:Kawahara Norio
令和5年4月1日
研究の進捗状況
進捗状況:募集中 / Recruiting
進捗状況:募集終了 / Not Recruiting
令和5年4月1日
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式
5. ネオアンチゲン-IFNDC同意説明文書(1版)_v5_20211101(被覆済み).pdf
5. ネオアンチゲン-IFNDC同意説明文書(1版)_v5_20211101_20230401病院長変更(被覆済み).pdf
令和5年4月1日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和5年4月10日
jRCTc040210109
金沢医科大学病院
石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地
川原 範夫 Kawahara Norio

(1)再生医療等の名称及び分類

ネオアンチゲン-抗原提示細胞がんワクチン療法の安全性試験 Clinical trial for safety and tolerability of a neo-antigen cancer vaccine using antigen-presenting cells( Clinical trial of a neo-antigen cancer vaccine using antigen-presenting cells )
ネオアンチゲンがんワクチン療法 Neo-antigen cancer vaccination using antigen-presenting cells( Neo-antigen cancer vaccination )
第三種
自家樹状細胞ワクチンを用いた免疫療法 政令の除外技術:NO ↓ 人の胚性幹細胞/人工多機能性幹細胞/人工多機能性幹細胞 様細胞:NO ↓ 遺伝子を導入する操作を行った細胞:NO ↓ 動物の細胞:NO ↓ 投与を受ける者以外の人の細胞:NO ↓ 幹細胞を利用している:NO ↓ 人の身体の構造または機能の再建、修復または形成を目的として いるか:NO ↓ 相同利用:YES

(2)再生医療等の内容

ネオアンチゲンを標的としたがんワクチンの品質及び安全性の検証
1
実施計画の公表日
2025年12月31日
6
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
1. 同意取得時に20歳以上75歳以下の患者であること
2. PS(ECOG PS:パフォーマンス ステータス:Performance Status))が0~1の患者であること
3. 病理診断により,がんまたは肉腫と診断されていること
4. 薬物療法による維持治療中であること
5. がんゲノム診断によりネオアンチゲン(遺伝子変異)が同定されていること
6. 成分採血(アフェレーシス)に耐えうる心臓血管系の機能を有すること
7. 骨髄,肝臓,腎臓の機能が十分に維持されていること
8. 感染症検査が陰性であること
9.臨床研究内容を十分に理解し,書面による同意を取得できること
10. 試験開始時に,他の臨床試験等に参加していないこと
1. Age at the time of informed consent: 20 to 75 years old
2. Performance status: 0/1
3. Pathological diagnosis as a tyep of cancer or sarcoma
4. Adjuvant therapy during the course of standard therapies
5. Already determined neo-antigens (Genetic mutation) under the cancer genomic diagnosis
6. Neither cardiovascular diseases nor respiratory disorders that would prevent blood apheresis
7. No organ function abnormalities, no blood abnormalities, no bleeding tendency
8. No infectious diseases
9. Understand the risk and benefit of the dendritic cell-vaccination
10. No other clinical trials
1.がんゲノム診断により分子標的薬が選択されている
2.ペニシリンまたはピシバニールにアレルギーを有する
3.顕性黄疸、高度な癌性胸膜炎あるいは腹膜炎の進行
4.血小板、赤血球輸血及びアルブミン輸注を要する
5.播種性血管内凝固症候群(DIC)及び深部静脈血栓症による抗凝固・抗線溶療法を要する
6.活動性感染症がある 
7.脳血管障害(脳出血、脳梗塞)の既往
8.コントロール不良の慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、酸素投与が必要な呼吸器疾患
9.間質性肺炎の既往
10.膠原病(自己免疫疾患)の合併あるいは既往
11.薬剤アレルギー防止以外にステロイド剤の継続投与
12.精神疾患(神経症、パニック障害を含む)がある
13.コントロール不良のてんかんの既往
14.両腕の血管確保が困難でアフェレーシスができない
15.本人ががんの告知を受けていない
16.本人が本研究を十分に理解できない
17.妊婦・授乳婦、または今後の妊娠を希望している
18.免疫チェックポイント阻害薬が投与中である、または投与予定がある
19.試験登録から投与終了期間中に放射線療法を予定している
20. 担当医が不適と認めた
1. Application of molecular target medicine based on cancer genomic diagnosis
2. Allergy to penicillin or OK-432
3. Advanced diseases such as obstructive jaundice and involvement either in pleura or in peritoneum
4. Requiring platelet or red blood cell transfusion or albumin infusion
5. Disseminated intravascular coagulation syndrome and deep vein thrombosis
6. An infectious disease such as viral hepatitis (following the standard of the Japanese Red Cross Blood Center)
7. History of cerebrovascular disorders such as cerebral hemorrhage and infarction
8. Poor control of lung diseases such as chronic obstructive lung disease, bronchial asthma, and requiring oxygen dosage
9. Pneumonitis (the past)
10. Autoimmune diseases (present or the past)
11. Steroid hormone therapy continuously administered for diseases other than the prevention of temporal chemotherapeutic drug allergy
12. Mental disease (including neurosis, the panic disorder)
13. The past of epilepsy having poor control
14. Difficulty in arm vessel blood access for apheresis
15. No informed consent due to cancer
16. Inability to understand the risk and benefit of the DC vaccination
17. Pregnant or nursing women, desire to bear children
18. Under the treatment with immune checkpoint inhibitors during this clinical trial
19. Under the radiotherapy during this clinical trial
20. Physician judgment that a patient is inappropriate for treatment
20歳 以上 20age old over
75歳 以下 75age old under
男性・女性 Both
以下のいずれかに該当する場合は,被験者の試験を中止する。
1)被験者の同意撤回の申し出があった場合
2)試験の中止の申し出があった場合
3)被験者が死亡した場合
4)登録後不適格症例であることが判明した場合
5)転居などにより被験者が来院しない場合

以下の場合に,試験を早期中止する。
1) 研究分担者からの試験進捗報告および試験モニタリング報告を研究責任医師が評価した結果,症例登録の遅れ,重大なプロトコール違反などの理由により,試験の完遂が困難と判断された場合
2) 再生医療等の安全性等の確保等に関する法律に対応して,本療法によるものと疑われるもの,または本療法によるものと疑われる感染症によるもののうち,「疾病等報告書」(別紙様式第1及び別紙様式第2)の提出を要する疾病等が発生した場合
3) 本併用療法との因果関係が否定できない,死亡を含む重篤な有害事象が観察され,プロトコールの安全性に問題があると安全性評価委員会が判定した場合
4) 論文や学会発表など,当該試験以外から得られた関連情報を評価した結果,プロトコールの安全性に問題があると判断された場合,または試験継続の意義がなくなったと判断された場合
研究責任医師が試験の早期中止の決定を行った場合は,その理由および以後の対応を直ちに実施医療機関の長に報告する。また,研究責任医師は登録症例の患者の転帰をフォローする。
がん・肉腫 Cancer, sarcoma
D000230, D012509
がん,肉腫 Cancer, sarcoma
がんワクチンの投与 Cancer vaccination
D014611
ネオアンチゲン,がん,抗原提示細胞,ワクチン Neo-antigen, cancer, antigen-presenting cell, vaccine
安全性(有害事象および重篤有害事象の発生の有無) Safety (adverse reactions, severe adverse events)
1.1および2年生存割合
2.全生存期間
3.1および2年時点無増悪生存期間
4.抗腫瘍効果(RECIST)
5. DTH反応
6.がん特異的免疫応答
7.QOL改善効果
8. バイオマーカー探索
1. One- and two-years survival ratio
2. Overall survival rate
3. Progression free survival at the 1 and 2 years
4. Antitumor effect (RECIST)
5. DTH (delayed type hypersensitivity reaction)
6. Immune monitoring of the biomarkers
(ELISpot assays, T cell markers)
7. QOL
8. Biomarker Search
医療面談:本試験内容・目的、実際の手順、期待される効果、細胞の不具合などのハザード、副反応などリスクとその対応(リスクコントロール)を説明する。
事前検査:病理診断、がんゲノム診断により組入れ対象として問題が無ければ、本試験の選定に必要な事前検査を行う。血液検査(感染症、HLA-DNAタイピングを含む)、尿検査、心電図、胸部単純X線、その他必要に応じて追加検査を行う。
最終同意:選定基準および除外基準を総合して、本臨床試験の適応があるか判断し、適格であると判断された症例は、HLA適合ネオアンチゲン作製を開始し、成分採血の日程の調整と同意を得る。
成分採血(アフェレーシス):成分採血前日午後に最終の実施判断を行い、問題が無ければフィルグラスチム75μgを皮下注射する。
成分採血当日は、両腕の皮静脈に血管確保し、4~5Lの血液を処理し、80~120 mlの血液(単核球成分)の採取を実施する。リンパ郭清している場合、主治医の許可を得て、患側上腕を採血ラインとしてのみ使用するか、中心静脈確保を受ける。
ネオアンチゲンがんワクチンの作製:細胞培養加工施設内にて血液を処理し、単球成分をIFNαおよびGM-CSFを用いて抗原提示細胞を培養する。人工抗原(ネオアンチゲンペプチド)およびOK-432(ピシバニール)などを添加してネオアンチゲンがんワクチン(抗原提示細胞ワクチン)を作製し、品質検査を行う。
ネオアンチゲンがんワクチン接種:品質検査に合格したそれぞれのワクチンを2週間毎に合計6回の投与を1コースとする。両側腋窩と両鼠径部の4か所、1回あたり総細胞数2.0×E7個(総用量2mL)のネオアンチゲンがんワクチンを皮内に注射する。

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
下平 滋隆 Shimodaira Shigetaka
80345751
金沢医科大学 Kanazawa Medical University
再生医療学
920-0293
石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地 1-1 Daigaku, Uchinada, Kahoku, Ishikawa
076-286-2211
shimodai@kanazawa-med.ac.jp
自施設
救命救急センターおよび救急科。センターとして病棟に一般病床5床(3号棟5F)、及び救急患者に対応可能なハートセンター及び集中治療センター用ベッドとして20床が確保されている。緊急時についてもセンターに重症処置室を有するほか、手術部(12室)で対応可能である。救急医療に対応できる十分な設備が配置され、CT、MRI、一般エックス線検査装置、心電図、血液検査装置、血液ガス分析装置、輪血及び輸液のための装置等が設備されている。 

(2)その他研究の実施体制に関する事項

吉田 健一 Yoshida Kenichi
金沢医科大学病院 Kanazawa Medical University hospital
再生医療センター
920-0293
石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地 1-1 Daigaku, Uchinada, Kahoku, Ishikawa
076-218-8200
076-218-8210
krmc@kanazawa-med.ac.jp
医師
下平 滋隆
80345751
金沢医科大学
再生医療学
医師
水田 秀一
10367708
金沢医科大学
血液免疫内科学
金沢医科大学
硎 美紗
60850625
金沢医科大学
再生医療学
金沢医科大学病院
真田 亮子
金沢医科大学病院
診療試験治験センター
金沢医科大学総合医学研究所
丹羽 修
金沢医科大学総合医学研究所
共同利用センター
該当なし
金沢医科大学
小屋 照継
70807164
金沢医科大学
再生医療学
金沢医科大学
坂本 卓弥
40850623
金沢医科大学
再生医療学

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

末梢血由来の単球を生体外にてIFNαおよびGM-CSFを用いて分化・誘導し製造した抗原提示細胞
再生医療等の提供を行う医療機関と同じ
細胞提供者と投与を受けるものが同一のため、再生医療等を受ける者の項目1(2)で示す適格基準と同一である。
上記適格基準を満たしているかどうかを、実施医師が判断する。
血液成分分離装置を用いて患者末梢血を処理して、末梢血中の単核球を採取する。低カルシウム血症防止のためにカルチコールを投与しながら、安全に成分採血を行う(実施の際、麻酔薬は使用しない)。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

ネオアンチゲン-抗原提示細胞がんワクチン
1. 加工方法
抗原提示細胞の製造
成分採血(アフェレーシス)により原料を採取する。アフェレーシス産物からバフィーコートの分離を行う。得られた細胞懸濁液を分割し、細胞播種・接着工程により単球を取得するために、培養ディッシュに接着させる。
GM-CSFとIFNを含む分化誘導培地を添加して培養後、成熟培地を加えてディッシュに播種し培養する。
ディッシュから細胞を回収し、適切な投与細胞数になるように調製し、-135℃以下で保管する。
得られた洗浄液の品質試験に合格した後に出荷を行う。

2. 試験検査の方法 ・品質試験
エンドトキシン試験:1.0 EU/m以下
マイコプラズマ否定試験:陰性
無菌試験:陰性
異物試験:不溶性異物が混入していない
病院内の診察室にて、調製されたネオアンチゲンがんワクチンを皮内投与する。
金沢医科大学病院 再生医療センター
FC4150228
金沢医科大学病院 再生医療センター
該当なし

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

金沢医科大学病院 再生医療センター

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

非該当

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

抗原提示細胞を用いた樹状細胞療法は、抗腫瘍免疫を誘導する機能がある [Annu Rev Immunol 30:1-22, 2012]。サイトカインGM-CSF (granulocyte–macrophage colony-stimulating factor)とIL-4(interleukin-4)を用いた成熟樹状細胞は単球から作製されることが公知の技術として見出されている [Blood 88:4029-4039, 1996]。抗原提示に必要な各種細胞表面マーカーの発現として、ほぼ全ての成熟樹状細胞はCD86及びHLA-DR陽性であり、in vitroにおいてT細胞刺激能を有していた [J Immunol 162: 3865-3872, 1999]。
信州大学医学部附属病院にて先進医療の枠組みで実施された「樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法」では、2012年9月~2016年3月までに、のべ223例(膵臓がん64、大腸がん56、肺がん42、乳がん39、胃がん22)(膵臓がん4例、乳がん2例、胃がん1例は2コース目、乳がん1例は3コース目の適用例を含む)にアフェレーシスが実施された。1コースのワクチン投与を完遂できた症例は198例(89%)であった。本治療による死亡例はなく、脱落例は主に原疾患の増悪による死亡例であり、のべ25例(11%)に認められた。
金沢医科大学再生医療センターにおいて製造されたIL-4樹状細胞ワクチンの品質及び安全性が確認され、腫瘍抗原であるWT1に対する能動免疫の誘導性が追認さた[ Pharmaceutics 12(4):305, 2020]。また、抗原提示能が優れた血小板溶解物(HPL)を用いた樹状細胞(マクロファージ)[Vaccines 9(1):10, 2020]を機能性細胞(抗原提示細胞)として、WT1を標的としたがんワクチンの臨床研究(治療)が開始されている[jRCTc040200005, PC5210039]、個別医療としてネオアンチゲンを標的として機能性細胞の担体は同一である。
WT1クラスⅠ/Ⅱペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法では、肺癌、胃癌、胆道癌、膵臓癌、卵巣癌、脳腫瘍において臨床報告され、膵臓癌での後方視的分析からは、投与局所の発赤が3cm 以上の例では生存曲線が delayed separation curve を示し、一部の群に化学療法に上乗し、生存期間の延長となる臨床効果が示唆された。進行膵癌を対象としたGEM併用による樹状細胞療ワクチン療法の前向き試験では、WT1ペプチド特異的DTH(delayed-type hypersensitivity)の陽性が予後指標になり、生存期間の延長が示唆された。WT1クラスⅠ/Ⅱペプチドパルス樹状細胞ワクチンにより特異的能動免疫の誘導が確認され、WT1特異的メモリー・キラーT細胞あるいは PD1+キラーT 細胞が予後に影響している可能性があった。
米国デンドリオン社(Dendreon Corporation)が開発した前立腺癌治療用ワクチン「Provenge(プロベンジ)」(一般名:sipuleucel-T)は、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者を対象として、prostatic acid phosphatase (PAP) と GM-CSFとの癒合タンパクを付加した自家の樹状細胞を含む製剤である。Sipuleucel-Tを用いた臨床試験では、3 セット2週毎の投与により、脳血管障害などの副作用事例を認めたが、プラセボ投与群と比較して 4.1ヵ月の全生存期間の延長が認められ、米国 Food and Drug Administration (FDA)から薬事承認された。IFN樹状細胞ワクチンの臨床試験における海外の実施状況として、転移性甲状腺髄様癌患者に対してIFN樹状細胞ワクチンの臨床試験が行われ、平均37ヶ月(18-46ヶ月)の観察期間において全患者の生存が認められた。
加工した抗原提示細胞ワクチンは以下の項目について確認し、品質試験の結果を考慮し、品質に問題が無いと判定された段階で使用可能と判定する。ネオアンチゲン-抗原提示細胞ワクチンの使用可否の最終判断は、本療法を実施する医師が行う。

[品質試験]
・エンドトキシン試験:1.0EU/mL未満
・マイコプラズマ否定試験:陰性
・無菌試験:陰性
・細胞数測定試験:総細胞数 12.0×E7個以上
・異物検査:目視で検出できる不溶性異物が混入していない
※ 細胞数等品質規格の結果が基準を満たさない場合でも、担当医師が患者の状態および投与によるリスクとベネフィットを総合的に考慮し、必要と判断した場合は投与を行うが、6×E7を下回った場合は評価対象としない。

[規格]
生細胞率:70%以上
総細胞数:2.0×E7個(1回投与当たり)
純度:CD86+/HLA-DR+:70%以上(生細胞中)
生細胞率、総細胞数は、トリパンブルー溶液を使用し算定する。
純度は、フローサイトメータを用いて、CD86及びHLA-DRの発現割合を確認する。
発見者は実施責任者経由で管理者へ報告する。管理者は、実施責任者及び品質管理責任者に調査を依頼する。品質部門は、これらの調査結果及び品質等に関する情報及び品質不良等の処理に関する手順書に基づき、原因究明及び改善措置を担当部門に指示する。既に再生医療等が提供された患者に対しては、疑義の内容に応じた説明や検査を実施すると共に、必要に応じて適切な処置を行う。再生医療等の提供の可否は、研究計画書に定める「中止・中断基準」に基づき決定する。
本特定細胞加工物の保管条件は、-135℃以下で保管し、保管期間は1年とする。工程参考品は2-8℃で保管し、1コース終了後1カ月まで保管する。原料参考品および製品参考品は-135℃以下で保管するものとし、保管期間は10年とする。
本研究終了後の生体試料の保管について患者の同意が予め得られた試料は、本研究終了後も保管し,将来の新しい研究に使用する。その際には、該当する本学の倫理委員会や認定再生医療等委員会の承認を得たうえで実施する。研究を実施する際は、患者に改めて研究内容を公開する。患者からの同意が得られない場合、参考品以外は保管せず速やかに破棄する。
提供中の再生医療等において、当該再生医療等の提供によるものと疑われる疾病、障害もしくは死亡又は感染症の発生を知った場合、試験責任医師は「疾病等報告書」に必要事項(疾病等の発生についての詳細等)を記載し、速やかに再生医療センター事務局に提出する。再生医療センター事務局から病院長に提出し、対応の指示を仰ぎ適切な対応を行う。また、病院長より認定再生医療等委員会に「疾病等報告書」(別紙様式第一、省令第三十五条関係)を提出する。認定再生医療等委員会の意見を聞いたうえで病院長から「疾病等報告書」(別紙様式第二、省令第三十六条関係)を東海北陸厚生局経由で厚生労働大臣に提出する。
以下に掲げる事項を知ったときは、それぞれに定める期間内に認定再生医療等委員会及び東海北陸厚生局経由で厚生労働大臣に報告する。
① 以下1)、2)に掲げる症例は7日以内
1) 死亡例
2) 死亡につながるおそれのある症例
② 以下ⅰ)からⅴ)に掲げる症例は15日以内
ⅰ) 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例
ⅱ) 障害例
ⅲ) 障害につながるおそれのある症例
ⅳ) 重篤である症例(ⅰ)〜ⅲ)に準ずるもの)
ⅴ) 後世代における先天性の疾病又は異常の症例
③ 再生医療等の提供によるものと疑われる又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症による疾病等の発生(①及び②に掲げるものを除く。)の場合は、再生医療等提供計画を地方厚生局長に提出した日から起算して60日ごとに当該期間満了後10日以内に報告する。

(実施状況の確認)
以上の事は、実施責任医師により管理者に随時報告する。また、管理者は随時実施内容を確認し必要な措置を講ずる。

(不適合の管理)
また、実施責任医師は再生医療等が再生医療等がこの省令又は再生医療等提供計画に適合していない状態であると知ったときは、管理者に報告し必要な措置を講ずる。
管理者は特に重大なものが判明した場合においては、速やかに認定再生医療等委員会に報告し、意見を聞くこととする。
最終投与終了2週間後に再診し、有害事象が生じていないかを評価する。一般血液検査とともに、ウイルス性肝炎等の感染症の罹患あるいは再活性化が無いかを確認するとともに、遡及調査のために血清または血漿を保管する。可能な限り終了6ヶ月、12ヶ月、24ケ月まで、有害事象の有無、画像診断および免疫モニタリング評価と合わせ、遡及調査のために血清または血漿を保管および転帰を追跡する。本療法の提供によるものと疑われるものが発生した場合には、認定再生医療等委員会及び厚生労働省に報告する。
最終投与終了2週間後に再診をする。投与終了後6ヶ月、12ヶ月、24ケ月までフォローを継続し、健康状態を把握する。
実施計画の公表日
2022年03月24日
募集終了 Not Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

金沢医科大学認定再生医療等委員会 Kanazawa Medical University Certified Committee for Regenerative Medicine
NB4150006
石川県河北郡内灘町字大学一丁目1番地 1-1 Daigaku, Uchinada-Cho, Kahoku-Gun, Ishikawa, Ishikawa
076-286-3511
saisei@kanazawa-med.ac.jp
第三種再生医療等のみを審査することができる構成
2021年11月18日

7 その他

診療情報は通常診療と同様に電子カルテに保管される。また、治療実施にかかる資料等を取り扱う際は、患者の個人情報等は無関係の番号を付して管理し(連結可能匿名化)、被験者の秘密保護に十分配慮する。治療の結果を公表する際は、被験者を特定できる情報を含まないようにする。
No
再生医療等の提供に係る関係者は年数回程度の学術集会等への参加により、情報収集および情報交換を行い、常に最新の知見を得ること。
苦情及び問い合わせを受けるための窓口は次のとおりとする。苦情および問い合わせの内容を確認し、診断や治療の対応は担当医師の判断により行う。
【問い合わせ窓口】 金沢医科大学病院 再生医療センター
事務局担当:吉田 健一
所在地:石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地
電話:076-218-8200
【委員会への問い合わせ窓口】 金沢医科大学認定再生医療等委員会(金沢医科大学病院臨床試験治験センター内) 
事務局 076-286-3511(内線5508)
電子メールアドレス:saisei@kanazawa-med.ac.jp
受付時間:月~金 9:00~17:00(開学記念日6月1日・土日祝日は除く)
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 5. ネオアンチゲン-IFNDC同意説明文書(1版)_v5_20211101_20230401病院長変更(被覆済み).pdf

変更履歴

種別 公表日
軽微変更 令和5年4月10日 (当画面) 変更内容
軽微変更 令和4年11月4日 詳細 変更内容
新規登録 令和3年12月2日 詳細