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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第三種
令和6年1月26日
令和6年4月1日
膠芽腫に対する複合免疫療法の安全性研究
膠芽腫に対する複合免疫療法の安全性研究
順天堂大学医学部附属順天堂医院
桑鶴 良平
標準治療として手術、放射線療法+TMZ、維持化学療法(TMZ+ベバシズマブ)が適応となるIDH野生型の膠芽腫を対象に、維持化学療法(TMZ+ベバシズマブ)に複合免疫療法(ニボルマブ、ネオアンチゲン由来ペプチド感作樹状細胞ワクチン、2DG-CTL)を併用した際の安全性を評価する。また有効性、免疫学的反応性について副次的に評価を行う。
1
膠芽腫
募集前
テモゾロミド、ベバシズマブ、ニボルマブ
テモダールカプセル20mg、100mg、アバスチン100mg、400mg、オプジーボ20mg、100mg、120mg、240mg
瀬田クリニックグループ認定再生医療等委員会
NB3140002

変更内容

管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
氏名:髙橋 和久
氏名:桑鶴 良平
令和6年4月1日
管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
Name:Takahashi Kazuhisa
Name:Kuwatsuru Ryohei
令和6年4月1日
28 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
病院開設許可(届出)事項一部変更届(写).pdf
令和6年4月1日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和6年4月1日
jRCTc031230593
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京都文京区本郷3-1-3
桑鶴 良平 Kuwatsuru Ryohei

(1)再生医療等の名称及び分類

膠芽腫に対する複合免疫療法の安全性研究 A safety study of combined immunotherapy for glioblastoma
膠芽腫に対する複合免疫療法の安全性研究 A safety study of combined immunotherapy for glioblastoma
第三種
当該治療で使用する再生医療(ネオアンチゲン樹状細胞)は、患者の末梢血を比重遠心して、単核球を分離し、抗原(ネオアンチゲン)を添加するなどの培養工程を経て、成熟化樹状細胞へ誘導し、経皮的に投与(皮下/皮内投与、リンパ節投与を含む)する。投与された樹状細胞はリンパ節へと遊走し、抗原提示することが期待されていることから相同利用に該当する。もう一つの再生医療(2DG-CTL)は、患者の末梢血より採取したリンパ球を培養・活性化し、再び患者本人の血管内に投与することから相同利用に該当する。 よって、第三種再生医療等技術に該当すると判断した。

(2)再生医療等の内容

標準治療として手術、放射線療法+TMZ、維持化学療法(TMZ+ベバシズマブ)が適応となるIDH野生型の膠芽腫を対象に、維持化学療法(TMZ+ベバシズマブ)に複合免疫療法(ニボルマブ、ネオアンチゲン由来ペプチド感作樹状細胞ワクチン、2DG-CTL)を併用した際の安全性を評価する。また有効性、免疫学的反応性について副次的に評価を行う。
1
実施計画の公表日
2025年12月31日
3
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
無治療対照 no treatment control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
(1)IDH野生型の膠芽腫と診断されている患者
(2)変異抗原検査を受け、腫瘍組織からの遺伝子解析を実施できた患者
(3)Karnofsky Performance Status (KPS)が70以上の患者
(4)本研究における治療開始後少なくとも3ヶ月以上の生存が予想される患者
(5)同意取得時の年齢が20歳以上の患者
(6)外来通院が可能な患者
(7)適格性確認時に肝・腎・骨髄の機能が十分に保持されている患者
(8)本研究の参加について文書同意が得られた患者
(1)Diagnosed with IDH-unmutated glioblastoma.
(2) Have a successful genetic analysis of tumor sample.
(3)Be at score 70 or over of Karnofsky Performance Status (KPS).
(4)Be expected to survive for 3months or longer after initiation of the study therapy.
(5)Be at age 20 or older.
(6)Visit outpatient department.
(7)Have an adequate function of liver, kidney, and bone marrow when eligibility is confirmed.
(8)Provide written consent to participate this study.
(1)臨床症状のある肺線維症または間質性肺炎を有する患者、またはその素因・既往のある患者
(2)重篤な薬物アレルギー既往のある患者
(3)HIV抗体あるいはHTLV-1抗体が陽性の患者
(4)重篤な心疾患を有する患者
(5)活動性の自己免疫疾患を有する患者
(6)膠芽腫以外の重複腫瘍を有する患者
(7)コントロール困難な感染症(敗血症、肺炎等)を有する患者
(8)妊娠中または妊娠の可能性のある婦人、授乳中の婦人
(9)その他、担当医師が被験者として不適当と判断した患者
(1)Be apparent from the clinical manifestation of pulmonary fibrosis or interstitial pneumonia.
(2)Have a history of a serious drug allergy.
(3)Have a positive result of HIV or HTLV-1 antibody test.
(4)Have a serious cardiac disorder.
(5)Have an active autoimmune disorder.
(6)Have a cancer other than glioma.
(7)Have an infectious disorder that is difficult to control.
(8)Be a female who is pregnant.
(9)A patient who is judged as inadequate for enrolment by doctors is excluded
20歳 以上 20age old over
上限なし No limit
男性・女性 Both
(1)投与細胞の品質、安全性、有効性に関し、本研究全体を中止あるいは中断すべきと判断するに至る重大な情報が得られた場合。
(2)研究参加者の安全性の確保が困難と判断された場合。
(3)規制当局および認定再生医療等委員会より、研究計画等の変更の指示があり、これを受け入れることが困難と判断された場合。
(4)規制当局および認定再生医療等委員会からの、意見に基づき中止を決定した場合。
(5)その他、上記以外の理由で研究計画書の遵守が不可能となった場合、あるいは研究責任者が本研究全体の中止あるいは中断を必要と判断した場合。
膠芽腫 glioblastoma
治療用細胞調製のための採血および研究用各種検査の採血。
治療用細胞(ネオアンチゲンDC)を6回、治療用細胞(2DG-CTL)を3回投与。
blood collection for cell culture and tests.
Administration of therapeutic cells(neoantigen DC) 6 times and cells(2DG-CTL ) 6 times
安全性 Safety
有効性、免疫学的反応性、治療用細胞の品質、QOL Efficacy, Immunological response, Quality of therapeutic cells, Quality of life
別添の通り

患者本人より、ネオアンチゲン樹状細胞はアフェレーシス(成分採血)で得られた血液から、約2週間かけて治療用細胞の培養・調製を行う。治療用細胞は、経皮的に投与(皮下/皮内投与、リンパ節投与を含む)する。もう一つの2DG-CTLもアフェレーシス(成分採血)で得られた血液から、約2週間かけて治療用細胞の培養・調製を行う。治療用細胞の投与に50ml生食を用いる場合、15分程度かけて血管内へ投与する。

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
近藤 聡英 Kondo Akihide
順天堂大学医学部附属順天堂医院 Juntendo University Hospital
脳神経外科
113-8431
東京都文京区本郷3-1-3 3-1-3, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo
03-3813-3111
knd-aki@juntendo.ac.jp
自施設
第三種のため該当しない。 自施設で当該研究に必要な救急医療が整備されている。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

井邊 寛 Ibe Hiroshi
順天堂大学 Juntendo University
健康総合科学先端研究機構(JARIHES)次世代細胞・免疫治療学プロジェクト
113-0033
東京都文京区本郷3-2-6-7F 3-2-6-7F, Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo
03-6801-5605
h-ibe@juntendo.ac.jp
医師
近藤 聡英
順天堂大学医学部附属順天堂医院
脳神経外科
医師
秋山 理
順天堂大学医学部附属順天堂医院
脳神経外科
医師
鈴木 まりお
順天堂大学医学部附属順天堂医院
脳神経外科
医師
清水 勇三郎
順天堂大学医学部附属順天堂医院
脳神経外科
順天堂大学
神垣 隆
順天堂大学
健康総合科学先端研究機構(JARIHES)次世代細胞・免疫治療学プロジェクト
順天堂大学医学部附属順天堂医院
藤林 和俊
順天堂大学医学部附属順天堂医院
臨床研究・治験センター 臨床研究支援室 室長
順天堂大学医学部附属順天堂医院
眞野 訓
順天堂大学医学部附属順天堂医院
臨床研究・治験センター 信頼性品質保証室 室長
順天堂大学
神垣 隆
順天堂大学
健康総合科学先端研究機構(JARIHES)次世代細胞・免疫治療学プロジェクト
順天堂大学
神垣 隆
順天堂大学
健康総合科学先端研究機構(JARIHES)次世代細胞・免疫治療学プロジェクト

(3)多施設共同研究に関する事項

医療法人社団滉志会 瀬田クリニック東京
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル 3F
03-5244-5751
後藤 重則
後藤 重則 Shigenori Goto
医療法人社団滉志会 Koshikai, Non-profit Medical Corporation
瀬田クリニック東京
101-0062
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル 3F
03-5280-0086
info@j-immunother.com
小熊 恵利
医療法人社団滉志会
臨床研究・治験センター
101-0062
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル 3F
03-5244-5751
citeg@j-immunother.com
後藤 重則
医療法人社団滉志会
瀬田クリニック東京
自施設
第三種のため該当しない。
救急医療のため救急カートを準備している。
医療法人社団滉志会 瀬田クリニック東京
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル 3F
03-5244-5751
後藤 重則
後藤 重則 Shigenori Goto
医療法人社団滉志会 Koshikai, Non-profit Medical Corporation
瀬田クリニック東京
101-0062
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル 3F
03-5280-0086
info@j-immunother.com
小熊 恵利
医療法人社団滉志会
臨床研究・治験センター
101-0062
東京都千代田区神田駿河台2-1-45 ニュー駿河台ビル 3F
03-5244-5751
citeg@j-immunother.com
瀧本 理修
医療法人社団滉志会
瀬田クリニック東京
自施設
第三種のため該当しない。
救急医療のため救急カートを準備している。

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

患者自己末梢血単核球
瀬田クリニック東京
細胞提供者と再生医療等を受ける者が同一。

「主たる選択基準」
(1)IDH野生型の膠芽腫と診断されている患者
(2)変異抗原検査を受け、腫瘍組織からの遺伝子解析を実施できた患者
(3)Karnofsky Performance Status (KPS)が70以上の患者
(4)本研究における治療開始後少なくとも3ヶ月以上の生存が予想される患者
(5)同意取得時の年齢が20歳以上の患者
(6)外来通院が可能な患者
(7)適格性確認時に肝・腎・骨髄の機能が十分に保持されている患者
(8)本研究の参加について文書同意が得られた患者

「主たる除外基準」
(1)臨床症状のある肺線維症または間質性肺炎を有する患者、またはその素因・既往のある患者
(2)重篤な薬物アレルギー既往のある患者
(3)HIV抗体あるいはHTLV-1抗体が陽性の患者
(4)重篤な心疾患を有する患者
(5)活動性の自己免疫疾患を有する患者
(6)膠芽腫以外の重複腫瘍を有する患者
(7)コントロール困難な感染症(敗血症、肺炎等)を有する患者
(8)妊娠中または妊娠の可能性のある婦人、授乳中の婦人
(9)その他、担当医師が被験者として不適当と判断した患者
細胞提供者と再生医療等を受ける者が同一。
また、上記以外の適格性確認として、患者背景の確認、ウイルス検査を実施する。
複合的免疫療法(樹状細胞ワクチン療法ならびに2DG-CTL)を受ける患者本人より、成分採血で得られた血液から、治療用細胞の培養・調製に必要な末梢血単核球を回収する。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

がん特異的変異抗原感作樹状細胞
(ア)特定細胞加工物の製造方法
ネオアンチゲン樹状細胞の調製は、厚生労働省に許可された株式会社メディネット(以下、メディネット社)が所有する細胞培養加工施設にて、再生医療等安全性確保法における細胞培養加工施設基準並びに製造および品質管理基準を順守し、特定細胞物概要書に基づき、作成した「特定細胞加工物標準書」に従い実施する。
被験者本人から得た末梢血を培養、サイトカイン等の刺激を加えることで未熟樹状細胞に分化させる。治療用細胞は洗浄・回収後、凍結保存液中に懸濁し、凍結する。

(イ)特定細胞加工物の検査方法
規格検査として細胞数のカウント、生細胞率の測定、無菌検査、エンドトキシン検査を実施する。

(ウ)特定細胞加工物の保管方法
ネオアンチゲン樹状細胞は、出荷から細胞投与前まで専用の輸送箱で凍結保存(輸送中はドライアイスを用いる)。
治療用細胞を解凍してから、処置室にて経皮的に投与(皮下/皮内投与、リンパ節投与を含む)する。
株式会社メディネット
FA3150001
株式会社メディネット 品川細胞培養加工施設
特定細胞加工物の加工、品質検査、輸送等に関わる業務(。
2DG-CTL細胞
(ア)特定細胞加工物の製造方法
2DG-CTL細胞の調製は、厚生労働省に届出した順天堂大学が所有する細胞培養加工施設(以下、順天堂セルプロセッシング室)にて、再生医療等安全性確保法における細胞培養加工施設基準並びに製造および品質管理基準を順守し、特定細胞物概要書に基づき、作成した「特定細胞加工物標準書」に従い実施する。
患者本人から得た末梢血単核球とネオアンチゲン樹状細胞を共培養することで、アルファ・ベータT細胞を刺激・増殖させる。培養後、治療用細胞を回収し、洗浄後、点滴剤に調製する。

(イ)特定細胞加工物の検査方法
規格検査として細胞数のカウント、生細胞率の測定、無菌検査、エンドトキシン検査を実施する。

(ウ)特定細胞加工物の保管方法
2DG-CTL細胞は、出荷から細胞投与前まで専用の輸送箱で冷蔵保管(凍結を避ける)。
治療用細胞を室温に戻し、処置室にて点滴により静脈投与。
順天堂大学
FC3160087
順天堂大学セル・プロセシング室
該当なし

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

医薬品
適応外
テモゾロミド
テモダールカプセル20mg、100mg
21800AMX106130004219、21800AMX10613000
MSD株式会社
東京都千代田区九段北一丁目13番12号
医薬品
適応外
ベバシズマブ
アバスチン100mg、400mg
21900AMX00910、21900AMX00921
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1
医薬品
未承認
ニボルマブ
オプジーボ20mg、100mg、120mg、240mg
22600AMX00768000、22600AMX00769000、30200AMX00925000、23000AMX00812000
小野薬品工業株式会社
大阪府大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

株式会社メディネット
予定
細胞培養の資材

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

MSD株式会社
予定
医薬品
中外製薬株式会社
予定
医薬品
小野薬品工業株式会社

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

樹状細胞は、外来性の異物や内因性の異常抗原を認識し、Tリンパ球に対して抗原を提示する「抗原提示細胞」として最も重要な細胞である。樹状細胞は、末梢血中にもごく少数(0.5%以下)存在しており、最近では、末梢血中の単球をサイトカインであるGM-CSF、IL-4で刺激することにより未成熟樹状細胞が誘導され、さらに抗原やサイトカインによる追加の刺激によって成熟樹状細胞に分化することが分かってきた。実際に、樹状細胞を用いてがん細胞に対する特異的なTリンパ球を誘導し、抗腫瘍免疫を賦活する治療(樹状細胞療法)が行われており、悪性黒色腫患者において高い治療効果が報告されている。
また、先行研究として実施した「悪性腫瘍に対するネオアンチゲン由来ペプチド感作樹状細胞ワクチン療法の安全性を見る試験」(UMIN ID:000032981)では、研究に登録された5症例に対し、同定したネオアンチゲンを4種類使用し樹状細胞(DC)を30投与行い、発生した有害事象のうち本研究に関する副作用(発熱)が1件認められたがGrade1であり、安全に施行できたことが報告されている。

活性化自己リンパ球療法の安全性についてはこれまでに多くの臨床試験にて評価されており、一般的に重篤な有害事象を認めることなく安全に実施できることが報告されている(Egawa K, Anticancer Res, 2004; 24: 3321-3326)。また、瀬田クリニックグループでは、免疫細胞療法を受けた患者144例に対して、安全性の調査を実施している。調査対象となった計771回の免疫細胞療法には、484回のαβT細胞療法、58回のγδT細胞療法が含まれ、これらと関連性が否定できない有害事象として以下が報告されている。ここで挙げた有害事象の他にも、その他の非血液毒性やGrade3以上の血液毒性をわずかに認めたが、原疾患の悪化や併用する化学療法の副作用に関連するものであり、免疫細胞療法との関連性はないと判断され、安全に実施可能であることが報告されている(Kamigaki T, Anticancer Res. 2014;34 (8):4601-7.)。
また、先行研究として実施した「悪性腫瘍に対する2DG-αβTの安全性を見る試験」(jRCTc030210184)では、細胞培養に使用する2DGは、これまでさまざまな臨床研究で投与されてきた量と比べ、少なく、洗浄操作等によりさらに希釈される。登録3症例に対し11投与を行い、免疫細胞療法による有害事象はなく安全に施行できたことが報告されている。
効率的な抗原提示としてがん共通抗原を用いたペプチドワクチンが開発されてきたが、ペプチド特異的傷害性Tリンパ球(CTL)は誘導可能であっても、がん細胞表面に十分量の抗原ペプチドが提示されてない場合や、抗原ペプチドに対するCTL結合能が減弱している場合には、その効果は非常に限定的であることが報告されている。一方、がん細胞は遺伝子突然変異によって正常な増殖制御を失うことで増殖し、遺伝子変異をその過程のなかで蓄積しているが、近年の次世代シーケンサーの登場により、こうした個々のがん細胞で生じている遺伝子変異を正確に解析できるようになった。これらのがん細胞の遺伝子変異に由来する腫瘍特異的変異抗原を「ネオアンチゲン」という。ネオアンチゲンは正常な細胞には存在しないため、「非自己」として認識され、がん固有の目印として強い免疫反応の標的になると考えられている。ネオアンチゲンを用いた樹状細胞ワクチンは特異的なT細胞免疫反応を惹起し、がんに対して強い傷害活性を誘導することが示されている。

活性化されたアルファ・ベータT細胞のはたらきにより、ストレスや栄養状態、老化等の要因により免疫機能が低下した状態にある人の体内免疫環境を改善し、感染症やがんへの罹患リスクを低下させることができる可能性がある。
また、悪性腫瘍患者を対象とした活性化自己リンパ球療法の再発予防(術後アジュバント療法)としての有効性は、国立がんセンターでは、肝がん切除患者に対する無作為ランダム化比較試験が実施され、無治療群に比べて免疫細胞療法群では有意な再発率減少と無再発期間の延長が確認されている(Takayama T, Lancet. 2000;356)。同様の検証は海外でも実施されており、韓国Samsung Medical Centerにて肝がん切除患者に対する無作為ランダム化比較試験が行われ、無治療群に比べて免疫細胞療法群で有意な無再発期間および全生存期間の延長が確認されている(Lee JH, Gastr oenterology 2015;148)。また、千葉県がんセンターでは 、非小細胞肺がん患者を対象に無作為ランダム化比較試験を実施し、術後アジュバント療法としての免疫細胞療法の効果を検証し報告している。この試験では、患者リンパ節由来のT細胞および樹状細胞を用いた免疫細胞療法と化学療法を併用した群において、化学療法単独群に比べ無再発期間および全生存期間の有意な延長を確認している(Kimura H, Cance r Immunol Immunother. 2015;64)。
また、2DGを用いることで、 従来の培養法で得られるT 細胞と比較して、がん細胞への傷害活性の向上、NK 細胞様の特徴を有し、さらにがん細胞の分泌する物質による免疫機能低下を回避することができるため、がんに対する免疫細胞治療の効果の向上が見込まれると報告をしている。
再生医療等を実施する医師は、毎投与時に、品質検査結果等が記載された文書を確認し、また患者の容態を慎重に確認した上で投与可否を判断し、投与可と判断した場合のみ投与を実施する。
治療用細胞は、規格検査として細胞数のカウント、生細胞率の測定、無菌検査、エンドトキシン検査を実施し、疑義が生じた場合には再生医療等を実施する医師又は実施責任者へ報告し、治療用細胞の投与可否判断等を協議。無菌検査は培養工程中にも適宜実施するが、最終加工物の無菌検査の結果は投与後に判明するため、結果が陽性であった場合には直ちに細胞培養加工施設の施設管理者、再生医療等を実施する医師、実施責任者および研究責任者に報告を行い、当該患者と連絡を取り必要な対応を行う。
治療終了後5年
廃棄する場合は、原則として、不活性化処理を行った上で適切な方法で廃棄する。
有害事象の発症を認めたときは、直ちに適切な処置を行うとともに、カルテに記載する。また、投与を中止した場合や、有害事象に対する治療が必要となった場合には、当該患者にその旨を伝える。

(1)重篤な副作用※の報告
再生医療等を実施する医師は、研究期間中に重篤な副作用を認めた場合は、速やかに実施責任者および当該実施医療機関の長へ報告するとともに、研究事務局を通じて研究責任者および代表管理者へ報告する。研究責任者は、当該副作用情報について、再生医療等安全性確保法に準じ、規定の期日内に認定再生医療等委員会および厚生労働大臣へ報告する。
※重篤な副作用は、省令に準じて定義する。

(2)重篤な有害事象(副作用を除く)の報告
再生医療等を実施する医師は、研究期間中に、副作用と判断されるもの以外の重篤な有害事象の発生に関する情報を入手した場合は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に準じて、各実施医療機関の規定に従い、当該実施医療機関の長、研究責任者および研究事務局へ報告する。

(3)重篤な有害事象に関する情報の共有
研究事務局は、研究期間中に確認された重篤な有害事象情報について、速やかに共同研究機関に適切な手段により共有する。

(4)非重篤な副作用発生時の報告
再生医療等を実施する医師は、研究期間中に重篤な副作用に該当しないもの(非重篤な副作用)を認めた場合は、研究事務局を通じて研究責任者へ報告する。研究責任者は、当該副作用情報について、再生医療等安全性確保法に準じ、認定再生医療等委員会へ定期的に報告する。
安全性の評価に必要な情報を得るため、免疫細胞療法終了(研究終了)後も健康状態等の確認のため、電話あるいは調査票等により、定期的な調査を可能な範囲で継続する。
下記検査項目を適切に実施する。
臨床症状、バイタルサイン、血液検査
実施計画の公表日
募集前 Pending

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

瀬田クリニックグループ認定再生医療等委員会 Seta Clinic Group Certified Committee for Regenerative Medicine
NB3140002
東京都千代田区神田駿河台2-1-45ニュー駿河台ビル3階 3F New Surugadai Bld. 2-1-45 Kanda-Surugadai, Chiyoda-ku Tokyo., Tokyo
03-5244-5751
ccrm@j-immunother.com
第三種再生医療等のみを審査することができる構成
2023年10月02日

7 その他

本研究の実施に係る原資料類および同意文書等を取り扱う際は、患者の秘密保護に十分配慮し、「再生医療等安全性確保法」、「個人情報の保護に関する法律」に準じて個人情報を管理する。
病院外に提出する報告書等では、患者識別コードを用いて匿名化して管理する。本研究の結果を公表する際は、患者を特定できる情報を含めないように管理し、また、研究の目的以外に本研究で得られた患者データを使用しない。その他、患者から得た細胞や血液等の試料を検査等で外部機関(特定細胞加工物製造事業者も含む)へ渡す際は、その外部機関に個人情報管理の為に必要かつ適切な安全管理措置を講じさせるものとする。
No
なし none
再生医療等提供機関管理者又は実施責任者は、再生医療等を適正に行うために定期的に教育又は研修の機会を確保する。
再生医療等を行う医師又は歯科医師その他の再生医療等に従事する者は、再生医療等を適正に行うために定期的に適切な教育又は研修を受け、情報収集に努める。
担当者:近藤 聡英
順天堂大学医学部附属順天堂医院 脳神経外科
東京都文京区本郷3-1-3
電話:03-3813-3111(内線 5675) 平日 午前10時‐午後5時(平日夜間、土日・祝日除く)
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 添付4【マスキング】_同意説明文書(膠芽腫_安全性)_231115v2.pdf

変更履歴

種別 公表日
軽微変更 令和6年4月1日 (当画面) 変更内容
変更 令和6年2月21日 詳細 変更内容
新規登録 令和6年1月26日 詳細