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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第三種
令和元年10月1日
令和3年12月17日
令和3年12月1日
切除後の膵臓癌に対するS-1併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法とS-1単独療法のランダム化第II相臨床研究
切除後の膵臓癌に対するWT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法
信州大学医学部附属病院
川眞田 樹人
切除後の膵臓癌に対して標準治療であるS-1投与を実施した上で、さらにWT1パルス樹状細胞ワクチン療法を併用することで上乗せ効果が得られるか否かを明らかとする
2
膵臓癌
募集中断
ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末、フィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液
ピシバニール、グランシリンジ75
国立大学法人信州大学認定再生医療等委員会
NB3150023

中止内容

令和3年12月1日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和3年12月1日
jRCTc031190107
信州大学医学部附属病院
長野県松本市旭3丁目1番1号
川眞田 樹人 Mikito Kawamata

(1)再生医療等の名称及び分類

切除後の膵臓癌に対するS-1併用WT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法とS-1単独療法のランダム化第II相臨床研究 Randomized phase II clinical trials of S-1 combination WT1 peptide pulse dendritic cells vaccine therapy and S-1 monotherapy for pancreatic cancer following curative resection( PANC-DC/S1 )
切除後の膵臓癌に対するWT1ペプチドパルス樹状細胞ワクチン療法 WT1 peptide pulse dendritic cells vaccine therapy for pancreatic cancer following resection( PANC-DC )
第三種
本再生医療等においては人の胚性幹細胞/人工多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞は用いず、遺伝子導入も行わず、さらに動物の細胞も用いない。投与を受ける患者自身の細胞を用いるが、幹細胞ではなく末梢血中に含まれている単球を利用する。これを患者の体外で樹状細胞に培養分化させ患者に投与するため、人の身体の構造又は機能の再建、修復又は形成を目的とする医療技術ではない、相同利用に該当すると判断した。

(2)再生医療等の内容

切除後の膵臓癌に対して標準治療であるS-1投与を実施した上で、さらにWT1パルス樹状細胞ワクチン療法を併用することで上乗せ効果が得られるか否かを明らかとする
2
2020年04月01日
2025年03月31日
144
介入研究 Interventional
無作為化比較 randomized controlled trial
非盲検 open(masking not used)
実薬(治療)対照 active control
並行群間比較 parallel assignment
予防 prevention purpose
1) 臨床試験の被検者として実施することに関する説明を十分に理解し、書面による同意を取得していること。
2) 治癒切除症例で治癒切除後に術後補助療法としてS-1を投与する患者であること。但し、術前治療を実施していないこと。
3) 経口摂取が可能な全身状態であること。
4) 年齢が同意取得時に20歳以上の患者であること。
5) PS(ECOG)が0〜1の患者であること。
6) 本研究開始時に、他の臨床研究等に参加していないこと。
7) 過去3年間に化学療法、放射線療法の治療歴がないこと。
8) 末梢血単核球を採取するための成分採血(アフェレーシス)に耐えうる心臓血管系の機能を有すること。
9) 骨髄、肝臓、腎臓の機能が適度に維持されていること。
具体的には登録前14日以内の最新検査値が、以下の基準を満たす患者であること。  
 1 白血球数 ≧ 3,000 / μL、≦ 12,000 / μL  
 2 ヘモグロビン値 ≧ 8.0 g / dL  
 3 血小板数 ≧ 100,000 / μL  
 4 総ビリルビン ≦ 2.0 mg / dL   
 5 AST ≦ 100 IU / L    
 6 ALT ≦ 100 IU / L    
 7 血清クレアチニン ≦ 1.2 mg / dL  
10) B型肝炎ウイルス抗原陰性かつC型肝炎ウイルス、HTLV-1、HIV抗体、梅毒スピロヘータが陰性の患者であること。
11) 事前のHLA検査においてWT 1ペプチドに対する適合性が確認できている症例であること。(HLA-A*24:02またはHLAA*02:01を有していること)
1) Achieving a good understanding of the clinical trial, the patients' role as subjects of the trial, and acquiring a written consent.
2) Patients underwent S-1 as adjuvant postoperative treatment following curative resection. However, they should not have undergone other preoperative treatments.
3) Patients must have a normal oral intake.
4) Patients must be aged 20 years or older at the time of agreement acquisition.
5) Patients' PS (ECOG) must be 0 to 1.
6) When enrolling in the study, individuals should not be participating in other clinical studies.
7) No history of treatment of chemotherapy or radiotherapy in the past 3 years.
8) The cardiovascular system has a sufficient function to undergo apheresis of peripheral-blood mononuclear cells.
9) Sufficient functionality of bone marrow, liver, and the kidneys is maintained. Specifically, the patients must satisfy the following criteria within 14 days of pre-registration.
1 White blood cell count >3,000/microL, <12,000/microL
2 Hemoglobin >8.0 g/dL
3 Platelet >100,000/microL
4 Total bilirubin <2.0 mg/dL
5 AST <100 IU/L
6 ALT <100 IU/L
7 Serum creatinine <1.2 mg/dL
10) Negative lab results for HBV, HCV, HTLV-1, HIV, and syphilitic spirochete.
11) Compatibility of HLA typing for the WT1 peptide (with HLA-A 24:02 or HLA-A 02:01).
同意取得時に以下の除外項目に抵触する場合、本試験の対象としない。
1) 術前に抗がん剤または放射線治療を行った患者。
2) 登録前に局所、遠隔再発・腹膜播種が確認された患者。
3) 腫瘍組織標本において免疫組織学的にWT 1の発現が確認されなかった患者。
4) 胸部レントゲン、腹部CTにて中等度以上の胸腹水が認められる患者。
5) 活動性の重複癌を有する患者。
6) OK-432およびペニシリンGにアレルギーの既往のある患者。
7) コントロール不良の下痢、高血圧症、糖尿病を合併している患者。
8) 不安定狭心症(3週間以内に発症または発作が増悪している狭心性)を合併、または6ヵ月以内の心筋梗塞の既往を有する患者。
9) コントロール不良なうっ血性心不全、不整脈などの重大な心疾患、脳血管疾患を有する患者。心不全はNew York Heart Association functional classificationにてclass IIIまたはIVに該当する患者。
10) 重度な肺線維症、間質性肺炎を有する患者。
11) 重篤な合併症(心不全、腎不全、肝不全、活動性の消化性潰瘍、腸管麻痺など)を有する患者。
12) 免疫抑制剤、副腎皮質ホルモン(プレドニンもしくはプレドニゾロン換算量10 mg 以上/日)を内服している患者。
13) 重篤な薬物アレルギーを有する患者。
14) 骨髄異形成症候群(MDS)を有する、もしくは疑われる患者。
15) 38℃以上の発熱をきたす活動性の感染症(ウイルス性肝炎を除く)を有する患者。
16) 登録前2週間以内に輸血を必要とした患者。
17) フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤および抗真菌剤、フェニトイン、フルファリンカリウムの投与中の患者。
18) 免疫チェックポイント阻害薬の投与中である、または投与予定がある患者。
19) 妊娠中、授乳中の女性、または適切な方法で避妊を実施しない患者、妊孕性の温存希望、または挙児を希望する患者。
20) 精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される患者。
21) 自己免疫疾患の確定診断がなされている患者。
22) その他、担当医が不適と判断した患者。
When the agreement acquisition conflicts with the following exclusion items, the patient cannot participate to this study. Exclusion criteria are as follows:
1) Patients who preoperatively received chemotherapy or radiotherapy for cancer treatment.
2) Patients who experienced, before registration, any recurrence, peritoneal dissemination, or peritoneal dissemination.
3) Patients for whom immunohistochemistry did not confirm WT 1 expression in the tumor tissue specimen.
4) Patients identified with moderate or severe pleural effusion or ascites fluid by chest X-rays and abdominal CT.
5) Patients with multiple primary cancers.
6) Patients with a history of allergy to OK-432 and penicillin G.
7) Patients with diarrhea, hypertension, and diabetes under poor control.
8) Patients with unstable angina (developing or progression within 3 weeks) or a history of myocardial infarction within 6 months.
9) Presence of a serious heart disorder (e.g., uncontrolled heart failure or arrhythmia). Patients with cerebrovascular disease. Patients with heart failure should match class III or IV in the New York Heart Association functional classification.
10) Patients with severe pulmonary fibrosis or interstitial pneumonia.
11) Patients with serious complications (e.g., heart failure, renal failure, hepatic failure, peptic ulcer, and intestinal paralysis).
12) Patients taking an immunosuppressive drug or an adrenal cortical hormone (more than 10mg/day with conversion of prednisolone).
13) Patients with a serious drug allergy.
14) Patients suspected of having or diagnosed with myelodysplastic syndrome (MDS).
15) Patients with an active infection (except the viral hepatitis) causing a fever of 38 degrees Celsius or higher.
16) Patients requiring transfusion within two weeks pre-registration.
17) Patients undergoing fluoropyrimidine antineoplastic and antifungal agents, phenytoin or flufarin potassium treatments.
18) Patients planning on or currently receiving immune checkpoint inhibitor.
19) Pregnancy or lactation, or women inappropriately performing contraception, or who wish to preserve fertility, or wish to raise a baby.
20) Patients diagnosed with psychosis or psychiatric symptoms, and are judged to have difficulty in participating in the study.
21) Patients diagnosed with an autoimmune disease.
22) Patients who considered a medical attendant inappropriate for any reason .
20歳 以上 20age old over
上限なし No limit
男性・女性 Both
以下のいずれかに該当する場合は、当該被験者の試験治療を中止する。
1) 有害事象による中止基準に合致した/ADVERSE EVENT 
CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Events)version 5に基づくGrade 4以上に相当する未知の非血液毒性が出現した場合
その他の有害事象により試験治療を継続できない場合
2) 再発した/DISEASE RELAPSE
寛解後、試験治療終了前に再発した場合
3) 継続基準を満たしていなかった/FAILURE TO MEET CONTINUATION CRITERIA
各コースの開始基準を満たさなかった場合
4) 有効性が欠如した(効果不十分)/LACK OF EFFICACY
病状の増悪を認めた場合
5) 実施医師または実施責任者により投与中止が適切と判断された/DISCONTINUATION BY PHYSICIAN DECISION
6) 事後不適格等の著しいプロトコル逸脱が判明した/PROTOCOL VIOLATION
プロトコル違反が判明して治療を中止した場合
対象から除外すべき条件が投与開始後に判明した場合
7) 代諾者による試験薬投与中止の申し出があった/DISCONTINUATION BY PARENT/GUARDIAN
8) 被験者による試験薬投与中止の申し出があった/DISCONTINUATION BY SUBJECT
膵臓癌 Pancreatic cancer
C535836
治癒切除後の膵臓癌に対して、WT1パルス樹状細胞ワクチン療法を実施した際の有効性についてS-1療法単独群を対照に検討する For patients with pancreatic cancer following curative resection, investigate the disease control according to immunotherapy, providing WT1 pulsed dendritic cells vaccine in addition to S-1 chemotherapy.
無再発生存期間(RFS) Relapse free survival (RFS)
全生存期間(OS)
S-1療法単独群における追加ワクチン実施の有無による全生存期間
免疫モニタリング(Tetramer解析、ELISpotアッセイ、DTH)とOS、RFS、有害事象発生頻度
Overall survival (OS)
Overall survival following the additive WT1 pulsed DC vaccine therapy within the S-1 chemotherapy group.
Immunological monitoring (Tetramer analysis, ELISpot assay, DTH) and relationship with OS, RFS, and incidence of adverse events.
治癒切除後の膵臓癌に対して標準療法であるS-1 療法単独群とS-1療法にWT1パルス樹状細胞ワクチン療法を併用した群の治療成績を比較する。この比較検討によってS-1療法にWT1パルス樹状細胞ワクチン療法を併用することによる有効性の有無を明らかにするとともに、S-1療法単独群においては再発が確認された時点でWT1パルス樹状細胞ワクチン療法を追加することによる有効性の有無を検証する。
なお、詳細については別添の通り。

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
柳沢 龍 Yanagisawa Ryu
80532043
信州大学医学部附属病院 Shinshu University Hospital
先端細胞治療センター
390-8621
長野県松本市旭3丁目1番1号 3-1-1, Asahi, Matsumoto, Nagano
0263-37-3240
ryu@shinshu-u.ac.jp
自施設
高度救命救急センターおよび救急科。センターとして病棟に一般病床9床、及び救急患者に対応可能な集中治療用ベッドとして20床が確保されている。緊急手術についてもセンターに1室を有するほか、手術部(18室)で対応可能である。 救急医療に対応できる十分な設備が配置され、CT、MRI、一般エックス線検査装置、心竜図、血液検査装置、血液ガス分析装置、輪血及び輸液のための装置等が設備されている。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

小山田 昭子 Oyamada Akiko
信州大学医学部附属病院 Shinshu University Hospital
経営管理課
390-8621
長野県松本市旭3丁目1番1号 3-1-1, Asahi, Matsumoto, Nagano
0263-37-2751
0263-37-3023
saisei-shinshu@shinshu-u.ac.jp
医師
柳沢  龍
80532043
信州大学医学部附属病院
先端細胞治療センター
医師
小泉 知展
20273097
信州大学医学部附属病院
信州がんセンター
医師
副島 雄二
30325526
信州大学医学部附属病院
消化器/移植/小児外科
医師
神田 慎太郎
信州大学医学部附属病院
信州がんセンター
医師
福島 敏郎
信州大学医学部附属病院
信州がんセンター
医師
下平 滋隆
80345751
金沢医科大学病院
再生医療センター
医師
水田 秀一
金沢医科大学病院
血液免疫内科
医師
安本 和生
金沢医科大学病院
腫瘍内科
信州大学医学部附属病院
高木 佳子
信州大学医学部附属病院
臨床研究支援センター研究支援部門デ-タ管理グル-プ
信州大学医学部附属病院
小澤 優香
信州大学医学部附属病院
臨床研究支援センター研究支援部門モニタリンググル-プ
信州大学医学部附属病院
柳沢 龍
80532043
信州大学医学部附属病院
先端細胞治療センター

(3)多施設共同研究に関する事項

金沢医科大学病院 
石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地
076-286-2211
北山  道彦
下平 滋隆 Shimodaira Shigetaka
80345751
金沢医科大学病院 Kanazawa Medical University Hospital
再生医療センター
920-0293
石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地
076-218-8200
shimodai@kanazawa-med.ac.jp
桝田 直美
金沢医科大学病院
再生医療センター
920-0293
石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地
076-218-8200
076-218-8210
n-taka@kanazawa-med.ac.jp
下平 滋隆
金沢医科大学病院
再生医療センター
救命救急センターおよび救急科。
センターとして病棟に一般病床5床(3号棟5F)、及び救急患者に対応可能なハートセンター及び集中治療センター用ベッドとして20床が確保されている。緊急時についてもセンターに重症処置室を有するほか、手術部(12室)で対応可能である。救急医療に対応できる十分な設備が配置され、CT、MRI、一般エックス線、検査装置、心竜図、血液検査装置、血液ガス分析装置、輪血及び輸液のための装置等が設備されている。

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

樹状細胞ワクチン
再生医療等提供機関と同じ。
実施医療機関において切除後の膵臓癌患者を候補とし、更に本研究では細胞提供者と治療を受ける者が同一となるため、再生医療等を受ける者の選定基準に記載された項目に基づき実施される。
細胞提供者と治療を受ける者が同一となるため、再生医療等を受ける者の選定基準に記載された項目に基づいて確認する。
血液成分採取装置を用いて患者の末梢血4〜5 Lを処理して、60〜120 mLの単核球を採取する(アフェレーシス)。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

樹状細胞ワクチン
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」の構造設備基準に対応した細胞・組織調製施設(CPC)において、特定細胞加工物概要書に従い成熟樹状細胞を作製する。具体的には末梢血中に含まれる単球細胞を回収するとともに、サイトカイン添加により樹状細胞に分化誘導する。最終的にWT1ペプチドワクチンのパルスを併用した後に成熟樹状細胞ワクチンとする。樹状細胞ワクチンの表面形質分析、品質分析(無菌試験、エンドトキシン試験、マイコプラズマ否定試験)を実施し、特定細胞加工物標準書との適合性を判断する。投与が完了するまではCPC内で-135℃以下の冷凍庫または液体窒素気相にて保管管理する。
凍結ワクチンを解凍し皮内投与する。
国立大学法人信州大学 学長 濱田州博
FC3150371
信州大学医学部附属病院先端細胞治療センター細胞・組織調製施設
委託は行わない

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

医薬品
適応外
ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末
ピシバニール
21800AMX10782
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1
医薬品
適応外
フィルグラスチム(遺伝子組換え)注射液
グランシリンジ75
21400AMZ00187
協和発酵キリン株式会社
東京都千代田区大手町1-6-1

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

米国 Miltenyi Biotec社
協和ファーマケミカル㈱
中外製薬㈱
日本全薬工業㈱
㈱ペプチド研究所

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

信州大学医学部附属病院にて先進医療の枠組みで実施された「樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法」(公知番号26)では、平成24年9月〜平成28年3月までに、のべ223例(膵臓癌64,大腸癌56,肺癌42,乳癌39,胃癌22)(膵臓癌4例, 乳癌2例,胃癌1例は2コース目,乳癌1例は3コース目の適用例を含む)にアフェレーシスが実施された。1コースのワクチン投与を完遂できた症例は198例(89
%)であった。脱落例はのべ25例(11 %)に認められており、主に原疾患の増悪による死亡例であった。

安全性の評価結果
①アフェレーシスに関して
223例中末梢血管確保が困難であった13例に対して12例は中心静脈ライン、1例は動脈ラインを確保した上でアフェレーシスが実施された。1例で血管確保により血管迷走神経反射(VVR)、16例で血圧低下等の所見は認められたが、その他アフェレーシスに関連する重篤な合併症は認めなかった。VVRの1例も自然軽快している。

②ワクチン投与に関して
1コース完遂例(N=198)において、投与後48時間以内の37.0℃以上の発熱反応は初回65%、最終投与時は60%の割合にみられ,発熱反応は初回37.3 ± 0.7℃、最終投与時37.3 ±0.8℃であり、解熱鎮痛剤により対応できた。接種部位の発赤最大径は,初回30.4 ± 25.5 mm、最終投与時 45.0 ±36.2 mmと増強していた。接種部位の硬結最大径は,初回11.3 ± 10.6 mm、最終投与時19.3 ± 14.1 mmと同様に増強していた。発熱反応および皮膚反応において忍容性はあると考えられた。樹状細胞ワクチン投与(補助薬のOK-432を含む
)による重症アレルギー反応やアナフラキシーショックはなかったが、Grade 2の前胸部皮疹、咽頭不快感を自覚した急性アレルギー反応が2例でみられた。いずれも抗アレルギー薬で軽快したため予定治療の完遂は可能であった。後者の例では、同様のペプチドを適用した3コース目が実施されているが急性アレルギー反応は認めなかった。
免疫学的モニタリングの診断技術として1)WT1 Tetramer 解析かつ/あるいは2)ELISpotアッセイの標準化を進め,既に判定方法についての報告を行っている。
この実績に基づき1コースの治療完遂例を対象として、同手法を用いたWT1特異的能動免疫獲得の評価を行った。HLA-A*24:02 WT1 Tetramer解析の実施件数は114件で陽性93例(81.6%)、ELISpotアッセイ実施件数は189件で、110例(58.2%)で陽性を確認することが可能であった。HLA-A*24:02 WT1 Tetramer解析かつ / またはELISpotアッセイのいずれか陽性となった症例は、解析189例中123例(65.1%)であった。HLA-A*24:02を有する膵臓癌疾患に限定して解析した場合、HLA-A*24:02 WT1 Tetramer解析かつ / あるいはELISpotアッセイのいずれか陽性を示した割合は84.0 %であった。
一方、これまでに信州大学医学部附属病院を含む多施設共同研究にて進行膵臓癌に対して化学療法併用の樹状細胞ワクチン療法の併用について複数の報告がなされている。特に免疫学的反応であるdelayed type hypersensitivity(皮膚反応 3 cm以上の反応例)を認めるような症例において、樹状細胞ワクチンの効能が示唆されている。
さらに、信州大学医学部附属病院では初発膵臓癌症例に対して術後アジュバントとしてS-1を中心とした化学療法に併用して樹状細胞ワクチン療法を8症例に実施した。8症例全例の腫瘍組織においてWT1の発現が確認されている。樹状細胞ワクチン療法の実施に伴い接種部位の皮膚反応や発熱等が認められたものの、その他の重篤な有害事象は認めなかった。したがって全例で予定のワクチン投与を完了することが可能であり、また投与終了時に7例(87.5 %)においてELISpotアッセイまたはT etramer解析にてWT 1に特異的な免疫学的反応が確認された。うち55例においては術後2年の時点での生存が確認されている。
製造した樹状細胞ワクチンの一部は以下の項目について確認し、基準を満たす場合、品質に問題が無いと判定された段階で使用可能と判定する。細胞加工物の使用可能の最終判断は、本療法を実施する医師がワクチン投与前に行う。
<品質試験>
・エンドトキシン試験:0.25 EU / mL
・マイコプラズマ否定試験:陰性
・無菌試験(限度試験):陰性
<規格>
・生細胞率:70%以上
・純度:CD86+/HLA-DR+:70%以上(生細胞中)
純度はフローサイトメータを用いてCD86及びHLA-DRの発現状況
該当施設の実施責任者が該当細胞の安全性の状況確認を行うとともに使用の適格性について判断する。報告義務に該当する内容であった場合には管理者を通じて代表管理者に連絡を行い国立大学法人信州大学認定再生医療等委員会で対応について協議した上で、共同研究機関の管理者を通じて対応を指示する。信州大学医学部附属病院にて同様の疑義が生じた際には、信州大学医学部附属病院にて対応を行うとともに各共同研究機関にも情報を共有する。
10年間
10年間
再生医療等提供に基づく安全性報告として再生医療等提供機関の管理者は、再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の発生を知ったときは、疾病等の報告に関する手順書に従い、別紙様式第一及び第二を用いて、再生医療等提供計画に記載された認定再生医療等委員会及び必要に応じて厚生労働大臣に報告する。

ただし、以下のいずれかに該当する有害事象は再生医療等の提供に起因するものではないとし、疾病等報告の対象外とする。
1) 骨髄異形成症候群(MDS:Myelodysplastic syndromes)、二次がんの発生
2) 以下の内容に該当する有害事象
 SOC※(CTCAE v5.0) AE term
 血液及びリンパ球障害      貧血、骨髄細胞減少
 胃腸障害及び局所症状      発熱
 感染及び寄生虫症        ウイルス性肝炎
 臨床検査            ALP 増加、コレステロール増加、GGT 増加、リパーゼ増加、リンパ球数減少、好中球数減少、血小板数減少、血清アミラーゼ増加、白血球数減少
 代謝及び栄養障害        肥満、食欲不振、高尿酸血症、低アルブミン血症
 筋骨格系及び結合組織障害    深部結合組織線維化、表在軟部組織線維化
 腎及び尿路障害         慢性腎疾患
 呼吸器、胸郭及び縦隔障害    副鼻腔障害、睡眠時無呼吸
 皮膚及び皮下組織障害      乏汗症
※SOC:System Organ Class(器官別大分類)


最終投与終了2週以降に再診し、有害事象が生じていないかを評価する。また各症例において2年間は追跡期間として、有害事象の有無、画像診断および免疫モニタリング評価と合わせ、身体所見ならびに一般血液検査での評価を行う。
なお、プロトコル治療日から 30 日以内に発生した有害事象は、因果関係の有無に関わりなくすべて観察対象とする。しかし、プロトコル治療日から 31 日以降に発生した有害事象については、因果関係が否定できないものについてのみ、観察対象とする。実施責任者/実施医師は、有害事象の発生を認めた場合、症例報告書に記入するとともに、プロトコル治療との因果関係の有無に関わらず、可能な限り回復するまでその後も追跡観察する。
最終投与終了2週以降に再診し、有害事象が生じていないかを評価する。また各症例において2年間は追跡期間として、有害事象の有無、画像診断および免疫モニタリング評価と合わせ、身体所見ならびに一般血液検査での評価を行う。
2020年04月01日
募集中断 Suspended

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

国立大学法人信州大学認定再生医療等委員会 Certified committee for regenerative medicine, Shinshu University
NB3150023
長野県松本市旭3丁目1番1号 3-1-1, Asahi, Matusmoto, Nagano
0263-37-2751
saiseijimu@shinshu-u.ac.jp
第三種再生医療等のみを審査することができる構成
2019年08月07日

7 その他

個人情報保護の方法
個人情報保護は国立大学法人信州大学の保有する個人情報の保護に関する取扱要項および信州大学医学部附属病院情報セキュリティポリシーに準じて行われる(別紙国立大学法人信州大学の保有する個人情報の保護に関する取扱要項および信州大学医学部附属病院情報セキュリティポリシー参照)。連結可能匿名化の方法

1)匿名化
個人情報の代わりに無作為に番号やアルファベットをつけることにより、個人情報との対応ができないようにする。「本臨床研究の目的である治療効果判定および安全性評価に関連する被験者(患者)の検体・検査値」は、連結可能匿名化とし、その個人情報管理者は、信州大学医学部附属病院臨床検査部准教授 上原剛とする。また、「本臨床研究に関連する基礎研究用および追跡調査用試料および資料」は連結可能匿名化とし、実施責任者の柳沢龍がその個人情報を管理する。

2)開示
本臨床研究成果や安全性評価の結果は、共同研究機関や各学会、学術雑誌およびデータベース上などに発表される可能性はあるが、開示するデータは個人を特定できないものにするよう適切な配慮を十分に行う。本臨床研究試験への参加により、臨床受託研究審査委員会、厚生労働省や文部科学省の担当者が、被験者のカルテ開示を行なう可能性はあるが、被験者および御家族のプライバシーが外部に漏れる心配はない。またマスメデイア(新聞・テレビなど)の関心を引く可能性はあるが、被験者の許可がない限り、試験担当者は秘密保持に対し、最大限の努力をする。
専門学会の認定取得および教育手順書に従った訓練を行う。なお、訓練手順書の内容は次のとおり。

教育手順書
1.目的
この手準書は、信州大学医学部附属病院先端細胞治療センターに設置された細胞・組織調製施設(以下CPCとする)において、品質に影響する活動を行う培養担当者の適格性に関する力量を明確にすることを目的とする。 教育訓練について規定し、教育訓練のニーズを満たす手順を定め、これを実行・管理する手順を確立・維持するものとする。
2.適用範囲
培養軟骨製品及び培養細胞搭載人工骨製品の培養操作を行う全ての培養担当者および品質マネジメントシステムに所属する全ての担当者に適用する。また、見学・納入·メンテナンス等でCPC内に立ち入る者も、教育訓練の対象者とする。
3.責任体制
製造管理者は教育訓練責任者として製造管理責任者または品質管理責任者または衛生管理責任者を指名し、教育訓練責任者がその内容の遂行に責任と権限を持つものとする。
4.遵守事項
製造管理者は、あらかじめ指名した者(教育訓練責任者)に手順書に基づき計画的に教育訓練を実施させなければならない。実施状況は、センター長に文書で報告すること。
5.手順
1)対象者
教育の対象者は、「品質は製造に携わる全ての人の責任である」との認識にたち、当CPCのあらゆる地位、あらゆる部署の人の質が最終的にそのCPCが培養する製品の品質に影響を及ぼしている。従って、教育カリキュラムは、品質マネジメントシステム参画者および直接培養操作に従事する培養担当者すべてが対象となる。
2)教育内容
品質マネジメントシステムに係わる業務の教育で、主として集合教育およびOJTにより目的および修得事項が意図されているもので経歴管理の対象にするもの。 集合教育の具体的内容として、次のようなものが挙げられる。
①どの様な仕事なのか?(標準操作手順書)
②どうすれば安全なのか?(衛生管理基準書)
③なぜ更衣の手順や手洗いの方法を守らなければならないのか?(衛生管理基準書)
④指図通り仕事をしないとなぜ駄目なのか?(製品標準書、培養指図記録書)
⑤過去にどの様な失敗をしているのか?(不適合品処置記録、是正処置記録)
⑥なぜ結果を培養操作時に直ちに記録しなければならないのか?(品質マニュアル)
⑦どの様な時に間違いが発生するのか?(是正処置記録、予防処置記録)
講師は受講者の先任者であって、固有技術、品質保証の両方を熟知していることを教育訓練責任者が認める者とする。年度内の緊急な教育・訓練については必要に応じて随時承認の上、実施する。OJTは品質マネジメントシステムに係わる業務の訓練であって、その実施職場で指導の下に意図された実
務能力および品質目標の達成能力を修得するものである。集合教育と同様に各業務に熟練した者がその業務に沿って実地訓練を行う。メーカーなどのサービスマンおよび見学者に対
しては、事前に説明を行う(衛生管理基準書、手洗いに関する手順書、入退室管理に関する手順書)。
3)教育訓練の進め方教育は効率良く実施する必要があるが、原則として生産コストの一部であり、片手間には出来ない。よって、計画的にその人員をどのように育成するかを検討し、必要な訓練を行う
。また、SKILLはもとより、WILLが醸成される教育方法が必要である。 自己解決出来るためのプロセス(WILL育成)
①他人のことをまねる。
②自分でやってみる。
③自分に合うように工夫する。
④新しい方法を創り、提案する。
各要員の力量は、作業員力量表により評価する。その内容により教育訓練を行い、実施結果を教育・訓練の記録、OJT記録に記載する。有効性の評価は教育訓練実施3ヶ月後を目安に行い、結果を教育・訓練の記録、OJT記録に記載する。毎年3月に作業員力量表の再評価を行い、次年度の教育計画を立てる。「保有している資格」欄には、内部及び外部で設定された資格の名称を記録する。細胞の基材播種プロセスで得られるアウトプットはそれ以降の監視又は測定で検証することが不可能であるため、プロセスの妥当性確認を行う必要がある。そのため、基材播種プロセスは必要な技量を持つ者が行うことと定める。作業員が以下の基準をいずれも満たす場合、基材播種プロセスに必要な技量を持つ者と認定する。認定の有無は、作業員力量表の「保有している資格」欄に示す。
【基準】
・作業員力量表の全項目が「可」以上
・担当者(培養)として、再生培養骨、及び他の基材につい
て合計2症例以上担当した者を各基材の有資格者とする。
病院として体制整備ができており、ホームページ等でも窓口等の案内を行っている。
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 4.患者説明文書・同意書_ブラインド版190924.pdf

変更履歴

種別 公表日
中止 令和3年12月17日 (当画面) 変更内容
軽微変更 令和2年4月30日 詳細 変更内容
新規登録 令和元年10月1日 詳細