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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第三種
令和5年10月16日
腹圧性尿失禁女性患者に対する自家多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma: PRP)を用いた安全性及び有効性に関する非盲検試験
自家多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma: PRP)を用いた女性の腹圧性尿失禁に係る非盲検試験
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
亀田 俊明
本臨床研究では、腹圧性尿失禁女性患者に自家血液から調製した自家多血小板血漿(PRP)を局所投与し、安全性及び有効性を検証することを目的とする。
N/A
腹圧性尿失禁
募集中
特定非営利活動法人先端医療推進機構認定再生医療等委員会名古屋
NB4150001

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和5年10月13日
jRCTc030230394
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
千葉県鴨川市東町929番地
亀田 俊明 Kameda Toshiaki

(1)再生医療等の名称及び分類

腹圧性尿失禁女性患者に対する自家多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma: PRP)を用いた安全性及び有効性に関する非盲検試験 Study on the safety and efficacy of autologous platelet-rich plasma (PRP) in treatment of female stress urinary incontinence( Study on the safety and efficacy of autologous platelet-rich plasma (PRP) in treatment of female stress urinary incontinence )
自家多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma: PRP)を用いた女性の腹圧性尿失禁に係る非盲検試験 Study on the safety and efficacy of autologous platelet-rich plasma (PRP) in treatment of female stress urinary incontinence( Study on the safety and efficacy of autologous platelet-rich plasma (PRP) in treatment of female stress urinary incontinence )
第三種
患者の前腕より採取した血液から自家多血小板血漿(PRP)を調製し、患者に投与する技術である。 政令の除外技術ではなく、人の胚性幹細胞/自己多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞のいずれでもなく、遺伝子操作を行わず、かつ動物の細胞も利用しない。投与する者の細胞であり、幹細胞を使用せず、人体の構造又は機能の再建、修復又は形成を目的としており、培養を行わず、相同利用に該当するものであるため、第三種再生医療等技術に該当すると判断した。

(2)再生医療等の内容

本臨床研究では、腹圧性尿失禁女性患者に自家血液から調製した自家多血小板血漿(PRP)を局所投与し、安全性及び有効性を検証することを目的とする。
N/A
実施計画の公表日
2025年05月31日
40
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
1. 腹圧性尿失禁と診断されている患者
2. 同意取得日の年齢が20歳以上85歳未満の女性の患者
3. スクリーニング開始日から観察終了まで、評価を適切に行うことができる患者
4. 説明文書を用いて十分な説明を受け、その内容を理解したうえで自由意思に基づき本臨床研究への参加について文書による同意が得られた患者
5. 最後の投与から12か月後の検査期間満了まで、定められた来院スケジュールを遵守できる患者
1. Stress urinary incontinence
2. Female whose consent acquisition date is more than 20 years and less than 85 years
3. Patients who can appropriately evaluate pain from start of screening to the end of observation
4. Patients who have received sufficient explanation using ICF and understand the contents, and who have obtained written consent to participate in the study group based on their free will
5. Patients who can follow the scedule established until the end of the examination period
1. スクリーニング検査日または自家多血小板血漿(PRP)投与日に、投与部位に皮膚疾患または感染があり、注射による感染等のおそれがある患者
2. 悪性腫瘍の既往(同意取得前5年以内)または合併のある患者。ただし、同意取得前5年以内の既往であっても、外科的処置または局所治療によって治癒していると判断された場合は、対象として良いとする
3. 残尿が150mlより多い者
4. 血小板異常がある者
5. 抗凝固薬を使用中の患者
6. 血栓症の者
7. 低フィブリノーゲン血症の者
8. 血行動態不安定の者
9. 敗血症の者
10. 貧血の者
11. 急性あるいは慢性感染症の者
12. 感染症(HBV、HCV、HIV)、その他重篤な疾患を有している者
13. 慢性肝機能障害の者
14. 薬物依存症またはアルコール依存症の既往または合併のある患者
15. うつ病、認知症、統合失調症、不安神経症などの精神神経疾患を有する患者
16. ペースメーカー等の体内金属や閉所恐怖症などによるMRI検査を行うことができない患者
17. その他、担当医師が不適当と判断した患者
1. Patients who have a skin disease or infection at the administration site on the day of screening test or autologous platelet-rich plasma (PRP) administration, and who are at risk of infection due to injection
2. Patients with a history or complication of malignancy within 5 years before obtaining consent
3. Patients with more than 150 ml of residual urine
4. Patients with platelet abnormalities
5. Patients taking anticoagulants
6. Patients with thrombosis
7. Patients with hypofibrinogenemia
8. Patients with hemodynamic instability
9. Patients with sepsis
10. Patient with anemia
11. Patients with acute or chronic infections
12. Patients with infectious diseases (HBV, HCV, HIV), other serious diseases
13. Patients with chronic liver dysfunction
14. Patients who have a history or complication of drug dependence or alcoholism
15. Patients with mental illness such as depression, dementia, schizophenia and anxiety
16. Presence of a metal implant or any other contraindication to magnetic resonance imaging (MRI)
17. Patients iudged inappropriate by doctors
20歳 0ヶ月 0週 以上 20age 0month 0week old over
85歳 0ヶ月 0週 未満 85age 0month 0week old not
女性 Female
<臨床研究の対象者の中止>
1. 被験者より同意の撤回があった場合
2. 投与中に何らかの理由で投与困難となった場合
3. 被験者より観察期間の投与あるいは観察を拒否された場合
4. その他、再生医療等を行う医師が中止の必要があると認めた場合

<研究全体の中止基準>
1. 研究責任医師が、自家多血小板血漿(PRP)治療の安全性・有効性に問題があると判断した場合
2. 研究責任医師が、論文や学会発表など本臨床研究以外から得られた関連情報を評価した結果、自家多血小板血漿(PRP)治療の安全性・有効性に問題があると判断した場合、又は本臨床研究継続の意義がなくなったと判断した場合
3. 実施医療機関の管理者、厚生労働大臣から中止の指示を受けた場合
腹圧性尿失禁 stress urinary incontinence
本研究では、腹圧性尿失禁の女性患者に対して、患者の血液から自家多血小板血漿(PRP)を特殊な無菌環境下で調製し、投与を行う。
詳細は別紙参照(提供する再生医療等の詳細を記した書類、再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載した書類)。
see Attachment
腹圧性尿失禁への自家多血小板血漿(PRP)投与の安全性および有効性
<安全性評価項目>
・感染、出血、アナフィラキシーなどの副作用や有害事象、臨床検査値の異常を評価する。
<有効性評価項目>
・GRA (Global Response Assessment) score
Safety and efficacy of autologous platelet-rich plasma (PRP) in treatment of female stress urinary incontinence
Safety
adverse drug reaction and adverse event such as infection, bleeding, and anaphylaxis laboratory evidence
Efficacy
GRA (Global Response Assessment) score
腹圧性尿失禁への自家多血小板血漿(PRP)投与の有効性
<有効性評価項目>
・VAS (Visual analogue scale) score
・尿失禁量の評価
 ・尿失禁量
 ・尿失禁量の減少割合
 ・1日あたりの尿失禁の回数
 ・1日あたりの尿パッドの枚数
 ・尿失禁回数の減少割合
Efficacy of autologous platelet-rich plasma (PRP) in treatment of female stress urinary incontinence

Efficacy
VAS (Visual analogue scale) score
The following evaluation will be performed on the amount of urinary incontinence
Urinary incontinence amount
Rate of decrease in urinary incontinence
Number of urinary incontinence per day
Number of urine pads per day
Rate of decrease in the number of urinary incontinence
本研究では、腹圧性尿失禁女性患者を対象に、患者自身の血液約32mlから採取し、無菌環境下で調整した血小板を多く含む多血小板血漿(PRP)約5mlを尿道括約筋に注入することで、尿道括約筋の再生・修復を促し、腹圧性尿失禁の重症度の軽減を図る治療の安全性及び有効性を研究する。血小板には出血した際に血液を止める効果だけでなく、血小板から放出される成長因子により、コラーゲン合成や組織修復、創傷治癒などの効果があることが分かっている。これにより、尿道括約筋が再生・修復され、腹圧性尿失禁の重症度の軽減が期待できる。

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
安倍 弘和 Abe Hirokazu
医療法人鉄蕉会亀田総合病院 Kameda Medical Center
泌尿器科
296-8602
千葉県鴨川市東町929番地 929 Higashi-cho, Kamogawa-shi, Chiba 296-8602, Japan
04-7099-1322
abe.hirokazu@kameda.jp
自施設
救急医療のために必要な心電図および輸血・輸液のための装置や救命救急科を院内に設置している。また、職員は救命医療に関する講習を受けている。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

小畑 良子 Kohata Ryoko
医療法人鉄蕉会亀田総合病院 Kameda Medical Center
医療管理本部 診療支援部 診療支援課
296-8602
千葉県鴨川市東町929番地 929 Higashi-cho, Kamogawa-shi, Chiba 296-8602, Japan
080-2686-8955
04-7099-1191
kohata.ryoko@kameda.jp
医師
安倍 弘和
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
医師
鈴木 康一郎
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
医師
越智 敦彦
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
医師
西川 里佳
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
医師
高橋 和宏
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
医師
藤川 正弘
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
医師
安倍 弘和
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
医師
西川 里佳
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
医師
高澤 直子
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
安倍 弘和
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科
日本橋骨盤底診療所
安倍 弘和
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
沈 超
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
経営管理本部経営企画部
日本橋骨盤底診療所
花輪 美菜
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
小畑 良子
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
医療管理本部診療支援部
日本橋骨盤底診療所
志田 明香
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
西川 里佳
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
泌尿器科

(3)多施設共同研究に関する事項

日本橋骨盤底診療所
東京都中央区日本橋2丁目1-10 柳屋ビルディングB2階
03-6262-5389
安倍 弘和
安倍 弘和 Abe Hirokazu
日本橋骨盤底診療所 Nihonbashi Pelvic Floor Clinic
泌尿器科
103-0027
東京都中央区日本橋2丁目1-10 柳屋ビルディングB2階
03-6262-5389
h.abe@npfclinic.jp
志田 明香
日本橋骨盤底診療所
事務長
103-0027
東京都中央区日本橋2丁目1-10 柳屋ビルディングB2階
03-6262-5389
a.shida@npfclinic.jp
安倍弘和、 西川里佳、高澤直子
日本橋骨盤底診療所
泌尿器科
他の医療機関
救急医療のために必要な心電図および輸血・輸液のための装置(AED、救急カートなど)を院内に設置している。当院での救急処置後に、救急要請にて、慈恵医科大学付属病院または聖路加国際病院等などの近隣の医療機関の救命救急センターへ搬送とする。
・慈恵医科大学付属病院(東京都港区西新橋3-19-18、日本橋骨盤底診療所から車で12分程度)
 東京都の救命救急センターの1つ。院内救急医療体制は、麻酔科(集中治療室)と救急部で担当。救急室内に13室(内10床は個室)を整備し、初期診療、経過観察に柔軟に対応。一般病棟、集中治療室(ICU)、手術室、心血管治療室(CCU)、脳卒中治療室(SCU)とも連携し、幅広い疾患に対応。ICUは20床(うち陰圧個室8床)。英語対応も可能。1日の救急車受入台数は約20台、2022年度の救急車受入台数は6,771台。
・聖路加国際病院(東京都中央区明石町9-1、日本橋骨盤底診療所から車で11分程度)
 東京都の救命救急センターの一つ。“極力断らないER”を実践。潤沢な各専門医によるバックアップ体制がある。救急科集中治療室は計20床。心肺停止蘇生後、多発外傷、薬物中毒、敗血症/ARDSなど、救急科による集中治療管理を行う。英語対応も可能。1日の救急車受入台数は約30台、2022年度の救急車受入台数は11,287台。

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

血小板
再生医療等の提供を行う医療機関と同じ。
自家細胞を用いる研究であり、細胞提供者は被験者自身である。細胞提供者の選定方法は「再生医療等を受ける者の適格基準に明記しているように以下のとおりである。
1)腹圧性尿失禁と診断されている患者
2)同意取得日の年齢が20歳以上85歳未満の女性の患者
3)スクリーニング開始日から観察終了まで、評価を適切に行うことができる患者
4)説明文書を用いて十分な説明を受け、その内容を理解したうえで自由意思に基づき本臨床研究への参加について文書による同意が得られた患者
5)最後の投与から12か月後の検査期間満了まで、定められた来院スケジュールを遵守できる患者
自家細胞を用いる研究であり、細胞提供者は被験者自身である。細胞提供者の的確性の確認方法は、提供する再生医療等の詳細を記した書類による規定の検査を実施した後、適格性を再生医療等を行う医師が決定する。
採血をするシリンジに3ccのACD-A液(血液凝固防止剤)を予め採取し、採血針を付け、臨床検査室で患者本人の前腕の末梢血管より血液32mlを採取する。

PRP調製キット:TriCell PRP分離・濃縮キット(製造販売事業者:メッド・アライアンス株式会社、医療機器承認番号:22900BZX00068000)

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自家多血小板血漿
細胞培養加工施設のクリーンベンチを用いて、PRP調整キットのフィルタ付通気孔のキャップを開けて血液注入口に19~21Gの注射針を挿入し、採取した血液を充填する。血液注入後、フィルタ付通気孔のキャップを閉める。赤血球チャンバーキャップを下に向ける。
細胞培養加工施設の遠心分離機を用いて、3,200 rpmで4分間の遠心分離を行う。
遠心分離後、クリーンベンチを用いて、赤血球チャンバーキャップを回し、バフィーコート層(白血球及び血小板ならなる白帯)を血漿チャンバーへ移す。血漿チャンバーを上に向けて持ち、赤血球ロッキングバーを閉めて赤血球を分離するために、血漿チャンバーを回す。
遠心分離機を用いて3,300 rpmで3分間の遠心分離を行う。
クリーンベンチを用いて、PRP抽出の前に多血小板血漿チャンバーキャップのシールを剥がす。19~21Gの注射針を取り付けたシリンジを多血小板血漿チャンバーキャップの下部から挿入し、PRPをシリンジに回収する。

血液の採取後、直ちにPRPの調製を行い、投与を行うため、無菌検査やマイコプラズマ検査、エンドトキシン検査が実施しないが、目視による異物確認を行う。

加工したPRPは患者への投与に用いて、保管は行わない。
手術室にて、穿刺部位に静脈麻酔あるいは仙骨ブロック+尿道麻酔を行ったのち、軟性膀胱鏡にてビデオガイド下で、内視鏡用注射針を用いてPRP 5mlを尿道括約筋へ全周的に注入する。
医療法人鉄蕉会亀田総合病院
FC3220162
医療法人鉄蕉会亀田総合病院 臨床検査室内特殊血液検査室
委託は行わない。
自家多血小板血漿
細胞培養加工施設のクリーンベンチを用いて、PRP調整キットのフィルタ付通気孔のキャップを開けて血液注入口に19~21Gの注射針を挿入し、採取した血液を充填する。血液注入後、フィルタ付通気孔のキャップを閉める。赤血球チャンバーキャップを下に向ける。
細胞培養加工施設の遠心分離機を用いて、3,200 rpmで4分間の遠心分離を行う。
遠心分離後、クリーンベンチを用いて、赤血球チャンバーキャップを回し、バフィーコート層(白血球及び血小板ならなる白帯)を血漿チャンバーへ移す。血漿チャンバーを上に向けて持ち、赤血球ロッキングバーを閉めて赤血球を分離するために、血漿チャンバーを回す。
遠心分離機を用いて3,300 rpmで3分間の遠心分離を行う。
クリーンベンチを用いて、PRP抽出の前に多血小板血漿チャンバーキャップのシールを剥がす。19~21Gの注射針を取り付けたシリンジを多血小板血漿チャンバーキャップの下部から挿入し、PRPをシリンジに回収する。

血液の採取後、直ちにPRPの調製を行い、投与を行うため、無菌検査やマイコプラズマ検査、エンドトキシン検査が実施しないが、目視による異物確認を行う。

加工したPRPは患者への投与に用いて、保管は行わない。
検査室4にて、穿刺部位に静脈麻酔あるいは仙骨ブロック+尿道麻酔を行ったのち、軟性膀胱鏡にてビデオガイド下で、内視鏡用注射針を用いてPRP 5mlを尿道括約筋へ全周的に注入する。
日本橋骨盤底診療所
FC3220218
日本橋骨盤底診療所 検査室4
委託は行わない

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

Chiang CHらは、2018年4月から2020年10月に、内尿道括約筋不全による腹圧性尿失禁の女性26例(平均年齢:61.7±15.3歳。全例が保存療法のパッドを使用。)に対して、自家多血小板血漿(PRP)5mlを静脈内全身麻酔下で尿道括約筋の5か所(2, 5, 7, 10, 12時の位置)に全周的に注射し(各部位に1ml投与)、これを毎月4回投与したa)。フォローアップ期間は、4回目の自家多血小板血漿(PRP)治療後12か月間である。
自家多血小板血漿(PRP)調製:
50mlの末梢血液を採取し、20℃で20分間、200×gで遠心分離(ソフトスピン)を行った。
上部血漿層を無菌的に採取し、20℃で20分間、2,000×gで遠心分離(ハードスピン)を行った。

周術期および全追跡期間中に有害事象や重度の合併症は発生しなかったが、1例(3.8%)の患者で排尿時のいきみがみられたものの、数日間の間欠的な自己導尿後に自然に解消した。
この研究は、自家多血小板血漿(PRP)を尿道括約筋へ反復注射することが女性の腹圧性尿失禁の重症度を軽減するのに安全であることを実証した。

Jiang YHらは、内尿道括約筋不全による腹圧性尿失禁の35例(平均年齢:68.7±12歳。男性30例、女性5例。すべての症例で保存療法のパッドを必要としていた。)に対して、自家多血小板血漿(PRP)5mlを尿道括約筋の5か所に全周的に注射し(各部位に1ml投与)、これを毎月の間隔で4回投与したb)。なお、男性患者に対しては注射膀胱鏡を介して5部位に、女性患者では尿道口周辺の会陰から5部位に注射した。フォローアップ期間は、4回目の自家多血小板血漿(PRP)治療後6か月である。
自家多血小板血漿(PRP)調製:
50mlの末梢血液を採取し、2回遠心分離を行った。

PRP注射後の有害事象として軽度の血尿および排尿時の痛みが10例で報告されたが、保存的治療後に解消し、治療後に尿路感染症、排尿困難、尿閉を発症した患者はいなかった。また、重篤な有害事象や合併症はみられなかった。
この研究は、尿道への自家多血小板血漿(PRP)の注入は、尿道括約筋の筋肉量と尿道括約筋抵抗を高め、腹圧性尿失禁を改善するのに安全で有効であり、自家多血小板血漿(PRP)は、非神経原性の原因による中等度の腹圧性尿失禁の男性および女性に対して低侵襲な代替治療法である可能性があることを示した。

Cheng-Yu Longらは、2018年6月から11月まで、腹圧性尿失禁の女性20例(平均年齢:44.5±9.1歳)に対して、自家多血小板血漿(PRP)5mlを27Gの針を用いて、尿道中央下に2ml、尿道の両側にそれぞれ1.5mlずつ注射し、これを毎月3回投与した(麻酔は使用していない) c)。フォローアップ期間は、PRP治療後6か月である。
フォローアップ期間中に副作用は報告されなかった。
自家多血小板血漿(PRP)は、腹圧性尿失禁女性におけるとして、局所注射は安全であると考えられる。

a) Chiang CH, et al. The Efficacy and Mid-term Durability of Urethral Sphincter Injections of Platelet-Rich Plasma in Treatment of Female Stress Urinary Incontinence, Frontiers in Pharmacology, 2022; 13:847520.
b) Jiang YH, et al. Therapeutic Efficacy of Urethral Sphincter Injections of Platelet-Rich Plasma for the Treat-ment of Stress Urinary Incontinence due to Intrinsic Sphincter Deficiency: A Proof-of-Concept Clinical Trial, Int Neurourol J. 2021 Mar; 25(1): 51-58
c) Cheng-Yu Long, et al. A pilot study: effectiveness of local injection of autologous platelet-rich plasma in treating women with stress urinary incontinrnce, scientific reports. 2021 Jan 15; 11(1): 1584
Chiang CHらは、2018年4月から2020年10月に、内尿道括約筋不全による腹圧性尿失禁の女性26例(平均年齢:61.7±15.3歳。全例が保存療法のパッドを使用。)に対して、自家多血小板血漿(PRP)5mlを静脈内全身麻酔下で尿道括約筋の5か所(2, 5, 7, 10, 12時の位置)に全周的に注射し(各部位に1ml投与)、これを毎月4回投与したa)。フォローアップ期間は、4回目の自家多血小板血漿(PRP)治療後12か月間である。
自家多血小板血漿(PRP)調製:
50mlの末梢血液を採取し、20℃で20分間、200×gで遠心分離(ソフトスピン)を行った。
上部血漿層を無菌的に採取し、20℃で20分間、2,000×gで遠心分離(ハードスピン)を行った。

有効性について、4回の自家多血小板血漿(PRP)治療後、21例で腹圧性尿失禁症状が軽減し、うち13例は重症度の主要エンドポイント(GRA (Global Response Assessment) score)が大幅に減少し(GRA ≥2)、8例は軽度の改善(GRA=1)が得られた。PRP治療の3か月後には、12例が完全な自制を達成し、保存療法のパッドを使用しなくなった。PRP治療の12か月後には、7例が完全な自制を達成し、保存療法のパッドを使用しなくなった。また、主要エンドポイントの重症度(VAS (Visual analogue scale))も大幅に減少した(ベースライン6.4±2.3、治療後3.9±2.3, p<0.001)。12例の患者で完全な乾燥が達成された。
この研究は、自家多血小板血漿(PRP)を尿道括約筋へ反復注射することが女性の腹圧性尿失禁の重症度を軽減するのに効果的であることを実証した。
この研究は、適応疾患、投与細胞、及び、投与経路が本臨床研究と同等であることから、本臨床研究でも一定の有効性が期待される。

Jiang YHらは、内尿道括約筋不全による腹圧性尿失禁の35例(平均年齢:68.7±12歳。男性30例、女性5例。すべての症例で保存療法のパッドを必要としていた。)に対して、自家多血小板血漿(PRP)5mlを尿道括約筋の5か所に全周的に注射し(各部位に1ml投与)、これを毎月の間隔で4回投与したb)。なお、男性患者に対しては注射膀胱鏡を介して5部位に、女性患者では尿道口周辺の会陰から5部位に注射した。フォローアップ期間は、4回目の自家多血小板血漿(PRP)治療後6か月である。
自家多血小板血漿(PRP)調製:
50mlの末梢血液を採取し、2回遠心分離を行った。

有効性について、腹圧性尿失禁の重症度を10ポイントの視覚的アナログスケール(VAS: Visual analogue scale)による患者の自己評価で測定し、この重症度の変化をプライマリエンドポイントとした。完全乾燥は7例(20.0%)で達成され、中等度の改善は14例(40.0%)でみられた。平均VASスコアは、治療後に6.57±1.89から3.77±2.41に有意に減少した。
この研究は、尿道への自家多血小板血漿(PRP)の注入は、尿道括約筋の筋肉量と尿道括約筋抵抗を高め、腹圧性尿失禁を改善するのに安全で有効であり、自家多血小板血漿(PRP)は、非神経原性の原因による中等度の腹圧性尿失禁の男性および女性に対して低侵襲な代替治療法である可能性があることを示した。
この研究は、適応疾患、投与細胞、及び、投与経路が本臨床研究と同等であることから、本臨床研究でも一定の有効性が期待される。

Cheng-Yu Longらは、2018年6月から11月まで、腹圧性尿失禁の女性20例(平均年齢:44.5±9.1歳)に対して、自家多血小板血漿(PRP)5mlを27Gの針を用いて、尿道中央下に2ml、尿道の両側にそれぞれ1.5mlずつ注射し、これを毎月3回投与した(麻酔は使用していない) c)。フォローアップ期間は、PRP治療後6か月である。
有効性について、自己評価スコアにおいて治療後1, 6か月後の両方で優位な失禁の改善を示し、治療効果は、PRP治療前およびPRP投与後6か月の疾患重症度分布によっても実証された。
自家多血小板血漿(PRP)は、腹圧性尿失禁女性における治療オプションとして有効であると考えられる。

a) Chiang CH, et al. The Efficacy and Mid-term Durability of Urethral Sphincter Injections of Platelet-Rich Plasma in Treatment of Female Stress Urinary Incontinence, Frontiers in Pharmacology, 2022; 13:847520.
b) Jiang YH, et al. Therapeutic Efficacy of Urethral Sphincter Injections of Platelet-Rich Plasma for the Treat-ment of Stress Urinary Incontinence due to Intrinsic Sphincter Deficiency: A Proof-of-Concept Clinical Trial, Int Neurourol J. 2021 Mar; 25(1): 51-58
c) Cheng-Yu Long, et al. A pilot study: effectiveness of local injection of autologous platelet-rich plasma in treating women with stress urinary incontinrnce, scientific reports. 2021 Jan 15; 11(1): 1584
投与判定は再生医療等を行う医師が行う。なお、自家多血小板血漿(PRP)調製過程において定められた手順により、逸脱が発生した場合には、その都度、再生医療等を行う医師はその内容を研究責任医師に報告し、投与の可否を決定する。
直ちに再生医療等の提供を中止するとともに、実施責任者に報告し、実施責任者はその内容を再生医療等の提供を行う医療機関の管理者に速やかに報告する。
また、再生医療等の提供を行う医療機関の管理者は認定再生医療等委員会および厚生労働大臣に報告するとともに、当該再生医療等を行う医師に必要な措置を命じる。
採取した細胞については、微量であるため保存は行わない。また、培養を行わず、製造後直ちに全量を投与するため、再生医療等に用いた細胞加工物の一部は保存しない。
保管は行わない。
再生医療等を行う医師は、再生医療等の提供によるものと疑われる疾病等を知ったとき、実施責任者に速やかに報告し、実施責任者はその内容を再生医療等の提供を行う医療機関の管理者に速やかに報告する。再生医療等の提供を行う医療機関の管理者は認定再生医療等委員会及び厚生労働大臣に報告する。また、再生医療等の提供を行う医療機関の管理者又は実施責任者は、当該再生医療等を行う医師に必要な措置を命じる。
また、提供機関管理者は、発生した事態及び講じた措置について特定細胞加工物製造事業者の施設管理者に速やかに報告する。
特定細胞加工物の最後の投与後、1, 3, 6, 12か月後に経過観察を行う。
診察を行い、有害事象の有無を観察し、診療記録等に記載する。また、有効性についての検証いは、上記期間を対象に問診、GRA (Global Response Assessment) score , VAS, 尿失禁量などを確認する。必要に応じてMRI検査を行う。
患者の住所、連絡先等を把握することで、連絡できる体制とする。
実施計画の公表日
募集中 Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

特定非営利活動法人先端医療推進機構認定再生医療等委員会名古屋 Independent administrative institution adva nced medical promotion organization specifi ed regenerative medicine committee Nagoya
NB4150001
愛知県名古屋市千種区千種2‐24-2千種タワーヒルズ1205 2-24-2, Chikusa, Chikusa-ku Nagoya-shi, Aic hi 464-0858, Japan, Aichi, Aichi
052-745-6881
nintei@japsam.or.jp
第三種再生医療等のみを審査することができる構成
2023年07月25日

7 その他

当院で定めた個人情報取扱規定に従い行う。
No
再生医療等の提供を行う医療機関の管理者は、日本再生医療学会年次学術集会に参加することで情報を収集し、院内においても、年2回院内スタッフ向けに研修を行う。
再生医療等の提供を行う医療機関の窓口において、苦情及び問合せを受け、管理者へ報告を行い、管理者の指示のもと対応を行う。
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 05_再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式_PRP・腹圧性尿失禁・女性_20231013.pdf