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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第二種
令和5年4月17日
令和5年9月7日
自己間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生治療における安全性及び有効性に関する検証
自己間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生治療における安全性及び有効性に関する検証
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
長 也寸志
厚生労働省が公表している「平成29年 患者調査」によると, 「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は約398万人である。歯周病の治療法の現状としては, 歯周基本治療と歯周外科治療に大別される。間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生療法については, 局所投与では過去にも報告例・臨床研究の実施例があることに加えて, 動物実験ではあるが静脈投与での報告例も存在している。そこで間葉系幹細胞の静脈投与による歯周組織の再生について, 安全性及び有効性を評価することを目的として, 臨床研究を実施する。本臨床研究により安全性及び有効性が認められ, 新規治療方法として確立されれば, 歯周病治療の選択肢が増えることに加えて, 局所投与では期待が薄い口腔全体の治癒効果が期待できる。詳細は「再生医療等の内容」に記載のとおり。
N/A
歯周病
募集中
日本再生医療協会特定認定再生医療等委員会
NA8200001

変更内容

判断理由
本臨床研究は, 歯周組織の再生治療における安全性及び有効性を検証する臨床研究である。研究対象者の口腔内外斜線下縁頬側部から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離・培養して, 静脈に点滴投与する。
政令の除外技術ではなく, 人の胚性幹細胞/人工多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞のいずれでもなく, 遺伝子を導入する操作を行った細胞ではなく, 動物の細胞ではなく, 投与を受ける者以外の人の細胞ではなく, 幹細胞を使用しており, 培養を行うため, 第二種再生医療等技術に該当する。
本臨床研究は, 歯周組織の再生治療における安全性及び有効性を検証する臨床研究である。研究対象者の口腔内外斜線下縁頬側部又は頬骨下部から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離・培養して, 静脈に点滴投与する。
政令の除外技術ではなく, 人の胚性幹細胞/人工多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞のいずれでもなく, 遺伝子を導入する操作を行った細胞ではなく, 動物の細胞ではなく, 投与を受ける者以外の人の細胞ではなく, 幹細胞を使用しており, 培養を行うため, 第二種再生医療等技術に該当する。
再生医療等の内容(再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したものを含む)
<1.再生医療等の対象疾患等の名称>
歯周病

<2.再生医療等を受ける者の基準>
【 選択基準 】
下記の基準を全て満たす者を本臨床研究の研究対象者とする。
(1) 20歳以上, 80歳未満の者
(2) 説明文書を用いて十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて本臨床研究への参
加について書面による同意が得られた者
(3) 歯周基本治療を実施しても歯周病の症状改善が認められない者
(4) 歯周外科治療について十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて歯周外科治療の実施を拒否した者
(5) 歯周基本治療を実施後に, プロービングデプス4mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認めら
れる者
(6) プロービング検査30秒後に出血が認められる者
(7) 1歯又は複数連続歯の動揺度が1度以上である者
(8) 根尖性歯周炎および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍等)ではない者
(9) 経過観察期間満了まで通院の意思と能力を有する者
【 除外基準 】
下記の基準に一つでも該当する者は本臨床研究の対象外とする。
(1) 組織採取時に使用する麻酔薬, 又は特定細胞加工物の製造過程で使用する物質に対する過敏症・アレルギー症状を起こした経験がある者
(2) 感染症(HIV, HBV, HCV, HTLV-1, 梅毒)を発症している者
(3) 糖尿病, 慢性疼痛, 高度の心肺疾患, 血栓症, 脳腫瘍あるいは他の臓器にがんを有する者
(4) 妊婦, 授乳中および妊娠している可能性がある者
(5) その他, 歯科医師が不適当と判断した者

<3.再生医療等に用いる細胞>
自己脂肪由来幹細胞

<4.投与する自己脂肪由来幹細胞の細胞数, 投与回数>
細胞数:約1億個 (約1.0×10'8個)
投与回数:1回

<5.原料となる細胞の採取方法>
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院のいずれかの歯科医院の処置室にて, 本臨床研究を実施する歯科医師が採取する。
キシロカインにて局所麻酔を行い, 口腔内外斜線下縁頬側部を約2ミリ切開して脂肪組織 約1gを無菌容器に採取する。その後, 一針縫合する。(用いる器具:キシロカイン, メス(#12, #15), ミラー,骨膜)
また、患者の静脈から約50mLの血液を採血管に採取する。

<6.脂肪組織の輸送方法>
医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院にて脂肪組織を採取した場合には, 患者識別用ラベルを貼った後に, 細胞培養加工施設である「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」に冷蔵状態(4℃~10℃)で輸送する。輸送業者は細胞培養加工施設が指定する業者に依頼する。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にて脂肪組織を採取した場合には, セルラボ翼CPCが院内にあるため, 脂肪組織の輸送は行わない。

<7.細胞の加工の方法>
特定細胞加工物は「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」にて製造する。
本臨床研究を実施する歯科医師は, 特定細胞加工物の製造を行わせる際に, 特定細胞加工物概要書に従った製造が行われるよう, 必要に応じて指示を行う。
製造及び品質管理の詳細は「製造及び品質管理の方法の概要」に記載のとおり。

<8.細胞加工物の輸送方法>
医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院にて脂肪組織を採取した場合には, 患者識別用ラベルを貼った後に, ドライアイス梱包(-70℃以下)にて凍結状態を維持しながら輸送する。輸送業者は細胞培養加工施設が指定する業者に依頼する。輸送容器は三重梱包とし, 「カテゴリーBの生物学的物質(UN3373)」と同等の基準にて輸送する。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にて脂肪組織を採取した場合には, 特定細胞加工物の輸送は行わない。

<9.特定細胞加工物の投与の方法>
特定細胞加工物は, 脂肪組織の採取を行った医療機関の点滴室にて投与する。
本治療を提供する歯科医師は, 投与前に特定細胞加工物の包装状態・ラベル・異物混入の有無などを確認する。特定細胞加工物の安全性に疑義があると判断した場合は、本治療の提供を中止する。
特定細胞加工物は投与当日に約37℃で急速解凍し, 100mL以上の生理食塩水に懸濁して投与開始まで冷蔵保存する。生理食塩水に懸濁後の特定細胞加工物は8時間以内に投与する。
投与前にはバイタルチェックや凝固検査(Dダイマー)等を実施して, 研究対象者の健康状態を確認し, 投与中及び投与後も継続して確認する。
投与前に細胞懸濁液を優しく撹拌することで均一な細胞懸濁液となるように調製する。その後, 穿刺部の消毒を行い, 注射針と輸液セットを用いて, フィルターを通しながら特定細胞加工物を静脈に点滴投与する。
尚, 点滴投与にあたっては, 研究対象者の容態をみながら約60分〜90分かけて慎重に投与するとともに, 投与後は約30分〜1時間の経過観察時間を設け, 患者の容態に変化が無いことを確認する。
また, 下記の項目に該当する場合は, 歯科医師の判断で点滴投与を中止する。
〇 投与中に副作用(アレルギー反応, 呼吸障害, ショック反応等)が現れた場合
〇 投与中に特定細胞加工物の安全性に疑義があると判断した場合
〇 患者が治療の中止を申告した場合
〇 その他, 歯科医師が点滴投与を中止するべきと判断した場合

また, 実施責任者及び再生医療等を行う歯科医師は, 事前に, 救急医療が必要な際に連携医療機関に速やかに研究対象者を搬送できる体制を構築する。
< 連携医療機関 >
■ 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所:特定医療法人萬生会 熊本第一病院, 済生会熊本病院
■ 医療法人大川歯科医院:SUBARU健康保険組合 太田記念病院, 足利赤十字病院
■ 医療法人祥和会 はっとり歯科医院:佐賀大学医学部附属病院, 国立病院機構 佐賀病院
■ 医療法人健優会 こんどう歯科医院:社会医療法人潤心会 熊本セントラル病院, 菊陽台病院

<10.再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したもの >
詳細は別紙(添付書類)のとおり。
===================================
≪ 本臨床研究の内容 ≫
【 研究目的・意義 】
[1.歯周病の背景情報]
厚生労働省が公表している「平成29年 患者調査」によると, 「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は約398万人である。歯周病の有病率について年代別にみると, 30代から60代にかけての有病率が高く, 30代以上では3人に2人の歯周組織に所見がみられる。年代が上がるにしたがって症状が進行した人の割合が増加しており, 歯周病は国民病とも言われている。
[2.歯周病の標準治療とその問題点]
歯周病の治療法の現状としては, 歯周基本治療と歯周外科治療に大別される。歯周基本治療では, 先ずは歯周病検査・診断を行って歯周病の進行度を調べる。次にSRP(スケーリング, ルートプレーニング)により歯垢(プラーク)の除去を行う。同時に歯磨き指導や生活習慣の改善等についても指導する。歯周基本治療を実施しても改善しない重度の歯周病の場合は, 歯周外科治療(フラップ手術)を行うことで, 歯周基本治療で除去できなかった深部の歯垢を除去する。また, エムドゲインやリグロスを使用した歯周組織再生療法も存在する。
しかし, 歯周外科治療は学術的には確立された治療ではあるが, 実臨床においては患者さんの抵抗感から選択されないことが多いという問題がある。患者さんに歯周外科治療の治療内容や治療リスク(歯牙が長くなる事がある等)について説明すると, 切開や縫合が必要な歯周外科治療を拒否する患者さんは多い。実際に当院(当医療法人)では過去30年間の治療実績の中で, 歯周外科治療を要する重度歯周病の患者さんが過去1000症例以上存在したが, 約8割の患者さんが歯周外科治療に抵抗感を示した。患者さんが抵抗する場合は歯周病の治療が満足に行えなくなり, 結果的に患者さんのQOLの低下に繋がってしまう。
[3.歯周病に対する再生医療等の可能性]
当院では間葉系幹細胞を用いた「糖尿病治療」「慢性疼痛治療」「脳梗塞後遺症治療」の再生医療を実施しているが, 当院は歯科と内科が併設しているため, 過去に歯科と再生医療の両方の治療を受けられた患者さんが数人存在する。その中で, 糖尿病・慢性疼痛・脳梗塞後遺症の治療を目的として再生医療を受けた患者さんの中に, たまたま副次的に歯周病も改善した患者さんが数人存在している。歯科医師として診療に携わった実体験として, 再生医療を受けていない一般の患者さんに比べて明らかに治癒傾向が高い傾向があると感じている。
間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生療法については, 局所投与では過去にも報告例・臨床研究の実施例があることに加えて, 動物実験ではあるが静脈投与での報告例も存在している。静脈投与について歯科医師として前述のような実体験があるが, 臨床的な客観的かつ科学的なデータが存在しておらず, 有効性について個人の実体験としては感じているが, 科学的には未知数である。仮に静脈投与による治療効果について科学的な検証がなされ, 歯周病の新規治療方法が確立されれば, 患者さんのQOL向上と歯科業界の発展に寄与できると考えている。
[4.本臨床研究の治療内容]
本臨床研究は, 歯周組織の再生治療における安全性及び有効性を検証する臨床研究である。研究対象者の口腔内外斜線下縁頬側部から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離・培養して, 静脈に点滴投与する。
[5.本臨床研究の意義]
前述のとおり, 実臨床においては, 歯周外科治療を拒否する患者さんが多いという問題点があった。本臨床研究により安全性及び有効性が認められ, 新規治療方法として確立されれば, 歯周外科治療に抵抗感を示す患者さんの選択肢が広がることとなる。また, 間葉系幹細胞を局所投与する場合は, 投与した部分の治癒効果は期待できるが, 口腔内全体の治癒効果については期待が薄い。重度歯周病の患者さんは一部の歯周組織のみでなく, 口腔全体の歯周組織が悪化していることが多い。口腔全体の歯周組織が悪化している場合は局所投与で対応することは困難であり, 静脈投与により口腔全体の治癒効果が認められれば, 口腔全体の歯周組織が悪化している患者さんに対して優れた治療方法になると考えられる。

【 研究方法の概要 】
(1)研究デザイン
本臨床研究は多施設共同研究である。
試験の種類:介入研究
無作為化:単一群
盲検化:非盲検
対照:非対照
割付け:単群比較
研究目的:治療
(2)実施期間
実施計画の公表日〜2025年3月31日迄
(3)目標症例数
22名
長年の臨床経験からの推測として, 試験薬の投与によってプロービングデプスの変化は平均1.0mm, その標準偏差が1.5mmと見積もった。有意水準を両側5%とした検定で検出力80%を達成するためには, 20名の参加者が必要である。何らかの理由で脱落例が生じる可能性を考慮し, 実施予定被験者数を22名と設定した。
尚, 20名の研究対象者に対して試験薬を投与した結果, 仮にある特定の有害事象の発現数が0であった場合, その有害事象が発現する割合の95%信頼区間は0%-16.8%である。
(4)研究スケジュール
[スクリーニング期]
研究対象者の適格性を確認し, 説明文書・同意書を用いて, 研究対象者にわかりやすく本臨床研究の内容を説明し, 本臨床研究への参加について自由意志による同意を文書で得る。その後, 口腔内外斜線下縁頬側部より脂肪組織を採取する。
[細胞培養期]
採取された脂肪組織は「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」に冷蔵状態で輸送し, 約2ヵ月間の培養を行う。
[特定細胞加工物の投与]
脂肪組織の採取を行った医療機関にて, 特定細胞加工物を投与する。
[経過観察期間]
特定細胞加工物の投与後3ヵ月間の経過観察を設け, 主要評価項目(プロービングデプス, 重篤な有害事象の有無)・副次的評価項目(プラーク付着状況, レントゲン検査)について検査を実施する。
(5)評価項目
主要評価項目:プロービングデプス(歯周ポケットの深さ), 重篤な有害事象の有無
<1.再生医療等の対象疾患等の名称>
歯周病

<2.再生医療等を受ける者の基準>
【 選択基準 】
下記の基準を全て満たす者を本臨床研究の研究対象者とする。
(1) 20歳以上, 80歳未満の者
(2) 説明文書を用いて十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて本臨床研究への参
加について書面による同意が得られた者
(3) 歯周基本治療を実施しても歯周病の症状改善が認められない者
(4) 歯周外科治療について十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて歯周外科治療の実施を拒否した者
(5) 歯周基本治療を実施後に, プロービングデプス4mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認めら
れる者
(6) プロービング検査30秒後に出血が認められる者
(7) 1歯又は複数連続歯の動揺度が1度以上である者
(8) 根尖性歯周炎および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍等)ではない者
(9) 経過観察期間満了まで通院の意思と能力を有する者
【 除外基準 】
下記の基準に一つでも該当する者は本臨床研究の対象外とする。
(1) 組織採取時に使用する麻酔薬, 又は特定細胞加工物の製造過程で使用する物質に対する過敏症・アレルギー症状を起こした経験がある者
(2) 感染症(HIV, HBV, HCV, HTLV-1, 梅毒)を発症している者
(3) 糖尿病, 慢性疼痛, 高度の心肺疾患, 血栓症, 脳腫瘍あるいは他の臓器にがんを有する者
(4) 妊婦, 授乳中および妊娠している可能性がある者
(5) その他, 歯科医師が不適当と判断した者

<3.再生医療等に用いる細胞>
自己脂肪由来幹細胞

<4.投与する自己脂肪由来幹細胞の細胞数, 投与回数>
細胞数:約1億個 (約1.0×10'8個)
投与回数:1回

<5.原料となる細胞の採取方法>
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院のいずれかの歯科医院の処置室にて, 本臨床研究を実施する歯科医師が採取する。
キシロカインにて局所麻酔を行い, 口腔内外斜線下縁頬側部を約2ミリ切開して脂肪組織 約1gを無菌容器に採取する。その後, 一針縫合する。又は, 下顎角前方部を刺入点として浸潤麻酔を行い、頬骨下部の口角から耳介・下顎骨下縁結んだ範囲内の脂肪組織を陰圧吸引にて約1gを無菌容器に採取する。
(使用する器具・試薬:キシロカイン, メス(#12, #15), ミラー, 骨膜, シリンジ, カニューレ(管径1.6ミリ×管長160ミリ))。
また、患者の静脈から約50mLの血液を採血管に採取する。

<6.脂肪組織の輸送方法>
医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院にて脂肪組織を採取した場合には, 患者識別用ラベルを貼った後に, 細胞培養加工施設である「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」に冷蔵状態(4℃~10℃)で輸送する。輸送業者は細胞培養加工施設が指定する業者に依頼する。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にて脂肪組織を採取した場合には, セルラボ翼CPCが院内にあるため, 脂肪組織の輸送は行わない。

<7.細胞の加工の方法>
特定細胞加工物は「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」にて製造する。
本臨床研究を実施する歯科医師は, 特定細胞加工物の製造を行わせる際に, 特定細胞加工物概要書に従った製造が行われるよう, 必要に応じて指示を行う。
製造及び品質管理の詳細は「製造及び品質管理の方法の概要」に記載のとおり。

<8.細胞加工物の輸送方法>
医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院にて脂肪組織を採取した場合には, 患者識別用ラベルを貼った後に, ドライアイス梱包(-70℃以下)にて凍結状態を維持しながら輸送する。輸送業者は細胞培養加工施設が指定する業者に依頼する。輸送容器は三重梱包とし, 「カテゴリーBの生物学的物質(UN3373)」と同等の基準にて輸送する。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にて脂肪組織を採取した場合には, 特定細胞加工物の輸送は行わない。

<9.特定細胞加工物の投与の方法>
特定細胞加工物は, 脂肪組織の採取を行った医療機関の点滴室にて投与する。
本治療を提供する歯科医師は, 投与前に特定細胞加工物の包装状態・ラベル・異物混入の有無などを確認する。特定細胞加工物の安全性に疑義があると判断した場合は、本治療の提供を中止する。
特定細胞加工物は投与当日に約37℃で急速解凍し, 100mL以上の生理食塩水に懸濁して投与開始まで冷蔵保存する。生理食塩水に懸濁後の特定細胞加工物は8時間以内に投与する。
投与前にはバイタルチェックや凝固検査(Dダイマー)等を実施して, 研究対象者の健康状態を確認し, 投与中及び投与後も継続して確認する。
投与前に細胞懸濁液を優しく撹拌することで均一な細胞懸濁液となるように調製する。その後, 穿刺部の消毒を行い, 注射針と輸液セットを用いて, フィルターを通しながら特定細胞加工物を静脈に点滴投与する。
尚, 点滴投与にあたっては, 研究対象者の容態をみながら約60分〜90分かけて慎重に投与するとともに, 投与後は約30分〜1時間の経過観察時間を設け, 患者の容態に変化が無いことを確認する。
また, 下記の項目に該当する場合は, 歯科医師の判断で点滴投与を中止する。
〇 投与中に副作用(アレルギー反応, 呼吸障害, ショック反応等)が現れた場合
〇 投与中に特定細胞加工物の安全性に疑義があると判断した場合
〇 患者が治療の中止を申告した場合
〇 その他, 歯科医師が点滴投与を中止するべきと判断した場合

また, 実施責任者及び再生医療等を行う歯科医師は, 事前に, 救急医療が必要な際に連携医療機関に速やかに研究対象者を搬送できる体制を構築する。
< 連携医療機関 >
■ 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所:特定医療法人萬生会 熊本第一病院, 済生会熊本病院
■ 医療法人大川歯科医院:SUBARU健康保険組合 太田記念病院, 足利赤十字病院
■ 医療法人祥和会 はっとり歯科医院:佐賀大学医学部附属病院, 国立病院機構 佐賀病院
■ 医療法人健優会 こんどう歯科医院:社会医療法人潤心会 熊本セントラル病院, 菊陽台病院

<10.再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したもの >
詳細は別紙(添付書類)のとおり。
===================================
≪ 本臨床研究の内容 ≫
【 研究目的・意義 】
[1.歯周病の背景情報]
厚生労働省が公表している「平成29年 患者調査」によると, 「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は約398万人である。歯周病の有病率について年代別にみると, 30代から60代にかけての有病率が高く, 30代以上では3人に2人の歯周組織に所見がみられる。年代が上がるにしたがって症状が進行した人の割合が増加しており, 歯周病は国民病とも言われている。
[2.歯周病の標準治療とその問題点]
歯周病の治療法の現状としては, 歯周基本治療と歯周外科治療に大別される。歯周基本治療では, 先ずは歯周病検査・診断を行って歯周病の進行度を調べる。次にSRP(スケーリング, ルートプレーニング)により歯垢(プラーク)の除去を行う。同時に歯磨き指導や生活習慣の改善等についても指導する。歯周基本治療を実施しても改善しない重度の歯周病の場合は, 歯周外科治療(フラップ手術)を行うことで, 歯周基本治療で除去できなかった深部の歯垢を除去する。また, エムドゲインやリグロスを使用した歯周組織再生療法も存在する。
しかし, 歯周外科治療は学術的には確立された治療ではあるが, 実臨床においては患者さんの抵抗感から選択されないことが多いという問題がある。患者さんに歯周外科治療の治療内容や治療リスク(歯牙が長くなる事がある等)について説明すると, 切開や縫合が必要な歯周外科治療を拒否する患者さんは多い。実際に当院(当医療法人)では過去30年間の治療実績の中で, 歯周外科治療を要する重度歯周病の患者さんが過去1000症例以上存在したが, 約8割の患者さんが歯周外科治療に抵抗感を示した。患者さんが抵抗する場合は歯周病の治療が満足に行えなくなり, 結果的に患者さんのQOLの低下に繋がってしまう。
[3.歯周病に対する再生医療等の可能性]
当院では間葉系幹細胞を用いた「糖尿病治療」「慢性疼痛治療」「脳梗塞後遺症治療」の再生医療を実施しているが, 当院は歯科と内科が併設しているため, 過去に歯科と再生医療の両方の治療を受けられた患者さんが数人存在する。その中で, 糖尿病・慢性疼痛・脳梗塞後遺症の治療を目的として再生医療を受けた患者さんの中に, たまたま副次的に歯周病も改善した患者さんが数人存在している。歯科医師として診療に携わった実体験として, 再生医療を受けていない一般の患者さんに比べて明らかに治癒傾向が高い傾向があると感じている。
間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生療法については, 局所投与では過去にも報告例・臨床研究の実施例があることに加えて, 動物実験ではあるが静脈投与での報告例も存在している。静脈投与について歯科医師として前述のような実体験があるが, 臨床的な客観的かつ科学的なデータが存在しておらず, 有効性について個人の実体験としては感じているが, 科学的には未知数である。仮に静脈投与による治療効果について科学的な検証がなされ, 歯周病の新規治療方法が確立されれば, 患者さんのQOL向上と歯科業界の発展に寄与できると考えている。
[4.本臨床研究の治療内容]
本臨床研究は, 歯周組織の再生治療における安全性及び有効性を検証する臨床研究である。研究対象者の口腔内外斜線下縁頬側部又は頬骨下部から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離・培養して, 静脈に点滴投与する。
[5.本臨床研究の意義]
前述のとおり, 実臨床においては, 歯周外科治療を拒否する患者さんが多いという問題点があった。本臨床研究により安全性及び有効性が認められ, 新規治療方法として確立されれば, 歯周外科治療に抵抗感を示す患者さんの選択肢が広がることとなる。また, 間葉系幹細胞を局所投与する場合は, 投与した部分の治癒効果は期待できるが, 口腔内全体の治癒効果については期待が薄い。重度歯周病の患者さんは一部の歯周組織のみでなく, 口腔全体の歯周組織が悪化していることが多い。口腔全体の歯周組織が悪化している場合は局所投与で対応することは困難であり, 静脈投与により口腔全体の治癒効果が認められれば, 口腔全体の歯周組織が悪化している患者さんに対して優れた治療方法になると考えられる。

【 研究方法の概要 】
(1)研究デザイン
本臨床研究は多施設共同研究である。
試験の種類:介入研究
無作為化:単一群
盲検化:非盲検
対照:非対照
割付け:単群比較
研究目的:治療
(2)実施期間
実施計画の公表日〜2025年3月31日迄
(3)目標症例数
22名
長年の臨床経験からの推測として, 試験薬の投与によってプロービングデプスの変化は平均1.0mm, その標準偏差が1.5mmと見積もった。有意水準を両側5%とした検定で検出力80%を達成するためには, 20名の参加者が必要である。何らかの理由で脱落例が生じる可能性を考慮し, 実施予定被験者数を22名と設定した。
尚, 20名の研究対象者に対して試験薬を投与した結果, 仮にある特定の有害事象の発現数が0であった場合, その有害事象が発現する割合の95%信頼区間は0%-16.8%である。
(4)評価項目
主要評価項目:プロービングデプス(歯周ポケットの深さ), 重篤な有害事象の有無
副次的評価項目:プラーク付着状況, レントゲン検査
*プロービングデプスの測定は1歯6点法で実施する。
*プロービングデプスを測定する際は, 共同研究機関で同一の器具「プローブAA CP15 (届出番号:17B2X10001000859)」を用いて, 統一された測定方法にて測定する。
細胞の採取の方法
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院のいずれかの歯科医院の処置室にて, 本臨床研究を実施する歯科医師が採取する。
キシロカインにて局所麻酔を行い, 口腔内外斜線下縁頬側部を約2ミリ切開して脂肪組織 約1gを無菌容器に採取する。その後, 一針縫合する。(用いる器具:キシロカイン, メス(#12, #15), ミラー,骨膜)
また、患者の静脈から約50mLの血液を採血管に採取する。
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院のいずれかの歯科医院の処置室にて, 本臨床研究を実施する歯科医師が採取する。
キシロカインにて局所麻酔を行い, 口腔内外斜線下縁頬側部を約2ミリ切開して脂肪組織 約1gを無菌容器に採取する。その後, 一針縫合する。又は, 下顎角前方部を刺入点として浸潤麻酔を行い、頬骨下部の口角から耳介・下顎骨下縁結んだ範囲内の脂肪組織を陰圧吸引にて約1gを無菌容器に採取する。
(使用する器具・試薬:キシロカイン, メス(#12, #15), ミラー, 骨膜, シリンジ, カニューレ(管径1.6ミリ×管長160ミリ))。
また、患者の静脈から約50mLの血液を採血管に採取する。
6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項
認定再生医療等委員会による意見書の発行日:2023年01月25日
認定再生医療等委員会による意見書の発行日:2023年06月12日
1 認定再生医療等委員会意見書
認定再生医療等委員会意見書(新規審査)及び関連書類.pdf
認定再生医療等委員会意見書(変更審査①)及び関連書類.pdf
2 提供する再生医療等の詳細を記した書類(研究として再生医療等を行う場合は、研究計画書)
[添付書類2] 研究計画書.pdf
[添付書類2] 研究計画書(第2版) (jRCTb070230008).pdf
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式
[添付書類4] 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式.pdf
[添付書類4] 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式(第2版).pdf
20 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
[添付書類20] 再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したもの.pdf
[添付書類20] 再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したもの(第2版).pdf
22 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
認定再生医療等委員会意見書(新規審査)及び関連書類.pdf

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和5年8月18日
jRCTb070230008
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
熊本県熊本市東区画図町大字重富529番地1
長 也寸志 Cho Yasushi

(1)再生医療等の名称及び分類

自己間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生治療における安全性及び有効性に関する検証 Clinical Study of Safety and Efficacy of Autologous Mesenchymal Stem Cells for Periodontal Tissue Regeneration Therapy
自己間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生治療における安全性及び有効性に関する検証 Clinical Study of Safety and Efficacy of Autologous Mesenchymal Stem Cells for Periodontal Tissue Regeneration Therapy
第二種
本臨床研究は, 歯周組織の再生治療における安全性及び有効性を検証する臨床研究である。研究対象者の口腔内外斜線下縁頬側部又は頬骨下部から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離・培養して, 静脈に点滴投与する。 政令の除外技術ではなく, 人の胚性幹細胞/人工多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞のいずれでもなく, 遺伝子を導入する操作を行った細胞ではなく, 動物の細胞ではなく, 投与を受ける者以外の人の細胞ではなく, 幹細胞を使用しており, 培養を行うため, 第二種再生医療等技術に該当する。

(2)再生医療等の内容

厚生労働省が公表している「平成29年 患者調査」によると, 「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は約398万人である。歯周病の治療法の現状としては, 歯周基本治療と歯周外科治療に大別される。間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生療法については, 局所投与では過去にも報告例・臨床研究の実施例があることに加えて, 動物実験ではあるが静脈投与での報告例も存在している。そこで間葉系幹細胞の静脈投与による歯周組織の再生について, 安全性及び有効性を評価することを目的として, 臨床研究を実施する。本臨床研究により安全性及び有効性が認められ, 新規治療方法として確立されれば, 歯周病治療の選択肢が増えることに加えて, 局所投与では期待が薄い口腔全体の治癒効果が期待できる。詳細は「再生医療等の内容」に記載のとおり。
N/A
実施計画の公表日
2025年03月31日
22
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
下記の基準を全て満たす者を本臨床研究の研究対象者とする。
(1) 20歳以上, 80歳未満の者
(2) 説明文書を用いて十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて本臨床研究への参
加について書面による同意が得られた者
(3) 歯周基本治療を実施しても歯周病の症状改善が認められない者
(4) 歯周外科治療について十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて歯周外科治療の実施を拒否した者
(5) 歯周基本治療を実施後に, プロービングデプス4mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認めら
れる者
(6) プロービング検査30秒後に出血が認められる者
(7) 1歯又は複数連続歯の動揺度が1度以上である者
(8) 根尖性歯周炎および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍等)ではない者
(9) 経過観察期間満了まで通院の意思と能力を有する者
Those who meet all of the following criteria will be considered research subjects for this clinical study.
(1) Those who is more than 20 years and less than 80 years.
(2) Those who have recieved sufficient explanation using ICF and understand the contents, and who have obtained written consent to participate in clinical study based on their free will.
(3) Those who do not show improvement of periodontal symptoms after basic periodontal treatment.
(4) Those who have recieved sufficient explanation about periodontal surgical treatment and understand the details of the treatment, and refuses to undergo periodontal surgical treatment of their own free will.
(5) Those who have periodontal pockets with probing depth of 4 mm or greater on one tooth or multiple contiguous teeth after basic periodontal therapy.
(6) Those who are found to be bleeding after 30 seconds of the probing test.
(7) Those who have more than 1 degree of tooth mobility in one tooth or multiple contiguous teeth.
(8) Those who do not have apical periodontitis or a neoplasm (e.g., malignant tumor) that destroys periodontal tissue.
(9) Those who have the will and ability to visit the clinic until the expiration of the observation period.
下記の基準に一つでも該当する者は本臨床研究の対象外とする。
(1) 組織採取時に使用する麻酔薬, 又は特定細胞加工物の製造過程で使用する物質に対する過敏症・アレル
ギー症状を起こした経験がある者
(2) 感染症(HIV, HBV, HCV, HTLV-1, 梅毒)を発症している者
(3) 糖尿病, 慢性疼痛, 高度の心肺疾患, 血栓症, 脳腫瘍あるいは他の臓器にがんを有する者
(4) 妊婦, 授乳中および妊娠している可能性がある者
(5) その他, 歯科医師が不適当と判断した者
Those who meet even one of the following criteria will be excluded from this clinical study.
(1) Those who have experienced hypersensitivity or allergic reactions to anesthetics used during tissue collection or to substances used in the manufacturing process.
(2) Those who has infectious diseases (HIV, HBV, HCV, HTLV-1, Syphilis).
(3) Those who have diabetes mellitus, chronic pain, severe cardiopulmonary disease, thrombosis, brain tumor or cancer of other organs.
(4) Pregnant women, lactating women, and women who may be pregnant.
(5) Other persons deemed inappropriate by dentists.
20歳 0ヶ月 0週 以上 20age 0month 0week old over
80歳 0ヶ月 0週 未満 80age 0month 0week old not
男性・女性 Both
< 個々の研究対象者の中止基準 >
(1) 研究対象者(又は代諾者)から同意撤回の申し出があった場合
(2) 症例登録後に選択基準に合致しない又は除外基準に抵触し, 研究対象者として不適切であることが判明した場合
(3) 有害事象の発現により, 実施責任者及び再生医療等を行う歯科医師が中止すべきと判断した場合又は研究対象者が中止を希望した場合
(4) 原疾患の悪化により, 本臨床研究の継続が困難となった場合
(5) 研究対象者が転居, 転院, 多忙などにより継続的な来院が困難となった場合
(6) 妊娠または妊娠の疑いが生じた場合
(7) その他, 歯科医師の判断により, 本臨床研究の中止の必要性を認めた場合

< 臨床研究全体の中止基準 >
(1) 認定再生医療等委員会が本臨床研究を継続すべきでないと判断した場合
(2) 本臨床研究の安全性に疑義が生じた場合
(3) 本臨床研究の倫理的妥当性や科学的妥当性を損なう事実や情報が得られた場合
(4) 本臨床研究の実施の適正性や結果の信頼を損なう情報や事実が得られた場合
歯周病 Periodontal Disease
D010510
歯周病 Periodontal Disease
自己間葉系幹細胞を静脈から点滴投与 Intravenous Administration of Autologous Mesenchymal Stem Cells.
点滴投与, 自己間葉系幹細胞 Intravenous Administration, Autologous Mesenchymal Stem Cells
(1) プロービングデプス(歯周ポケットの深さ)
(2) 重篤な有害事象の有無
(1) Probing Depth
(2) Presence of Serious Adverse Events
(1) プラーク付着状況
(2) レントゲン検査
(1) Plaque Adhesion
(2) X-Ray Examination
<1.再生医療等の対象疾患等の名称>
歯周病

<2.再生医療等を受ける者の基準>
【 選択基準 】
下記の基準を全て満たす者を本臨床研究の研究対象者とする。
(1) 20歳以上, 80歳未満の者
(2) 説明文書を用いて十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて本臨床研究への参
加について書面による同意が得られた者
(3) 歯周基本治療を実施しても歯周病の症状改善が認められない者
(4) 歯周外科治療について十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて歯周外科治療の実施を拒否した者
(5) 歯周基本治療を実施後に, プロービングデプス4mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認めら
れる者
(6) プロービング検査30秒後に出血が認められる者
(7) 1歯又は複数連続歯の動揺度が1度以上である者
(8) 根尖性歯周炎および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍等)ではない者
(9) 経過観察期間満了まで通院の意思と能力を有する者
【 除外基準 】
下記の基準に一つでも該当する者は本臨床研究の対象外とする。
(1) 組織採取時に使用する麻酔薬, 又は特定細胞加工物の製造過程で使用する物質に対する過敏症・アレルギー症状を起こした経験がある者
(2) 感染症(HIV, HBV, HCV, HTLV-1, 梅毒)を発症している者
(3) 糖尿病, 慢性疼痛, 高度の心肺疾患, 血栓症, 脳腫瘍あるいは他の臓器にがんを有する者
(4) 妊婦, 授乳中および妊娠している可能性がある者
(5) その他, 歯科医師が不適当と判断した者

<3.再生医療等に用いる細胞>
自己脂肪由来幹細胞

<4.投与する自己脂肪由来幹細胞の細胞数, 投与回数>
細胞数:約1億個 (約1.0×10'8個)
投与回数:1回

<5.原料となる細胞の採取方法>
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院のいずれかの歯科医院の処置室にて, 本臨床研究を実施する歯科医師が採取する。
キシロカインにて局所麻酔を行い, 口腔内外斜線下縁頬側部を約2ミリ切開して脂肪組織 約1gを無菌容器に採取する。その後, 一針縫合する。又は, 下顎角前方部を刺入点として浸潤麻酔を行い、頬骨下部の口角から耳介・下顎骨下縁結んだ範囲内の脂肪組織を陰圧吸引にて約1gを無菌容器に採取する。
(使用する器具・試薬:キシロカイン, メス(#12, #15), ミラー, 骨膜, シリンジ, カニューレ(管径1.6ミリ×管長160ミリ))。
また、患者の静脈から約50mLの血液を採血管に採取する。

<6.脂肪組織の輸送方法>
医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院にて脂肪組織を採取した場合には, 患者識別用ラベルを貼った後に, 細胞培養加工施設である「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」に冷蔵状態(4℃~10℃)で輸送する。輸送業者は細胞培養加工施設が指定する業者に依頼する。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にて脂肪組織を採取した場合には, セルラボ翼CPCが院内にあるため, 脂肪組織の輸送は行わない。

<7.細胞の加工の方法>
特定細胞加工物は「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」にて製造する。
本臨床研究を実施する歯科医師は, 特定細胞加工物の製造を行わせる際に, 特定細胞加工物概要書に従った製造が行われるよう, 必要に応じて指示を行う。
製造及び品質管理の詳細は「製造及び品質管理の方法の概要」に記載のとおり。

<8.細胞加工物の輸送方法>
医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院にて脂肪組織を採取した場合には, 患者識別用ラベルを貼った後に, ドライアイス梱包(-70℃以下)にて凍結状態を維持しながら輸送する。輸送業者は細胞培養加工施設が指定する業者に依頼する。輸送容器は三重梱包とし, 「カテゴリーBの生物学的物質(UN3373)」と同等の基準にて輸送する。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にて脂肪組織を採取した場合には, 特定細胞加工物の輸送は行わない。

<9.特定細胞加工物の投与の方法>
特定細胞加工物は, 脂肪組織の採取を行った医療機関の点滴室にて投与する。
本治療を提供する歯科医師は, 投与前に特定細胞加工物の包装状態・ラベル・異物混入の有無などを確認する。特定細胞加工物の安全性に疑義があると判断した場合は、本治療の提供を中止する。
特定細胞加工物は投与当日に約37℃で急速解凍し, 100mL以上の生理食塩水に懸濁して投与開始まで冷蔵保存する。生理食塩水に懸濁後の特定細胞加工物は8時間以内に投与する。
投与前にはバイタルチェックや凝固検査(Dダイマー)等を実施して, 研究対象者の健康状態を確認し, 投与中及び投与後も継続して確認する。
投与前に細胞懸濁液を優しく撹拌することで均一な細胞懸濁液となるように調製する。その後, 穿刺部の消毒を行い, 注射針と輸液セットを用いて, フィルターを通しながら特定細胞加工物を静脈に点滴投与する。
尚, 点滴投与にあたっては, 研究対象者の容態をみながら約60分〜90分かけて慎重に投与するとともに, 投与後は約30分〜1時間の経過観察時間を設け, 患者の容態に変化が無いことを確認する。
また, 下記の項目に該当する場合は, 歯科医師の判断で点滴投与を中止する。
〇 投与中に副作用(アレルギー反応, 呼吸障害, ショック反応等)が現れた場合
〇 投与中に特定細胞加工物の安全性に疑義があると判断した場合
〇 患者が治療の中止を申告した場合
〇 その他, 歯科医師が点滴投与を中止するべきと判断した場合

また, 実施責任者及び再生医療等を行う歯科医師は, 事前に, 救急医療が必要な際に連携医療機関に速やかに研究対象者を搬送できる体制を構築する。
< 連携医療機関 >
■ 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所:特定医療法人萬生会 熊本第一病院, 済生会熊本病院
■ 医療法人大川歯科医院:SUBARU健康保険組合 太田記念病院, 足利赤十字病院
■ 医療法人祥和会 はっとり歯科医院:佐賀大学医学部附属病院, 国立病院機構 佐賀病院
■ 医療法人健優会 こんどう歯科医院:社会医療法人潤心会 熊本セントラル病院, 菊陽台病院

<10.再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したもの >
詳細は別紙(添付書類)のとおり。
===================================
≪ 本臨床研究の内容 ≫
【 研究目的・意義 】
[1.歯周病の背景情報]
厚生労働省が公表している「平成29年 患者調査」によると, 「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は約398万人である。歯周病の有病率について年代別にみると, 30代から60代にかけての有病率が高く, 30代以上では3人に2人の歯周組織に所見がみられる。年代が上がるにしたがって症状が進行した人の割合が増加しており, 歯周病は国民病とも言われている。
[2.歯周病の標準治療とその問題点]
歯周病の治療法の現状としては, 歯周基本治療と歯周外科治療に大別される。歯周基本治療では, 先ずは歯周病検査・診断を行って歯周病の進行度を調べる。次にSRP(スケーリング, ルートプレーニング)により歯垢(プラーク)の除去を行う。同時に歯磨き指導や生活習慣の改善等についても指導する。歯周基本治療を実施しても改善しない重度の歯周病の場合は, 歯周外科治療(フラップ手術)を行うことで, 歯周基本治療で除去できなかった深部の歯垢を除去する。また, エムドゲインやリグロスを使用した歯周組織再生療法も存在する。
しかし, 歯周外科治療は学術的には確立された治療ではあるが, 実臨床においては患者さんの抵抗感から選択されないことが多いという問題がある。患者さんに歯周外科治療の治療内容や治療リスク(歯牙が長くなる事がある等)について説明すると, 切開や縫合が必要な歯周外科治療を拒否する患者さんは多い。実際に当院(当医療法人)では過去30年間の治療実績の中で, 歯周外科治療を要する重度歯周病の患者さんが過去1000症例以上存在したが, 約8割の患者さんが歯周外科治療に抵抗感を示した。患者さんが抵抗する場合は歯周病の治療が満足に行えなくなり, 結果的に患者さんのQOLの低下に繋がってしまう。
[3.歯周病に対する再生医療等の可能性]
当院では間葉系幹細胞を用いた「糖尿病治療」「慢性疼痛治療」「脳梗塞後遺症治療」の再生医療を実施しているが, 当院は歯科と内科が併設しているため, 過去に歯科と再生医療の両方の治療を受けられた患者さんが数人存在する。その中で, 糖尿病・慢性疼痛・脳梗塞後遺症の治療を目的として再生医療を受けた患者さんの中に, たまたま副次的に歯周病も改善した患者さんが数人存在している。歯科医師として診療に携わった実体験として, 再生医療を受けていない一般の患者さんに比べて明らかに治癒傾向が高い傾向があると感じている。
間葉系幹細胞を用いた歯周組織の再生療法については, 局所投与では過去にも報告例・臨床研究の実施例があることに加えて, 動物実験ではあるが静脈投与での報告例も存在している。静脈投与について歯科医師として前述のような実体験があるが, 臨床的な客観的かつ科学的なデータが存在しておらず, 有効性について個人の実体験としては感じているが, 科学的には未知数である。仮に静脈投与による治療効果について科学的な検証がなされ, 歯周病の新規治療方法が確立されれば, 患者さんのQOL向上と歯科業界の発展に寄与できると考えている。
[4.本臨床研究の治療内容]
本臨床研究は, 歯周組織の再生治療における安全性及び有効性を検証する臨床研究である。研究対象者の口腔内外斜線下縁頬側部又は頬骨下部から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離・培養して, 静脈に点滴投与する。
[5.本臨床研究の意義]
前述のとおり, 実臨床においては, 歯周外科治療を拒否する患者さんが多いという問題点があった。本臨床研究により安全性及び有効性が認められ, 新規治療方法として確立されれば, 歯周外科治療に抵抗感を示す患者さんの選択肢が広がることとなる。また, 間葉系幹細胞を局所投与する場合は, 投与した部分の治癒効果は期待できるが, 口腔内全体の治癒効果については期待が薄い。重度歯周病の患者さんは一部の歯周組織のみでなく, 口腔全体の歯周組織が悪化していることが多い。口腔全体の歯周組織が悪化している場合は局所投与で対応することは困難であり, 静脈投与により口腔全体の治癒効果が認められれば, 口腔全体の歯周組織が悪化している患者さんに対して優れた治療方法になると考えられる。

【 研究方法の概要 】
(1)研究デザイン
本臨床研究は多施設共同研究である。
試験の種類:介入研究
無作為化:単一群
盲検化:非盲検
対照:非対照
割付け:単群比較
研究目的:治療
(2)実施期間
実施計画の公表日〜2025年3月31日迄
(3)目標症例数
22名
長年の臨床経験からの推測として, 試験薬の投与によってプロービングデプスの変化は平均1.0mm, その標準偏差が1.5mmと見積もった。有意水準を両側5%とした検定で検出力80%を達成するためには, 20名の参加者が必要である。何らかの理由で脱落例が生じる可能性を考慮し, 実施予定被験者数を22名と設定した。
尚, 20名の研究対象者に対して試験薬を投与した結果, 仮にある特定の有害事象の発現数が0であった場合, その有害事象が発現する割合の95%信頼区間は0%-16.8%である。
(4)評価項目
主要評価項目:プロービングデプス(歯周ポケットの深さ), 重篤な有害事象の有無
副次的評価項目:プラーク付着状況, レントゲン検査
*プロービングデプスの測定は1歯6点法で実施する。
*プロービングデプスを測定する際は, 共同研究機関で同一の器具「プローブAA CP15 (届出番号:17B2X10001000859)」を用いて, 統一された測定方法にて測定する。

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

歯科医師
長 也寸志 Cho Yasushi
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所 Medical Corp. Yushikai
院長
862-0947
熊本県熊本市東区画図町大字重富529番地1 529-1 Shigedomi Ezumachi Higashi-Ward, Kumamoto-City, Kumamoto-Prefecture
096-243-0182
fujimoto@hellodc.net
他の医療機関
当院では, 救命救急セット一式・点滴セット一式・挿管セット一式・アンビューバッグを常備保管している。 近隣に「特定医療法人萬生会 熊本第一病院」「社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院」があり, 救急医療が必要な場合は搬送する。 [熊本第一病院] 病床数は125床。人工呼吸器・心電図・輸血及び輸液装置等を完備 [済生会熊本病院] 病床数は400床(救命救急センター42床,ICU18床)。人工呼吸器・心電図・PET /CT・MRI・高気圧酸素治療装置・輸血及び輸液装置等を完備

(2)その他研究の実施体制に関する事項

徳永 美智代 Tokunaga Michiyo
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所 Medical Corp. Yushikai
事務
862-0947
熊本県熊本市東区画図町大字重富529番地1 529-1 Shigedomi Ezumachi Higashi-Ward, Kumamoto-City, Kumamoto-Prefecture
096-243-0182
096-243-0183
fujimoto@hellodc.net
歯科医師
長 也寸志
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
歯科/院長
歯科医師
長 茉利奈
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
歯科
歯科医師
大川 孝平
医療法人大川歯科医院
歯科/院長
歯科医師
服部 康治
医療法人祥和会 はっとり歯科医院
歯科/院長
歯科医師
近藤 健之
医療法人健優会 こんどう歯科医院
歯科/院長
医療法人社団友志会
長 茉利奈
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
歯科
医療法人社団友志会
倉重 顕一
医療法人社団友志会 新地ハロー歯科診療所
歯科
医療法人社団友志会
福田 正史
医療法人社団友志会
マネージャー
医療法人社団友志会
長 茉利奈
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
歯科
医療法人社団友志会
畑 温
医療法人社団友志会
セルラボ翼CPC 施設管理者
医療法人社団友志会
徳永 美智代
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所
事務
長 茉利奈 Cho Marina
医療法人社団友志会 Medical Corp. Yushikai
歯科

(3)多施設共同研究に関する事項

医療法人大川歯科医院
群馬県太田市矢場新町118-4
0276-46-8750
大川 孝平
大川 孝平 Okawa Kohei
医療法人大川歯科医院 Medical Corp. Okawa Dental Clinic
歯科
373-0802
群馬県太田市矢場新町118-4
0276-46-8750
okdental8750@gmail.com
小沼 綾
医療法人大川歯科医院
受付
373-0802
群馬県太田市矢場新町118-4
0276-46-8750
0276-55-8752
okdental8750@gmail.com
大川 孝平
医療法人大川歯科医院
歯科/院長
他の医療機関
救命救急セット一式・点滴セット一式・薬剤・アンビューバッグ・酸素ボンベ・AEDを常備保管している。
近隣に「SUBARU健康保険組合 太田記念病院」「足利赤十字病院」があり, 救急医療が必要な場合は搬送
する。
[SUBARU健康保険組合 太田記念病院] 病床数は404床。人工呼吸器・心電図・CT・MRI・RI・輸血及び輸液装置等を完備
[足利赤十字病院] 病床数は540床。人工呼吸器・心電図・CT・MRI・RI・輸血及び輸液装置等を完備
医療法人祥和会 はっとり歯科医院
佐賀県佐賀市大和町大字尼寺2900-1
0952-62-1261
服部 康治
服部 康治 Hattori Koji
医療法人祥和会 はっとり歯科医院 Medical Corp. Shouwakai, Hatori Dental Clinic
歯科
840-0201
佐賀県佐賀市大和町大字尼寺2900-1
0952-62-1261
hatt2525@poppy.ocn.ne.jp
服部 康治
医療法人祥和会 はっとり歯科医院
歯科
840-0201
佐賀県佐賀市大和町大字尼寺2900-1
0952-62-1261
hatt2525@poppy.ocn.ne.jp
服部 康治
医療法人祥和会 はっとり歯科医院
歯科/院長
他の医療機関
救命救急セット一式・酸素ボンベ・AED・薬剤・点滴セット一式・アンビューバッグを常備保管している。
近隣に「佐賀大学医学部附属病院」「国立病院機構佐賀病院」があり, 救急医療が必要な場合は搬送する。
[佐賀大学医学部附属病院] 病床数は604床。人工呼吸器・心電図・CT・MRI・RI・血管造影装置・輸血及び輸液装置等を完備
[国立病院機構 佐賀病院] 病床数は292床。人工呼吸器・心電図・CT・MRI・RI・核医学検査・輸血及び輸液装置等を完備
医療法人健優会 こんどう歯科医院
熊本県菊池郡大津町陣内1154-4
096-213-4415
近藤 健之
近藤 健之 Kondoh Takeshi
医療法人健優会 こんどう歯科医院 Medical Corp. Kenyukai, Kondoh Dental Clinic
歯科
869-1221
熊本県菊池郡大津町陣内1154-4
096-213-4415
t.kondo1209@icloud.com
近藤 健之
医療法人健優会 こんどう歯科医院
歯科
869-1221
熊本県菊池郡大津町陣内1154-4
096-213-4415
t.kondo1209@icloud.com
近藤 健之
医療法人健優会 こんどう歯科医院
歯科/院長
他の医療機関
救命救急セット一式・AED・酸素ボンベ・薬剤・点滴セット一式・アンビューバッグを常備保管している。
近隣に「社会医療法人潤心会 熊本セントラル病院」「菊陽台病院」があり, 救急医療が必要な場合は搬送す
る。
[社会医療法人潤心会 熊本セントラル病院] 病床数は246床。人工呼吸器・心電図・CT・MRI・RI・輸血及び輸液装置等を完備
[菊陽台病院] 病床数は124床。人工呼吸器・心電図・CT・MRI・RI・核医学検査・輸血及び輸液装置等を完備

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自己脂肪由来幹細胞
再生医療等の提供を行う医療機関と同じ。医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院
本臨床研究では, 再生医療等を受ける者から脂肪組織(細胞)の採取を行う。そのため, 細胞提供者の選定方法は「再生医療等を受ける者の基準」に記載の内容と同じ。
【 選択基準 】
下記の基準を全て満たす者を本臨床研究の研究対象者とする。
(1) 20歳以上, 80歳未満の者
(2) 説明文書を用いて十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて本臨床研究への参加について書面による同意が得られた者
(3) 歯周基本治療を実施しても歯周病の症状改善が認められない者
(4) 歯周外科治療について十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて歯周外科治療の実施を拒否した者
(5) 歯周基本治療を実施後に, プロービングデプス4mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認められる者
(6) プロービング検査30秒後に出血が認められる者
(7) 1歯又は複数連続歯の動揺度が1度以上である者
(8) 根尖性歯周炎および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍等)ではない者
(9) 経過観察期間満了まで通院の意思と能力を有する者
【 除外基準 】
下記の基準に一つでも該当する者は本臨床研究の対象外とする。
(1) 組織採取時に使用する麻酔薬, 又は特定細胞加工物の製造過程で使用する物質に対する過敏症・アレルギー症状を起こした経験がある者
(2) 感染症(HIV, HBV, HCV, HTLV-1, 梅毒)を発症している者
(3) 糖尿病, 慢性疼痛, 高度の心肺疾患, 血栓症, 脳腫瘍あるいは他の臓器にがんを有する者
(4) 妊婦, 授乳中および妊娠している可能性がある者
(5) その他, 歯科医師が不適当と判断した者
本臨床研究では, 再生医療等を受ける者から脂肪組織(細胞)の採取を行う。そのため, 細胞提供者の適格性の確認方法は「再生医療等を受ける者の基準」に記載の内容を同じ。
【 選択基準 】
下記の基準を全て満たす者を本臨床研究の研究対象者とする。
(1) 20歳以上, 80歳未満の者
(2) 説明文書を用いて十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて本臨床研究への参加について書面による同意が得られた者
(3) 歯周基本治療を実施しても歯周病の症状改善が認められない者
(4) 歯周外科治療について十分な説明を受け, その内容を理解したうえで, 自由意志に基づいて歯周外科治療の実施を拒否した者
(5) 歯周基本治療を実施後に, プロービングデプス4mm以上の歯周ポケットが1歯又は複数連続歯に認められる者
(6) プロービング検査30秒後に出血が認められる者
(7) 1歯又は複数連続歯の動揺度が1度以上である者
(8) 根尖性歯周炎および歯周組織を破壊する新生物(悪性腫瘍等)ではない者
(9) 経過観察期間満了まで通院の意思と能力を有する者
【 除外基準 】
下記の基準に一つでも該当する者は本臨床研究の対象外とする。
(1) 組織採取時に使用する麻酔薬, 又は特定細胞加工物の製造過程で使用する物質に対する過敏症・アレルギー症状を起こした経験がある者
(2) 感染症(HIV, HBV, HCV, HTLV-1, 梅毒)を発症している者
(3) 糖尿病, 慢性疼痛, 高度の心肺疾患, 血栓症, 脳腫瘍あるいは他の臓器にがんを有する者
(4) 妊婦, 授乳中および妊娠している可能性がある者
(5) その他, 歯科医師が不適当と判断した者
特定細胞加工物の原料となる脂肪組織は, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所/医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院のいずれかの歯科医院の処置室にて, 本臨床研究を実施する歯科医師が採取する。
キシロカインにて局所麻酔を行い, 口腔内外斜線下縁頬側部を約2ミリ切開して脂肪組織 約1gを無菌容器に採取する。その後, 一針縫合する。又は, 下顎角前方部を刺入点として浸潤麻酔を行い、頬骨下部の口角から耳介・下顎骨下縁結んだ範囲内の脂肪組織を陰圧吸引にて約1gを無菌容器に採取する。
(使用する器具・試薬:キシロカイン, メス(#12, #15), ミラー, 骨膜, シリンジ, カニューレ(管径1.6ミリ×管長160ミリ))。
また、患者の静脈から約50mLの血液を採血管に採取する。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自己脂肪由来幹細胞
*「医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所」 にて脂肪組織を採取する場合*
< 製造方法の概要 >
特定細胞加工物は「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」にて製造する。
本臨床研究を実施する歯科医師は, 特定細胞加工物の製造を行わせる際に, 特定細胞加工物概要書に従った製造が行われるよう, 必要に応じて指示を行う。
【 製造工程1.自己血清の調製 】
採取した血液を約30分間静置させた後、遠心分離により血餅と血清に分離する。血清を複数本の無菌容器に回収して、-20℃にて凍結保存する。以降、脂肪由来幹細胞(以下、「幹細胞」という)の培養を行う際に適宜使用する。
【 製造工程2.脂肪由来幹細胞の分離 】
採取した脂肪組織をダルベッコ-リン酸緩衝生理食塩水(以下,「D-PBS(-)」という。)で洗浄し, 脂肪由来幹細胞分離キットにて幹細胞を分離する。その後, 間葉系幹細胞用の培養溶液を入れた培養容器に播種し, 約37℃, 5% CO2で培養する。培養から約1週間後に, Recombinant Trypsin/EDTA溶液(以下、「トリプシン」という)で幹細胞を培養容器から剥離し, 新しい培養容器に継代する。
【 製造工程3.脂肪由来幹細胞の培養・継代 】
80%〜90% Confluentに達した際に, 幹細胞をより容量の大きい培養容器に継代する。以降, 必要細胞数の幹細胞が得られるまで継代を行う。但し、継代数は5を超えないこととする。
培養期間中は, 目視及び顕微鏡観察にて, 幹細胞の増殖状態, 接着性, コンタミネーションの有無等を確認する。また, 継代時には細胞数の計測, 生存率の算出, 無菌検査を実施する。
【 製造工程4.特定細胞加工物の回収・検査 】
目視及び顕微鏡観察にて, 幹細胞にコンタミネーションや異常が無いことを確認後, トリプシンで幹細胞を剥離し, D-PBS(-)にて複数回洗浄する。洗浄後は, 孔径40μmの細胞濾過フィルターを通すことで凝集塊を除去し, 特定細胞加工物の充填を行う。
同時に, 細胞懸濁液の一部をサンプリングして, 細胞数の計測, 生存率の算出, 無菌検査, エンドトキシン検査, マイコプラズマ検査を実施する。また, 幹細胞の分化実験や細胞表面マーカーの検査を行い, 国際細胞治療学会が提唱する間葉系幹細胞に関する基準と一致することを確認する。
疾病等が発生した場合の原因究明のために, セルラボ翼CPCの超低温フリーザーにて, 特定細胞加工物の一部を6か月間, -80℃で凍結保存する。
【 製造工程5.特定細胞加工物の充填 】
投与当日に100mL以上の生理食塩水に懸濁し, 投与開始まで冷蔵保存する。

< 品質管理方法の概要 >
特定細胞加工物は下記の検査を実施する。
[製品容器] 製品容器の外観を目視にて確認する。変形・損傷・変色・汚れ・異物の付着が無く, ラベルが貼付されていること。
[製品ラベル] ラベルの外観・記載内容を目視にて確認する。変形・損傷・変色・汚れ・異物の付着が無く, 必要事項が正しく記載されていること。
[内用液] 内用液の状態を目視にて確認する。液漏れ・異物混入が無いこと。
[包装] 包装状態を目視にて確認する。損傷・異物混入が無いこと。
[細胞数] トリパンブルーで染色後に顕微鏡観察にて計測する。必要細胞数以上であること。
[生存率] トリパンブルーで染色後に顕微鏡観察にて計測・算出する。90%以上であること。
[無菌検査] 陰性であること。
[エンドトキシン検査] 0.25EU/mL未満であること。
[マイコプラズマ検査] 陰性であること。
医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所の点滴室にて, 特定細胞加工物を静脈に点滴投与する。
医療法人社団友志会
FC7200036
セルラボ翼CPC
特定細胞加工物の製造の委託は行わない。
自己脂肪由来幹細胞
*「医療法人大川歯科医院/医療法人祥和会 はっとり歯科医院/医療法人健優会 こんどう歯科医院」のいずれかにて脂肪組織を採取する場合*
< 製造方法の概要 >
特定細胞加工物は「セルラボ翼CPC(施設番号:FC7200036)」にて製造する。
本臨床研究を実施する歯科医師は, 特定細胞加工物の製造を行わせる際に, 特定細胞加工物概要書に従った製造が行われるよう, 必要に応じて指示を行う。
【 製造工程1.自己血清の調製 】
採取した血液を約30分間静置させた後、遠心分離により血餅と血清に分離する。血清を複数本の無菌容器に回収して、-20℃にて凍結保存する。以降、脂肪由来幹細胞(以下、「幹細胞」という)の培養を行う際に適宜使用する。
【 製造工程2.脂肪由来幹細胞の分離 】
採取した脂肪組織をD-PBS(-)で洗浄し, 脂肪由来幹細胞分離キットにて幹細胞を分離する。その後, 間葉系幹細胞用の培養溶液を入れた培養容器に播種し, 約37℃, 5% CO2で培養する。培養から約1週間後に,トリプシン で幹細胞を培養容器から剥離し, 新しい培養容器に継代する。
【 製造工程3.脂肪由来幹細胞の培養・継代 】
80%〜90% Confluentに達した際に, 幹細胞をより容量の大きい培養容器に継代する。以降, 必要細胞数の幹細胞が得られるまで継代を行う。但し、継代数は5を超えないこととする。
培養期間中は, 目視及び顕微鏡観察にて, 幹細胞の増殖状態, 接着性, コンタミネーションの有無等を確認する。また, 継代時には細胞数の計測, 生存率の算出, 無菌検査を実施する。
【 製造工程4.特定細胞加工物の回収・検査 】
目視及び顕微鏡観察にて, 幹細胞にコンタミネーションや異常が無いことを確認後,トリプシンで幹細胞を剥離し, D-PBS(-)にて複数回洗浄する。洗浄後は, 孔径40μmの細胞濾過フィルターを通すことで凝集塊を除去し, 特定細胞加工物の充填を行う。
同時に, 細胞懸濁液の一部をサンプリングして, 細胞数の計測, 生存率の算出, 無菌検査, エンドトキシン検査, マイコプラズマ検査を実施する。また, 幹細胞の分化実験や細胞表面マーカーの検査を行い, 国際細胞治療学会が提唱する間葉系幹細胞に関する基準と一致することを確認する。
疾病等が発生した場合の原因究明のために, セルラボ翼CPCの超低温フリーザーにて, 特定細胞加工物の一部を6か月間, -80℃で凍結保存する。
【 製造工程5.特定細胞加工物の充填 】
特定細胞加工物を少量の細胞凍結保存溶液に懸濁させて凍結保存する。

< 品質管理方法の概要 >
特定細胞加工物は下記の検査を実施する。
[製品容器] 製品容器の外観を目視にて確認する。変形・損傷・変色・汚れ・異物の付着が無く, ラベルが貼付されていること。
[製品ラベル] ラベルの外観・記載内容を目視にて確認する。変形・損傷・変色・汚れ・異物の付着が無く, 必要事項が正しく記載されていること。
[内用液] 内用液の状態を目視にて確認する。液漏れ・異物混入が無いこと。
[包装] 包装状態を目視にて確認する。損傷・異物混入が無いこと。
[細胞数] トリパンブルーで染色後に顕微鏡観察にて計測する。必要細胞数以上であること。
[生存率] トリパンブルーで染色後に顕微鏡観察にて計測・算出する。90%以上であること。
[無菌検査] 陰性であること。
[エンドトキシン検査] 0.25EU/mL未満であること。
[マイコプラズマ検査] 陰性であること。
脂肪組織の採取を行った医療機関の点滴室にて, 特定細胞加工物を静脈に点滴投与する。
医療法人社団友志会
FC7200036
セルラボ翼CPC
特定細胞加工物の製造の全工程

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

医療法人社団友志会(再生医療等提供機関と同じ)

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

自己脂肪由来幹細胞の静脈への点滴投与については, 過去にも以下の文献においてその安全性が確認されている。
Jeong Chan Ra et al. Safety of Intravenous Infusion of Human Adipose Tissue-Derived Mesenchymal Stem Cells in Animals and Humans. Stem Cells and Development. 2011, 20(8), 1297-1308.
[ 文献概要 ]
脊髄損傷患者8名を対象に, 第Ⅰ相臨床試験を実施した。治療を受ける本人から採取した脂肪組織から脂肪由来幹細胞を分離し, 培養を行った。投与前に, 細胞の生存率の確認, 真菌・細菌・エンドトキシン・マイコプラズマ汚染の有無の確認を含む品質試験を行った。4×10'8 Cellsの自己脂肪由来幹細胞を含む400mLの生理食塩水を静脈から3〜4時間かけて投与した。投与後1, 4, 7日後及び4, 12週後に検査を行った。
結果, 胸の痛み・胸の締め付け・軽い発熱・骨格筋の痛み・首痛・肩痛などの軽微な有害事象の発生は見られたが一時的な症状であり, 処置を行わなくても自然に回復した。重篤な有害事象の発生は認められなかった。脊髄の損傷部位のサイズを測定した結果, 治療後12週間で若干の改善が認められたが, 有意差は得られなかった。また, 電気生理学的な試験の結果, 運動神経・感覚神経の誘発電位の振幅も増加したが, 有意差は得られなかった。
自己脂肪由来幹細胞を静脈から投与した結果, 重大な有害事象は認められなかったことから, 十分な安全性を有していることが示唆された。
[ 提供しようとする再生医療等との関連性 ]
本文献では, 脊椎損傷患者に対して自己脂肪由来幹細胞を投与している。本臨床研究では歯周病患者を対象としているため, 本文献と対象疾患は異なっているが, 自己脂肪由来幹細胞を静脈投与するという治療内容は同一である。類似の再生医療等の実施例として, 提供しようとする再生医療等の安全性を検討するための参考となると判断した。
K. Hynes, R. Bright, V. Marino, J. Ng, P.J. Verma, S. Gronthos, P.M. Bartold. Potential of iPSC-Derived Mesenchymal Stromal Cells for Treating Periodontal Disease. Stem Cells International. 2018, Mar 14.
[ 文献概要 ]
本研究は, マウス人工多能性幹細胞を分化させて作製した間葉系幹細胞(miPSC-MSC)を用いて歯周病治療への可能性について論じた文献である。作製したmiPSC-MSCは, MSC関連マーカーであるCD73・CD105・Sca-1を発現していた一方で, 多能性マーカーのSSEA1, 造血系マーカーのCD34・CD45は発現していなかった。また, 骨芽細胞・脂肪細胞・軟骨細胞への三分化能を有していた。
熱で不活性化したP. gingivalis(歯周病の病原菌)を用いて急性炎症モデルマウスを作製し, miPSC-MSCを静脈投与(尾静脈から投与)して評価した。
結果, 炎症性サイトカインであるTNFα・CXCL1のmRNAがコントロール(PBS)と比較して低下しており, タンパク質の発現についても同様の傾向であった。
[ 提供しようとする再生医療等との関連性 ]
本文献は, 動物実験かつiPS細胞から分化誘導させた間葉系幹細胞であるが, 急性炎症モデルのマウスに静脈投与した研究であり, 改善傾向が示されている。
当院では間葉系幹細胞を用いた「糖尿病治療」「慢性疼痛治療」「脳梗塞後遺症治療」の再生医療を実施しているが, 当院は歯科と内科が併設しているため, 過去に歯科と再生医療の両方の治療を受けられた患者さんが数人存在する。その中で, 糖尿病・慢性疼痛・脳梗塞後遺症の治療を目的として再生医療を受けた患者さんの中に, たまたま副次的に歯周病も改善した患者さんが数人存在している。歯科医師として診療に携わった実体験として, 再生医療を受けていない一般の患者さんに比べて明らかに治癒傾向が高い傾向があると感じている。
動物実験において改善傾向が示され, 当院の実体験としても治癒傾向がみられることから, 間葉系幹細胞の静脈投与による歯周病の治癒効果について, 科学的な検証がなされれば, 歯科業界の発展に寄与できると考えている。
本臨床研究を実施する歯科医師が, 特定細胞加工物が特定細胞加工物概要書に従って製造されていることを確認する。また, 本臨床研究を実施する歯科医師が, 問診にて研究対象者の健康状態を確認する。
特定細胞加工物の状態及び研究対象者の健康状態を確認した後, 本臨床研究を実施する歯科医師の判断で, 特定細胞加工物の提供の可否を決定する。
細胞(特定細胞加工物)の安全性に関する疑義が生じた場合は, 速やかに当該特定細胞加工物の提供を一時中止し, 当該特定細胞加工物について微生物の汚染その他の安全性に関する検査を行う。検査の結果, 当該特定細胞加工物について微生物の汚染等により安全性を有していないことが判明した場合には, 特定細胞加工物の投与前の場合は, 直ちに特定細胞加工物の製造及び提供を中止する。また, 特定細胞加工物の投与後の場合は, 直ちに当該特定細胞加工物の投与を受けた者に連絡を行い, 感染症その他の疾病等の発生の有無についての検査及び必要な治療を提供する。
特定細胞加工物の安全性に疑義が生じた場合には, 本臨床研究を実施した歯科医師は, その旨を速やかに実施責任者に報告する。実施責任者は, 本臨床研究を実施した歯科医師による報告を受けた場合, その旨を速やかに代表管理者に報告する。
< 脂肪組織(細胞)の一部の保管 >
疾病等が発生した場合の原因究明のため, 脂肪組織(細胞)の一部を6ヵ月間, -80℃以下で保管する。
< 特定細胞加工物の一部の保管 >
疾病等が発生した場合の原因究明のため, 特定細胞加工物の一部を6ヵ月間, -80℃以下で保管する。
医療廃棄物として処理業者に委託することにより廃棄する。
本臨床研究を実施した歯科医師は, 本臨床研究に起因すると疑われる疾病等が発生したことを知った場合, その旨を速やかに実施責任者に報告する。実施責任者は, 本臨床研究を実施した歯科医師による報告を受けた場合, その旨を速やかに代表管理者に報告する。
代表管理者は, 実施責任者からの報告を受けた場合, 再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)第17条及び第18条に基づき, 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(厚生労働省令第110号)第35条及び第36条に定める期間内に, 再生医療等提供計画に記載の認定再生医療等委員会及び厚生労働大臣に報告する。認定再生医療等委員会への報告には別紙様式第一を, 厚生労働大臣への報告には別紙様式第二を用いる。

実施責任者及び代表管理者は, 本臨床研究が再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号), 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(厚生労働省令第110号), 及び再生医療等提供計画に従い, 適切に実施されていることを随時確認するとともに, 必要に応じて本臨床研究の中止又は適正な実施を確保するための必要な措置を講ずる。実施責任者は代表管理者に対して, 本臨床研究の実施状況について随時報告する。
実施責任者及び代表管理者は, 本臨床研究が再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号), 再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則(厚生労働省令第110号), 及び再生医療等提供計画に適合していない状態であると知ったときには, 速やかにその旨を代表管理者に報告する。不適合であって, 特に重大なものが判明した場合においては, 速やかに認定再生医療等委員会の意見を聴く。
< 疾病等の発生についての追跡調査 >
本臨床研究の実施による疾病等の発生状況について経過観察を行うために, 研究対象者を, 特定細胞加工物を投与した日から3ヶ月後まで, 約30日に1回定期的に通院させ, 疾病等の発生の有無及びその他の健康状態について経過観察を行う。
経過観察の結果, 本臨床研究の実施に起因すると疑われる疾病等が発生したことを知った場合は, 前項「疾病等の発生における報告体制の内容」に従い, 報告を行う。

< 再生医療等の効果についての検証 >
本臨床研究の科学的妥当性を追跡調査するために, 研究対象者を, 特定細胞加工物を投与した日から3ヶ月後まで, 約30日に1回定期的に通院させ, 主要評価項目及び副次的評価項目の追跡調査を行う。
本臨床研究の実施に起因することが疑われる疾病等の発生時にその疾病等の情報を把握できるようにするため, また, 本臨床研究に使用した特定細胞加工物に問題が生じた場合に研究対象者の健康状態等を把握することができるようにするため, 本臨床研究に参加することに関する同意を得る際に, 研究対象者の連絡先を取得し, 連絡を取ることができる体制を確保する。
実施計画の公表日
募集中 Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

日本再生医療協会特定認定再生医療等委員会 Certified Review Board of Japan Regenerative Medicine Association
NA8200001
東京都千代田区霞が関三丁目6番14号8階 8F, 3-6-14 Kasumigaseki, Chiyoda-ku, Tokyo
03-5615-8311
jimukyoku@japanrma.org
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2023年06月12日

7 その他

本臨床研究を実施するにあたり, 予め研究対象者に, 個人情報とは無関係の匿名化された番号(研究対象者識別コード)を付与する。本臨床研究の実施に係る情報・試料等を取り扱う際には, 全て匿名化された研究対象者識別コードにて管理する。
研究対象者の氏名と研究対象者識別コードの対照表は, 施錠可能な書類保管庫に厳重に保管することで, 個人情報の漏洩・減失・毀損を防止する。
また, 本臨床研究で得られた情報を公表する際には, 研究対象者が特定できないよう十分に配慮して公表する。
Yes
本臨床研究は共同研究機関との間に情報・試料等の授受が発生する。 情報・試料等の授受を行う際には, 提供元の医療機関名称・実施責任者氏名・授受の発生した日時・研究対象者識別コード・同意文書の有無を記録し, 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所にある盗難防止策の施されたコンピューターに保管する。 This clinical research involves the transfer of information and samples to and from collaborating research institutions. When information and samples are transferred, the name of the medical institution from which the information and samples are provided, the name of the project leader, the date and time of the transfer, the identification code of the research subject, and the existence of the consent document will be recorded and stored in a theft-prevention computer at the Tsubasa Hello Dental and Medical Clinic of the Yushikai Medical Corporation.
代表管理者及び実施責任者は, 本臨床研究の実施に関与する職員に対して, 院内での勉強会を年に1回以上開催し, 実施記録書を作成する。また, 共同研究機関と共同で教育研修を行う機会を年1回以上設ける。
本臨床研究に携わる歯科医師は, 日本再生医療学会や大学及び医療機関等が開催するセミナー等に積極的に参加する。また, 厚生労働省や日本再生医療学会及び関係学会が発表する指針(例:「間葉系幹細胞等の経静脈内投与の安全な実施への提言」, 「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断, 治療, 予防に関するガイドライン」等)についても, 常に最新の情報を入手し, 学習する。
下記のとおり苦情・問合せ窓口を設置し, 窓口担当者が苦情・問合せの初期対応を行う。窓口担当者は実施責任者への報告を行い, その後は実施責任者が対応する。
< 本臨床研究の全体の統括窓口 >
□ 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所 再生医療係(TEL:096-243-0182)
< 個々の医療機関の苦情・問合せ窓口 >
□ 医療法人社団友志会 翼ハロー歯科・内科診療所 再生医療係(TEL:096-243-0182)
□ 医療法人大川歯科医院(TEL:0276-46-8750)
□ 医療法人祥和会 はっとり歯科医院(TEL:0952-62-1261)
□ 医療法人健優会 こんどう歯科医院(TEL:096-213-4415)
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 [添付書類4] 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式(第2版).pdf

変更履歴

種別 公表日
変更 令和5年9月7日 (当画面) 変更内容
新規登録 令和5年4月17日 詳細