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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第二種
令和2年3月19日
令和6年4月9日
令和6年2月9日
開頭外減圧手術を必要とする中等症以上の脳梗塞患者に対する自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞の静脈内投与試験
脳梗塞患者に対する自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞投与
広島大学病院
安達 伸生
中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞にて開頭外減圧療法を必要とする中等症以上の脳梗塞患者にたいして、患者本人の頭蓋骨より樹立した体性幹細胞である頭蓋骨由来間葉系幹細胞を一定期間培養し、この自家細胞を経静脈的に脳梗塞発症後2~3ヶ月を目処に体内に投与し、細胞投与後3ヶ月間評価項目について観察する。本治療方法の安全性および有効性を評価する。本研究の優れる点は、既存の薬物およびリハビリテーションなどの治療を行っても障害を残す中等症以上の脳梗塞患者を対象として、一般的な腸骨からの骨髄採取という侵襲を加えることなく、手術時に廃棄される患者自家頭蓋骨片からM SC を樹立し投与すること、従来用いられる腸骨骨髄と由来の異なる頭蓋骨MSCを無血清培地下に培養し投与することにより、より良好な神経回復を期待できるという点である。
1-2
中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞にて開頭外減圧療法を必要とする中等症以上の脳梗塞患者
募集中断
広島大学再生医療等委員会
NA8150006

変更内容

管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
氏名:工藤 美樹
氏名:安達 伸生
令和6年4月1日
管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
Name:Yoshiki Kudo
Name:Adachi Nobuo
令和6年4月1日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和6年4月6日
jRCTb060190041
広島大学病院
広島県広島市南区霞1-2-3
安達 伸生 Adachi Nobuo

(1)再生医療等の名称及び分類

開頭外減圧手術を必要とする中等症以上の脳梗塞患者に対する自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞の静脈内投与試験 The study of intravenous administration of autologous cranial bone derived mesenchymal stem cells for moderate or severe cerebral infarction patients needed decompressive surgery
脳梗塞患者に対する自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞投与 Administration of autologous cranial bone derived mesenchymal stem cells for cerebral infarction
第二種
政令の除外技術でなく、人の胚性幹細胞/人工多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞のいずれでもなく、遺伝子操作を行わず、かつ動物の細胞も利用しない。さらに、投与を受ける者から採取した細胞であることから、第一種には該当しない。自家由来体性幹細胞で培養を行うことから第二種再生医療等技術と判断した。

(2)再生医療等の内容

中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞にて開頭外減圧療法を必要とする中等症以上の脳梗塞患者にたいして、患者本人の頭蓋骨より樹立した体性幹細胞である頭蓋骨由来間葉系幹細胞を一定期間培養し、この自家細胞を経静脈的に脳梗塞発症後2~3ヶ月を目処に体内に投与し、細胞投与後3ヶ月間評価項目について観察する。本治療方法の安全性および有効性を評価する。本研究の優れる点は、既存の薬物およびリハビリテーションなどの治療を行っても障害を残す中等症以上の脳梗塞患者を対象として、一般的な腸骨からの骨髄採取という侵襲を加えることなく、手術時に廃棄される患者自家頭蓋骨片からM SC を樹立し投与すること、従来用いられる腸骨骨髄と由来の異なる頭蓋骨MSCを無血清培地下に培養し投与することにより、より良好な神経回復を期待できるという点である。
1-2
実施計画の公表日
2024年08月31日
6
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
要因分析 factorial assignment
治療 treatment purpose
【一次登録選択基準】
開頭外減圧術を行う基準(「脳卒中ガイドライン2015」に準ずる:④~⑥)と、開頭外減圧術後に頭蓋骨片からの間葉系幹細胞樹立培養を行う基準

① 初発の中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞の患者
② MRI(またはCT)、MRA(またはCTA、脳血管撮影検査)、心電図、胸部レントゲン検査等で診断された脳梗塞患者で、広島大学病院にて発症急性期より治療を行っている患者
③ 発症時の年齢が20歳以上85歳以下の患者で、脳梗塞発症前のmodified Rankin Scaleが0または1である患者
④ National Institutes of Health stroke scale (NIHSS) scoreが15より高い患者
⑤ NIHSS scoreの1aが、1以上の患者(覚醒していないが簡単な刺激で覚醒し,命令に従ったり,答えたり,反応する.)
⑥ CTにて、前大脳動脈もしくは後大脳動脈領域の脳梗塞の有無は問わないが、中大脳動脈領域脳脳梗塞が、少なくとも50%以上あるか、拡散強調MRI画像(DWI)にて、脳梗塞の範囲が145cm3超える患者
⑦ 本臨床研究について十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者または代諾者が自由意思による文書同意が得られた患者

【二次登録選択基準】
自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞静脈内投与の基準

① 本臨床研究について十分な説明を受けた後、十分な理解の上、患者または代諾者が自由意思による文書同意が得られたもの
Inclusion criteria at the time of first registration
1. First unilateral cerebral hemisphere infarction including the territory of middle cerebral artery
2. Cerebral infarction diagnosed by MRI (or CT), MRA (or CTA, cerebral angiography), electrocardiogram, chest lesion examination, etc.
3. Male or female between aged 20 or older and aged 85 or younger with 0 or 1 in modified Rankin Scale (mRS) before the onset
4. National Institutes of Health stroke scale (NIHSS) score >= 15
5. Decrease in the level of consciousness to a score of 1 or greater on item 1a of the NIHSS
6. Signs on CT of an infarct of at least 50% of the MCA territory, with or without additional infarction in the territory of the anterior or posterior cerebral artery on the same side, or
infarct volume >145 cm3 as shown on diffusion weighted MRI
7. Written informed consent by the patient or a legal representative after thorough understanding after having received sufficient explanation about this clinical study

Inclusion criteria at the time of Secondary registration
1. Informed consent by the patient or a legal representative from a free will after through understanding of this clinical study and sufficient understanding before cell transplantation
【一次登録選択除外基準】
① 開頭外減圧術までの脳梗塞初期治療で標準的治療経過を逸脱したもの
② 開頭外減圧術が行えない既往や全身状態(重症心不全など)があるもの
③ 初期スクリーニングでHBV、HCV、HIV、HTLV-1の感染症を有しているもの
④ 脳梗塞を再発する著しいリスク(脳梗塞の責任血管の狭窄が高度である、または、狭窄の程度に関係なく解離性である等)が考えられるもの
⑤ もやもや病や、破裂または塞栓症を引き起こすリスクの高い脳動脈瘤、重症の頭蓋内出血など活動性または不安定性の頭蓋内病変を有するもの。
⑥ 以下の既往症があるもの
悪性新生物(ただし、最終診断日より十分な期間があり、完治と判断される場合は可とする)、重度の血液および造血器の疾患ならびに免疫機構の障害、重度の神経系の疾患、重度の先天奇形や変形、染色体異常、未処置の重症糖尿病性網膜症、免疫抑制剤を使用しているもの又は1ヶ月以内に弱毒生ワクチンを接種したもの
⑦ 本品に残留する可能性のある成分(製造工程で使用された生物由来原料やゲンタマイシン等)や本品投与又は検査の際に用いられる薬剤に対して重篤なアレルギーを有するもの
⑧ 以下の疾患等により、全身状態が不良であるもの[例:重篤な肝機能障害、重篤な腎機能障害(維持透析等)、循環器疾患(コントロール困難な心不全、薬物治療で消失が期待できない心房内血栓および心室内血栓等)、外傷・中毒およびその他の外因の影響]
⑨ 他の臨床試験に参加中、または細胞治療の既往があるもの
⑩ 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性のある又は研究参加期間内に妊娠を計画している女性、あるいはパートナーの妊娠を希望する男性
⑪ その他、研究責任者または研究分担者が不適合と判断したもの

【二次登録選択除外基準】
① 意識障害がJapan Coma ScaleのIII-200又はIII-300の患者
② 先行する脳梗塞治療において標準的治療経過を逸脱した患者
③ 自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞が製造後品質検査で出荷判定基準を満たさない予定の患者
④ その他、試験責任者または試験分担者が不適合と判断した患者
Exclusion criteria at the time of first registrations
1. Out of standard treatment course in initial treatment of cerebral infarction until surgical decompression (severe hemorrhagic transformation of ischemic lesion, etc.)
2. Other serious illness with contraindication for surgical decompression
3. Positivity for hepatitis B virus, hepatitis C virus, HIV, or human T-cell lymphotropic virus type 1 at the initial screening
4. Significant risk for recurrence of cerebral infarction
5. Active or unstable intracranial lesions such as moyamoya disease, cerebral aneurysms at high risk of causing rupture or embolism, and severe intracranial hemorrhage.
6. Other serious comorbidity that could affect outcome (presence of a malignant tumor, uncontrolled proliferative diabetic retinopathy, etc.)
7. Serious allergy to any possible residues in the test product (e.g. any biomaterials used in manufacturing process, and gentamicin sulfate) or any agents used for the administration of the test product or any inspections during the trial
8. Significant abnormal laboratory tests (severe medical complications such as kidney dysfunction, liver dysfunction, etc.)
9. Participate in other clinical trial
10. Pregnant or possibly pregnant, lactating women, fertile women who are unable to practice contraception
11. Improper on the basis of the judgement by primary investigator or other investigators

Secondary registration selection exclusion criteria
1. Deep coma or coma evaluated by Japan Coma Scale (JCS; 300 or 200)
2. Out of the standard course of treatment for preceding cerebral infarction
3. There is a prospect that Autologous cranial bone derived mesenchymal stem cells that do not meet shipping criteria in post-production quality inspection not available
4. Improper on the basis of the judgement by primary investigator or other investigators
20歳 以上 20age old over
85歳 以下 85age old under
男性・女性 Both
研究責任者は、以下の事項に該当する場合は、研究実施継続の可否を検討する。
① 特定細胞加工物の品質、安全性、有効性に関する重大な情報が得られた時。
② 目標対象者数を期間内で組み入れることが困難であると判断された時。
③ 目標対象者数または予定期間に達する前に研究目的が達成された時。
④ 認定再生医療等委員会により、実施計画等の変更指示があり、これを受け入れることが困難と判断された時。
⑤ 研究の倫理的妥当性もしくは科学的合理性を損なう事実もしくは情報が得られた時。
⑥ 研究の実施適正性もしくは研究結果の信頼を損なう事実または情報を得られた時。

以下の基準のいずれかに該当する場合は、研究対象者の研究を中止する。
① 患者または代諾者から同意撤回の申し出があった場合
② 登録後に選択基準に合致しない又は除外基準に抵触し、対象として不適切であることが判明した場合
③ 疾患の症状、合併症の悪化により、研究の継続が困難な場合
④ 研究対象者の転居等により連絡が取れなくなった場合
⑤ 有害事象の発現により、研究の継続が困難な場合
⑥ 研究実施計画書からの重大な逸脱が発生した場合
⑦ 死亡
⑧ 研究全体が中止された場合
⑨ その他、研究の継続が好ましくないと研究責任者又は研究分担者が判断した場合

中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞にて開頭外減圧療法を必要とする中等症以上の脳梗塞患者 Moderate cerebral infarction of unilateral hemisphere including middle cerebral artery territory
脳血管障害、脳梗塞 Cerebrovascular disease, cerebral infarction
自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞の静脈内投与 Intravenous administration of autologous cranial bone derived mesenchymal stem cells
安全性(有害事象の種類と重症度、発現頻度、発現期間、因果関係) safety
有効性(CTおよびMRIを用いた放射線学的評価、総合機能評価、運動機能評価、神経心理検査、ADL評価、電気生理学的評価) effectiveness
広島大学脳神経外科では、これまで脳や脊髄の再生治療について独自に研究を進め、このたび頭蓋骨由来間葉系幹細胞をもちいた、臨床研究を行います。  
頭蓋骨を外さないと脳の圧が制御できない中等症以上の脳梗塞患者さんは、その多くが高度の後遺障害を有し、生活に介助・介護が必要な状態となります。本研究では、患者さん本人の「頭蓋骨」から間葉系幹細胞(体内に存在し、様々な細胞に変化する能力を持った細胞)を樹立培養して静脈投与することで、脳梗塞治療における安全性と有効性を検証します。
広島大学病院にて発症急性期より治療を行っている初発の中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞の患者さんに対して、一定の状態になられた場合に、開頭外減圧術を行います。
本再生医療臨床研究の対象となる患者さんでは、開頭外減圧術の際に採取されたご本人の頭蓋骨片から、大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設にて4~6週間かけて頭蓋骨由来間葉系幹細胞を用意します。調製した細胞液を、脳梗塞発症後2~3ヶ月を目処に頭蓋骨を外した患者さん本人の静脈内に点滴を行い、細胞投与後の安全性や神経機能評価項目を観察します。
なお詳細は別添の通り。

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
光原 崇文 Mitsuhara Takafumi
80571801
広島大学 Hiroshima University
大学院医系科学研究科 脳神経外科学
734-8551
広島県広島市南区霞1-2-3 1-2-3 Kasumi, Minami-ku, HIROSHIMA 734-8551, Japan
082-257-5227
mitsuhara@hiroshima-u.ac.jp
自施設
広島大学病院は746床を有する県の拠点病院であり、広島県で唯一の「高度救命救急センター」として認定を受け、24時間体制であらゆる高度治療が可能である。 広島大学病院は、救急外来および内科・外科系集中治療室があり、高度救命救命センターには救急患者に対応可能な集中治療用ベッドが20床確保されている。緊急手術についても手術室(18室)で対応可能である。救急医療に対応できる十分な設備が配置され、CT、MRI、一般エックス線検査装置、心電図、血液検査装置、血液ガス分析装置、輸血及び輸液のための装置等が設備されている。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

光原 崇文 Mitsuhara Takafumi
広島大学 Hiroshima University
大学院医系科学研究科 脳神経外科学
734-8551
広島県広島市南区霞1-2-3 1-2-3 Kasumi, Minami-ku, HIROSHIMA 734-8551, Japan
082-257-5227
082-257-5229
mitsuhara@hiroshima-u.ac.jp
医師
光原 崇文
80571801
広島大学
大学院医系科学研究科 脳神経外科学
医師
削除 削除
削除
削除
医師
桑原 政志
広島大学
大学院医系科学研究科 脳神経外科
医師
前田 雄洋
広島大学
大学院医系科学研究科 脳神経外科
医師
削除 削除
削除
削除
医師
堀江 信貴
70380912
広島大学
大学院医系科学研究科 脳神経外科学
医師
原 健司
広島大学
大学院医系科学研究科 脳神経外科学
広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター
永田 剛志
広島大学病院
広島臨床研究開発支援センター
広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター
田村 奈津子
70837632
広島大学病院  
広島臨床研究開発支援センター
EPクルーズ株式会社
濱田 小百合
EPクルーズ株式会社
品質保証部
広島大学病院 広島臨床研究開発支援センター
川野 伶緒
00744210
国立長寿医療研究センター
先端医療開発推進センター 品質管理・情報解析部 DM/生物統計室
広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科学
栗栖 薫
広島大学
大学院 医系科学研究科脳神経外科学
広島大学大学院医系科学研究科 脳神経外科学
光原 崇文
80571801
広島大学
大学院医系科学研究科 脳神経外科学

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自家頭蓋骨由来間葉系幹細胞
再生医療等提供機関と同じ
研究責任者または分担者は、初発の中大脳動脈還流域を含む一側大脳半球梗塞にて広島大学病院に搬送された20歳~85歳以下の患者のうち、開頭外減圧療法を必要とする中等症以上の患者に対して、選択基準に従って患者の選択を行う。
細胞提供者と再生医療等を受ける者が同一であり、再生医療等を受ける者の適格基準に従って確認を行う

広島大学病院手術室にて適応患者の全身麻酔下開頭外減圧術の際に、患者本人から摘出された前頭側頭部の頭蓋骨片から間葉系幹細胞を樹立培養する。
開頭外減圧術は通常の脳神経外科手術手技として行われる。開頭外減圧術の際に摘出された前頭側頭部の頭蓋骨片は、従来手続きを経て廃棄される(医療廃棄物)ものである。
手術にて採取した患者本人の前頭側頭骨5g程度を清潔操作で大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設に搬送する。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

頭蓋骨由来間葉系幹細胞
製造及び品質管理の方法の概要
本加工物は、頭蓋骨由来の同種幹細胞であり、ヒト頭蓋骨組織から単離した間葉系幹細胞(以下MSCs )を用いて製造されたものである。
本品を製造するにあたり、1人の患者より得られた頭蓋骨組織からMSCsを分離・増殖培養し、最終製品として凍結保存する。

・ヒト頭蓋骨組織の採取
手術室にて採取された頭蓋骨を無菌的に回収し、輸送液に浸漬した状態で容器内に密封する。その後、専用の保温バッグに入れて手術室より大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設に直ちに搬送する。

・特定細胞加工物の製造方法
ヒト頭蓋骨組織から間葉系幹細胞(以下MSCs)を単離する工程と、増殖拡大培養する工程、最後に得られ
たMSCsを最終製品として凍結保存する工程がある。

・特定細胞加工物の品質管理
外観検査や細胞数・生存率測定を適宜設定し、製造工程を管理する。また、得られた最終製品については、外観検査、細胞数・生存率、細胞表面抗原マーカーの発現を検査する。また、無菌、マイコプラズマ、エンドトキシンと特定のウイルス試験を実施することで、汚染の有無を確認する。

・包装・出荷
グレードAの環境下で所定のラベリングした1次容器に当該加工物を充填する。その後、一般環境下で所定のラベリングを行い、輸送用の容器に梱包と封印をし、出庫まで大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設内の-70℃以下の冷凍庫にて保管する。研究対象者への投与までの間、数週間程度保管され、出荷可否判定に合格し出荷指示が出ると最終製品は温度管理された状態で輸送容器にて運搬される。
調製した細胞液を、脳梗塞発症後の亜急性期に広島大学病院にて患者末梢静脈内に点滴静注を行う。
大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設
FC5150030
大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設
広島大学病院で採取した患者頭蓋骨片を速やかに大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設に輸送し、製造委託を行った同施設で特定細胞加工物を製造する。最終製品は-70℃以下で出荷まで保存され、出荷指示が出ると温度管理された専用の輸送容器にて広島大学病院へ運搬される。

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

株式会社ツーセル TWO CELLS Co. Ltd
非該当

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

近年、脳梗塞患者に対する再生治療が国内外で盛んに行われているが、現在多くの研究はこの間葉系幹細胞を用いた研究である。2005年にBangらが自家間葉系幹細胞を慢性期脳梗塞患者に経静脈投与、その安全性を報告している(Bang OY, et al. Ann Neurol 57: 874–882, 2005)。また、韓国における脳梗塞患者に対する骨髄由来単核球細胞を用いた臨床試験においては、比較的少量の骨髄間質細胞の慢性期脳梗塞患者に対する静脈内投与において、その有効性および安全性が報告されている(Lee JS, et al. Stem Cells 2010; 28: 1099―1106.)。本邦からの報告では、Honmouらが2007年に自己血清を用いた自家MSCsを培養し、脳梗塞亜急性期患者12例に静脈内投与をおこない、報告している(O. Honmou, et al. Brain, 134: 1790-1807, 2011)。脳梗塞急性期の一般的治療が終了した後の、亜急性期にエントリーされた患者で、軽症例や極端な重症例を除くテント下以外の患者が対象となっている。局所麻酔下に腸骨より骨髄液を数十cc採取し、2-3週間で約100,000,000個まで培養し、患者本人の末梢静脈内に点滴静注している。男性9名・女性3名、年齢は41~73歳(59.2 ± 8.2歳)、運動麻痺12名・失語症5名であった。それぞれ脳梗塞発症後36~133日に細胞移植を行われており、評価は一般検査の他、画像診断学的検査(MRI)および臨床症状の評価(NIHSS, mRS)が行われている。
安全性に関しては、上述臨床研究では12例全例で重大な有害事象無く、1名で注射部位に軽度の痛み、1名で投与6時間以内に軽度の熱発と嘔気、1名で軽度の食欲低下が報告されている。中枢神経性腫瘍や異常細胞増殖、神経学的悪化、静脈血栓症、全身の悪性腫瘍や感染症などは認められなかったと報告されている。また、動物実験においても、安全性上の懸念を示す報告はなく、脳梗塞モデルを対象とした移植に試験においてもその安全性が報告されている(Sasaki M, et al. PLoS One. 2011;6:e26577.)。
先行する間葉系幹細胞の再生医療等製品として、テムセルHS注において、その体内動態についても報告がされており、SCIDマウスへの静脈内投与後、体内に広く分布することが確認されているが、安全性上の懸念については言及されていない(平成27年9月2日 医薬品食品局 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 テムセルHS注 審議結果報告書)。
また、ステミラック注(一般的名称:ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞)は、患者自身から採取した骨髄液中の間葉系幹細胞を体外で培養・増殖させたヒト体性幹細胞加工製品であるが、最適使用推進ガイドライン(薬生機審発0225 第1号、平成3 1 年2月2 5 日)内でその安全性について記載されている。ステミラック注投与された脊髄外傷後患者13例のうち、20%以上の症例に認められた有害事象は、いずれも本品投与との因果関係は否定された。また、死亡、その他の重篤な有害事象は認められなかった。
上記のことから、間葉系幹細胞の動物への毒性、腫瘍化等の懸念がないことが報告されており、臨床試験等においても懸念となるような有害事象は報告されていないことから、本加工物質についても、安全性上の懸念は極めて少ないと考える。

・安全性試験
本研究で使用する細胞加工物については、軟寒天コロニー形成試験及び核型分析試験を行った。軟寒天コロニー形成試験を行い、造腫瘍性が認められいないことを確認した。核型分析について試験を行い、クローン性のある異常を認めなかった。以上のことから、当該加工物の安全性に関して、重大な懸念となる事項はないと判断した。

・非細胞成分及び不純物の安全性
 原材料の加工物への残留について、各種原材料成分のリスクを検討した結果、残留による影響が懸念されると判断した。また、残留量について加工物の最終段階での濃度を測定し、残留量の実測値との割合を算出した結果、安全性上の懸念は無いものと考えた。これらのことから、最終加工製品の成分として安全性上の懸念となるようなものは無いと判断した。
・脳梗塞患者に対する自己間葉系幹細胞移植について
Honmouらが2007年に自己血清を用いた自家MSCsを培養し、脳梗塞亜急性期患者12例に静脈内投与をおこない、報告している(O. Honmou, et al. Brain, 134: 1790-1807, 2011)。その中で、特に懸念となるような安全性上の問題は報告されておらず、有効性についても十分に示唆されるものであった。具体的には、有効性について、NIHSSおよびmRSでの評価において、亜急性期の脳梗塞からの回復スピードが移植によって統計学的に有意に加速されることが報告されている。また、一般的には脳梗塞後のMRI (FLAIR)の経時的変化は1ヶ月程度で収束すると考えられているが、本臨床研究ではそれよりさらに後の時点での移植にも関わらず、MRI (FLAIR)における高信号域が、移植を契機に統計学的に有意に減少することも報告されている。

・頭蓋骨由来間葉系幹細胞移植について
研究代表者らは,これまでに脳神経外科手術において穿頭あるいは開頭手術に際し発生する前頭側頭部の骨組織や骨髄から,ヒト頭蓋骨由来間葉系幹細胞(human cranial bone derived MSCs ) を樹立することに成功した (K. Shinagawa, et al. Neuroscience Letters, 606:161–166, 2015)。本研究において、得られた細胞が間葉系幹細胞としての特質を有していることを細胞表面抗原解析等で確認している。

・無血清下での間葉系幹細胞培養について
無血清培地には間葉系幹細胞用無血清培地STKシリーズを用いる。本培地は、研究用無血清培地として販売されているが、臨床研究では、臨床用に生物由来原料基準に適合した臨床用無血清培地(非売品)を用いる。STK培地で培養した細胞は、有血清培地を用いて培養する手法と比較して、ロットによらず均一な性質の細胞が大量に得られることがわかっている。また、当該培地を用いた間葉系幹細胞を使用した企業治験が現在行われており、その安全性については、治験実施可能なレベルと考える(JapicCTI-173603)。

・登録患者の予想される利益と不利益
上述のことから、無血清培地を用いて頭蓋骨由来間葉系幹細胞を用いて作製された本細胞加工物の安全性については、十分にその間葉系幹細胞としての特質の評価と先行研究から推定可能である。また有効性についても、先行研究の結果が外挿可能であり、本細胞加工物はFirst in humanであるものの、その安全性及び有効性の評価から臨床に供することが妥当と判断するのに十分と考える。
なお、細胞加工製品には長期的又は永続的な未知リスクが存在する可能性があることから、既存治療では改善が期待できない一定程度以上の重症度の脳梗塞患者を対象にして、想定される有害事象に対して忍容可能な全身状態であることを確認の上、健康成人ではなく脳梗塞患者を対象として実施する。
また疾患の特徴を鑑みると、脳梗塞患者には高齢者が多く含まれることから、それまでに得られている安全性に関する情報を踏まえてリスクの忍容可能な範囲で高齢者を含めることとし、かつ登録促進も考慮し85歳までを対象とすることとした。

【本研究の対象となる患者背景】
脳梗塞に対して開頭外減圧を行った3つの大規模ランダム化比較試験(French DECIMAL, German DESTINY, Dutch trial HAMLET)のプール解析(Lancet Neurol. 2007 Mar;6(3):215-22.)では開頭外減圧を行われた51名患者の1年後の転帰として、発症以前から行っていた仕事や活動に制限はあるが日常生活は自立している状態より良い状態(modified Rankin Scale: mRS 2以下)が14%、常に誰かの解除を必要とする状態(mRS 5)または死亡が26%と報告されており、本研究に登録される患者は8割以上が中等度以上の障害が後遺すると考えられる。
脳卒中患者265名の入院中の合併症(Stroke. 2000;31:1223-1229)では、脳卒中の再発9%、痙攣発作3%、感染症(尿路感染症24%、肺炎22%等)、転落25%、転落による重度の外傷5%、褥瘡21%、深部静脈血栓症2%、肺梗塞1%、肩痛9%、他の痛み34%、鬱16%、不安神経症14%、情動性12%、混乱56%が報告されている。
本研究の対象となる患者は中等度以上の障害が残っており、脳梗塞後の合併症も多く想定される患者である。
細胞培養加工施設における取扱いの決定に先立って、再生医療等を行う医師は、当該特定細胞加工物の試験検査の結果等をふまえ、提供の可否について決定する。
最終出荷判定については大阪大学医学部附属病院細胞培養調製施設の出荷手順に従う。

決定を行う者:臨床研究管理者及び品質管理者及び研究責任者または分担者
自家細胞静脈内投与であり、かつ全ての無菌検査等の試験を終えたのちに出荷の手順に準じて投与可否が判断される。このため、投与後に疑義が生じる可能性は極めて少ない。
万が一疑義が発生した場合、もしくは投与後遅発性に生じる腫瘍の発生等が認められた場合は、直ちに研究責任者、管理者に報告し、患者に対しての説明、検査等の適切な対応、及び措置の報告の手順に基づいた報告を行う。研究責任者又は研究分担者は、研究対象者に有害事象が生じ、治療が必要であると認めるときは、その旨を当該患者に伝え、適切な医療を提供するとともに症例報告書に齟齬なく記載する。原則として研究対象者の死亡、転院等により調査不能となった場合を除いて、正常化または有害事象として促えないレベルに回復するまで、追跡調査をおこなう。
試料の一部及び投与細胞の一部は将来の有害事象原因検索のために広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科学検体保管室内の‐80℃冷凍庫で10年間凍結保存を行う。
臨床研究期間中に採取された研究対象者の試料・情報・細胞等は得られた同意を受ける時点では特定されない将来の研究のために用いる可能性がある。その場合には、改めて研究計画書を作成し、広島大学再生医療等委員会における倫理審査を経て承認を受け実施する。
臨床研究期間中に採取された細胞等は、広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科学で使い切るまで保存する。使用しないものについては、廃棄する。保存方法は、試料を符号化して匿名化の上管理する。
試験責任者または試験分担者は、被験者に有害事象が認められたときは、直ちに適切な処置を行う。原則として被験者の死亡、転院等により調査不能となった場合を除いて、正常化または有害事象として促えないレベルに回復するまで、追跡調査をおこなう。
臨床試験期間中に発生した有害事象に関しては直ちに患者に報告、説明を行うこととする。臨床試験期間中に本臨床試験との因果関係の有無に関わらず重篤な有害事象が発現した場合、試験責任者または試験分担者は、被験者にたいして直ちに適切な処置を行い、試験責任者は速やかに病院長に報告し、必要に応じて厚生労働大臣にも報告する。
なお、試験責任者は、毎年一回、臨床試験の進捗状況並びに有害事象等の発生状況を病院長に報告する。

【報告手順】
有害事象の定義及び取り扱い

有害事象とは、研究との因果関係の有無は問わず、研究期間中に発現した全ての好ましくない事象又は意図しない疾病やその徴候のことを指す。臨床研究の実施中に観察された有害事象は、「観察・検査項目とスケジュール」に定めたスケジュールに基づき評価する。

研究対象者の安全性を確保するために、研究責任者及び研究分担者は、以下の基本的事項を遵守する。
① 研究責任者又は研究分担者は、研究対象者の選択基準及び除外基準を遵守する。
② 研究対象者が、本臨床研究の研究責任者と研究分担者以外の医師の治療を受ける場合には、本臨床研究に参加していること及び本研究の内容を当該医師に通知する。
③ 本臨床研究終了後も出来る限り長期にわたって診察を行い、有害事象の発現の有無について注意を払う。
④ 研究対象者が健康状態の異常を感じた場合には、直ちに研究責任者又は研究分担者に連絡するよう指導する。
⑤ 研究責任者又は研究分担者は、研究対象者に有害事象が生じ、治療が必要であると認めるときは、その旨を当該患者に伝え、適切な医療を提供するとともに症例報告書に齟齬なく記載する。原則として研究対象者の死亡、転院等により調査不能となった場合を除いて、正常化または有害事象として促えないレベルに回復するまで、追跡調査をおこなう。
⑥ 研究責任者は有害事象の発生状況を実施状況報告書についてまとめ、毎年1回、広島大学再生医療等委員会に提出し、病院管理者に報告する。

【報告手順】
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づく。
 研究責任者
広島大学再生医療等委員会にて重大な事態と判断された事象及び情報につき、広島大学病院長に対して速やかに報告しなければならない。また、広島大学病院長の指示を受ける前に、必要に応じ、本臨床研究の中止または暫定的な措置を講ずることができる。

 研究機関の長
① 研究責任者から重大な事態が報告された場合には、その発生及び内容を速やかに厚生労働大臣に報告するとともに、原因の分析を含む対処方針について、速やかに広島大学再生医療等委員会の意見を聞き、当該研究責任者に対し、中止その他の必要な措置を講ずるよう指示しなければならない。なお、必要に応じ、広島大学再生医療等委員会の意見を聞く前に、研究機関の長は、当該研究責任者に対し、中止又は暫定的な措置を講ずるよう、指示することができる。
② 研究機関の長は①に掲げる必要な措置を講ずるよう指示した上で、広島大学再生医療等委員会の意見、原因の分析結果及び研究責任者に指示した措置の内容を、厚生労働大臣に報告する。
③ ②に掲げる、中止その他の必要な措置が講じられた後、その結果を厚生労働大臣に報告する。

【認定再生医療等委員会への疾病等の報告】
次に掲げる事項が発生した場合、それぞれに定める期間内に当該事項を認定再生医療等委員会に、報告書を提出する。
1. 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの:7 日
1.1  死亡
1.2  死亡につながるおそれのある症例
2. 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの:15 日
2.1 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例
2.2  障害
2.3  障害につながるおそれのある症例
2.4  重篤である症例(上の2.1~2.3に準ずるもの)
2.5  後世代における先天性の疾病又は異常
3. 再生医療等の提供によるものと疑われる又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症による疾病等の発生(1及び2に掲げるものを除く。):再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出した日から起算して60 日ごとに当該期間満了後10 日以内重大な事態を以下に定義する。

【厚生労働大臣への疾病等の報告】
次に掲げる事項が発生した場合、それぞれに定める期間内に当該事項を厚生労働大臣に、別紙様式第2による報告書を提出する。
1. 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの7 日
1.1 死亡
1.2 死亡につながるおそれのある症例
2. 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの15 日2.1 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例2.2 障害
2.3 障害につながるおそれのある症例
2.4 重篤である症例
2.5 後世代における先天性の疾病又は異常対象となる研究対象者
細胞移植治療直後から数ヶ月にわたって神経再生がおこり、ドナー細胞の神経細胞への分化やホスト細胞の活性化が続き、神経回路の再構築が起こると考えられる。神経回路の再構築を有効的で効率的に行うために、標準的なリハビリテーションをおこなう。細胞移植後は3ヶ月、評価項目について評価を行う。
本臨床研究では、脳梗塞発症後5~6ヶ月(投与後3ヶ月)の観察期間を設定した。これは、実施中あるいは過去に実施された同様の試験(NCT01436487、JMA-IIA00117)においても主要評価期間は投与後3ヶ月に設定されていることなどから設定した。
また、間葉系幹細胞はすでに多くの臨床試験において、その安全性が確認されており、腫瘍化や免疫拒絶の危険性は非常に低いことが知られている(Manoj M. et al., PLoS One. 2012;7(10):e47559.),(Arianna M. et al., Int J Clin Exp Med 2010;3(4):248-269)。万が一、投与後短期間での免疫拒絶反応等の可能性を考慮した場合も、通常免疫拒絶反応は投与直後もしくは3ヶ月までにはその臨床反応が現れるため、3ヶ月の観察期間で安全性及び有効性の観察期間は十分であり、患者保護の観点からも投与後3ヶ月の観察で十分と判断した。

研究終了後も被験者の安全性を確保するために、研究責任者及び研究分担者は、以下のことを行う。
1. 被験者が、本臨床研究の研究責任者と研究分担者以外の医師の治療を受ける場合には、本臨床研究に参加していること及び本研究の内容を当該医師に通知する。
2. 本臨床研究終了後も定期的な外来受診を促す。定期的外来診療により有害事象の発現の有無、及び有効性について評価を行う。
3. 被験者が健康状態の異常を感じた場合には、直ちに研究責任者又は研究分担者に連絡するよう指導する。
4. 研究責任者又は研究分担者は、被験者に有害事象が生じ、治療が必要であると認めるときは、その旨を当該患者に伝え、適切な医療を提供する。
5. 研究責任者は有害事象の発生状況を実施状況報告書についてまとめ、毎年1回、広島大学再生医療等委員会に提出し、病院長に報告する。

なお、臨床研究終了後の定期的外来診療で得られたデータは、解析には含めない。疾病等の発生が生じた場合は特定認定再生医療等委員会に報告を行う。
投与後1, 3, 5日及び1, 2, 4, 8, 12週時点で各種評価を行う。
研究終了後も定期的な外来受診を促す。定期的外来診療により合併症の有無、及び有効性について評価を行う。再生医療等の提供による重篤な有害事象は全て報告を行う。
また、緊急時の対応が可能なように、患者の連絡先を把握しておく。
実施計画の公表日
2022年06月12日
募集中断 Suspended

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

広島大学再生医療等委員会 The Certified Committee for Regenerative Medicine, Hiroshima University
NA8150006
広島県広島市南区霞一丁目2番3号 1-2-3 Kasumi, Minami-ku, Hiroshima, Japan, Hiroshima
082-257-5908
iryo-seisaku@office.hiroshima-u.ac.jp
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2020年02月25日

7 その他

症例登録時に匿名化を行い、以後は被検者識別コードにて管理を行う。被検者のデータ管理、製造管理など症例の取り扱いについては匿名化(対応表あり)を行う。保管は施錠可能な書類保管庫に厳重に保管する。また、試験成績の公表に際しては、被検者の氏名、疾患等が公表されることがないように、個人情報の保護については十分に配慮するものとする。本臨床試験に関与するすべての者は、個人情報漏洩のリスクを踏まえた上で、個人情報保護のため最大限の手段を講じる。

1. 被験者の人権
本研究は、世界医師会による「ヘルシンキ宣言」および「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」を遵守して行う。研究責任者及び研究分担者は、被験者の人権の保護の観点から被験者の健康状態、症状、年齢、性別、同意能力等を十分考慮し、本臨床研究への参加を求めることの適否については慎重に検討する。また、社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合には、特に慎重な配慮を払う。

2. 個人情報の保護
被験者の同意取得後はデータ管理、製造管理など、症例の取り扱いにおいては全て連結可能匿名化された被験者識別コード又は登録番号により管理され、匿名化コードと氏名の対照表及び氏名記載同意書は施錠可能な書類保管庫に厳重に保管する。また、公表に際しては被験者の名前が直接公表されることがない等、被験者の個人情報の保護については十分に配慮する。

個人情報の管理者:
所属 広島大学病院 脳神経外科 職名:講師  氏名:武田正明 

3. 記録等の保存
症例報告書を始め臨床研究に係る文書及び記録等の保存は広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科学で行う。
再生医療を受けた記録は、次に掲げる事項について再生医療等を受けた者ごとに作成する。
(1) 再生医療等を受けた者の氏名・性別・及び生年月日
(2) 病名及び症状
(3) 使用した特定細胞加工物または再生医療等製品の種類、投与方法その他の再生医療等の内容及び評価
(4) 再生医療等に用いる細胞に関する情報
(場所、年月日、適切性を確認した検査の結果等)
(5) 再生医療等を行った年月日
(6) 再生医療等を行った医師の氏名

臨床研究に係る文書(再生医療等提供計画、同意に係る文書及び特定細胞加工物概要書)及び記録等は、臨床研究を中止又は終了し総括報告書を提出した日から少なくとも30年間保存する。本実施計画書及び症例報告書は変更・修正があった場合はその履歴を適切に保存する。

記録等の管理責任者:
所属 広島大学病院 脳神経外科 職名:講師  氏名:武田正明
No
再生医療等を行う医師その他の再生医療等に従事する者は、再生医療等を適正に行うために定期的に適切な教育又は研修を受け、情報収集に努める。
研究責任者は、本研究に参加する研究者を対象として、研究開始前、および研究開始後は年度ごとに少なくとも1回、以下に例示するような事項について理解を深めるための、教育及び研修の場を設ける。
1. 厚生労働省「再生医療等の安全性の確保に関する法律」について
2. 特定細胞加工物等に関する知識(倫理的な考え方を含む)
3. 調製される細胞培養加工物等の安全な取扱いに関する知識及び技術
4. 施設・装置に関する知識及び技術
5. 調製工程の安全性に関する知識及び技術
6. 事故発生時の措置に関する知識及び技術
7. 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に準じて、研究倫理並びに研究実施に必要な知識及び技術

再生医療等の提供に係る関係者に対し、その者が担当する作業内容及び種類に照らして必要な教育訓練を実施する。製造及び品質管理業務に関わる職員に対しては、年に1回程度文書及び製造・品質管理体制の概要について講習を行う。作業工程職員に対しては、SOP及び実地訓練を行う。

教育・研修の詳細については、「教育訓練に関する手順書」を参照する。
研究に関する苦情及び問合せに対する窓口は広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科学内に設置する。

【医療機関】
広島大学病院 脳神経外科 外来
所 在 地:広島市南区霞 1-2-3
電話:082-257-5481 (9時00分 ~ 16時00分、土日祝除く)

広島大学病院 患者支援センター
治験・臨床研究相談窓口(診療棟1階 患者支援センター内)
電話:082-257-5940(9時00分 ~ 17時00分、土日祝除く)

【研究責任者】
氏名:光原崇文(広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科 助教)
電話:082-257-5227

【夜間休日緊急連絡先】
広島大学病院 7階西病棟(脳神経外科病棟)
所 在 地:広島市南区霞 1-2-3
電話:082-257-5502

【研究事務局】
広島大学大学院医系科学研究科脳神経外科
担当者:光原崇文(助教)
電話:082-257-5227

製造過程に関する苦情に関する対応については、「品質等に関する及び品質不良の処理手順」を参照する。
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 【添付書類4】(プライバシー消去済)再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式_Ver2.7.pdf

変更履歴

種別 公表日
軽微変更 令和6年4月9日 (当画面) 変更内容
中止 令和6年2月14日 詳細 変更内容
変更 令和5年11月2日 詳細 変更内容
軽微変更 令和5年4月19日 詳細 変更内容
変更 令和4年11月14日 詳細 変更内容
変更 令和4年8月8日 詳細 変更内容
軽微変更 令和4年5月24日 詳細 変更内容
変更 令和3年12月16日 詳細 変更内容
変更 令和3年11月11日 詳細 変更内容
軽微変更 令和3年3月5日 詳細 変更内容
変更 令和3年1月28日 詳細 変更内容
変更 令和2年8月6日 詳細 変更内容
変更 令和2年7月9日 詳細 変更内容
新規登録 令和2年3月19日 詳細