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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第二種
令和5年6月12日
令和5年6月19日
自己歯髄由来幹細胞を用いた骨再生療法の開発
歯髄由来幹細胞による骨再生療法
岐阜大学医学部附属病院
秋山 治彦
本臨床研究は、歯槽骨・顎骨萎縮症患者に対し、ヒト幹指針制定前より行ってきた骨髄由来幹細胞を用いた歯槽骨再生医療を改良し、より低侵襲な抜去歯を用いた歯髄由来幹細胞を用いた骨(歯槽骨・顎骨)再生療法の第I相安全性評価を行う。実施責任者の施設異動に伴い中断していた再生医療等提供計画「自己歯髄由来幹細胞を用いた骨再生療法の開発」を再開し、歯髄由来幹細胞を用いた骨(歯槽骨・顎骨)再生療法の第I相安全性評価することを目的とする。厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、国民の約6割の人は喪失歯を抱え、咀嚼障害、審美障害を生じるため、回復へ向けての社会的要請が極めて高い。現在、重度歯槽骨吸収、萎縮の改善に対しては自家骨移植がスタンダードであるが、健常部位を損傷する、採取量に限界がある、患者への侵襲が大きいなどの問題点がある。ウシ等他家由来、セラミックなどの人工材料は骨形成能が不明確で、感染などの危険もある。
1
歯槽骨萎縮症
募集中
名古屋大学特定認定再生医療等委員会
NA8150011

変更内容

研究の進捗状況
進捗状況:募集前 / Pending
進捗状況:募集中 / Recruiting
令和5年6月19日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和5年6月19日
jRCTb040230035
岐阜大学医学部附属病院
岐阜県岐阜市柳戸1番1
秋山 治彦 Akiyama Haruhiko

(1)再生医療等の名称及び分類

自己歯髄由来幹細胞を用いた骨再生療法の開発 A clinical study of bone regeneration using autologous dental pulp stem cells
歯髄由来幹細胞による骨再生療法 A clinical bone regeneration study with dental pulp stem cells
第二種
「「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行令」及び「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則」の取扱いについて(平成26年10月31日付け医政研発1031第1号厚生労働省医政局研究開発振興課長通知)」の図2(第一種・第二種・第三種再生医療等技術のリスク分類)に基づき、検討を行い、本再生医療等技術を第二種再生医療等技術と判断した。すなわち、本再生医療技術は「政令の除外技術」ではなく、体性幹細胞を含むことから「人の胚性幹細胞/人工多能性幹細胞/人工多能性幹細胞様細胞」ではなく、細胞加工を行わないことから「遺伝子を導入する操作を行った細胞」ではなく、人由来であることから「動物の細胞」ではなく、自己歯髄組織由来であることから「投与を受けるもの以外の人の細胞」でない。さらに、「幹細胞を利用」しており、「培養を行っているか」については培養を行っており、自己歯髄由来幹細胞を骨再生に用いることから「相同利用」ではない。このことから、本再生医療等技術は第二種再生医療等技術と判断された。

(2)再生医療等の内容

本臨床研究は、歯槽骨・顎骨萎縮症患者に対し、ヒト幹指針制定前より行ってきた骨髄由来幹細胞を用いた歯槽骨再生医療を改良し、より低侵襲な抜去歯を用いた歯髄由来幹細胞を用いた骨(歯槽骨・顎骨)再生療法の第I相安全性評価を行う。実施責任者の施設異動に伴い中断していた再生医療等提供計画「自己歯髄由来幹細胞を用いた骨再生療法の開発」を再開し、歯髄由来幹細胞を用いた骨(歯槽骨・顎骨)再生療法の第I相安全性評価することを目的とする。厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、国民の約6割の人は喪失歯を抱え、咀嚼障害、審美障害を生じるため、回復へ向けての社会的要請が極めて高い。現在、重度歯槽骨吸収、萎縮の改善に対しては自家骨移植がスタンダードであるが、健常部位を損傷する、採取量に限界がある、患者への侵襲が大きいなどの問題点がある。ウシ等他家由来、セラミックなどの人工材料は骨形成能が不明確で、感染などの危険もある。
1
実施計画の公表日
2027年03月31日
5
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
① 口頭と文書で研究計画を説明し、自由意思による研究参加の同意を本人から文書で取得した患者。
② 性別:不問
③ 年齢:同意取得時に20歳以上70歳以下であること。
④ 歯髄組織を提供できる不要歯を有する患者。不要歯とは智歯、矯正学的便宜抜去歯あるいは咬合に関係しない過剰歯および転位歯などをいう。
⑤ 可撤式義歯(いわゆる入れ歯)ではなく、人工歯根を用いた補綴処置ないしは歯を抜かずに残すことを希望するもの。
⑥ デンタルインプラント埋入のための十分な骨量が存在せず、骨移植を必要とするものないしはそう予想されるもの。具体的には、インプラント埋入部位の最小歯槽骨幅径5mm以下、あるいは上顎においては上顎洞底まで、下顎においては下顎管までの最小歯槽骨高径が5mm以下の患者を目安とし、最終的にはCT画像により決定する。
⑦ 治療前処置として、ブラッシング指導などを受け、良好なプラークコントロールが得られていること。
⑧ 通院の意思と能力を有するもの。
(1) Patients who are capable of making an independent decision to comply with trial requirements and whose informed consents are obtained by oral and written document.
(2) Male and female
(3) Age >=20-years-old and <=70-years-old
(4) Patients who have unnecessary and/or discarded teeth such as wisdom tooth, expendientry extracted tooth for orthodontic treatment, supernumerary tooth or displaced tooth without occlusion to supply pulp tissue.
(5) Patients who wish to have dental implant treatment rather than conventional removable prostheses or conserve teeth.
(6) Patients who would require bone transplantation for dental implant because of severe alveolar ridge atrophy. (The width of alveolar bone at the installation sites is <= 5 mm. In the maxilla, the distance between the alveolar ridge and the sinus floors is <= 5 mm. On the other hand, in the mandible the distance between the ridge and mandibular canal is<= 5 mm.) Finally it is decided by CT evaluation.
(7) Patients that oral hygiene is well established.
(8) Patients who are able to visit their hospitals in accordance with the trial schedule.
① 採血が不可能な患者(血色素量11 g/dl未満, 血小板数100,000/mm3以下)
② 感染症(HBs抗原, HBc抗体陽性, HCV抗体, HIV抗体, HTLV-1抗体陽性, 梅毒)を有する患者
③ 重い心血管系、腎、肝、血液疾患を合併している患者(検査基準上限値の1.5倍以上)
④ 抗血小板剤、抗凝固剤を服用の患者
⑤ 糖尿病の患者
⑥ 骨粗鬆症の患者
⑦ 精神疾患、アルコール中毒症、薬物依存症症状を有している患者
⑧ 妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方、試験期間に妊娠を希望される患者
⑨ 抗菌薬や局所麻酔薬によるアレルギー歴のある患者
その他、研究責任者の判断により、この研究への参加が不適当と考えられる患者
(1) Patients who have a difficulty in collecting blood. (hemoglobin content <11g/dl, blood platelet count <=100,000/mm3)
(2) Patients who suffer from infectious diseases (positive for HBs antigen, HBc antibody, HCV antibody, HIV antibody, HTLV-1 antibody, and syphilis serology).
(3) Patients with coexisting disorder of the blood, circulatory system, kidney, and/or liver.
(4) Patients taking anticoagulants or antiplatelet agents.
(5) Patients with coexisting diabetes.
(6) Patients with coexisting osteoporosis.
(7) Patients who have mental or consciousness disorder, the history of dependence on alcohol or drugs.
(8) Patients who are either pregnant, possibly pregnant, or who hope to become pregnant during the period of this trial.
(9) Patients who have a previous history of allergy to any antimicrobial agent or local anesthesia.
Others who the investigators determined as unsuitable for the trial.
20歳 0ヶ月 0週 以上 20age 0month 0week old over
70歳 0ヶ月 0週 以下 70age 0month 0week old under
男性・女性 Both
中止基準として、①本臨床研究対象患者より研究参加の同意撤回届が提出された場合、②本研究に起因すると思われる重篤な疾病等が発生し、報告後、特定認定再生医療等委員会から中止の指示が出された場合、③臨床研究責任医師等が臨床研究の中止が必要と判断した場合などがあげられる。
歯槽骨萎縮症 Atrophy of alveolar bone
歯髄由来幹細胞移植 Transplantation of dental pulp stem cells
安全性(有害事象の有無を見る) Safety
画像(CT等)評価、生検組織(同意の得られた患者)の病理学的検査にて、骨形成についての有効性を調べる。 Efficacy of bone regeneration
別添の通り

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

歯科医師
山田 陽一 Yamada Yoichi
20345903
岐阜大学 Gifu University
大学院医学系研究科感覚運動医学講座口腔外科学分野
501-1194
岐阜県岐阜市柳戸1番1 1-1 Yanagido, Gifu city, Gifu
058-230-6355
yoyamada@gifu-u.ac.jp
自施設
岐阜大学医学部附属病院救急外来および内科・外科系集中治療室。救急科病床として、救急蘇生室、ICUが確保されている。緊急手術についても手術室で対応可能である。救急医療に対応できる十分な設備が配置され、CT、MRI、一般エックス線装置、心電図、血液検査装置、血液ガス分析装置、輸血及び輸液のための装置等が設置されている。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

永井  明徳 Nagai Akinori
岐阜大学医学部附属病院 Gifu University Hospital
経営管理課
501-1194
岐阜県岐阜市柳戸1番1 Yanagido 1-1, Gifu city, Gifu
058-230-6011
058-230-6020
hpkanri@gifu-u.ac.jp
歯科医師
山田 陽一
20345903
岐阜大学
大学院医学系研究科感覚運動医学講座口腔外科学分野
歯科医師
片桐 渉
10437030
岐阜大学
大学院医学系研究科感覚運動医学講座口腔外科学分野
歯科医師
山田 さやか
40437033
岐阜大学
大学院医学系研究科感覚運動医学講座口腔外科学分野
岐阜大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究推進センター
石原 拓磨
783193
岐阜大学医学部附属病院
先端医療・臨床研究推進センター
岐阜大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究推進センター
石原 拓磨
783193
岐阜大学医学部附属病院
先端医療・臨床研究推進センター

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自己歯髄由来間葉系幹細胞
再生医療等提供機関と同じ
細胞提供者と再生医療を受ける者は同じ(自家移植)。下記の選定基準をすべて満たす患者を対象とする。
<選定基準>
1. 口頭と文書で研究計画を説明し、自由意思による研究参加の同意を本人から文書で取得した患者。
2. 性別:不問
3. 年齢:同意取得時に20歳以上70歳以下であること。
4. 歯髄組織を提供できる不要歯を有する患者。不要歯とは智歯、矯正学的便宜抜去歯あるいは咬合に関係しない過剰歯および転位歯などをいう。
5. 可撤式義歯(いわゆる入れ歯)ではなく、人工歯根を用いた補綴処置ないしは歯を抜かずに残すことを希望するもの。
6. デンタルインプラント埋入のための十分な骨量が存在せず、骨移植を必要とするものないしはそう予想されるもの。具体的には、インプラント埋入部位の最小歯槽骨幅径5mm以下、あるいは上顎においては上顎洞底まで、下顎においては下顎管までの最小歯槽骨高径が5mm以下の患者を目安とし、最終的にはCT画像により決定する。
7. 治療前処置として、ブラッシング指導などを受け、良好なプラークコントロールが得られていること。
8. 通院の意思と能力を有するもの。
細胞提供者と再生医療を受ける者は同じ(自家移植)。
<選定基準>
1. 口頭と文書で研究計画を説明し、自由意思による研究参加の同意を本人から文書で取得した患者。
2. 性別:不問
3. 年齢:同意取得時に20歳以上70歳以下であること。
4. 歯髄組織を提供できる不要歯を有する患者。不要歯とは智歯、矯正学的便宜抜去歯あるいは咬合に関係しない過剰歯および転位歯などをいう。
5. 可撤式義歯(いわゆる入れ歯)ではなく、人工歯根を用いた補綴処置ないしは歯を抜かずに残すことを希望するもの。
6. デンタルインプラント埋入のための十分な骨量が存在せず、骨移植を必要とするものないしはそう予想されるもの。具体的には、インプラント埋入部位の最小歯槽骨幅径5mm以下、あるいは上顎においては上顎洞底まで、下顎においては下顎管までの最小歯槽骨高径が5mm以下の患者を目安とし、最終的にはCT画像により決定する。
7. 治療前処置として、ブラッシング指導などを受け、良好なプラークコントロールが得られていること。
8. 通院の意思と能力を有するもの。
<除外基準>
1. 採血が不可能な患者(血色素量11 g/dl未満, 血小板数100,000/mm3以下)
2. 感染症(HBs抗原, HBc抗体陽性, HCV抗体, HIV抗体, HTLV-1抗体陽性, 梅毒)を有する患者
3. 重い心血管系、腎、肝、血液疾患を合併している患者(検査基準上限値の1.5倍以上)
4. 抗血小板剤、抗凝固剤を服用の患者
5. 糖尿病の患者
6. 骨粗鬆症の患者
7. 精神疾患、アルコール中毒症、薬物依存症症状を有している患者
8. 妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方、試験期間に妊娠を希望される患者
9. 抗菌薬や局所麻酔薬によるアレルギー歴のある患者
その他、研究責任者の判断により、この研究への参加が不適当と考えられる患者
1.岐阜大学医学部附属病院にて、不要歯を抜歯する。
2.抜去された歯は、歯の輸送SOPに従って運搬容器に梱包し、0~10℃でアエラスバイオ株式会社歯髄細胞培養センターに輸送する。
3.アエラスバイオ株式会社にて、抜去歯を鉗子等で割断し、歯髄組織を採取する。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自己歯髄由来間葉系幹細胞
【採取した細胞の加工の方法】
局所麻酔の後に抜去した不要歯は、歯の輸送SOPに従って運搬容器に梱包し、0~10℃でアエラスバイオ株式会社歯髄細胞培養センターに輸送する。アエラスバイオ株式会社歯髄細胞培養センターにて、抜去歯を鉗子等で割断し、歯髄組織を採取する。酵素にて歯髄細胞を分離し、10%血清含有Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium (DMEM)にて培養する。この歯髄幹細胞の分取、継代・増幅までの工程をCPC内で無菌的に行い、細胞を得る。
【特定細胞加工物等の保管方法】
凍結チューブに分注(STEM-CELLBANKER® GMP grade)した試験物を、超低温フリーザーにて凍結する。
【試験検査の方法】
最終製品の安全性を補完すべく、管理項目として
① 細胞数 3,000,000以上~ 50,000,000個
② 細胞生存率 70%以上
③ 純度CD29 70%以上、CD44 70%以上、CD73 70%以上、CD34 5%以下
④ 感染安全性検査 ・無菌試験 陰性 ・マイコプラズマ否定試験 陰性 ・エンドトキシン試験 1.0 EU/mL 未満とする。
特定細胞加工物は、【特定細胞加工物受入れ時の確認事項および保管方法】及び【投与の方法】に従い受入れ確認後、選択した手術で術中に実施歯科医師が細胞を投与する。
アエラスバイオ株式会社
FA5190002
アエラスバイオ株式会社 歯髄細胞培養センター
自己歯髄由来間葉系幹細胞培養加工の委託。特定細胞加工物概要書に従い、細胞培養、保管、試験・検査及び特定細胞加工物の保管について委託する。
自己多血小板血漿 (PRP)
【製造方法】
血液バッグに末梢血を採取し、分離バッグを用いて多血小板血漿(PRP)を分離する。
【品質管理方法】
外観検査、目視検査を実施する。
特定細胞加工物は、【特定細胞加工物受入れ時の確認事項および保管方法】及び【投与の方法】に従い受入れ確認後、選択した手術で術中に実施歯科医師が細胞を投与する。
委託しない
FC4230001
岐阜大学病院 細胞調製室
委託しない

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

アエラスバイオ株式会社歯髄細胞培養センター

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

我々はヒト幹細胞指針制定以前から自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた骨再生医療の臨床研究を行ってきた。骨髄間葉系幹細胞、多血小板血漿を用いて、骨造成症例や歯周病患者に移植した結果、著明な骨再生が得られ、長期予後も良好であり、有害事象も認めず、間葉系幹細胞を用いた骨再生は、安全かつ有効であることが示唆された(Yamada Y et al., Stem Cells. 2013)。また、我々は平成26年に、厚生労働省「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」による「自己歯髄由来幹細胞を用いた骨再生療法の開発」の実施計画に対する大臣意見を得て(厚生労働省発医政1106第6号)、臨床試験を開始した。平成27年には再生医療等の安全性の確保等に関する法律の規定に基づき、名古屋大学特定認定再生医療等委員会の承認を受けて、臨床研究を継続し、5症例実施した。5症例すべてにおいて、有害事象は生じておらず、画像評価により良好な骨再生が確認されている。このように、当該再生医療等提供計画は一定の安全性が示唆されている。自己歯髄由来幹細胞を用いた歯髄組織再生治療は、第2種治療として「自己歯髄幹細胞による根管治療後の歯髄再生治療」が実施されている。同再生医療提供計画では、本臨床研究で用いる特定細胞加工物の細胞培養加工施設であるアエラスバイオ株式会社・歯髄細胞培養センターで同様に製造した特定細胞加工物を用いている。これまでに、ヒト幹細胞投与と因果関係の否定できない重篤な有害事象は報告されていない。
現在、骨造成の標準治療は自家骨移植であるが、健常部位に侵襲を加えるため患者負担が大きい欠点がある。他家骨、人工材料を用いる方法もあるが、安全性や有効性が疑問視されている。そこで、我々は間葉系幹細胞を用いた低侵襲の骨再生療法の開発を行ってきた。歯髄中に存在する間葉系幹細胞は増殖能に優れ、多分化能を有する有用な細胞であることが明らかとなってきている。骨髄穿刺が必要な骨髄液から得られる幹細胞と比較して、歯髄は不要となった抜去歯から容易かつ侵襲なく採取可能である利点を有している。我々はこれまでに歯髄由来幹細胞を用いた歯槽骨再生療法の検証においても、骨髄由来幹細胞と同等に骨再生が得られており、有害事象も認められず、基礎、前臨床研究により安全性、有効性を確認している(Yamada Y, et al., Biomaterials, 2006、Yamada Y, et al., Tissue Eng, 2010等)。平成26年には、厚生労働省「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」に基づき、平成27年には再生医療等の安全性の確保等に関する法律の規定に基づき、名古屋大学特定認定再生医療等委員会の承認を受けて、臨床研究「自己歯髄由来幹細胞を用いた骨再生療法の開発」を実施し、5症例実施した。5症例すべてにおいて、有害事象は生じておらず、画像評価により良好な骨再生が確認されている。このように、当該再生医療等提供計画は一定の安全性および有効性が示されている。
①決定を行う時期:以下の事項を確認した時点
・骨分化培養液に交換する前の培養細胞の細胞表面マーカー検査で、基準内の細胞集団であること
・細胞回収日において、投与細胞数、細胞の生存数が基準内であること
・細胞回収日において、無菌検査中間報告で陰性であること
・細胞回収日において、エンドトキシンが基準内であること
② 決定を行う者:実施施設における再生医療等を行う医師・歯科医師
歯科医師は、細胞提供者に遅発性の感染症が発生した場合、細胞培養中の時は、管理者を通じて特定細胞加工物製造業者での細胞培養の一時停止を指示すると同時に細胞提供者に適切な感染症治療の実施を指示する。発生した感染症が細胞に与える影響を評価した後、必要に応じてその後の細胞培養作業の取扱いを指示する。また、細胞が既に再生医療に使用されてしまっていた場合は、再生医療を受けた者の健康観察も強化し、必要な場合は治療を指示する。尚、本治療では細胞提供者と再生医療を受ける者が同一であるため、再生治療の実施状況を問わず、患者の健康状態の健康観察強化と必要時の感染症治療を指示する。
 特定細胞加工物製造業者より再生医療等提供機関に供給された治療用の特定細胞加工物は、治療時に全て投与するため、保管することはない。また、保存細胞は必要に応じ、解凍し、再利用することもある。なお、感染症を発症した場合等の原因の究明のため、参考品として細胞培養初期の培養液及び特定細胞加工物の一部を特定細胞加工物製造業者において10年間保管する。
10年間保管した細胞培養初期の培養液及び特定細胞加工物の一部は、保管期間終了後、医療廃棄物として特定細胞加工物製造業者が処分する。
重大な事態が生じた場合には、まずは、適切な救急処置を施し、被験者の安全性確保を最優先する。必要に応じ、専門医師による診断を受け、原因究明に努める。被験者の臨床研究参加中及びその後、臨床上問題となる有害事象に対しても真摯に対処し、医療措置を講じる。また、研究責任者は症例報告書に発現日、程度、重篤か否か、経過及び臨床研究との関係等を記載するとともに、岐阜大学医学部附属病院病院長に報告し、当該臨床研究との因果関係や臨床研究継続の可否などの判断を受け、必要と認められた場合は臨床研究の中止も検討する。特に因果関係が否定できない事象に対しては、可能な限り追跡調査を行う。臨床研究との因果関係が認められ、地方厚生局長への報告の必要があると認められた場合には、岐阜大学医学部附属病院病院長は地方厚生局長に報告する。研究終了後でもあっても、追跡調査において重大な事態が明らかとなった場合も必要に応じ地方厚生局長へ報告する。また、病院長は意見があった場合にはそれに従い対応を図る。
研究責任者、分担者は安全性の確保の観点から、被験者に定期的な外来受診を促し、外来診療においてできる限り3年以上、合併症の有無等、安全性について調査を継続する。
臨床研究期間中は、被験者に定期的に受診してもらい、経過観察を行う。また、研究終了後も定期的な外来受診を促し、経過観察を行う。臨床研究に関する問い合わせ窓口を設置し、何かあればご連絡いただくこととする。
実施計画の公表日
募集中 Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

名古屋大学特定認定再生医療等委員会 Nagoya University certified comittee for regenerative medicine
NA8150011
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 65 Tsuruma-cyo, Syowa-ku, Nagoya city, Aichi
052-744-2479
ethics@med.nagoya-u.ac.jp
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2023年06月08日

7 その他

個人情報保護は東海国立大学機構個人情報保護規程に準じて行われる。
No
特定細胞加工物の原料となる歯の抜去は、通常行われている抜歯術で、口腔外科医あるいは訓練を受けた歯科医師が実施するものとする。品質に関する教育訓練に関しては、教育訓練実施手順書を定めてあり、手順書に従って教育を受けるなど、知識・技能が一定の水準に到達していると認められない限り、単独でその業務に従事しない。特定加工物の投与については、研究責任医師(歯科医師)および分担責任医師(歯科医師)が実施することとする。また、再生医療等を行う医師又は歯科医師、担当者は日本再生医療学会等に参加し、研鑽を積むものとする。
下記受付先に本臨床試験に関する苦情及び問い合わせがあった場合には、まずは診療担当医で対応する。診療担当医では対応が困難な場合、診療科内でその内容を検討し、研究責任者である山田陽一が対応する。
苦情及び問い合わせ受付先:岐阜大学医学系研究科・医学部 研究支援係 
(電話: 058-230-6059)
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 説明書および同意文書(2023.2 届出版).pdf

変更履歴

種別 公表日
軽微変更 令和5年6月19日 (当画面) 変更内容
新規登録 令和5年6月12日 詳細