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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第二種
令和2年2月13日
令和5年7月7日
自家腸上皮幹細胞移植による炎症性腸疾患の粘膜再生治療
自家腸上皮幹細胞移植による炎症性腸疾患の粘膜再生治療
東京医科歯科大学病院
藤井 靖久
難治性潰瘍を伴う潰瘍性大腸炎の患者に体外で培養した自家腸上皮幹細胞を移植して潰瘍の治癒を促進する再生医療の安全性の確認を目的とする。
N/A
潰瘍性大腸炎
募集前
国立大学法人東京医科歯科大学特定認定再生医療等委員会
NA8140003

変更内容

管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
氏名:内田 信一
氏名:藤井 靖久
令和5年6月14日
管理者(多施設共同研究として実施する場合は代表管理者)
Name:Uchida Shinichi
Name:Fujii Yasuhisa
令和5年6月14日
細胞提供者又は代諾者に対する説明文書及び同意文書の様式(別紙)
2_説明文書・同意文書_変更3.4版_220406.pdf
2_説明文書・同意文書3.5統合版_230401.pdf
令和5年6月14日
2 提供する再生医療等の詳細を記した書類(研究として再生医療等を行う場合は、研究計画書)
1_研究計画書_変更_220406.pdf
1_研究計画書_変更_230615.pdf
令和5年6月14日
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式
2_説明文書・同意文書_220406_墨消し統合.pdf
2_説明文書・同意文書3.5統合版_墨消し_230401.pdf
令和5年6月14日
27 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
病院開設許可事項一部変更届.pdf
令和5年6月14日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和5年7月7日
jRCTb032190207
東京医科歯科大学病院
東京都文京区湯島1−5−45
藤井 靖久 Fujii Yasuhisa

(1)再生医療等の名称及び分類

自家腸上皮幹細胞移植による炎症性腸疾患の粘膜再生治療 Mucosal regeneration therapy by autologous intestinal stem cell transplantation to inflammatory bowel disease patients.( Intestinal stem cell transplantation for inflammatory bowel disease. )
自家腸上皮幹細胞移植による炎症性腸疾患の粘膜再生治療 Mucosal regeneration therapy by autologous intestinal stem cell transplantation to inflammatory bowel disease patients.( Intestinal stem cell transplantation for inflammatory bowel disease patients. )
第二種
【判断理由】 本研究で使用する特定細胞加工物は以下の条件を備えている。 ・政令で除外した技術にあたらない。 ・ES細胞/iPS細胞/iPS細胞様細胞にあたらない。 ・遺伝子を導入する操作を行った細胞にあたらない。 ・動物の細胞にあたらない。 ・投与を受ける者以外の人の細胞にあたらない。 ・幹細胞を利用している。 ・培養を行っている。 以上の理由により第二種であると判断した。

(2)再生医療等の内容

難治性潰瘍を伴う潰瘍性大腸炎の患者に体外で培養した自家腸上皮幹細胞を移植して潰瘍の治癒を促進する再生医療の安全性の確認を目的とする。
N/A
実施計画の公表日
2024年09月30日
8
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
(1) 本人から文書同意の取得が可能な患者。
(2) 同意取得時の年齢が満20歳以上の患者。
(3) 潰瘍性大腸炎の診断基準を満たす患者。
(4) 副腎皮質ステロイド、免疫調節薬(タクロリムス、アザチオプリン、6-メルカプトプリン)または抗T NF-α抗体製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)、トファシチニブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブに対して効果不十分、効果減弱、又は不耐用である患者。
(5) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて大腸に潰瘍(長径5mm以上)の残存を確認した患者。
(1) Acquirement of patient-signed formal approvement at study entry.
(2) Age over 20 at study entry.
(3) Satisfy the diagnostic criteria for ulcerative colitis.
(4) Limited clinical efficacy, reduction of efficacy or intolerance to the following drugs: Corticosteroids, Immunomodulators (tacrolimus, azathioprine, 6-mercaptopurine), anti-TNF antibodies (infliximab, adalimumab, golimumab), tofacitinib, vedolizumab, and ustekinumab.
(5) Sustained colonic ulcer (over 5mm diameter) confirmed by colonoscopy performed within 4-weeks from study entry.
(1) 大腸切除の既往歴がある患者。
(2) 大腸切除術を計画している患者。
(3) 大腸内視鏡施行が禁忌である状態の患者。
(4) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて大腸に潰瘍(長径5mm以上)の残存を確認されなかった患者。
(5) 消化管上皮異形成と診断されている患者。
(6) 潰瘍性大腸炎以外の大腸炎の合併が疑われる患者。
(7) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて非活動性部位を確認されなかった患者。
(8) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて採取した大腸生検組織においてHHV6またはHHV7ウィルスの感染が確認された患者。
(9) 活動性の感染がある患者。
(10) 全身状態が悪い患者。
(11) 5年以内に悪性腫瘍の既往がある患者、または悪性腫瘍を有する疑いのある患者。
(12) 認知症など自己決定の困難な患者。
(13) 妊婦、授乳婦及び妊娠している可能性のある患者、または臨床研究期間中に妊娠の希望がある患者。
(14) ネオベール、ベリプラストの1つ以上に対してアレルギーがある患者。
(15) アプロチニン、トロンビン、フィブリノゲン、ポリグリコール酸に対し過敏症の既往歴がある患者。
(16) 抗生物質(ペニシリン、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン)に対して過敏症を有する患者。
(17) 抗血栓薬服用中の患者。
(18) 凝固促進剤ヘモコアグラーゼ、抗線溶剤イプシロンアミノカプロン酸・トラネキサム酸、アプロニチン製剤の治療を受けている患者。
(19) その他、実施責任者または研究分担医師が不適当と認めた患者
(1) Past history of colectomy.
(2) Planning or awaiting colectomy.
(3) Satisfies contraindication criteria for colonoscopy.
(4) Failure to confirm the presence of sustained colonic ulcer (over 5mm diameter) by colonoscopy performed within 4-weeks from study entry.
(5) Presence of gastrointestinal dysplasia.
(6) Complication of colitis other than ulcerative colitis.
(7) Failure to confirm the presence of un-inflamed region by colonoscopy performed within 4-weeks from study entry.
(8) Positive results for HHV6 and/or HHV7 infection acquired from colonic mucosal biopsies taken during the colonoscopy performed within 4-weeks from study entry.
(9) Presence of active infection.
(10) Poor general condition.
(11) Past history or suspected presence of malignancy within 5 years from study entry.
(12) Having difficulty in making self-decision due to diseases such as dementia.
(13) Pregnant or lactating women, including suspected pregnancy or those anticipating pregnancy.
(14) Allergy against Neoveil or Beriplast.
(15) Allergy against aprotinin, thrombin, fibrinogen, or polyglycolic acid.
(16) Allergy against penicillin, gentamycin or streptomycin.
(17) Under treatment with antithrombotic drugs.
(18) Under treatment either with hemocoagulase, epsilon aminocaproic acid, tranexamic acid, or aprotinin.
(19) Recommended to be excluded by the study director or other study members.
20歳 以上 20age old over
上限なし No limit
男性・女性 Both
【個々の研究対象者における中止基準】
研究対象者の安全性確保等のため、同意取得後に以下の条件のいずれかに該当した場合、当該研究対象者の臨床研究を中止する。
1) 研究対象者が同意を撤回した場合。
2) 培養用細胞採取を目的とした生検採取時に適切な非活動性粘膜が認められなかった場合。
3) 移植実施時に治療対象となる適切な病変が認められなかった場合。
4) 臨床研究の継続により、研究対象者が不必要な危険にさらされる、又は研究対象者の状態により臨床研究実施計画書の遵守が困難と実施責任者又は研究分担医師が判断した場合。
5) 実施責任者又は研究分担医師が特定細胞加工物の移植を延期せざるを得ない程度の有害事象が発現したと判断した研究対象者。
6) 特定細胞加工物の問題(製造工程上の問題も含む)により、特定細胞加工物の移植が実施できない場合。
7) 特定細胞加工物移植前に研究対象者の妊娠が判明した場合。
8) 研究対象者が特定細胞加工物移植の入院前に行う新型コロナウイルス検査が陽性であった場合。

【研究全体としての中断・中止基準】
研究対象者の安全性確保のため、本臨床研究全体を中断または中止とする。
1) 実施責任者は重篤な有害事象が発生した場合に、医学部附属病院長・特定認定再生医療等委員会及び効果安全性委員会に所定の報告を実施した上で、研究を中断する。各委員会の意見等に基づき再開または中止とする。
2) 実施責任者は、研究対象者の安全性確保のため、その他研究を中止あるいは中断する必要があると判断した場合には、東京医科歯科大学特定認定再生医療等委員会に速やかにその旨を報告し、意見に基づき中止あるいは中断とする。
潰瘍性大腸炎 Ulcerative colitis
治療・ケア Treatment
安全性:自家腸上皮オルガノイドの同意取得後から移植後52週までの有害事象 Safety: Evaluation of adverse events observed from study entry to 52 weeks after autologous intestinal stem cell transplantation.
有効性:内視鏡的改善及び組織学的改善 Efficacy: Endoscopic improvement and/or histological improvement
【目的】
本臨床研究は、難治性潰瘍を伴う潰瘍性大腸炎の患者に体外で培養した自家腸上皮幹細胞を移植して潰瘍の治癒を促進する再生医療の安全性の確認を目的とする。

【開発の相】
フィージビリティ(探索)試験

【研究デザイン】
単施設、非盲検、非対照試験

【対象】
難治性潰瘍を伴う潰瘍性大腸炎の患者

【選択基準 】
以下の基準をすべて満たす患者を選択する。
(1) 本人から文書同意の取得が可能な患者。
(2) 同意取得時の年齢が満20歳以上の患者。
(3) 潰瘍性大腸炎の診断基準を満たす患者。
(4) 副腎皮質ステロイド、免疫調節薬(タクロリムス、アザチオプリン、6-メルカプトプリン)または抗TNF-α抗体製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)、トファシチニブ、ベドリズマブ、ウステキヌマブに対して効果不十分、効果減弱、又は不耐用である患者。
(5) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて大腸に潰瘍(長径5mm以上)の残存を確認した患者。

【除外基準 】
以下の基準のいずれかに当てはまる患者を除外とする。
(1) 大腸切除の既往歴がある患者。
(2) 大腸切除術を計画している患者。
(3) 大腸内視鏡施行が禁忌である状態の患者。
(4) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて大腸に潰瘍(長径5mm以上)の残存を確認されなかった患者。
(5) 消化管上皮異形成と診断されている患者。
(6) 潰瘍性大腸炎以外の大腸炎の合併が疑われる患者。
(7) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて非活動性部位を確認されなかった患者。
(8) 同意取得日の前4週以内に施行した内視鏡検査にて採取した大腸生検組織においてHHV6またはHHV7ウィルスの感染が確認された患者。
(9) 活動性の感染がある患者。
(10) 全身状態が悪い患者。
(11) 5年以内に悪性腫瘍の既往がある患者、または悪性腫瘍を有する疑いのある患者。
(12) 認知症など自己決定の困難な患者。
(13) 妊婦、授乳婦及び妊娠している可能性のある患者、または臨床研究期間中に妊娠の希望がある患者。
(14) ネオベール、ベリプラストの1つ以上に対してアレルギーがある患者。
(15) アプロチニン、トロンビン、フィブリノゲン、ポリグリコール酸に対し過敏症の既往歴がある患者。
(16) 抗生物質(ペニシリン、ゲンタマイシン、ストレプトマイシン)に対して過敏症を有する患者。
(17) 抗血栓薬服用中の患者。
(18) 凝固促進剤ヘモコアグラーゼ、抗線溶剤イプシロンアミノカプロン酸・トラネキサム酸、アプロニチン製剤の治療を受けている患者。
(19) その他、実施責任者または研究分担医師が不適当と認めた患者。

【特定細胞加工物の名称】
自家腸上皮オルガノイド

【移植計画】
(1) 組織採取
① 内視鏡にて非活動性部位より生検組織を採取する。
② 採取した生検組織は緩衝液で満たされた組織輸送容器に入れて蓋をして搬送者に手渡す。
(2) 特定細胞加工物の移植
① 採取した生検組織から幹細胞を含む陰窩を単離し、培養して得られた自家腸上皮オルガノイドを特定細胞加工物とする。
② 特定細胞加工物を内視鏡室に搬入する。
③ 特定細胞加工物を内視鏡下で潰瘍病変部に移植する。 

【評価項目】
1) 主要評価項目:安全性
2) 副次評価項目:有効性
(1) 内視鏡的改善
(2) 組織学的改善

【目標症例数】
8例

【研究実施期間】
jRCT公表日~2022年9月30日

【再生医療等の内容をできる限り平易な表現を用いて記載したもの】
別添の通り

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
岡本 隆一 Okamoto Ryuichi
東京医科歯科大学 Tokyo Medical and Dental University (TMDU)
消化器内科
113-8519
東京都文京区湯島1-5-45 1-5-45 Yushima, Bunkyo-ku Tokyo
03-5803-5877
rokamoto.gast@tmd.ac.jp
自施設
東京医科歯科大学病院には消化器内科をはじめとする各科1~2名の当直体制、及び緊急内視鏡・緊急手術等、3次救急まで対応可能な救命救急センターが整備されている。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

千代田 明子 Chiyoda Akiko
東京医科歯科大学 Tokyo Medical and Dental University (TMDU)
消化器内科
113-8519
東京都文京区湯島1-5-45 1-5-45 Yushima, Bunkyo-ku
03-5803-5974
03-5803-0268
achiyoda.gast@tmd.ac.jp
医師
渡辺 守
10175127
東京医科歯科大学
高等研究院
医師
岡本 隆一
50451935
東京医科歯科大学
消化器内科
東京医科歯科大学
渡辺 守
10175127
東京医科歯科大学
高等研究院
東京医科歯科大学
大島 茂
50376787
東京医科歯科大学
消化器内科
東京医科歯科大学
岡本 隆一
東京医科歯科大学
消化器内科

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

ヒト腸上皮細胞 (ヒト腸上皮幹細胞を含む)
東京医科歯科大学病院
再生医療等を受ける者の選定基準と同じ
再生医療等を受ける者の選定基準と同じ
内視鏡にて生検組織を採取する。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

自家腸上皮オルガノイド
採取した原材料を、指定された搬送容器に厳封して、東京医科歯科大学病院輸血・細胞治療センターに搬送し、指定された手順に則り自家腸上皮オルガノイドとして約5週間培養する。増幅した自家腸上皮オルガノイドは予め指定された工程内管理試験及び出荷判定試験を行い、試験結果を確認したのち、投与を実施する。
特定細胞加工物を内視鏡を用いて潰瘍病変部に移植する
なし
FC3150001
東京医科歯科大学病院 輸血・細胞治療センター
委託なし

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

医療機器
適応外
医療用品04
吸収性組織補強材
20400BZZ00322000
グンゼ株式会社
京都府綾部市青野町棗ケ市46

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

なし

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

クリングルファーマ株式会社
特定細胞加工物の製造に必要な組み換え型HGFの提供。

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

日本医療研究開発機構 AMED
非該当

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

【病原体伝搬リスクに関する情報 】
1) 特定細胞加工物のウィルス伝搬リスクに関する研究
ウィルス陽性の患者生検粘膜を用いて腸上皮の培養を実施した際、少数例に於いてHHV6, HHV7ウィルスDNAの持続陽性例を認めたため、これらウィルス陽性例は本試験の対象外としている。定められた製造方法により提供される特定細胞加工物に於いて、他ウィルス(HIV, HTLV1, HBV, HCV, ParvoB19等)のDNAまたはRNAは検出されていない。
2) 特定細胞加工物の細菌・真菌・マイコプラズマ伝搬リスクに関する研究
細菌・真菌陽性の患者生検粘膜を用いて腸上皮の培養を実施した際も、マイコプラズマが混入することなく無菌性が保持可能であることが明らかとなった。
【造腫瘍性リスクに関する情報】
潰瘍性大腸炎患者に由来する腸上皮オルガノイドを培養した際、造腫瘍性の獲得につながる明らかな染色体異常等の発生は認められない。また潰瘍性大腸炎患者に由来する腸上皮オルガノイドを培養した際、造腫瘍性のリスクとなる遺伝子における変化は認めらていない。

詳細は別紙参照
【特定細胞加工物同等品のマウス大腸炎モデルへの移植試験】
デキストラン硫酸により誘発したマウス大腸炎モデルに対し、体外培養した腸上皮幹細胞オルガノイドを経肛門的に投与し、粘膜再生効果及び臨床指標の改善効果を検討した (Nat Med, 2012)。
(1) 方法
野生型マウスに対し3.0% デキストラン硫酸溶液を5日間自
由飲水(Day1-Day5)させ誘発される急性大腸炎モデルに対し、経肛門的にGFP陽性腸上皮オルガノイドを投与した(Day7及びDay10)。評価指標として潰瘍を被覆したGFP陽性細胞の占有面積、体重(腸炎の病勢に関するサロゲートマーカー)を検討した。
(2) 結果
移植実施後6日目の解析にて、移植群マウスの直腸粘膜に平均1.0cm2を占有するGFP陽性粘膜面が観察された。組織学的解析により、移植したGFP陽性腸上皮がレシピエントの腸粘膜内に正所性に陰窩を再構成し定着することにより、粘膜を再生していることが示された。腸炎の病勢の指標となる体重の変化については移植後早期(Day12-14)において対照群よりも有意に高く(P<0.05)、細胞移植により早期に薬剤負荷前の体重へと回復することが示された。
(3) 結論
幹細胞を含む腸上皮オルガノイドを経肛門的に移植することにより、同オルガノイドに含まれる幹細胞が潰瘍面に定着し粘膜を再生すること、これにより腸炎の病勢指標が改善することが示された。
(4) 考察
生体腸炎モデルを用い、
① 経肛門的な幹細胞投与により、同細胞を潰瘍面に生着させる 事が可能であること、
②同細胞の生着により、腸炎の病勢指標を改善することが可能であることを示した世界初の知見であり、本研究成果により「炎症性腸疾患に対する腸上皮幹細胞移植治療」の有効性を裏付ける重要なPOCを得たものと考えている。
特定細胞加工物の製造所の品質管理部門が実施した、すべての工程内管理試験に適合した細胞であることを確認し、これに基づき投与可否を決定する。
細胞の安全性に疑義が生じた場合、実施責任者に速やかに報告の上、実施責任者の指示の下で以下の対応を行う。
①細胞投与前に疑義が生じた場合
実施責任者は疑義の内容及び関連する製造・品質等に関する情報を収集・確認し、投与の可否を決定する。投与否と決定された場合、当該研究対象者の研究を中止とする。内視鏡による細胞投与手技の開始後に疑義が生じた場合は、細胞投与及び被覆処置を中止し、内視鏡による病変部の観察のみを実施し終了する。研究を中止する際には必要に応じて実施責任者または研究分担者から研究対象者へ説明する。中止後の研究対象者の治療については、研究対象者の不利益とならないように対応する。
②細胞投与後に疑義が生じた場合
実施責任者または研究分担者は病棟往診、または外来や電話連絡による問診により患者の健康状態を把握する。特に特定細胞加工物の汚染が疑われる場合、体温測定、血液学的検査等を実施し、必要に応じ抗菌薬による治療や内視鏡を用いた細胞投与部位の観察・確認・移植組織の除去等、症状に応じ必要な治療を実施する。その他、疑義の内容により必要な検査・処置を実施する。
10年間とする。ただし、10年を越えて保存する場合は、 別途承諾を得るものとする。
研究実施に際し採取した組織・培養細胞並びに付随する臨床情報等は、10年間保存する。保存期間が終了した試料・情報等は個人情報が特定されないよう匿名化等を行った上で、シュレッダー・オートクレープ等で適切に廃棄する。
疾病等が発生した場合には、研究参加施設間での情報を速やかに共有し、東京医科歯科大学病院長、東京医科歯科大学特定認定再生医療等委員 会、厚生労働大臣・地方厚生局長に報告する。死亡あるいは死亡につながるおそれのある症例については7日以内に、治療のための医療機関への入院または入院期間の延長、障害または障害につながるおそれのある症例、重篤である症例、後世代における先天性の疾病または異常は15日以内に報告する。実施責任者は、東京医科歯科大学特定認定再生医療等委員会から必要な措置等の意見を聴いて対応するが、必要に応じ暫定的な措置を講ずる。また、疾病等報告提出までの間には、効果安全性評価委員会の委員からの意見を聴取する。
研究終了後も研究対象者が希望する限り移植実施日より最長10年間まで本施設で経過観察を行い通常の診療に準じた病勢評価・移植局所の内視鏡的評価を継続する。
研究対象者が希望する限り移植実施日より最長10年間まで本施設で定期的な通院・経過観察を行う。
実施計画の公表日
募集前 Pending

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

国立大学法人東京医科歯科大学特定認定再生医療等委員会 Tokyo Medical and Dental University Specially Certified Comittee for Regenerative Medicine
NA8140003
東京都文京区湯島1-5-45 1-5-45 Yushima, Bunkyo-ku , Tokyo
03-5803-4162
kenkyo.adm@cmn.tmd.ac.jp
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2020年01月27日

7 その他

東京医科歯科大学病院の「患者さんの個人情報の取り扱いについて」に従う。また、研究対象者のプライバシー保護のため、個々の研究対象者の識別には個人情報の要素が含まれない匿名化番号を用い、
個人情報を保護する。研究結果の公表においても、身元が特定できる情報は一切公表せず保護される。
No
日本再生医療学会講習会等への参加、学内の研究倫理講習、日本医師会等のe-learningによる臨床試験の省令、指針の教育。
臨床試験管理センターが対応する。
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当
UMIN000030117
UMIN-CTR UMIN-CTR

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 2_説明文書・同意文書3.5統合版_墨消し_230401.pdf

変更履歴

種別 公表日
軽微変更 令和5年7月7日 (当画面) 変更内容
変更 令和5年5月11日 詳細 変更内容
変更 令和4年6月24日 詳細 変更内容
変更 令和4年3月28日 詳細 変更内容
変更 令和3年12月13日 詳細 変更内容
変更 令和3年3月8日 詳細 変更内容
変更 令和2年12月16日 詳細 変更内容
軽微変更 令和2年4月13日 詳細 変更内容
新規登録 令和2年2月13日 詳細