第二種 | ||
令和元年11月14日 | ||
令和6年9月30日 | ||
自己脂肪幹細胞(AUASC-TKY2017)を用いた顎関節症治療 | ||
自己脂肪幹細胞(AUASC-TKY2017)を用いた顎関節症治療 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
田中 栄 | ||
変形性関節症を呈するIV型顎関節症の治療目的で東京大学医学部附属病院を受診し、保存的治療ならびに関節腔内洗浄療法といった既存の治療法を用いても症状の改善が不十分な患者に対し、自己脂肪幹細胞を顎関節内投与し、第一に、その安全性を確認し、第二に、疼痛改善効果と顎関節部の組織修復を検討することを目的とする。 | ||
1 | ||
難治性の変形性関節症様症状 (痛み及び痛みに伴う開口障害)がみられるIV型顎関節症 | ||
募集中 | ||
東京大学特定認定再生医療等専門委員会 | ||
NA8150016 |
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
氏名:西條 英人 | ||
氏名:末永 英之 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
医師・歯科医師の区分:歯科医師 | ||
医師・歯科医師の区分:医師 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
氏名:末永 英之 | ||
氏名:疋田 温彦 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
所属部署:口腔顎顔面外科・矯正歯科 | ||
所属部署:ティッシュ・エンジニアリング部 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
氏名:疋田 温彦 | ||
氏名:岡崎 仁 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
所属部署:ティッシュ・エンジニアリング部 | ||
所属部署:輸血部 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
医師・歯科医師の区分:医師 | ||
医師・歯科医師の区分:歯科医師 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
氏名:岡崎 仁 | ||
氏名:熊谷 賢一 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
所属部署:輸血部 | ||
所属部署:口腔顎顔面外科・矯正歯科 | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
医師・歯科医師の区分:歯科医師 | ||
医師・歯科医師の区分: | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
氏名:柏木 美樹 | ||
氏名: | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
所属機関:東京大学医学部附属病院 | ||
所属機関: | ||
再生医療等を行う医師又は歯科医師 | ||
所属部署:口腔顎顔面外科・矯正歯科 | ||
所属部署: | ||
細胞提供者又は代諾者に対する説明文書及び同意文書の様式(別紙) | ||
04.同意説明文書(第5.2版).pdf | ||
04.同意説明文書(第5.3版).pdf | ||
(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置 | ||
再生医療等を受ける者又は代諾者に対する説明及び同意文書の様式(別紙):同意説明文書(第5.2版).pdf | ||
再生医療等を受ける者又は代諾者に対する説明及び同意文書の様式(別紙):04.同意説明文書(第5.3版).pdf | ||
1 認定再生医療等委員会意見書 | ||
01.委員会意見書_20240522_jRCTb030190134_変更_修正.pdf | ||
01.委員会意見書_20240912_jRCTb030190134_変更_差替.pdf | ||
3 実施責任者及び再生医療等を行う医師又は歯科医師の氏名、所属、役職及び略歴(研究に関する実績がある場合には、当該実績を含む。)を記載した書類 | ||
03.再生医療等提供計画略歴_臨床経験および研究実績_20231016.pdf | ||
03.再生医療等提供計画略歴_臨床経験および研究実績_20240820.pdf | ||
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 | ||
04.同意説明文書(第5.2版)_マスキング済み.pdf | ||
04.同意説明文書(第5.3版)_マスキング済み.pdf | ||
18 利益相反管理計画 | ||
18.利益相反管理計画_20240424.pdf | ||
18.利益相反管理計画_20240820.pdf | ||
21 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等) | ||
21.別紙1_実施体制_Ver.4.0.pdf | ||
21.別紙1_実施体制_Ver.4.1.pdf | ||
23 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等) | ||
23.変更点一覧表.pdf | ||
23.変更点一覧表_20240820.pdf | ||
令和6年9月27日 | |||
jRCTb030190134 | |||
東京大学医学部附属病院 | |||
東京都東京都文京区本郷七丁目3番1号 | |||
田中 栄 | Tanaka Sakae |
自己脂肪幹細胞(AUASC-TKY2017)を用いた顎関節症治療 | Treatment of temporomandibular joint disorder using autologous adipose-derived stem cells (AUASC-TKY2017)( Treatment of TMJ disorder using autologous ADSCs (AUASC-TKY2017) ) | ||
自己脂肪幹細胞(AUASC-TKY2017)を用いた顎関節症治療 | Treatment of TMJ disorder using autologous ADSCs (AUASC-TKY2017)( Treatment of TMJ disorder using autologous ADSCs (AUASC-TKY2017) ) | ||
第二種 | |||
人の胚性幹細胞等、遺伝子を導入した細胞、動物細胞、投与を受ける者以外の人の細胞を使用しないため、第一種再生医療等には該当しないと判断した。脂肪幹細胞は、脂肪組織を採取源とする細胞で、培養後に自家移植される。脂肪組織由来の細胞加工物を関節内に投与することは相同利用に該当せず、第二種再生医療等技術であると判断した。 |
変形性関節症を呈するIV型顎関節症の治療目的で東京大学医学部附属病院を受診し、保存的治療ならびに関節腔内洗浄療法といった既存の治療法を用いても症状の改善が不十分な患者に対し、自己脂肪幹細胞を顎関節内投与し、第一に、その安全性を確認し、第二に、疼痛改善効果と顎関節部の組織修復を検討することを目的とする。 | |||
1 | |||
2019年11月14日 | |||
2027年12月31日 | |||
3 | |||
介入研究 | Interventional | ||
単一群 | single arm study | ||
非盲検 | open(masking not used) | ||
非対照 | uncontrolled control | ||
単群比較 | single assignment | ||
治療 | treatment purpose | ||
以下の基準を全て満たす患者を対象とする。 1) 顎関節症と診断された患者のうち、変形性関節症様症状(痛み及び痛みに伴う開口障害)がみられるIV型であり、1回以上の関節腔内洗浄療法や保存的治療にもかかわらず、1ヶ月以上症状が完全には消失しない患者 2) 20歳以上75歳未満の患者(同意取得時) 3) 本研究計画書に定められた観察・検査スケジュールに従うことができる患者 4) 本人が本研究の内容を理解し、文書によるインフォームドコンセントを取得できる患者 5) 研究参加の登録時以降、外来で経過観察が可能な全身状態の患者 |
Patients fulfilling all criteria listed below are included. 1) Patients who were diagnosed as temporomandibular joint disorder with the symptoms of osteoarthritis (pain and/or trismus), and without complete pain relief after joint lavage (at least once) or conservative treatment for more than 1 month. 2) Patients who are 20 years old or more, and younger than 75 years old. (at the time of agreement with participation in this study) 3) Patients who can obey the schedule for observation and examination prescribed in the protocol. 4) Patients who can understand the contents of this study and provide informed consent by documents. 5) Patients with good physical conditions enough to enable observation as outpatients after enrollment. |
||
以下のいずれかに抵触する患者は本研究に組み入れないこととする。 1) 米国麻酔学会による術前状態評価(ASA physical status)3度あるいはそれより重症の患者 2) 脂肪萎縮症等、重篤な脂肪に関わる疾病を持つ患者 3) 悪性新生物を有する、あるいはその可能性があると判断された患者 4) コントロール不良な糖尿病の患者(HbA1c 7.0 %以上) 5) 敗血症の可能性があると判断された患者 6) 顎関節周囲の組織に再発の恐れのある感染症を有する患者 7) 顎関節に、本治療前1年以内に外科的治療を行った、もしくは本治療後6ヶ月以内に行う予定のある患者 8) スクリーニング検査開始1ヶ月前以降に顎関節内洗浄療法、または、局所麻酔剤、ヒアルロン酸製剤、特定細胞加工物の顎関節内注入を受けた患者 9) スクリーニング検査開始からAUASC-TKY2017注入日まで、クラス3抗不整脈剤(アミオダロンなど)の投与を中止できない患者 10) スクリーニング検査開始1ヶ月前以降に副腎皮質ステロイド剤(外用薬を除く)の顎関節内注入および全身投与を受けた患者 11) AUASC-TKY2017注入から注入後2ヶ月まで、大きく開口が必要となるような歯科治療を受ける予定あるいはその可能性が高い患者 12) 妊娠または妊娠している可能性のある女性患者および授乳中の女性患者ならびに自己脂肪幹細胞投与後6ヶ月までの間適切に避妊を行うことに同意できない女性患者 13) 梅毒、B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス感染症、成人T細胞白血病の可能性があると判断された患者 14) アナフィラキシー反応の既往歴を持つ患者 15) キシロカインに過敏症あるいはアレルギーの既往のある患者およびその恐れを有する患者 16) 同意取得日前90日以内に他の臨床研究または治験に参加していた患者 17) 調査票に的確に自記できないような精神疾患を有する患者 18) その他、研究責任医師または研究分担医師が本研究に参加することが適切でないと判断した患者 |
Patients meeting at least one of the criterion listed below are excluded. 1) Patients with ASA physical status III or worse. 2) Patients with severe diseases related to adipose tissues such as lipoatrophy. 3) Patients with malignant diseases or suspicions of them. 4) Patients with uncontrolled diabates (HbA1c 7.0 % or more). 5) Patients with suspicions of sepsis. 6) Patients with relapsing infections around temporomandibular joints. 7) Patients with histories of surgical treatments in 1 year before this treatment or scheduled to receive surgeries within 6 months after this treatment at temporomandibular joints. 8) Patients who received joint lavages or intraarticular injections with local anesthetics, hyaluronic acid or cell processing products within 1 month before the screeing examinations. 9) Patients unable to discontinue class III antiarrhythmic agents (i.e. amiodarone) from the begining of screening examinations to the time of the injection of AUASC-TKY2017. 10) Patients who received intraarticular injections or systemic administrations of adrenal corticosteroids within 1 month before the screeing examinations (excluding external medications). 11) Patients who are scheduled to, or likely to receive dental cares with wide opening of mouths in 2 months after the injection of AUASC-TKY2017. 12) Female paritens who are pregnant, suspected to being pregnant, breast-feeding, or unable to agree with birth controlling until 6 months after the injection of AUASC-TKY2017. 13) Patients suspected of syphilis, hepatitis B or C, HIV infection or adult T-cell leukemia. 14) Patients with histries of anaphylaxis. 15) Patients with hypersensities or allergies to lidocaine, or suspected of it. 16) Patiens who have been enrolled in other clinical studies or clinical trials within 90 days before providing informed consent. 17) Patients with mental diseases unable to fill in survey sheets adequately. 18) Patients who are judged to be inadequate for this study by a principal investigator or sub-investigators for other reasons. |
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20歳 以上 | 20age old over | ||
75歳 未満 | 75age old not | ||
男性・女性 | Both | ||
1 対象者ごとの研究中止基準 下記の項目に該当した場合、研究責任医師は臨床研究を中止し、中止年月日、理由、経過等をカルテおよび症例報告書に記載する。中止時点で研究責任医師が必要と判断した検査を行い安全性および有効性の評価を行う。 (1)血液採取前に中止となる場合、 1) 対象者から研究参加の辞退の申し出や同意の撤回があった場合 2) 対象者が「選択基準・除外基準」に定める条件に抵触し、3ヶ月以内に回復の見込みがない場合 (2)血液採取後、脂肪採取前に中止となる場合 1) 医療上の理由から、脂肪採取やAUASC-TKY2017の注入が困難な場合 2) 対象者から研究参加の辞退の申し出や同意の撤回があった場合 3) 対象者が「選択基準・除外基準」に定める条件に抵触し、3ヶ月以内に回復の見込みがない場合 (3)脂肪採取後、AUASC-TKY2017注入前に中止となる場合 1) 規定どおりのAUASC-TKY2017の培養・調製が出来ない場合 2) 医療上の理由から、AUASC-TKY2017の注入が困難な場合 3) 対象者から、AUASC-TKY2017注入の辞退の申し入れがあった場合 4) 対象者が「選択基準・除外基準」に定める条件に抵触し、AUASC-TKY2017注入予定日の翌日までに回復の見込みがない場合 (4)AUASC-TKY2017を注入した後に中止となる場合 1) 医療上の理由から、研究継続が困難な場合 2) 対象者から、研究継続の辞退の申し入れがあった場合 3) 有害事象により試験継続が困難な場合 4) 研究計画書からの重大な不適合が判明した場合 (5)AUASC-TKY2017を注入する前に被験者の妊娠が判明した場合 上記の場合以外に、研究責任医師または研究分担医師の判断で中止となる場合がある。 2 研究の中止・中断 研究責任医師は、以下の事項に該当する場合は研究実施継続の可否を検討する。 ・治療の品質、安全性、有効性、倫理性に関する重大な情報が得られた時 ・本研究において重篤な疾病等が発生した場合 ・東京大学特定認定再生医療等専門委員会から実施計画等に変更の指示があり、これを受け入れることが困難であると判断された時 ・対象者の登録が困難で予定対象者数に達成することが到底困難であると判断された時 研究責任医師は、独立データモニタリング委員会から中断・中止の勧告があった場合、それに従う。中断の場合、研究責任医師は、原因が究明され再発の可能性が否定されない限り再開しない。再開時には、独立データモニタリング委員会の確認を受ける。 研究責任医師は、病院長から中止の勧告あるいは指示があった場合は本研究を中止する。 東京大学特定認定再生医療等専門委員会は、病院長に意見を述べることができる。 |
|||
難治性の変形性関節症様症状 (痛み及び痛みに伴う開口障害)がみられるIV型顎関節症 | Refractory emporomandibular joint disorder with the symptoms of osteoarthritis (pain and/or trismus) | ||
有 | |||
細胞の培養に必要な血清を採取するため、東京大学医学部附属病院輸血部外来で、対象者より採血を行う。 次いで、東京大学医学部附属病院手術室において、局所麻酔下に、腹部あるいは腋窩部より、脂肪組織を採取する。 東京大学医学部附属病院中央診療棟Ⅱ 9階 細胞培養加工施設において脂肪組織から調製された自己脂肪幹細胞AUASC-TKY2017を、東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科外来において対象者の顎関節上関節腔に注入する。 |
To obtain serum for cell culture, blood is collected from paritents at the Department of Blood Transfusion, the University of Tokyo Hospital. An adipose tissues are havested from abdomen or axilla under local anesthesia at Surgical Center, the University of Tokyo Hospital. Autologous adipose-derived stem cells, AUASC-TKY2017 which are prepared from adipose tissues at the Cell Processing Center, Central Clinical Service Building 2, Floor 9, The University of Tokyo Hospital, are injected into the upper cavity of temporpmandibular joint of the patient at the Oral-Maxillofacial Surgery and Orthodontics, the University of Tokyo Hospital. |
||
安全性 :有害事象の発現と内容 |
Safety: Occurrence and details of adverse events | ||
有効性 1) 患者の疼痛評価(VAS) 2) 開口障害の評価(開口量測定) 3) 顎運動機能評価(K7) 4) 顎機能ならびに身体・心理状態に関するQOL評価 5) 顎関節レントゲンによる変形性関節症性変化の評価 6) 顎関節MRIによる顎関節症性変化の評価 |
Efficacy 1) Patients' pain scoring (VAS) 2) Evaluation of trismus (measurement of mouth-opening capacity) 3) Evaluation of mandibular movement (K7) 4) Evaluation of QOL with respect to mandibular functions and physiological/psycological status 5) Evaluation of degenerative changes of temporomandibular joint by X-ray imaging. 6) Evaluation of degenerative changes of temporomandibular joint by MRI. |
||
本研究は、難治性の変形性関節症様症状を呈するIV型顎関節症の治療目的のために東京大学医学部附属病院を受診し、保存的治療ならびに関節腔内洗浄療法といった既存の治療法を用いても症状の改善が不十分な患者に対し、自己脂肪幹細胞を顎関節内投与し、第一に、その安全性を確認し、第二に、疼痛改善効果と顎関節部の組織修復を検討することを目的に、単施設非盲検非対照研究で実施する。 研究責任医師および研究分担医師は同意取得の後、スクリーニング検査を実施し、選択基準を満たし除外基準に抵触しないことを確認し、症例組み入れを行う。その後、組み入れ適格性確認委員会で研究責任医師および研究分担医師が判定した患者組み入れについて適格と判定された対象者のみを登録する。以後スケジュールに従って、細胞の培養に必要な血清を対象者の血液から採取するため、東京大学医学部附属病院輸血部外来で、採血(200 mL)を行う。 次いで、東京大学医学部附属病院手術室において、局所麻酔下に、腹部あるいは腋窩部より、脂肪組織(約15 mm x 15 mm x 15 mm)を採取する。対象者は採取後2~4日間で2~3回来院し、手術創の消毒および抜糸を行う。脂肪組織は、東京大学医学部附属病院院中央診療棟Ⅱ 9階細胞培養加工施設に搬送し、酵素処理をして細胞を取り出し、細胞培養を行う。培養開始から2~4週で細胞を回収し、自己脂肪幹細胞AUASC-TKY2017(1 x 106個、1 mL乳酸リンゲル液)を調製する。自己脂肪幹細胞AUASC-TKY2017を東京大学医学部附属病院顎口腔顎顔面外科・矯正歯科外来まで搬送し、対象者の顎関節上関節腔に注入する。 別添のとおり |
医師 | |||||
星 和人 | Hoshi Kazuto | ||||
東京大学医学部附属病院 | The University of Tokyo Hospital | ||||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 | |||||
113-8655 | |||||
東京都文京区本郷7-3-1 | 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo | ||||
03-3815-5411 | |||||
HOSHI-ORA@h.u-tokyo.ac.jp | |||||
自施設 | |||||
救急部に救急担当医が常設しており、吸入用酸素、人工呼吸器、心電図、除細動器、その他必要な機器、薬剤を常備している。 |
浅輪 幸世 | Asawa Yukiyo | ||||
東京大学医学部附属病院 | The University of Tokyo Hospital | ||||
ティッシュ・エンジニアリング部 | |||||
113-8655 | |||||
東京都文京区本郷7-3-1 | 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo | ||||
03-5800-9891 | |||||
03-5800-9891 | |||||
y.asawasawa@mail.u-tokyo.ac.jp |
歯科医師 | ||
末永 英之 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 |
医師 | ||
疋田 温彦 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
ティッシュ・エンジニアリング部 |
医師 | ||
岡崎 仁 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
輸血部 |
歯科医師 | ||
熊谷 賢一 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
口腔顎顔面外科・矯正歯科 |
東京大学医学部附属病院 | ||
上村 千代美 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
臨床研究推進センター |
東京大学医学部附属病院 | ||
田中 佑美 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
臨床研究推進センター |
東京大学医学部附属病院 | ||
川原 拓也 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
臨床研究推進センター |
東京大学医学部附属病院 | ||
小林 真紀 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
臨床研究推進センター |
無 |
自己脂肪幹細胞 | |
再生医療等提供機関と同じ。 | |
投与を受ける本人の組織を使用する。 | |
上記選定基準に定める状態に反しないものであって、診察、一般臨床検査で不適格と判断されない者。なお、細胞提供者は再生医療等を受けるものと同一になるため、新たなドナースクリーニングは行わない。 | |
脂肪組織 採取部位:腹部、腋窩、その他医師が判断した部位 採取方法: ・用いる器具:外科用メス、剪刀、鑷子 ・採取量:脂肪組織 約15 mm x 15 mm x 15 mm ・麻酔方法:局所麻酔(1%リドカイン5 mL) ・採取方法:麻酔下に、脂肪採取予定部位に皮切を加え、皮下脂肪を外科用メスあるいは剪刀にて切除、採取する。 |
自己脂肪幹細胞(AUASC-TKY2017) | ||
製造方法の概要 ・血清の採取 1. 患者血液 200 mLをセルエイド(JMS, 医療機器認証番号223AABZX00034000)を用いて採血する。室温で30分振盪させたのち、2000Gにて7分遠心分離する。 2. 血清を、3つの保存バッグにそれぞれ2 mL、50 mL、残りに分別する。2 mLは保存用として‐80℃で保管する。その他の保存バッグは4℃で保存する。 3.採血量が200 mLに満たなかった場合は、合計200 mLに達するまで血液採取を行うが、1週間以上の間隔を空けて行う。 ・細胞単離 1.Liberase 溶液 の準備 125 mLストレージボトルにおいてLiberase MNP-S 5 mg GMP (Roche Diagnostics, Cat.No.06297790001)をDMEM/F12 Ham + P/S(最終濃度としてペニシリンG 100 units/mL、ストレプトマイシン100 µg/mLとなるよう添加したもの、以下同様)を用いて0.45 Wunsch units/mL となるように溶解する。 2.手術室にて、イソジンで最低3回皮膚を消毒した後、局所麻酔下に滅菌覆布、滅菌器具を使用して無菌的に皮下脂肪を採取し、生食ガーゼにくるんで滅菌培養ディッシュに入れ、東京大学医学部附属病院中央診療棟Ⅱ 9階 細胞培養加工施設へ搬入。 3.生食ガーゼから取り出し、青布の上(清潔な10 cm dish上)で定規を入れて写真撮影。 4.皮下脂肪組織を細切する。細切時に適宜DMEM/F-12 Ham + P/Sを滴下して乾燥を防止。細切前後に、組織の総重量を測定する。 5.50 mL 遠心管に0.45 WU/mL Liberase溶液30 mLを入れたものに細切脂肪組織を入れる。 6.ふたを閉めた後、蓋の周囲をパラフィルムにて覆う シーリングしたビニール袋に入れた後、さらにビニール袋に入れる(1本ずつ梱包) 7. 30 min/37℃、インキュベーターにて酵素処理を行う。 8. 酵素処理後の溶液を500 μm nylon mesh cell strainerに通した後、100 μm nylon mesh cell strainerに通し、1500 rpmにて 5分遠心し、遠心後上清を注意深く除去する。 9. DMEM/F-12 Ham + P/Sを25 mL加えて細胞を懸濁し、1500 rpmにて 5分遠心する。 10.上清を無菌試験、マイコプラズマ否定試験のために別の50 mLチューブに移す。わずかに残った上清を吸引後、細胞をDMEM/F-12 Ham + 10% 自己血清 + FGF 40 ng/mL (注射用水溶液)+ P/S 5 mLに懸濁し、細胞数、生細胞率をNucleoCounterを用いて確認。 11.細胞をDMEM/F-12 Ham + 10% 自己血清 + FGF 40 ng/mL + P/S培地で希釈し、T25フラスコに2.5 x 10^5 ~5 x 10^5 細胞/フラスコで播種する。 12. 37℃、5%CO2、湿潤環境のインキュベーターで培養を開始する。 ・細胞培養および調製 1. 播種1日後、DMEM/F-12 Ham + 10% 自己血清 + FGF 40 ng/mL + P/S培地を交換(浮遊細胞除去) 2. 2回/週で培地交換(上記の培養液) 3. 播種4日後の培地交換時に、培地を無菌試験、マイコプラズマ否定試験のために別の50 mLチューブに移す。 4. 70~80% confluenceに達するタイミングで継代を行う。 PBS 5 mLを加えてリンス後吸引、TrypLE Select 2.5 mLを加えて37℃、5%CO2、湿潤環境のインキュベーターに10分静置して細胞を剥がし、DMEM/F-12 Ham + 10% 自己血清 + FGF 40 ng/mL + P/S培地5 mLを加えて410Gにて 5分遠心する。 5. 上清を吸引後、DMEM/F-12 Ham + 10% 自己血清 + FGF 40 ng/mL + P/S培地5-10 mLで細胞を懸濁し、NucleoCounterで細胞数、生細胞率を測定する。 6. DMEM/F-12 Ham + 10% 自己血清 + FGF 40 ng/mL + P/S培地5 x 104/mL (~1 x 10^5/mL)に調製し、10 cmポリスチレンディッシュに10 mLずつ播種し、培養する。 7.同様に培養を行い70~80% confluenceに達したら、培地を後日、調製細胞の有する抗炎症作用の定量的評価などを行う可能性があるため、別の50 mLチューブに移す。その後同様に遠心まで行い、1 mL 乳酸リンゲル液で細胞を懸濁する。 8. 懸濁液10 μLを1.5 mLチューブに分取し、PBSで20倍希釈する。NucleoCounterで細胞数、生細胞率を測定する。結果に合わせて原液を1 x 10^6 cell/ mLに細胞を懸濁する(3.8 mL以上)。 9. 1.0 mLを滅菌クライオチューブに充填する。3本以上作製する。また、同様に細胞懸濁液0.3 mL以上を50 mL遠心管1本に、細胞懸濁液0.5 mLを滅菌クライオチューブ1本に、それぞれ充填する。 10. 最終製品のうち細胞懸濁液1.0 mLを充填した滅菌クライオチューブ1本を PBS 10 mLでメスアップし、無菌試験およびマイコプラズマ否定試験の検体とする。また、細胞懸濁液0.3 mLを充填した滅菌クライオチューブ1本をエンドトキシン試験、細胞懸濁液0.5 mLを充填した滅菌クライオチューブ1本をRAW264.7細胞との共培養上清のTNF-αおよびIL-10のELISA用の検体とする。 11. さらに余剰の細胞が生じた場合には、5 x 10^5個をセルバンカー1 mLに懸濁し‐80℃で保存する。 品質管理 1)生細胞数および分量:1 mL 乳酸リンゲル液中に1.0 x 10^6±1.0 x 10^5個 2)細胞生存率:70%以上 3)感染症検査 (1)無菌試験(メンブレンフィルター法):陰性 (2)マイコプラズマ否定試験(PCR法、特異的酵素検出法):陰性 (3)エンドトキシン試験(回収時のみ):15 EU/mL未満 *無菌試験及びマイコプラズマ否定試験は採取時、培養4日目、回収時に行うが、それぞれ結果を得るまでに約15日、約2日を要するため、投与の可否の判断は投与時点まで得られている採取時、培養4日目の結果がいずれも陰性であることを持って行う。 |
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顎関節上関節に1%キシロカイン液を1 mL注入、吸引後、自己脂肪幹細胞AUASC-TKY2017 1 mLを注入する。投与は1回とする。投与後にエコー検査で注入を確認する。 | ||
無 | ||
東京大学医学部附属病院 | ||
FC3140011 | ||
東京大学医学部附属病院 中央診療棟II 9階 細胞培養加工施設 | ||
該当なし |
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
有 | ||
東京大学医学部附属病院 | the University of Tokyo Hospital | |
非該当 |
●下記に示す論文により、脂肪幹細胞の安全性を非臨床試験において確認した。 ①An Evaluation of the Stemness, Paracrine, and Tumorigenic Characteristics of Highly Expanded, Minimally Passaged Adipose-Derived Stem Cells. 健康なドナーから得た、脂肪幹細胞を含む間質血管細胞群について、継代を重ねても、テロメラーゼ活性は保たれていた。また、Passage 0とPassage 4の比較でがん抑制遺伝子TP53およびRB、 がん遺伝子MDM2およびhTERTの発現に著変はなかった。がん遺伝子C-Mycの発現は減少した。 (El Atat O et al. PLoS One. 2016 Sep 15;11(9):e0162332.) ●下記に示す論文により、脂肪幹細胞の安全性を非臨床試験および臨床試験において確認した。 ②Safety of Intravenous Infusion of Human Adipose Tissue-Derived Mesenchymal Stem Cells in Animals and Humans. 皮下脂肪を酵素処理し、脂肪幹細胞を含む間質血管細胞群を得た。3人の異なるドナー由来のヒト脂肪幹細胞を4回、7回、10回、12回継代したものについて核型検査を行ったが、核型異常は見られなかった。また、6週齢SCIDマウス雌雄20匹ずつに低用量(5 x 10^6 cells/kg B.W.)、中用量(3.5 x 10^7 cells/kgB.W.)、 高用量(2.5 x 10^8 cells/kgB.W.)のヒト脂肪幹細胞を尾静注し、一般毒性の検討を行ったが、全身毒性は観察されなかった。6週齢BALB/cヌードマウス雌雄10匹ずつに低用量(2 x 10^6 cells/kg B.W.)、中用量(2 x 10^7 cells/kg B.W.)、 高用量(2 x 10^8 cells/kg B.W.)のヒト脂肪幹細胞を皮下注射し、26週間観察し、造腫瘍性検査を行ったが、腫瘍形成は見られなかった。最後に、8人の外傷性脊髄損傷患者に対して第1相治験を行った。4 x 10^8個の自己脂肪幹細胞を静注し、12週観察したが、重篤な有害事象は観察されなかった。(Ra JC et al. Stem Cells Dev. 2011 Aug;20(8):1297-308.) ●東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科、およびティッシュエンジニアリング部において、ヒト脂肪組織から本臨床研究と同一の方法で脂肪幹細胞を採取し、5回継代したもの2系統について核型検査を行ったが、いずれの系統においても、核型異常を持つ細胞のクローナルな増殖は認められなかった。 ●脂肪幹細胞を用いた臨床試験、治験が数多く行われ、安全性が報告されている。以下にいくつかの報告例を示す。 ③海外/試験名 Intra-Articular Injection of Mesenchymal Stem Cells for the Treatment of Osteoarthritis of the Knee: A Proof-of-Concept Clinical Trial. /試験デザイン:2施設非対照オープン試験/低用量群(1 x 10^7 cells)3例、中用量群(5 x 10^7 cells)3例、高用量群(1 x 10^8 cells)12例/ 結果の要約:自己脂肪幹細胞を用いた変形性膝関節治療に関連する有害事象は認められなかった。高用量群ではWOMAC scoreの改善と軟骨欠損部の減少、軟骨厚の増加がみられた。(Jo CH et al. Stem Cells. 2014 May;32(5):1254-66.) ④海外/試験名 Adipose Mesenchymal Stromal Cell-Based Therapy for Severe Osteoarthritis of the Knee: A Phase I Dose-Escalation Trial./ 試験デザイン:2施設非対照オープン試験/低用量群(2 x 10^6 cells)、中用量群(10x 10^6 cells)、高用量群(50 x 10^6 cells) 各6例/ 結果の要約:重大な有害事象は認められなかった。変形性膝関節症に対する自己脂肪幹細胞投与により、すべての群で痛みと機能レベルの改善傾向がみられたが、統計学的有意差は低用量群のみで見られた。これは治療前の痛みレベルが低用量群で高かったことが関連している可能性がある。(Pers YM et al. Stem Cells Transl Med. Jul;5(7):847-56. 2016.) ⑤海外/試験名 Expanded Adipose-Derived Stem Cells for the Treatment of Complex Perianal Fistula: A Phase II Clinical Trial./ 試験デザイン:無作為化比較試験/対照群(フィブリン糊のみ)25例、被験群(フィブリン糊+自己脂肪幹細胞)24例/ 結果の要約:肛門周囲瘻孔の治癒がみられた患者は対照群での4名(16%)に比べ被験群では17名 (71%)であった。各群で2例ずつの重篤な有害事象が認められたが、脂肪幹細胞に関連するものはなかった。(Garcia-Olmo D et al. Dis Colon Rectum. 2009 Jan;52 (1):79-86.) ⑥海外/試験名 Safety and Effect of Adipose Tissue-Derived Stem Cell Implantation in Patients with Critical Limb Ischemia: A Pilot Study./ 試験デザイン:単群/ 被験者数:15例/ 結果の要約:閉塞性血栓血管炎および糖尿病による下肢虚血患者に自己脂肪幹細胞を複数回筋肉内投与し、10例 (66.7%)に臨床所見の改善が見られた。重篤な有害事象は認められなかった。(Lee HC et al. Circ J. 2012;76(7):1750-60. Epub 2012 Apr 12.) ・本臨床試験における投与細胞数、溶媒などについて 上記の変形性膝関節症に対し脂肪幹細胞を投与した治験の報告では最大1 x 10^8細胞を単回投与している(Jo CH et al. Stem Cells. 2014)。膝関節の容積は131±53 mL (Matziolis et al. Arch Orthop Trauma Surg 2015)、103 mL (Visuri T et al. Scand J Rheumatol 1986)という報告がある。 一方、顎関節上関節腔の容積は、平均1.8 mL程度 (大平ら、岩医大歯誌 2002)、30 mm開口時で成人男性1.7~3.2 mL、女性1.2~2.3 mL(大西 正俊、口病誌 1970;37:178-207)とする報告がある。 顎関節の容積は膝関節のおよそ1.4~1.8%となるため、投与細胞数は1 x 10^6細胞程度に相当する。同様の関節内注入であることを考えると、1 x 10^6細胞の注入の安全性は問題ないものと考えられる。また、溶媒は臨床で使用されている乳酸リンゲル液を用いるため安全性に対する懸念はない。 |
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●下記論文により、本技術に対する効力、性能を非臨床試験において確認した。 ①Antiinflammatory and Chondroprotective Effects of Intraarticular Injection of Adipose-Derived Stem Cells in Experimental Osteoarthritis. ter Huurne M et al. Arthritis Rheum. 2012 Nov;64(11):3604-13. 【方法】 ・マウス鼠径リンパ節周囲の脂肪組織から細胞を採取し、2週間培養して脂肪幹細胞を得た。 ・コラゲナーゼ注射によるマウス変形性膝関節症モデルを作製し、マウス脂肪幹細胞を7日後あるいは14日後に注射した。 ・モデル作製後8週で回収し、組織学的評価を行った。 【結果】 ・7日目に脂肪幹細胞を注射した群では、治療後42日目の滑膜の肥厚、骨棘形成が有意に抑制された。また、治療後14日目と42日目の軟骨破壊が抑制された。 ・14日目に脂肪幹細胞を注射した群では、治療後42日目において有意な効果はなかった。 【結論】 コラゲナーゼ注射によるマウス変形性膝関節症モデルでは、早期の脂肪幹細胞投与により滑膜肥厚、骨棘形成および軟骨破壊が抑制された。 ②Effect of In Vitro Chondrogenic Differentiation of Autologous Mesenchymal Stem Cells on Cartilage and Subchondral Cancellous Bone Repair in Osteoarthritis of Temporomandibular Joint. Chen K et al. Int J Oral Maxillofac Surg. 2013 Feb;42(2):240-8. 【方法】 ・ラビット顎関節症モデルを、関節円板の切除により作製した。 ・ラビット骨髄間葉系幹細胞 (MSC)、軟骨分化誘導したMSC、溶媒のみをモデル作製4週後に投与した。 ・軟骨及び軟骨下骨の変化を、組織学的手法、RT-PCR、μCTで評価した。 【結果】 ・組織学的所見は対照群と比較してMSC治療群で良好であったが、軟骨分化したMSCによる治療群は治療後4、12週の時点でより良好であった。24週では差がなかった。 ・治療後4週のRT-PCRでは、対照群と比較してMSCあるいは軟骨分化したMSCによる治療で2型コラーゲン、アグリカン、Sox9の高値、MMP13の低値がみられたが、軟骨分化したMSCでより顕著であった。 ・軟骨下骨において対照群と比較してMSCあるいは軟骨分化したMSCによる治療で骨量、骨梁幅の低値、骨梁間距離の高値を認めたが、軟骨分化したMSCでより顕著であった。 【結論】 MSCの関節内注射による顎関節症の進行抑制、MSCの軟骨分化による治療効果の増強が示された。この結果は顎関節症の細胞治療におけるMSCの役割について新たな知見をもたらす。 ただし、本報告の動物モデルを用いた他の報告はほとんど見当たらず、確立した方法とは言えないことを留意する必要がある。 また、細胞への軟骨誘導の影響は初期に見られるが、24週時点では組織学的所見および遺伝子発現に差がないため、その効果は限定的である可能性がある。 ③Scaffold-Free Adipose-Derived Stem Cells (ASCs) Improve Experimentally Induced Osteoarthritis in Rabbits. Toghraie F et al. Arch Iran Med. 2012 Aug;15(8):495-9. 【方法】 ・New Zealand white rabbit皮下より脂肪組織を採取し、酵素処理にて細胞を回収し、培養して脂肪幹細胞を得た。 ・New Zealand white rabbitの前十字靭帯を切除し、変形性関節症モデルを作製した。 ・12週後に脂肪幹細胞を関節内注入した。 ・X線像および組織学的所見により変形性関節症性変化を評価した。 【結果】 ・脂肪幹細胞投与により、治療後20週のX線像上の変形性関節症性変化が改善した。 ・治療後20週の組織学的所見では、脂肪幹細胞投与により変性が抑制された。 【結論】 脂肪幹細胞投与によりラビット変形性関節症モデルにおける軟骨変性が抑制された。 ●東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科、およびティッシュ・エンジニアリング部で行われた下記実験により、脂肪幹細胞の抗炎症および組織修復効果を示唆する所見を得ている。 ①マウス脂肪幹細胞の検討 【方法】 ・マウス鼠径部より皮下脂肪組織を採取し、酵素処理にて細胞を抽出後、培養して脂肪幹細胞を得た。 ・得られた脂肪幹細胞をマウスマクロファージ系細胞株RAW264.7と共培養し、サイトカイン分泌及びRAW264.7の表面マーカーをそれぞれELISA、Flow Cytometryを用いて解析した。 ・マウス膝内側半月板、内側側副靭帯を切除して変形性関節症モデルを作製し、1週間後に脂肪幹細胞を注入、3週間後に組織学的に評価した。 【結果】 ・RAW264.7と脂肪幹細胞の共培養により、M1マクロファージ(炎症性)の割合が減少し、M2マクロファージ(抗炎症・組織修復性)の割合が増加した。また、培養上清中の炎症性サイトカインTNF-α濃度が減少し、抗炎症性サイトカインIL-10濃度の上昇傾向がみられた。 ・変形性関節症モデルにおいて脂肪幹細胞投与により軟骨変性が抑制された。 ②ヒト脂肪幹細胞の検討 【方法】 ・東京大学医学部附属病院形成外科の手術時に生じた余剰脂肪組織から、本臨床研究と同一の方法(自己血清は市販のヒト血清で代用)で脂肪幹細胞を採取、培養し、表面マーカー発現をFlow Cytometryで確認した。 ・脂肪幹細胞をRAW264.7と共培養し、サイトカイン分泌及びRAW264.7の表面マーカーをそれぞれELISA、Flow Cytometryを用いて解析した。 【結果】 ・採取、培養された脂肪幹細胞の表面マーカーは、4回の試行において、生細胞中のCD31,CD45陰性率が95.2~98.8%、CD90陽性率が85.8~94.9%、CD73陽性率が87.5~97.9%であり、脂肪幹細胞の特徴を示した。・RAW264.7と脂肪幹細胞の共培養により、培養上清中の炎症性サイトカインTNF-α濃度が減少し、抗炎症性サイトカインIL-10濃度が上昇した。また、共培養により、M1マクロファージ(炎症性)のマーカーCD80を発現する細胞の割合が減少し、M2マクロファージ(抗炎症・組織修復性)のマーカーCD206を発現する細胞の割合が増加した。 ●下記論文により、本技術に対する効力、性能を臨床試験において確認した。 ①海外/試験名 Intra-articular Injection of Mesenchymal Stem Cells for the Treatment of Osteoarthritis of the Knee: A Proof-of-Concept Clinical Trial. / 試験デザイン:2施設非対照オープン試験/ 低用量群 (1 x 10^7 cells) 3例、中用量群 (5 x 10^7 cells) 3例、高用量群 (1 x 10^8 cells) 12例/ 結果の要約:自己脂肪幹細胞を用いた変形性膝関節症治療に関連する有害事象はなかった。高用量群ではWOMAC scoreの改善と軟骨欠損部の減少、軟骨厚の増加がみられた。(Jo CH et al. Stem Cells. 2014 May;32(5):1254-66.) ②海外/試験名 Adipose Mesenchymal Stromal Cell-Based Therapy for Severe Osteoarthritis of the Knee: A Phase I Dose-Escalation Trial. / 試験デザイン:2施設非対照オープン試験/ 低用量群 (2 x 10^6 cells)、中用量群 (10 x 10^6 cells)、高用量群 (50 x 10^6 cells) 各6例/ 結果の要約:重大な有害事象は認められなかった。変形性膝関節症に対する自己脂肪幹細胞投与により、すべての群で痛みと機能レベルの改善傾向がみられたが、統計学的有意差は低用量群のみで見られた。これは治療前の痛みレベルが低用量群で高かったことが関連している可能性がある。(Pers YM et al. Stem Cells Transl Med. Jul;57):847-56. 2016.) 同様の軟骨変性した関節内への注入であることを考えると、脂肪幹細胞注入のIV型顎関節症に対する有効性が期待される。 |
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① 決定を行う時期 投与当日に 1)最終製品調製時に回収した細胞の生存率:70%以上 2)回収した細胞のうち生細胞数3.8 x 10^6個以上 3)感染症検査 (1)無菌試験:投与当日までに得られている採取時、培養4日目の結果がいずれも陰性であること (2)マイコプラズマ否定試験:投与当日までに得られている採取時、培養4日目の結果がいずれも陰性であること (3)エンドトキシン試験:15 EU/mL未満 を確認し、投与の可否を決定する。 ② 決定を行う者 脂肪幹細胞投与の可否判断の決定は再生医療等を行う医師が行う。 ③ その他 投与後に判明した無菌試験の結果で細菌などの混入が見られた場合には、抗生剤投与、関節洗浄などの適切な処置を行う。 |
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研究責任医師は、以下の事項に該当する場合は研究実施継続の可否を検討する。 ・細胞の安全性に関する重大な情報が得られた時 ・本研究において重篤な疾病等が発生した場合 ・東京大学特定認定再生医療等専門委員会から実施計画等に変更の指示があり、これを受け入れることが困難であると判断された時 ・対象者の登録が困難で予定対象者数に達成することが到底困難であると判断された時 中断の場合、研究責任医師は、原因が究明され再発の可能性が否定されない限り再開しない。再開時には、独立データモニタリング委員会の確認を受ける。 研究を中止した場合、中止の日から5日以内に実施責任者は、病院長に、中止した旨を通知する。病院長は、中止の日から7日以内に東京大学特定認定再生医療等専門委員会、ならびに関東信越厚生局長に、再生医療等提供中止届を提出する。 研究責任医師または研究分担医師が、研究が中断され、または中止されたときは被験者に対し速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療および事後処理を保証する。 |
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試料については、東京大学医学部附属病院分子ライフイノベーション棟4階細胞プロセシング・バンキングセンターにて研究終了後より10年間保管を行う。 【原料の保存】 血清 (2 mL)を超低温フリーザーで-80℃保管する。 調製時に余った細胞があれば5 x 10^5個をセルバンカー1 mLに懸濁し、液体窒素容器で-150℃以下で保管する。 また、最終特定細胞加工物を調製する際に採取した培養上清をすべて超低温フリーザーで-80℃保管する。 【製品の保存】 最終特定細胞加工物1本を液体窒素容器で-150℃以下で保管する。 |
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感染性廃棄物として東京大学医学部附属病院の規定に基づき廃棄する。 | ||||||
疾病等の報告 ①省令第35条第1項および第2項に係る疾病等の報告 研究責任医師は、省令第35条第1項に係る疾病等の発生を認めたときは、速やかに病院長に報告する。報告は、別紙様式第二を用い、出来るだけ詳細に記述する。また、病院長による厚生労働大臣および東京大学特定認定再生医療等専門委員会への報告について協力する。 ②省令第35条第3項に係る疾病等の報告 研究責任医師は、省令第35条第3項に係る疾病等の発生を認めたときは、速やかに病院長に報告する。報告は、別紙様式第二を用い、出来るだけ詳細に記述する。また、病院長による東京大学特定認定再生医療等専門委員会への報告について協力する。 なお、報告対象、期限、報告先は以下の通りである。 1.以下に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるものまたは当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの イ 死亡 ロ 死亡につながるおそれのある症例 報告期限:7日 報告先:東京大学特定認定再生医療等専門委員会および関東信越厚生局長 2.以下に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるものまたは当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの イ 治療のために医療機関への入院または入院期間の延長が必要とされる症例 ロ 障害 ハ 障害につながるおそれのある症例 ニ 重篤である症例 ホ 後世代における先天性の疾病または異常 報告期限:15日 報告先:東京大学特定認定再生医療等専門委員会および関東信越厚生局長 3.再生医療等の提供によるものと疑われるまたは当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症による疾病等の発生(上記に掲げる疾病を除く) 報告期限:再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出した日から起算して60日ごとに当該期間満了後10日以内 報告先:東京大学特定認定再生医療等専門委員会 ③再生医療等の提供状況の定期報告 病院長は、再生医療等の提供の状況について、再生医療等提供計画に記載された再生医療等技術ごとに、次に掲げる事項について、東京大学特定認定再生医療等専門委員会および厚生労働大臣または地方厚生局長に報告しなければならない。 報告事項:[1]当該再生医療等を受けた者の数 [2]当該再生医療等に係る疾病等の発生状況およびその後の経過 [3]当該再生医療等の安全性および科学的妥当性についての評価 [4]当該再生医療等の提供を終了した場合にあっては、終了した日 報告期限:再生医療等提供計画を厚生労働大臣または地方厚生局へ提出した日から起算して、1年毎に、当該期間満了後90日以内に行われなければならない。 なお、厚生労働大臣または地方厚生局への報告については、東京大学特定認定再生医療等専門委員会が報告に対する意見を述べた場合は、その意見を添えること。 ④重大事態報告(省令第107条) 特定細胞加工物(AUASC-TKY2017)の製造業務の安全性確保に重大な支障を及ぼす事態が生じた場合、研究責任医師は必要な措置を講じ、速やかに地方厚生局長に報告すると共に、病院長に報告する。 |
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再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の発生の場合に当該疾病等の情報を把握できるよう、及び細胞加工物に問題が生じた場合に患者の健康状態等が把握できるよう、投与後2年間(研究期間6か月、追跡期間1年6か月)は安全性および有効性について外来通院にて検証する。 | ||||||
再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の発生の場合に当該疾病等の情報を把握できるよう、及び細胞加工物に問題が生じた場合に患者の健康状態等が把握できるよう、あらかじめ患者の同意を得た上で連絡先等の情報を収集し管理する。 | ||||||
無 | ||||||
2022年10月01日 | ||||||
2023年09月12日 | ||||||
募集中 | Recruiting | |||||
有 |
有 |
東京大学特定認定再生医療等専門委員会 | Certified Special Committee for Regenerative Medicine, the University of Tokyo | |
NA8150016 | ||
東京都文京区本郷7-3-1 国立大学法人東京大学 | 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, the University of Tokyo, Tokyo | |
03-5841-1059 | ||
saisei-iinkai.adm@gs.mail.u-tokyo.ac.jp | ||
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成 | ||
適 | ||
2021年06月01日 |
当施設における細胞提供者及び再生医療等を受ける者に関する個人情報の取扱いは下記の通りである。 ・本治療は対象者自身の細胞を用いるため、個人情報の対象は対象者に関する情報とする。 ・対象者の個人情報を医療の提供および特定細胞加工物の製造以外の目的には使用しない。 ・個人情報の利用目的を患者に通知の上、対象者から個人情報の利用についての同意を得る。 ・対象者に関する個人情報の仮名加工を行い、適正に管理する。仮名加工の対応表およびデータは個人情報データベースを用い、パスワードを設定の上、当病院の管理責任者のみが管理を行う。 ・個人情報は利用目的に応じ必要な範囲内において、正確かつ最新の状態で管理する。 ・漏えいの防止等の個人情報の適正な管理のために必要な措置を講じる。個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置、従業者・委託先に対する必要かつ適切な監督を行う。 ・保有個人データの本人からの求めに応じ、開示、訂正等、利用停止等に速やかに対処する。 ・個人情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努める。 |
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無 | No | |
非該当 | Not applicable | |
(教育訓練) 提供機関管理者が、医師及び職員に対して以下について定期的に教育及び研修を行い、記録し、保管する。(外部団体の研修含む) 1 医師及び製造管理・品質管理業務に従事する職員に対して製造及び品質管理に関する必要な教育訓練 2 医師及び製造又は検査に従事する職員に対して、特定細胞加工物の製造のために必要な衛生管理、微生物学、医学その他必要な教育訓練 3 清浄度管理区域及び無菌操作等区域等での作業に従事する職員並びに特定細胞加工物の加工等に係る作業に従事する職員に対して、微生物等による汚染を防止するために必要な措置に関する教育訓練 4 治療を行う医師およびその他医療従事者に対して、credit等のWebツールを用いた臨床研究の教育訓練、ハンズオンによる医療技術の教育訓練 5 全ての医師、歯科医師、従事者に対して、被験者保護(研究倫理)に関する教育訓練 6 その他必要に応じて、実施責任者からの指示に基づいた教育訓練 (情報の収集) 医師は、専門誌などからの情報収集をはじめ、日本口腔外科学会、日本口腔科学会、日本再生医療学会等に出席をして、常に最新の情報の収集につとめる。 |
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東京大学医学部附属病院においては電話、メールでの苦情及び問合せへの対応体制が整備されている。 | ||
非該当 | ||
なし | none | |
無 | ||
非該当 | ||
非該当 | ||
非該当 | ||
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 | 04.同意説明文書(第5.3版)_マスキング済み.pdf |
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