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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第一種
令和2年10月5日
令和4年5月9日
小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血-細胞バンクで保管されている同胞の臍帯血有核細胞を用いた輸血の安全性研究-
脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血の安全性の検討
高知大学医学部附属病院
花﨑 和弘
脳性麻痺は出生1,000例に対して1-6例発症するが、現在、特異的な治療法はなくリハビリテーションのみであり改善効果については限界がある。臍帯血細胞輸血は、内在性神経幹細胞の障害部位への遊走促進および神経ネットワークの構築などの作用があるとの報告があり、リハビリテーション単独以上の運動障害改善効果があると考えられる。そこで、血縁同胞臍帯血有核細胞輸血の安全性を評価し、副次的に脳性麻痺などの脳障害に対する効果を確認する。
1
脳性麻痺
募集中
大阪大学第一特定認定再生医療等委員会
NA8140001

変更内容

(2)再生医療等の内容
実施期間(終了日):2024年09月30日
実施期間(終了日):2025年06月30日

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和4年4月11日
jRCTa060200018
高知大学医学部附属病院
高知県南国市岡豊町小蓮185-1
花﨑 和弘 Hanazaki Kazuhiro

(1)再生医療等の名称及び分類

小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血-細胞バンクで保管されている同胞の臍帯血有核細胞を用いた輸血の安全性研究- Assessment of the safety of allogenic sibling umbilical cord blood nuclear cells infusions for children with cerebral palsy or cerebral disorder in Kochi ( Allo-CBRek (polynucleus) )
脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血の安全性の検討 Assessement of the safety of allogenic sibling umbilical cord blood nuclear cells infusions for cerebral palsy in Kochi( Allo-CBReK (nucleus) )
第一種
本研究に用いる特定細胞加工物は投与を受ける者と母親を同一とする兄弟・姉妹の臍帯血である。投与を受ける者以外の人の細胞に該当することから第一種再生医療等技術であると判断した。

(2)再生医療等の内容

脳性麻痺は出生1,000例に対して1-6例発症するが、現在、特異的な治療法はなくリハビリテーションのみであり改善効果については限界がある。臍帯血細胞輸血は、内在性神経幹細胞の障害部位への遊走促進および神経ネットワークの構築などの作用があるとの報告があり、リハビリテーション単独以上の運動障害改善効果があると考えられる。そこで、血縁同胞臍帯血有核細胞輸血の安全性を評価し、副次的に脳性麻痺などの脳障害に対する効果を確認する。
1
実施計画の公表日
2025年06月30日
5
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
非対照 uncontrolled control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
細胞バンクに同胞ドナーの臍帯血を保管し、かつ以下の基準を満たしたもの。
1. 以下のいずれかの診断をうけている1歳以上7歳未満の症例
1)小児脳性麻痺の診断をうけている症例
2)中等症以上の低酸素性虚血性脳症の診断を受けている症例
2. 細胞バンクに保存されている血縁同胞の臍帯血と研究対象者のHLA(A,B,DRB1)が6座中4座以上一致していること
3. 研究対象者及びドナーの代諾者からの同意の得られる症例
1. Age over 1 year old and less than 7 years old at the sibling allogeneic umbilical cord blood nuclear cells (Allo-CB) infusion.
2. Recipients with cerebral palsy, or moderate and severe hypoxic ischemic encephalopathy.
3. Allo-CB from an HLA-mismatched (5/6 and 4/6 match) or matched (6/6) sibling.
4. Consent of eligible person's parent or donor's special agent.
次の基準に一つでも該当する場合は、本研究に参加することができない。
1. 遺伝子疾患がドナー又は研究対象者で確認された症例
2. 悪性腫瘍が確認された症例。ただし、頭蓋内腫瘍は悪性良性問わず除外とする。
3. ステロイド、シクロスポリン、アルブミンおよびハプトグロビンにアレルギー反応のある症例
4. シクロスポリン投与中に、シクロスポリン併用禁忌薬が中止できない症例
5. 肝臓や腎臓に障害のある症例
6. 免疫不全の診断を受けている症例
7. 臨床的にコントロールされていないてんかん
8. 研究対象者の感染症(HBs抗原(CLEIA)、HCV抗体(CLEIA)、HTLV-1抗体(CLEIA)、HIV-1/2(CLEIA)、梅毒血清反応(LA))が陽性と確認された症例
9. コルヒチンを服用中の症例
10. 神経ベーチェット病の症例
11. 母親での感染症(HBs抗原(CLEIA)、HCV抗体(CLEIA)、HTLV-1抗体(CLEIA)、HIV-1/2(CLEIA)、梅毒血清反応(LA))が陽性と確認された症例
12. 保管用検体の無菌検査(好気性菌、嫌気性菌、真菌)で陽性が認められた症例、パルボウイルスB19、サイトメガロウイルスが感度以上と認められた症例
13. 医師が不適格と判断した症例
14. 研究対象者及びドナーの代諾者からの同意の得られない症例
1. Recipients or donors with genetic disorder.
2. Recipients with malignant disease or brain tumor.
3. Recipients with steroid, cyclosporine, albumin or haptoglobin allergy.
4. Recipients who are decided that combined contraindicated drugs can not be stopped during administration of cyclosporine.
5. Recipients with liver dysfunction, or renal function disorder, or immunodeficiency, or uncontrolable epilepsy, or neural Bechet disease.
6. Recipients are positive for HBV, HCV, HIV, HTLV-1, and syphilis.
7. Recipients who are taking colchicine.
8. Mothers are positive for HBV, HCV, HIV, HTLV-1, and syphilis at the pregnancy.
9. Allo-CB are positive for bacterial culture, or parvovirus B19, or cytomegalovirus.
10. Recipients who are decided to be ineligible by doctors.
11. No consent of eligible person's parent or donor's special agent..
1歳 以上 1age old over
7歳 未満 7age old not
男性・女性 Both
〈研究対象者個々の研究の中止基準〉
1. 細胞提供の同意または研究参加への同意の撤回があった場合
2. 研究への継続参加の辞退があった場合(その後の全ての観察の拒否)
3. 選択基準への不適合が発覚した場合
4. 除外基準への該当が発覚した場合
5. 死亡(原因を記録する)や、重篤な有害事象が生じ研究継続が困難となった場合
6. 研究対象者フォローアップが不可能となった場合
7. 実施責任者が中止を妥当と判断した場合
8. 本臨床研究全体が中止となった場合

〈研究全体の中止基準〉
 実施責任者は、以下の事項に該当する場合は研究実施継続の可否を検討する。
1. 当該特定細胞加工物の品質、安全性、有効性に関する重大な情報が得られたとき。
2. 対象者の募集が困難で予定症例を達成することが困難であると判断されたとき。
3. 予定症例数または予定期間に達する前に研究の目的が達成されたとき。
4. 特定認定再生医療等委員会が中止すべき意見を述べ、医療機関の管理者が中止を決定した時や厚生労働省大臣から停止を命ぜられたとき。
脳性麻痺 Cerebral palsy
1. 生理食塩水を溶媒とした2.5%ヒトアルブミン+5%デキストラン溶液(計20ml)に同胞臍帯血有核細胞を生理食塩水に溶解(総計100ml)し、研究対象者に1時間以上かけて輸血する。
2. 臍帯血輸血30分前に、プレドニゾロン1mg/kgを30分かけて点滴静注する。
3. シクロスポリンを以下のように投与する。
1)臍帯血輸血12時間前までに、生理食塩水と混合したシクロスポリン1回2mg/kgを4時間かけて静注投与しておく。
2)臍帯血輸血日から輸血翌日の2日間、シクロスポリン1回1mg/kgを4時間かけて1日2回静注投与行う。
3)臍帯血輸血翌々日にシクロスポリン血中濃度を測定(トラフ値)し、シクロスポリンを経口投与に変更する。経口投与は4mg/kg/日分2で開始する。
4)臍帯血輸血Day7(±1日)後にシクロスポリン血中濃度(トラフ値)を測定し、血中濃度100〜200ng/mlを目標とする。
5)臍帯血輸血Day12をシクロスポリンの最終投与とする。
4.ハプトグロビンを以下のように投与する。
1)ABO major mismatchの場合、3歳未満は1回1,500単位、3歳以上は1回2,000単位を臍帯血輸血2時間前に1時間以上かけて点滴静注をする。
2)上記1)以外の場合は、臍帯血輸血後潜血(2+)以上の場合は、上記1)の年齢別投与量を投与する。必要の応じて反復投与を行う。

1. Sibling Allo-CB, which is dissolved in 20ml saline with 2.5% human albumin plus 5% dextran, mixed with normal saline (total volume 100ml) is administered intravenously over 1 hour.
2. Prednisolone is given 30 minutes before sibling Allo-CB administration over 30 minutes.
3. Twelve hours before sibling Allo-CB administration, cyclosporine (Cy) (2mg/kg) mixed with normal saline is infused once intravenously over 4 hours. Cyclosporine is then administered intravenously at 1mg/kg , twice daily, 2 days after sibling Allo-CB administration. Oral Cy (4mg/kg/day) is administered for an additional 10 days thereafter. The target trough plasma Cy range is 100-200ng/ml.
4. Two hours before sibling Allo-CB with ABO major mismatch, haptoglobin (< 3 years-old: 1,500U, over 3 years old: 2.000U) is administered over 1 hour. In all cases, if urinary occult blood (2+, 3+, over) is recognized after Allo-CB transfusion, haptoglobin is infused in accordance with above age-specific drug doses. Repeated infusion of haptoglobin is considered when necessary.
安全性評価:有害事象の有無、有害事象の種類、出現頻度及び時期 Safety which will be evaluated by assessing the incidence of acute infusion reactions, infections, graft versus host disease or any other adverse events for 24 months.
1)発達遅滞・知的障害(新版K式発達指数またはWISC-IV知能検査)と運動障害(粗大運動能力尺度)の輸血前(入院日から輸血当日まで)、輸血後(退院日、輸血6、12、24か月後)の変化
2)脳波の輸血前(入院日から輸血当日まで)、輸血後(退院日、輸血6、12、24か月後)の変化
3)頭部MRI画像の輸血前(入院日から輸血当日まで)、輸血後(退院日、輸血6、12、24か月後)の変化(但し、金属の埋め込み等の理由でMRI撮影ができない症例のみCT画像を代用する。) 
4) 上記1) - 3) と顆粒球を除いたCD45陽性細胞数との関連性
5) 上記1) - 3) とHLA(A,B、DRB1)一致数との関連性
1. Assessment of improvement in gross mot or function using gross motor function meas ure(GMFM) at the day before transfusion (from admission to one day before trasfusion), on discharge, 6 months later, 12 months later, and 24 months later.
2. Assessment of mental, speech, and social development using new edition k type devel opmental examination or WISC-IV at the day before transfusion (from admission to one day before trasfusion), on discharge, 6 months later, 12 months later, and 24 months later.
3. Serial change of EEG and brain MRI findin gs(CT findings in cases with contraindication of MRI) at the day before transfusion (from admission to one day before trasfusion), on discharge, 6 months later, 12 months later, and 24 months later.
4. Relationship among clinical improvement, total CD45 positive cell numbers of sibling A llo-CB excluding granulocytes, and HLA-match rate.
別添の通り

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
藤枝 幹也 Mikiya Fujieda
高知大学医学部附属病院 Kochi Medical School Hospital
小児科
783-8505
高知県南国市岡豊町小蓮185-1 185-1 Kohasu, Oko-cho, Nankoku, Kochi 783-8505, Japan
088-880-2355
fujiedam@kochi-u.ac.jp
自施設
小児救急医療が可能な小児病棟33床、集中治療室(ICU)12床、X線装置、MRI、CT、人工呼吸器、心拍呼吸モニターなど救急医療に対応できる施設・設備を有する。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

菊地 広朗 Hiroaki Kikuchi
高知大学医学部附属病院 Kochi Medical School Hospital
小児科
783-8505
高知県南国市岡豊町小蓮185-1 185-1 Kohasu, Oko-cho, Nankoku, Kochi 783-8505, Japan
088-880-2355
088-880-2356
kikuchi@kochi-u.ac.jp
医師
藤枝 幹也
高知大学医学部附属病院
小児科
医師
菊地 広朗
高知大学医学部附属病院
小児科
医師
齊藤 志穂
高知大学医学部附属病院
小児科
高知大学医学部附属病院次世代医療創造センターデータマネジメント部門
西本 博之
高知大学医学部附属病院
次世代医療創造センターデータマネジメント部門
高知大学医学部附属病院次世代医療創造センターデータマネジメント部門
田中 理子
高知大学医学部附属病院
次世代医療創造センターデータマネジメント部門
高知大学医学部附属病院次世代医療創造センターデータマネジメント部門
黒岩 朝
高知大学医学部附属病院
次世代医療創造センターデータマネジメント部門
高知大学医学部附属病院次世代医療創造センターデータマネジメント部門
田井 麻美
高知大学医学部附属病院
次世代医療創造センターデータマネジメント部門

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

臍帯血有核細胞
母親等と細胞バンク(ステムセル研究所)の契約に基づき、出産したかかりつけ医などで臍帯血を採取し、同バンクで加工・保管する。児の血縁関係にある兄弟等が本研究参加後、同バンクから当院に加工物を輸送する。
妊産婦本人又は代理人が、細胞バンクと臍帯血の分離・保管に関する契約を締結し、生下時に臍帯血の採取が行われ本研究の実施計画書が厚生労働省に提出された日までに細胞バンクに保管されていること。細胞提供者と提供を受ける者(研究対象者)の母親が同一で血縁同胞であること。また、細胞提供同意時のドナーの年齢が2歳以上であること。なお、新生児の健康状態は問わないが死産の場合は除外する。
研究責任者は、以下の内容について細胞バンクから「臍帯血関連情報書」として入手する。以下の項目について、全て確認できることを必須とする。
1.臍帯血採取時に、親権者より採取の依頼が得られていること。
2.細胞提供者由来の臍帯血細胞が以下の条件を満たすこと
1) 臍帯血細胞と対象者(受血者)のHLAが6座中4座以上一致していること
2) 臍帯血の無菌検査が陰性で、かつパルボウイルスB19とサイトメガロウイルスが感度以下であること
3) 母親の感染検査の結果が適正であること(HBs抗原(CLEIA)、HCV抗体(CLEIA)、HTLV-1抗体(CLEIA)、HIV-1/2(CLEIA)、梅毒血清反応(LA)が陰性)
4) 臍帯血細胞の顆粒球を除くCD45陽性細胞の生存率が60%以上で、かつ細胞数が1.2E+06個以上であること
 臍帯血の採取は、新生児と臍帯を切り離し、胎盤娩出前、又は胎盤娩出直後に胎盤をのう盆に乗せた状態で実施する。穿刺予定箇所の臍帯表面を消毒した後に、薬事承認を得ている200ml用血液バッグの針を臍帯静脈に穿刺する。この際、血液バッグを下位に位置させ高低差を利用した自然落下により臍帯血の流入を待つ。採取量は多い方が良いが、臍帯血が血液バッグに流入するまでには一定の時間(数分間)を要するため産後処置に支障をきたさない範囲で行うものとしている。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

同胞臍帯血細胞
〈加工方法〉
 臍帯血にHESを加えて赤血球を沈降・除去し、バフィーコートを含む血漿分画を遠心操作により濃縮して回収する。
〈保管方法〉
 製造を委託する細胞培養加工施設の細胞保管場所で管理される液体窒素タンクで保管する。

 当該特定細胞加工物の製造工程①〜⑥と品質管理の方法の概要については以下の通りとする。
① 原料(臍帯血)について(細胞培養加工施設)
・臍帯血採取手技の適切性の確認
・核染色による細胞カウントにより、分離後細胞数の品質規格への適合性を確認
② 特定細胞加工物製造事業所への原料の運搬搬入(細胞培養加工施設)
・温度管理(-150℃以下)、容器外観の品質規格への適合性の確認
③ 有核細胞の分離抽出および凍結保管(細胞培養加工施設)
・分離前及び後の品質規格への適合性の確認
④ 特定細胞加工物の払出し(細胞培養加工施設)
・保管から払出しまでの温度管理状況(-150℃以下)の確認
・細胞提供者と保管細胞の生物学的同一性の確認のため、当該細胞加工物にHLA-A/B/DRB1の検査を実施
⑤ 当院への特定細胞加工物の輸送(細胞培養加工施設)
・輸送状況(輸送経路、禁忌事項の遵守等)の確認
・輸送中の温度管理状況(温度モニタリングにより-150℃ 以下を維持)の確認
⑥ 最終調製物について(高知大)
・無菌性の確認(好気性菌/嫌気性菌/真菌培養)
・有核細胞数検査(フローサイトメトリ解析)による品質確認
・母体血の感染症検査の付帯情報による適切性の確認
・パルボウイルスB19とサイトメガロウイルスが感度以下
小児病棟で、調製後4時間以内に生理食塩水と混合した100mlの特定細胞加工物を1時間以上かけ輸血を行う。
ステムセル研究所
FA3150022
ステムセル研究所 東京CPC
本院が作成した特定細胞加工物概要書に基づく特定細胞加工物の製造及び品質管理(本院までの輸送を含む)

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

未承認

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

 海外では、自家臍帯血が保存されていない場合、同種臍帯血輸血が行われておりその安全性が報告されている。1-6)
Yangらは、変性疾患に対する同種臍帯血単核球輸血の安全性を評価するため、非造血性変性疾患の114人の患者に対して、HLA不適合の同種臍帯血輸血を行い重篤な有害事象はなくGVHDも認めなかったことを報告している1)。またLaskowitzらによる虚血性脳卒中の成人10人に対するHLA不適合同種臍帯血輸血において、12か月の追跡においてすべての研究対象者でGVHDを認めずその安全性を報告している2)。
脳性麻痺児においても、同種臍帯血輸血の安全性と有効性の報告がみられている3)-6)。Fengらは、重症脳性麻痺患児 47人に対して同種臍帯血輸血を行い重篤な有害事象は認めず、対処療法で改善しており比較的安全であったと結論している。同種臍帯血移植にあっては、GVHDの予防のためHLA適合や免疫抑制剤の使用が必要であるが、変性疾患や脳性麻痺児に対する同種臍帯血治療においてGVHDは認めずその安全性を報告している。1)-4)
 このような海外の状況に加え、我々も厚生労働省の受理のもと、2017年から脳性麻痺児6例に対して、保存されていた自家臍帯血細胞輸血を行い、安全性評価臨床研究として「小児脳性麻痺など脳障害に対する自家臍帯血単核球細胞輸血」-細胞バンクで保管されている自家臍帯血単核球細胞を用いた輸血の安全性研究-(UMIN000024852)を行った。現在も観察中であるが、予定6例全例、現在のところ安全性に問題はなく、運動改善効果が観察されている。しかし、わが国では、自家臍帯血を保存している例は少なく、自家の場合、対象が制限されてしまう。したがって、同種(特に同胞間)の臍帯血を利用した治療法の開発が多いに期待される。
 このように当院には臨床研究を安全に実施するために必要な医療体制はすでに整っており、経験を踏まえ、当該臨床研究を万全の体制で実施することができる環境にある。加えて、小児血液疾患に対する臍帯血幹細胞移植はすでに一般化された治療法であり、輸血の手法に関しても臨床の場で検証済である。 我々の施設でも、血液疾患に対する臍帯血幹細胞移植は、研究分担者の菊地を中心に経験済である。本臨床研究は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」下において特定細胞加工物の製造許可を得た適切な施設に、臍帯血の入手・調製・保管を委託することに特徴がある。委託する工程については、あらかじめ定める「特定細胞加工物に対する試験および判定基準」に適合する臍帯血を使用することは言うまでも無く、保管場所から当院への輸送についても複数名で確実性をもって実施することとしている。 委託する工程で使用する資材や試薬については、無菌性が保証されたものを使用する。投与する細胞調製液に含まれる (残存するものも含む)特定細胞加工物(同胞臍帯血)の製造に使用されている試薬については、研究用試薬として扱われているものが含まれるが、そのすべてのロットについて、製造国の薬局法に定められた無菌試験に合格したものが使用される。それらのうち、DMSOについては軽度の皮膚刺激、眼刺激、長期 または反復ばく露による皮膚、肝臓、血液への毒性が知られているが、投与する細胞調製液中のDMSO残存量は、細胞液の洗浄工程を経ることで0.2g未満となることが確認されており、DMSOによる有害事象のリスクは限りなく低いことが推察される。加えて、当該プロトコールよりも高濃度のDMSOを投与することになる臍帯血幹細胞移植でも当施設において実施経験があることを踏まえると、DMSOに起因するリスクは十分に対処可能である。当院での凍結臍帯血細胞の解凍・調整作業については再生医療技術の教育訓練を受け、研究責任者が認めた者が行うこととしている。なお、本研究の同胞臍帯血輸液投与療法は、細胞調製液(最大 100ml)を1回、1時間以上かけて輸血を行う。
 考え得る有害事象に対し迅速かつ慎重に対応することができる救急医療体制が整っていること、臍帯血幹細胞移植の経験があること、適切な環境下で細胞調製作業がなされること、調製に使用される資材や試薬はすべて無菌保証があるものであること、熟練した技術者が投与細胞の調製作業にあたることなどから、安全性を十分に確保した上で当該臨床研究は十分に実施可能であると言える。
 
臍帯血細胞の分離法の違いについて
2016年3月31日までに保管した検体は、すべてFicoll法により分離している。2016年4月1日からは段階的にHES法に切り替えているため、2016年4月1日~2017年末頃までは、Ficoll法で分離したものと、HES法で分離したものが混在している。
 Ficoll法は、比重が調整された試薬(Ficoll)を用いた方法で、Ficollと血液を混和し遠心すると血液細胞は比重別に層をなして分離される。層の中間に位置する細胞層にはリンパ球・単核球・造血幹細胞を多く含み、単核球細胞と呼ばれる。この単核球細胞を採取する。
 HES法は、赤血球を重合する作用のある試薬(HES)を用いた方法で、、赤血球が塊になることで沈下スピードが速まり、赤血球とそれ以外の二層に分離される。赤血球以外の層にはリンパ球・単核球・造血幹細胞に加え顆粒球も含み、有核細胞と呼ばれる。この有核細胞を採取する。
 単核球細胞(主にリンパ球・単核球・造血幹細胞)と有核細胞(主にリンパ球・単核球・造血幹細胞・顆粒球)は、それぞれにおいて、効能を期待する細胞は同程度含まれている。有核細胞に含まれる顆粒球は寿命が短く採取後1-2日後には死滅する。いずれの細胞採取方法も無菌操作で行い、保存時および当院で行う2回の無菌検査ならびに各種ウイルス検査を実施した後、研究対象者に投与を行うため、安全性は確保されている。

文献
1)Yang WZ et al. Safety evaluation of allogeneic umbilical cord blood mononuclear cell therapy for degenerative conditions. J Trans Med 8; 75, 2010.
2) Laskowiz DT et al. Allogeneic Umbilical Cord Blood Infusion for Adults with Ischemic Stroke: Clinical Outcomes from a Phase I Safety Study. Stem Cells Trans Med 7; 521-529, 2018.
3) Feng M et al. Safety of Allogeneic Umbilical Cord Blood Stem Cells Therapy in Patients with Severe Cerebral Palsy: A Retrospective Study. Stem Cells Int , 2015.
4) Romanov YA et al. Human allogenic ABO/Rh-identical umbilical cord blood cells in the treatment of juvenile patients with cerebral palsy: Cytotherapy 7; 969-978, 2015.
5)Min K,Song J,Kang JY,Ko J,Ryu JS,Kang MS,Jang SJ,Kim SH,Oh D,Kim MK,Kim SS,Kim M.Umbilical cord blood therapy potentiated with erythropoietin for children with cerebral palsy: a double-blind,randomized,placebo-controlled trial. Stem Cells 31; 581-591, 2013
6) Kang M,Min K,Jang J,Kim SC, Kang MS, Jang SJ,Lee JY,Kim SH,Kim MK,An SA,Kim M. Involvement of Immune Responses in the Efficancy of Cord Blood Cell Therapy for Cerebral Palsy. Stem Cells Dev 24; 2259-2268, 2015
 CHA大学のMinら1)は同種臍帯血による有効性を高めるため組み替えヒトエリスロポエチンおよびシクロスポリンを使用している。この研究では、同種臍帯血投与群において有意に運動機能および認知機能の改善を認めている。組み替えヒトエリスロポエチンの有用性は明らかではなかった。またHLAについても検討しており、2座不一致よりも1座不一致が、機能的自立度評価で有意に評価が高ったことからHLAの一致率も重要と考えられる。Kangら2)は、脳性麻痺児36人に対して、同種臍帯血輸血を行い運動能力の改善を報告している。この研究では、臍帯血の細胞数と運動機能の回復と相関がみられている。
 これらの研究は、脳性麻痺児に対して同種臍帯血治療の有効性を報告しているが、安定した有効性を得るためシクロスポリン投与を行っている。シクロスポリンの併用についてはまだその必要性については議論されているところであるが、臍帯血輸血後のサイトカインの上昇がみられている期間に投与することが妥当と考えられる。我々は安全性及び有効性の観点から、先行研究で使用されているシクロスポリン併用を選択し、HLA2坐不一致までを許容した同胞間臍帯血を用いた脳性麻痺児に対する治療安全性の評価を行う。
以上から脳障害児への同胞間臍帯血輸血は安全で神経学的・機能学的にも改善がえられる可能性があり、同療法は意義のある医療行為と考えられる。なお、利益・不利益として予想されるものとしては以下のものがあり、被験者への同意説明文書にも記載し、十分説明を行う。
<予測される利益>
 この研究における同胞間臍帯血細胞輸血の安全性の確認ができれば、 脳性麻痺など脳障害に対する改善効果を含め、将来の治療選択が広がる可能性がある。
<予測される負担並びに不利益>
 無菌検査・ウイルス検査は限りある臍帯血の一部のみ使用して行うため、臍帯血すべてに対しての汚染のリスクについては完全に否定が出来ない。また、最終特定細胞加工物調整過程及び輸血することに起因するアレルギー等のリスクが考えられる。これらへの対処及び講じた対処方法での薬剤使用に関するリスク等を以下に示す。
 本研究では研究対象者本人のものではない同胞臍帯血を輸血するため、血液型不一致に伴う赤血球や赤芽球の溶血によって生じた大量のヘモグロビンが腎尿細管に達し、尿細管障害(腎不全)を起こす可能性がある。そのため、臍帯血輸血後はすべての症例において、最短6時間は尿潜血などの尿所見を注意深く行う。その他の副作用としてショック・アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には輸血を中止し、適切な処置を行う。これらの予防的処置として、ABO major mismatchの場合、臍帯血輸血2時間前にハプトグロビン製剤を1時間以上かけて点滴投与を行い、臍帯血輸血30分前に水溶性プレドニン1mg/kgの投与を行う。また、尿潜血反応(2+)以上の場合、適宜、ハプトグロビン製剤を追加投与する。
同様に同胞臍帯血輸血時に輸注される造血幹細胞浮遊液中に含まれるドナー由来のリンパ球が引き起こす合併症であるGVHD(移植片対宿主病)を発症する危険性もある。急性GVHDは輸血後早期に起こり、発熱に続いて皮疹、下痢、黄疸などを発症する。通常は皮膚症状が先行し、ついで消化器症状や肝障害が起こる。GVHDの予防のためにシクロスポリンによる免疫抑制療法を行う。シクロスポリンの吸収は患者により個人差があるので、血中濃度の高い場合の副作用並びに血中濃度の低い場合の拒絶反応の発現等を防ぐため、患者の状況に応じて血中濃度を測定し、トラフ値を参考にして投与量を調節する。特に輸血直後は頻回に血中濃度測定を行う。
 又、この研究では細胞バンクに保管しているドナーの臍帯血細胞を全て使用するため、臍帯血細胞の保管は無くなる。

1.ヒトアルブミン混合溶液使用による不利益
 解凍による細胞のダメージを極力抑えるために、生理食塩水を溶媒とした2.5%ヒトアルブミン+5%デキストラン溶液に混合する。
 ヒトアルブミンの製造に関しては感染症伝播の安全対策が講じられているが、血液を材料にしていることに由来する感染症伝播のリスクも完全に排除できない。その他の副作用としてショック・アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には輸血を中止し、適切な処置を行う。研究対象者をアレルギー反応から回避させるため、臍帯血輸血30分前に水溶性プレドニン1mg/kgの投与を行う。プレドニンは免疫力を低下させ、細菌、ウイルス、真菌等の感染症にかかりやすくなり、まれに血圧値や血糖値の上昇などの代謝障害が生じる可能性があり、継続的に観察や測定を行う。

2. シクロスポリン投与による不利益
 本研究では研究対象者本人のものではない同胞臍帯血を輸血するため、HLA不一致に伴う拒絶反応をおさえるために臍帯血輸血後のサイトカインの上昇がみられている期間に免疫抑制薬(シクロスポリン)投与することが妥当と考えられる。
 シクロスポリンの副作用としては腎障害、肝障害・肝不全、中枢神経障害などが添付文書にて報告されている。全身状態の観察を行うとともに、シクロスポリン血中濃度の測定を定期的に行い、異常の早期発見に努める。

3.ハプトグロビン製剤投与による不利益
 ハプトグロビン製剤の製造に関しては感染症伝播の安全対策が講じられているが、血液を材料にしていることに由来する感染症伝播のリスクも完全に排除できない。
 ハプトグロビン製剤の副作用としてはアナフィラキシー、ショック、嘔吐などが添付文書にて報告されている。全身状態の観察を行うとともに、症状の診られた時は、投与を中止し、適切な処置を行う。

4.検査に係る静脈麻酔による鎮静の不利益
 体動を抑える必要のある検査(MRIまたはCT/脳波)では、静脈麻酔による鎮静を必要とする場合がある。静脈麻酔による合併症として低酸素血症、高二酸化炭素血症、興奮・迷妄、無呼吸、嘔吐、嚥下性肺炎、低体温、循環抑制などがある。
 又、鎮静のため用いる薬剤チアミラールナトリウム(商品名イソゾール)の副作用として悪心・嘔吐、頭痛など、ミダゾラム(商品名ドルミカム)の副作用として舌根沈下、覚醒遅延などがある。これらについては当院の手順に従って、完全に覚醒するまで注意深く観察する。

文献
1)Min K,Song J,Kang JY,Ko J,Ryu JS,Kang MS,Jang SJ,Kim SH,Oh D,Kim MK,Kim SS,Kim M.Umbilical cord blood therapy potentiated with erythropoietin for children with cerebral palsy: a double-blind,randomized,placebo-controlled trial. Stem Cells 31; 581-591, 2013
2) Kang M,Min K,Jang J,Kim SC, Kang MS, Jang SJ,Lee JY,Kim SH,Kim MK,An SA,Kim M. Involvement of Immune Responses in the Efficancy of Cord Blood Cell Therapy for Cerebral Palsy. Stem Cells Dev 24; 2259-2268, 2015
<前診察後> 「特定細胞加工物に対する試験及び判定基準」の前診察、出庫前検査の結果及び細胞バンクの「臍帯血関連情報書」の内容をもって、症例検討委員会(高知大学医学部附属病院 病院長:執印太郎、産科婦人科教授:前田長正、医学部先端医療推進センター名誉教授:相良祐輔、呼吸器・アレルギー内科教授:横山彰仁)にて当該研究への参加の可否を検討し、実施責任者はその結果に従う。
<臍帯血輸血前日> 症例検討委員会は輸血前日正午までに委員会を実施し、各種輸血前検査結果により臍帯血細胞輸血の可否を検討する。
<臍帯血輸血当日> 午前10時までの診察及び検温等の結果を踏まえ、実施責任者が投与を決定する。
「特定細胞加工物に対する試験及び判定基準」に従い、細胞の安全性には十分留意を行うが、研究対象者の症状の観察を行い、細胞の安全性に関する疑義が生じた場合は、疾病等の取り扱いに準じ適切に対応を行う。

〈疾病等の取り扱い〉
1) 再生医療等を行う医師は疾病等の発生を知ったときは、医療機関の管理者及び実施責任者に対し、速やかに報告する。
2) 医療機関の管理者又は実施責任者は、再生医療等を行う医師に対し、当該再生医療等の中止その他の必要な措置を講ずるよう指示する。
3) 医療機関の管理者又は実施責任者は、特定細胞加工物を製造した特定細胞加工物製造事業者に速やかに通知する。
試料の一部は細胞バンクで、10年間保存する。細胞加工物はすべて使用するため保管しない。
細胞バンクが適切に廃棄する。 
〈疾病等の発生の場合の措置〉
1. 再生医療等を行う医師は疾病等の発生を知ったときは、医療機関の管理者及び実施責任者に対し、速やかに報告する。
2. 医療機関の管理者又は実施責任者は、再生医療等を行う医師に対し、当該再生医療等の中止その他の必要な措置を講ずるよう指示する。
3. 医療機関の管理者又は実施責任者は、特定細胞加工物を製造した特定細胞加工物製造業者に速やかに通知する。

〈特定認定再生医療等委員会及び厚生労働大臣への疾病等の報告〉
 医療機関の管理者および実施責任者は、再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供について、次に掲げる事項を知ったときは、それぞれに定める期間内に当該事項を、1及び2については特定認定再生医療等委員会及び厚生労働大臣に、3については特定認定再生医療等委員会に報告する。
1. 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるものに関しては、発生を知った日から7日以内に報告する。
① 死亡
② 死亡につながるおそれのある症例

2. 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるものに関しては、発生を知った日から15日以内に報告する。
① 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例
② 障害
③ 障害につながるおそれのある症例
④ ①~③に掲げる症例に準ずる重篤な症例
⑤ 後世代における先天性の疾病又は異常

3. 再生医療等の提供によるものと疑われる又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症による疾病等の発生(1及び2に掲げるものを除く。)に関しては再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出した日から起算して60日ごとに当該期間満了後10日以内に報告する。

〈有害事象発生時の研究対象者への対応〉
実施責任者又は研究分担医師は、有害事象を認めたときは、直ちに適切な処置を行うとともに、診療録に記載する。

〈重篤な有害事象発生時の対応〉
重篤な有害事象については、当院における「人を対象とする医学系研究に係る安全性情報等の取り扱いに関する手順書」に従い対応するとともに、特定認定再生医療等委員会に報告する。

〈投与後の観察・有害事象の収集〉
 本研究における有害事象の情報収集対象期間は輸血直後から輸血24か月後までとする。
 有害事象は輸血6,12,24か月後の直接の観察(検査を含む)、研究対象者等の自発的報告又は各来院時の研究対象者等への質問及び輸血3、9か月後の電話またはメールでの聞き取りで確認する。研究開始前に存在した合併症は、それらが研究開始後に悪化した場合のみ有害事象とみなす。臨床検査値またはその他の検査結果の異常は、それらが臨床的兆候または症状を惹起した場合、治療を必要とした場合、または臨床的に重要と実施責任者及び再生医療等を行う医師が判断した場合のみ有害事象とみなす。有害事象と判断された事象に関しては、適切に診療録及び症例報告書に記載し、評価を行う。
 本研究の有害事象の収集については、規定来院での確認の他、研究対象者のかかりつけの主治医からの情報提供も収集の対象とする。

〈研究の終了〉
 すべての観察が完了し、追跡の必要な異常所見がみられない事を確認した時点を、その研究対象者における研究の終了とする。研究終了後、実施責任者または研究分担医師は、研究対象者等と相談の上、最も適切と考えられる医療を提供する。

〈中止基準〉
 実施責任者又は研究分担医師は、研究対象者が下記の中止基準に該当すると判明した場合には、その旨を研究対象者等に説明し、当該研究対象者の研究を中止する。なお中止の場合には、可能な範囲で安全性を確認し、その後の研究対象者の治療については、研究対象者の不利益とならないよう、誠意を持って対応する。有害事象により研究を中止した研究対象者については、必要に応じ適切に処置を実施し、その有害事象の転帰が定まるまで、出来る限り追跡を実施する。
 又、中止の場合にはそれまでに提供していただいた検体やデータは引き続き使用をさせていただく場合があることも同意取得の際に説明する。
1) 細胞提供の同意または研究参加への同意の撤回があった場合
2) 研究への継続参加の辞退があった場合(その後の全ての観察の拒否)
3) 選択基準への不適合が発覚した場合
4) 除外基準への該当が発覚した場合
5) 死亡(原因を記録する)や、重篤な有害事象が生じた場合
6) 研究対象者フォローアップが不可能となった場合
7) 実施責任者が中止を妥当と判断した場合
8) 本臨床研究全体が中止となった場合
※1)の場合は、同意撤回書をいただく際にデータ等の使用について、意思の確認を行う。
〈有害事象の収集〉
 本研究における有害事象の情報収集対象期間は輸血直後から輸血24か月後までとする。
 有害事象は輸血6,12,24か月後の直接の観察(検査を含む)、研究対象者等の自発的報告又は各来院時の研究対象者等への質問及び輸血3、9か月後の電話またはメールでの聞き取りで確認する。研究開始前に存在した合併症は、それらが研究開始後に悪化した場合のみ有害事象とみなす。臨床検査値又はその他の検査結果の異常は、それらが臨床的兆候または症状を惹起した場合、治療を必要とした場合、又は臨床的に重要と実施責任者及び再生医療等を行う医師が判断した場合のみ有害事象とみなす。有害事象と判断された事象に関しては、適切に診療録及び症例報告書に記載し、評価を行う。
 本研究の有害事象の収集については、規定来院での確認の他、研究対象者のかかりつけの主治医からの情報提供も収集の対象とする。

 効果を検証するため下記について評価を行う。
1)発達遅滞・知的障害(新版K式発達指数またはWISC-IV知能検査)と運動障害(粗大運動能力尺度)の輸血前(入院日から輸血当日まで)、輸血後(退院日、輸血6、12、24か月後)の変化
2)脳波の輸血前(入院日から輸血当日まで)、輸血後(退院日、輸血6、12、24か月後)の変化
3)頭部MRI画像の輸血前(入院日から輸血当日まで)、輸血後(退院日、輸血6、12、24か月後)の変化(但し、金属の埋め込み等の理由でMRI撮影ができない症例のみCT画像を代用する。) 
4) 上記1) - 3) と顆粒球を除いたCD45陽性細胞数との関連性
5) 上記1) - 3) とHLA(A,B、DRB1)一致数との関連性
実施計画の公表日
募集中 Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

大阪大学第一特定認定再生医療等委員会 The First Certified Special Committee for Regenerative Medicine, Osaka University
NA8140001
大阪府吹田市山田丘2-2 Yamadaoka 2-2, Suita, Osaka
06-6210-8293
nintei@dmi.med.osaka-u.ac.jp
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2020年04月01日

7 その他

 研究者等は本研究に参加する被験者の個人情報保護を、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)他関連法令法規に準拠して実施する。被験者の氏名・住所は CRF(症例報告書)には一切記入せず、被験者識別コードリストを用いて被験者を識別する。なお、被験者識別コードリストは実施責任者が施錠できる場所に厳重に保管する。本研究の実施に係る原資料の直接閲覧、医学雑誌への発表などの場合でも被験者の個人情報は保全される。
No
 本研究に携わる者は再生医療等を行う医療機関の管理者が開催する再生医療に係る教育講習又は同等の研修の受講を必須とする。又、本研究の再生医療等に係るもののうち細胞調製実務者は、細胞を用いた再生医療を行うために必要な細胞調製、保管、品質管理(検査)が行える技術についての研修を受ける。再生医療等に係る研修、又は関連する学会等への参加によって継続講習としている。その他の者については実施責任者等が「教育訓練の記録」からその適格性の判断を行う。
苦情及び問い合わせ先
医学部小児思春期医学教室 088-880-2355
附属病院小児病棟 088-880-2494
 実施責任者 藤枝幹也
下記のとおり24時間対応を行う。
平日9:00~17:00 実施責任者→(実施責任者が不在の場合)再生医療等を行う医師
平日17:00~9:00、及び休日 携帯電話に連絡する
    実施責任者→(実施責任者が応答できない場合)再生医療等を行う医師あるいは当直医
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 【資料1-1-05】__有核細胞小児脳性麻痺臍帯血同意説明文書・同意文書.pdf

変更履歴

種別 公表日
変更 令和4年5月9日 (当画面) 変更内容
軽微変更 令和4年4月6日 詳細 変更内容
軽微変更 令和3年6月28日 詳細 変更内容
新規登録 令和2年10月5日 詳細