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再生医療等提供計画情報の詳細情報です。

第一種
令和2年1月22日
令和6年3月4日
同種造血幹細胞移植後のエプスタインバーウイルス(EBV)関 連リンパ球増殖症に対する第三者由来抗原特異的細胞傷害性 T 細胞療法
同種造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症に対する第三者由来抗原特異的CTL療法の安全性に関する臨床第Ⅰ相試験
名古屋大学医学部附属病院
小寺 泰弘
造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症に対して、第三者末梢血から樹立したEBV抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を用いた治療の安全性を検討する。
1
同種造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症
募集中
名古屋大学特定認定再生医療等委員会
NA8150011

変更内容

(2)再生医療等の内容
実施期間(終了日):2024年03月31日
実施期間(終了日):2027年03月31日
再生医療を受ける者の適格基準
主たる選択基準:1. 同種造血幹細胞移植後
2. HLA-A*0201/0206またはHLA-A*2402またはHLA-A*1101を有する
3. リツキサン抵抗性またはリツキサン投与困難またはCD20陰性のEBV関連リンパ増殖症
4. 患者本人または代諾者から文書での同意が得られていること
5. 全身状態および臓器機能が以下の基準を
満たしている。
Performance status 0-3、AST/ALT≦10 x N (N:施設基準値上限)、総ビリルビン≦3 x N、クレアチニン≦3xN、SpO2≧90% (room air)
主たる選択基準:1. 同種造血幹細胞移植後
2. HLA-A*0201、HLA-A*0206、HLA-A*2402、HLA-A*1101のうち少なくとも一つのHLA型を有する
3. リツキサン抵抗性またはリツキサン投与困難またはCD20陰性のEBV関連リンパ増殖症
4. 患者本人または代諾者から文書での同意が得られていること
5. 全身状態および臓器機能が以下の基準を
満たしている。
Performance status 0-3、AST/ALT≦10 x N (N:施設基準値上限)、総ビリルビン≦3 x N、クレアチニン≦3xN、SpO2≧90% (room air)
Key Inclusion & Exclusion Criteria
Inclusion Criteria:1. Prior allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
2. HLA-A0201/0206, HLA-A2402 or HLA-1101
3. Rituximab resistant, difficulty in administering rituximab or CD20 negative EBV associated lymphoproliferative disorder
4. Written informed consent from patient or legal representative
5. Fulfill all of the following criteria:
Performance status 0-3, GOT /GPT =<10 x upper normal limit (UNL), total bilirubin =<3 x UNL,
serum creatinine =<3 x UNL, SpO2>=90% (room air)
Inclusion Criteria:1. Prior allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
2. HLA-A0201, HLA-A0206, HLA-A2402 or HLA-1101
3. Rituximab resistant, difficulty in administering rituximab or CD20 negative EBV associated lymphoproliferative disorder
4. Written informed consent from patient or legal representative
5. Fulfill all of the following criteria:
Performance status 0-3, GOT /GPT =<10 x upper normal limit (UNL), total bilirubin =<3 x UNL,
serum creatinine =<3 x UNL, SpO2>=90% (room air)
中止基準
以下のいずれかの場合、プロトコール治療を中止とする。
1) 造血幹細胞移植治療の対象となった疾患の再発により、再発した疾患に対する追加治療が必要になる場合(造血幹細胞移植治療の対象となった疾患再発後の免疫抑制剤早期減量および輸血等の支持療法は、医師判断により試験の継続を許容する)
2) 有害事象によりプロトコール治療が継続できない場合
① CTCAE ver.4.0のgrade 4の非血液毒性が新たに認められた場合
② 資料2に示す基準でgrade III以上の急性GVHDの症状を認めた場合
③ 有害事象により前回の輸注から4週間以内に輸注できなかった場合
3) 患者(未成年の場合は保護者)からの同意の撤回の申し入れがあった場合
4) プロトコール治療中の死亡
5) 登録後治療開始前の造血幹細胞移植治療の対象となった疾患の急速な増悪により、プロトコール治療が開始できなかった、プロトコール違反が判明、登録後の診断変更などにより不適格性が判明した場合
6) 試験責任医師または試験分担医師が試験継続の中止と判断した場合
プロトコール中止日は、4)の場合死亡日、その他の場合はプロトコール治療中止と判断した日とする。

以下の場合に試験の早期中止を検討する。
1) 症例登録の遅れ、プロトコール逸脱の頻発などの理由により、試験の完遂が困難と判断された場合
2) プロトコール治療との因果関係が否定できない死亡が発生した場合は、効果安全性評価委員会で試験継続または中止の是非を十分に協議し、患者の安全性の確保に努める。
3) 論文や学会発表など、当該試験以外から得られた関連情報を評価した結果、プロトコール治療の安全性に問題があると判断された場合、または試験継続の意義がなくなったと判断された場合
以下のいずれかの場合、プロトコール治療を中止とする。
1) CTCAE ver.4.0のgrade 4の非血液毒性が新たに認められた場合
2)grade3の非血液毒性が前回の輸注から4週間以内にgrade2以下に改善しなかった場合
3) 資料2に示す基準でgrade III以上の急性GVHDの症状を認めた場合
4) プロトコール治療中の死亡
5) 患者(未成年の場合は保護者)からの同意の撤回の申し入れがあった場合
6)登録後治療開始前の造血幹細胞移植治療の対象となった疾患の急速な増悪により、プロトコール治療が開始できなかった、プロトコール違反が判明、登録後の診断変更などにより不適格性が判明した場合
7)造血幹細胞移植治療の対象となった疾患の再発により、再発した疾患に対する追加治療が必要になる場合(造血幹細胞移植治療の対象となった疾患再発後の免疫抑制剤早期減量および輸血等の支持療法は、医師判断により試験の継続を許容する)
8) 試験責任医師または試験分担医師が試験継続の中止と判断した場合

プロトコール中止日は、4)の場合死亡日、その他の場合はプロトコール治療中止と判断した日とする。

以下の場合に試験の早期中止を検討する。
1) 症例登録の遅れ、プロトコール逸脱の頻発などの理由により、試験の完遂が困難と判断された場合
2) プロトコール治療との因果関係が否定できない死亡が発生した場合は、効果安全性評価委員会で試験継続または中止の是非を十分に協議し、患者の安全性の確保に努める。
3) 論文や学会発表など、当該試験以外から得られた関連情報を評価した結果、プロトコール治療の安全性に問題があると判断された場合、または試験継続の意義がなくなったと判断された場合
統計解析担当機関
名古屋大学大学院医学系研究科
統計解析担当機関
氏名:
氏名:中杤昌弘
統計解析担当機関
所属機関:
所属機関:名古屋大学大学院医学系研究科
統計解析担当機関
所属部署:
所属部署:総合保健学専攻 ヘルスケア情報科学
細胞提供者の適格性の確認方法(動物の細胞を用いる場合にあってはドナー動物の適格性の確認方法)
細胞提供者(CTLドナー)の適格性の確認は、以下の条件を満たすこととする。
1. スクリーニング検査適格条件 CTLドナー登録後、以下のスクリーニング検査を行う。試験責任医師または試験分担医師はスクリーニング結果をドナースクリーニング検査適格性確認票に記載し、登録センターにFAX送信する。登録センターで下記 1)、2)を満たすことが確認されたドナー候補をCTL採血適格ドナーとする。
1) HLA-A, B, C, DRB1 locus 遺伝子型タイピングでHLA-A*0201/0206またはHLA-A*2402またはHLA-A*1101を有する(ただし、造血幹細胞を提供したドナー以外の血縁等であり、HLA-A*0201/0206またはHLA-A*2402またはHLA-A*1101を有することが判明している場合には、その検査結果をもって代用を可とする。)
2) 抗EBV抗体検査で既感染

2. 採血前適格基準 採血は、前日または当日の結果で判断する。適格判定の採血時に、感染症チェック用の血清保存採血を行う。
1) 造血幹細胞を提供したドナー以外であること
2) 体重 男性45kg以上、女性40kg以上
3) 16歳以上、64歳以下
4) 血小板数 100×10^3/µl以上、500×10^3/µl以下
5) 白血球数 2.8×10^3/µl以上、11×10^3μl/µl以下
6) 赤血球数 350万/µl以上、630万/µl以下
7) ヘモグロビン 男性 12.5g/dl以上、女性 12.0g/dl以上、
8) 肝機能検査:AST, ALT, γ-GTP 施設基準値上限の2倍未満
9) 感染症検査:HIV, HTLV-1, HBs抗原, HBc抗体, HCV抗体がすべて陰性
10) 凝固検査:PT 15秒以下、APTT 48秒以下
11) 腎機能検査:血清クレアチニン 1.3mg/dl以下、BUN 25mg/dl以下
12) 収縮期血圧:90mmHg以上

3. 採血前除外基準 採血で判断される項目については、前日または当日の採血結果で判断する。 期間で制限があるものは、特に説明が無い限りは、判定日を起点として判断する。
1) 当日の有熱者(37.2℃以上)
2) 感染(CRP 0.3mg/dl以上)または熱傷
3) 下痢または腹痛を有する
4) 抜歯・歯石除去を含めた歯科治療後3日以内
5) 抗生剤の3日以内の服用
以下、登録除外基準に準じて、細胞提供が望ましくないと考えられるもの
6) 精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される
7) 輸血歴、臓器移植歴がある
8) 妊娠中または授乳中
9) 次の薬剤の使用歴を有する
 ① 育毛薬:プロペシア・プロスカー(採血前1カ月以内)、アボダート・アボルブ(採血前6カ月以内)
 ② 乾癬治療薬:チガソン
 ③ ヒト由来プラセンタ注射薬:ラエンネック、メルスモン
10) 次のワクチン接種歴等: インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、A型肝炎、狂犬病、破傷風トキソイド:採血前24時間以内 黄熱、麻疹、ポリオ、おたふくかぜ、風疹、水痘、BCG:採血前4週間以内 動物に噛まれたあと、狂犬病ワクチン接種:採血前1年以内 抗血清:破傷風、蛇毒、ジフテリア:採血前3カ月以内 抗HBsヒト免疫グロブリン:採血前1年間以内
11) 採血前3週間以内の麻疹・風疹・おたふくかぜ、帯状疱疹、水痘の既往。採血前1カ月以内の敗血症、発熱を伴う下痢、喘息発作の既往。採血前6カ月以内の伝染性単核球症、伝染性紅斑、パルボウイルスB19、サイトメガロウイルス感染症、ウエストナイル熱・脳炎の既往。職場・学校・家族内での採血前1カ月以内の肝炎、伝染性紅斑罹患者との接触。
12) 以下の該当者
 ① 医療機関以外でのピアスの穴をあけた(6カ月以内)、口唇・口腔・鼻腔など粘膜を貫通したピアスの挿入をしている
 ② 採血時より6カ月以内に刺青を入れた
 ③ 採血時より6カ月以内に使用後の注射針を誤って自分に刺した
13) 以下の既往歴・合併
B型肝炎、C型肝炎、HTLV-1感染、梅毒、心臓病、悪性腫瘍、痙攣性疾患、血液疾患、脳卒中、ネフローゼ症候群、重篤な代謝内分泌疾患、膠原病、遺伝性疾患(家族歴も含む)
14) 採血前1年以内に以下の既往又は合併がある
  結核、手術、性感染症(梅毒、淋菌など)
  治療を要した肝臓病、腎臓病、糖尿病
15) エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる。採血前6カ月の間に、下記の赤十字の献血基準に準じて、エイズや肝炎ウイルス感染リスク者を除外するための問診に該当する項目がある者は除外する。
 ① B型肝炎ウイルスキャリアの配偶者等
 ② 鍼灸治療を受けた
 ③ 不特定の異性または新たな異性との性的接触があった
 ④ 男性どうしの性的接触があった
 ⑤ 麻薬、覚せい剤を使用した
 ⑥ エイズ検査(HIV 検査)の結果が陽性だった(6カ月以前も含む)
 ⑦ 上記③~⑥に該当する人と性的接触をもった
16) 以下のクロイツフェルトヤコブ病、またはその類縁疾患リスク者に該当する
 ①クロイツフェルトヤコブ病、または類縁疾患と診断された
 ②血縁者にクロイツフェルトヤコブ病または類縁疾患と診断された人がいる
 ③ ヒト由来成長ホルモンの注射を受けた
 ④ 角膜移植を受けた
 ⑤ 硬膜移植を伴う脳神経外科手術を受けた
17) 海外渡航
 ① 帰国して4週間以内
 ② 外国(欧州、米国、カナダ以外)に1年以内に滞在、または4年以内に1年以上滞在
 ③ 英国に1980〜1996年の間に通算1ヶ月以上滞在
 ④ 欧州、サウジアラビアに1980年以降、通算6カ月以上滞在
18) 採血については、以下の基準に該当する場合
 ① 過去の全血献血およびCTL採血を合わせて、年間総採血量が男性1200mLを超える、女性800mLを超える
 ② 年間採血回数が献血およびCTL採血を合わせて、男性6回を超える、女性4回を超える
 ③ 200mlの献血やCTL採血などの血液提供後4週間以内、もしくは400mlの献血や血液提供後、男性は12週間・女性は16週間以内
19) 試験責任医師または試験分担医師が血液提供者として不適当と判断される
細胞提供者(CTLドナー)の適格性の確認は、以下の条件を満たすこととする。
1. スクリーニング検査適格条件 CTLドナー登録後、以下のスクリーニング検査を行う。試験責任医師または試験分担医師はスクリーニング結果をドナースクリーニング検査適格性確認票に記載し、登録センターにFAX送信する。登録センターで下記 1)、2)を満たすことが確認されたドナー候補をCTL採血適格ドナーとする。
1) HLA-A, B, C, DRB1 locus 遺伝子型タイピングでHLA-A*0201、HLA-A*0206、HLA-A*2402、HLA-A*1101のうち少なくとも一つのHLA型を有する(ただし、造血幹細胞を提供したドナー以外の血縁等であり、HLA-A*0201、HLA-A*0206、HLA-A*2402、HLA-A*1101のうち少なくとも一つのHLA型を有することが判明している場合には、その検査結果をもって代用を可とする。)
2) 抗EBV抗体検査で既感染

2. 採血前適格基準 採血は、前日または当日の結果で判断する。適格判定の採血時に、感染症チェック用の血清保存採血を行う。
1) 造血幹細胞を提供したドナー以外であること
2) 体重 男性45kg以上、女性40kg以上
3) 16歳以上、64歳以下
4) 血小板数 100×10^3/µl以上、500×10^3/µl以下
5) 白血球数 2.8×10^3/µl以上、11×10^3μl/µl以下
6) 赤血球数 350万/µl以上、630万/µl以下
7) ヘモグロビン 男性 12.5g/dl以上、女性 12.0g/dl以上、
8) 肝機能検査:AST, ALT, γ-GTP 施設基準値上限の2倍未満
9) 感染症検査:HIV, HTLV-1, HBs抗原, HBc抗体, HCV抗体がすべて陰性
10) 凝固検査:PT 15秒以下、APTT 48秒以下
11) 腎機能検査:血清クレアチニン 1.3mg/dl以下、BUN 25mg/dl以下
12) 収縮期血圧:90mmHg以上

3. 採血前除外基準 採血で判断される項目については、前日または当日の採血結果で判断する。 期間で制限があるものは、特に説明が無い限りは、判定日を起点として判断する。
1) 当日の有熱者(37.2℃以上)
2) 感染(CRP 0.3mg/dl以上)または熱傷
3) 下痢または腹痛を有する
4) 抜歯・歯石除去を含めた歯科治療後3日以内
5) 抗生剤の3日以内の服用
以下、登録除外基準に準じて、細胞提供が望ましくないと考えられるもの
6) 精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される
7) 輸血歴、臓器移植歴がある
8) 妊娠中または授乳中
9) 次の薬剤の使用歴を有する
 ① 育毛薬:プロペシア・プロスカー(採血前1カ月以内)、アボダート・アボルブ(採血前6カ月以内)
 ② 乾癬治療薬:チガソン
 ③ ヒト由来プラセンタ注射薬:ラエンネック、メルスモン
10) 次のワクチン接種歴等: インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、A型肝炎、狂犬病、破傷風トキソイド:採血前24時間以内 黄熱、麻疹、ポリオ、おたふくかぜ、風疹、水痘、BCG:採血前4週間以内 動物に噛まれたあと、狂犬病ワクチン接種:採血前1年以内 抗血清:破傷風、蛇毒、ジフテリア:採血前3カ月以内 抗HBsヒト免疫グロブリン:採血前1年間以内
11) 採血前3週間以内の麻疹・風疹・おたふくかぜ、帯状疱疹、水痘の既往。採血前1カ月以内の敗血症、発熱を伴う下痢、喘息発作の既往。採血前6カ月以内の伝染性単核球症、伝染性紅斑、パルボウイルスB19、サイトメガロウイルス感染症、ウエストナイル熱・脳炎の既往。職場・学校・家族内での採血前1カ月以内の肝炎、伝染性紅斑罹患者との接触。
12) 以下の該当者
 ① 医療機関以外でのピアスの穴をあけた(6カ月以内)、口唇・口腔・鼻腔など粘膜を貫通したピアスの挿入をしている
 ② 採血時より6カ月以内に刺青を入れた
 ③ 採血時より6カ月以内に使用後の注射針を誤って自分に刺した
13) 以下の既往歴・合併
B型肝炎、C型肝炎、HTLV-1感染、梅毒、心臓病、悪性腫瘍、痙攣性疾患、血液疾患、脳卒中、ネフローゼ症候群、重篤な代謝内分泌疾患、膠原病、遺伝性疾患(家族歴も含む)
14) 採血前1年以内に以下の既往又は合併がある
  結核、手術、性感染症(梅毒、淋菌など)
  治療を要した肝臓病、腎臓病、糖尿病
15) エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる。採血前6カ月の間に、下記の赤十字の献血基準に準じて、エイズや肝炎ウイルス感染リスク者を除外するための問診に該当する項目がある者は除外する。
 ① B型肝炎ウイルスキャリアの配偶者等
 ② 鍼灸治療を受けた
 ③ 不特定の異性または新たな異性との性的接触があった
 ④ 男性どうしの性的接触があった
 ⑤ 麻薬、覚せい剤を使用した
 ⑥ エイズ検査(HIV 検査)の結果が陽性だった(6カ月以前も含む)
 ⑦ 上記③~⑥に該当する人と性的接触をもった
16) 以下のクロイツフェルトヤコブ病、またはその類縁疾患リスク者に該当する
 ①クロイツフェルトヤコブ病、または類縁疾患と診断された
 ②血縁者にクロイツフェルトヤコブ病または類縁疾患と診断された人がいる
 ③ ヒト由来成長ホルモンの注射を受けた
 ④ 角膜移植を受けた
 ⑤ 硬膜移植を伴う脳神経外科手術を受けた
17) 海外渡航
 ① 帰国して4週間以内
 ② 外国(欧州、米国、カナダ以外)に1年以内に滞在、または4年以内に1年以上滞在
 ③ 英国に1980〜1996年の間に通算1ヶ月以上滞在
 ④ 欧州、サウジアラビアに1980年以降、通算6カ月以上滞在
18) 採血については、以下の基準に該当する場合
 ① 過去の全血献血およびCTL採血を合わせて、年間総採血量が男性1200mLを超える、女性800mLを超える
 ② 年間採血回数が献血およびCTL採血を合わせて、男性6回を超える、女性4回を超える
 ③ 200mlの献血やCTL採血などの血液提供後4週間以内、もしくは400mlの献血や血液提供後、男性は12週間・女性は16週間以内
19) 試験責任医師または試験分担医師が血液提供者として不適当と判断される
細胞提供者又は代諾者に対する説明文書及び同意文書の様式(別紙)
2_第三者EBV-CTL_同意説明文書(ドナー用)_第9版_20211118(黒字修正).pdf
2_第三者EBV-CTL_同意説明文書(ドナー用)_第10版_20231102(黒字修正)_部会後修正 .pdf
(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置
再生医療等を受ける者又は代諾者に対する説明及び同意文書の様式(別紙):結合 ICF 第9版 高学年第3版 低学年第2版.pdf
再生医療等を受ける者又は代諾者に対する説明及び同意文書の様式(別紙):●結合 ICF第10版部会後 高学年第3版 低学年第2版.pdf
6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項
認定再生医療等委員会による意見書の発行日:2023年06月08日
認定再生医療等委員会による意見書の発行日:2024年01月22日
1 認定再生医療等委員会意見書
●結合 意見書 議事録.pdf
●結合 意見書議事録.pdf
2 提供する再生医療等の詳細を記した書類(研究として再生医療等を行う場合は、研究計画書)
●結合 PRC6.5、試験組織V15.pdf
●結合 PRC7.0版部会後、試験組織V16.pdf
3 実施責任者及び再生医療等を行う医師又は歯科医師の氏名、所属、役職及び略歴(研究に関する実績がある場合には、当該実績を含む。)を記載した書類
●結合 医師履歴書 小児科202304 血液内科202210.pdf
●結合 医師履歴書 小児科202310 血液内科202210.pdf
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式
結合 ICF 第9版 高学年第3版 低学年第2版.pdf
●結合 ICF第10版部会後 高学年第3版 低学年第2版.pdf
17 利益相反管理基準
●結合 COI様式A 2022定期 202304V15 .pdf
様式A 利益相反管理基準 2023.pdf
18 利益相反管理計画
●結合 COI様式E 2022定期報告時 202304V15.pdf
様式E 利益相反管理計画 2023.pdf
22 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
5_第三者EBV-CTL臨床試験ポスターVer.4.0_20161001 提出版.pdf
5_第三者EBV-CTL臨床試験ポスターVer.5.0 20231031 提出版.pdf
25 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
別紙EBV第3者試験_試験組織V15(赤字).pdf
別紙EBV第3者試験_試験組織V16(赤字).pdf
27 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
第三者EBV-CTL 研究計画書(名大) _ver 6.5(赤字).pdf
第三者EBV-CTL 研究計画書(名大) _ver 7.0(赤字)部会後修正(青字).pdf
28 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
第三者EBV-CTL研究計画書_ver 6.4→6.5_変更箇所一覧.pdf
第三者EBV-CTL研究計画書_ver 6.5→7.0_変更箇所一覧_部会後修正(青字).pdf
29 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
1_第三者EBV-CTL_同意説明文書(患者用)第10版_20231102(赤字修正)部会後修正(青字).pdf
30 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
1_第三者EBV-CTL_同意説明文書(患者用)_第9→10版_変更箇所一覧_部位会後修正(青字).pdf
31 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
2_第三者EBV-CTL_同意説明文書(ドナー用)_第10版_20231102(赤字修正)_部会後修正(青字).pdf
32 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
2_第三者EBV-CTL_同意説明文書(ドナー用)_第9→10版_変更箇所一覧_部会後修正(青字).pdf
33 その他(本文中に掲載しきれない説明書類等)
5_第三者EBV-CTL臨床試験ポスターVer.4.0→5.0_変更箇所一覧_202310.pdf

1 提供しようとする再生医療等及びその内容

申請者情報

令和6年2月22日
jRCTa040190110
名古屋大学医学部附属病院
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65
小寺 泰弘 KODERA YASUHIRO

(1)再生医療等の名称及び分類

同種造血幹細胞移植後のエプスタインバーウイルス(EBV)関 連リンパ球増殖症に対する第三者由来抗原特異的細胞傷害性 T 細胞療法 EBV specific CTL generated from third party for treatment of EBV associated lymphoproliferative disorder after allogeneic stem cell transplantation( EBV specific CTL for treatment of EBV associated LPD after stem cell transplant )
同種造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症に対する第三者由来抗原特異的CTL療法の安全性に関する臨床第Ⅰ相試験 Phase I study of EBV specific CTL generated from third party for treatment of EBV associated lymphoproliferative disorder after allogeneic stem cell transplantation( EBV specific CTL for treatment of EBV associated LPD after stem cell transplant )
第一種
本試験で投与する特定細胞加工物は、再生医療等を受ける者以外の人より採取した末梢血より培養したEBV抗原特異的細胞傷害性T細胞であり、第一種・第二種・第三種再生医療等技術のリスク分類の「投与を受ける者以外の人の細胞」に該当するため、第一種と判断しました。

(2)再生医療等の内容

造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症に対して、第三者末梢血から樹立したEBV抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を用いた治療の安全性を検討する。
1
2014年11月13日
2027年03月31日
9
介入研究 Interventional
単一群 single arm study
非盲検 open(masking not used)
実薬(治療)対照 active control
単群比較 single assignment
治療 treatment purpose
1. 同種造血幹細胞移植後
2. HLA-A*0201、HLA-A*0206、HLA-A*2402、HLA-A*1101のうち少なくとも一つのHLA型を有する
3. リツキサン抵抗性またはリツキサン投与困難またはCD20陰性のEBV関連リンパ増殖症
4. 患者本人または代諾者から文書での同意が得られていること
5. 全身状態および臓器機能が以下の基準を
満たしている。
Performance status 0-3、AST/ALT≦10 x N (N:施設基準値上限)、総ビリルビン≦3 x N、クレアチニン≦3xN、SpO2≧90% (room air)
1. Prior allogeneic hematopoietic stem cell transplantation
2. HLA-A0201, HLA-A0206, HLA-A2402 or HLA-1101
3. Rituximab resistant, difficulty in administering rituximab or CD20 negative EBV associated lymphoproliferative disorder
4. Written informed consent from patient or legal representative
5. Fulfill all of the following criteria:
Performance status 0-3, GOT /GPT =<10 x upper normal limit (UNL), total bilirubin =<3 x UNL,
serum creatinine =<3 x UNL, SpO2>=90% (room air)
1. 重篤あるいはコントロール不能な細菌・真菌・ウイルス(EBV以外)感染症に罹患していないこと
2. コントロールできないGVHD合併
3. コントロール不良な心不全
4. 精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される
5. アルブミンに対するアナフィラキシー反応の既往
1. Severe or uncontrollable bacterial, fungal,and viral (except EBV) infection
2. Uncontrollable GVHD
3. Uncontrollable heart failure
4. Psychoses
5.History of allergic reaction to albumin
下限なし No limit
上限なし No limit
男性・女性 Both
以下のいずれかの場合、プロトコール治療を中止とする。
1) CTCAE ver.4.0のgrade 4の非血液毒性が新たに認められた場合
2)grade3の非血液毒性が前回の輸注から4週間以内にgrade2以下に改善しなかった場合
3) 資料2に示す基準でgrade III以上の急性GVHDの症状を認めた場合
4) プロトコール治療中の死亡
5) 患者(未成年の場合は保護者)からの同意の撤回の申し入れがあった場合
6)登録後治療開始前の造血幹細胞移植治療の対象となった疾患の急速な増悪により、プロトコール治療が開始できなかった、プロトコール違反が判明、登録後の診断変更などにより不適格性が判明した場合
7)造血幹細胞移植治療の対象となった疾患の再発により、再発した疾患に対する追加治療が必要になる場合(造血幹細胞移植治療の対象となった疾患再発後の免疫抑制剤早期減量および輸血等の支持療法は、医師判断により試験の継続を許容する)
8) 試験責任医師または試験分担医師が試験継続の中止と判断した場合

プロトコール中止日は、4)の場合死亡日、その他の場合はプロトコール治療中止と判断した日とする。

以下の場合に試験の早期中止を検討する。
1) 症例登録の遅れ、プロトコール逸脱の頻発などの理由により、試験の完遂が困難と判断された場合
2) プロトコール治療との因果関係が否定できない死亡が発生した場合は、効果安全性評価委員会で試験継続または中止の是非を十分に協議し、患者の安全性の確保に努める。
3) 論文や学会発表など、当該試験以外から得られた関連情報を評価した結果、プロトコール治療の安全性に問題があると判断された場合、または試験継続の意義がなくなったと判断された場合
同種造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症 EBV associated lymphoproliferative disorder after allogeneic stem cell transplantation
第三者末梢血から誘導・増殖したEBV抗原特異的CTLの投与 Administration of EBV specific CTL induced and expanded from donor peripheral blood of third party
有害事象と移植片対宿主病の発現率 Incidence of adverse events and graft-versus-host disease
・EBV DNA量の推移
・MHC-tetramerによる末梢血中EBV抗原特異的CTL数の推移 
・EBV感染による臨床症状の経過
Monitoring of EBV viral load and EBV specific CTL in peripheral blood
Clinical course of EBV infection
別添の通り

2 人員及び構造設備その他の施設等

(1)人員及び構造設備その他の施設に関する事項

医師
高橋 義行 Takahashi Yoshiyuki
名古屋大学大学院医学系研究科 Nagoya University Graduate School of Medicine
小児科学
466-8550
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Nagoya, Aichi
052-744-2298
ytakaha@med.nagoya-u.ac.jp
自施設
名古屋大学医学部附属病院では、救命救急センター、集中治療室を併設しており、平日は救急部、集中治療部、総合診療科のいずれかの医師、休日は内科系および外科系診療科の医師が救急担当医として常駐し、各専門診療科においても24時間オンコール体制がとられ、迅速な対応が可能である。小児科病床、救急科病床3床、外科系ICU20床、救急・内科系ICU 8床の運用を行っている。さらに、高度モニタリング機器一式、除細動器、人工呼吸器、体外循環装置、透析器、酸素吸入装置、血管連続撮影装置、大動脈バルーンパンピング装置、人工心肺装置等を有しており、緊急時の対応は可能である。 なお、日本救急医学会救急科専門医指定施設である。

(2)その他研究の実施体制に関する事項

西田 和広 Nishida Kazuhiro
名古屋大学医学部附属病院 Nagoya University Hospital
経営企画課臨床審査公正係
466-8560
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 65 Tsurumai-cho, Showa-ku, Nagoya, Aichi
052-744-2479
052-744-2881
ethics@med.nagoya-u.ac.jp
医師
高橋 義行
名古屋大学大学院医学系研究科
小児科学
医師
清井 仁
名古屋大学大学院医学系研究科
血液・腫瘍内科学
医師
西尾 信博
名古屋大学医学部附属病院
先端医療開発部 先端医療・臨床研究支援センター
医師
村松 秀城
名古屋大学医学部附属病院
小児科
医師
成田 敦
名古屋大学医学部附属病院
小児科
医師
成田 幸太郎
名古屋大学医学部附属病院
病院戦略室
医師
寺倉 精太郎
名古屋大学医学部附属病院
血液内科
医師
片岡 伸介
名古屋大学医学部附属病院
小児科
医師
島崎 紀子
名古屋大学医学部附属病院
小児がん治療センター
医師
若松 学
名古屋大学医学部附属病院
小児科
医師
葉名尻 良
名古屋大学医学部附属病院
血液内科
名古屋大学医学部附属病院
鍬塚 八千代
名古屋大学医学部附属病院
先端医療開発部 データセンター
名古屋大学大学院医学系研究科
中杤昌弘 
名古屋大学大学院医学系研究科
総合保健学専攻 ヘルスケア情報科学

(3)多施設共同研究に関する事項

3 再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法等

(1)再生医療等に用いる細胞の入手の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

細胞提供者(CTLドナー)末梢血より分離された単核球からエピトープペプチドによる刺激・培養によって誘導、増殖させた4.0 x 10^6~3.6 x 10^7個のT細胞群である。
再生医療等の提供を行う医療機関と同じ
細胞提供者(CTLドナー)の選定方法は、登録の際に以下の選択・除外基準を満たすことを確認する。

1. CTLドナー募集
 病院、小児科または血液内科のホームページへの掲載や、ポスターを外来や病院入り口付近に掲示する等して募集する。

2. CTLドナー登録基準
2.1. 登録選択基準
1) 造血幹細胞を提供したドナー以外であること
2) 体重 男性45kg以上、女性40kg以上
3) 16歳以上、64歳以下
4) 試験参加について本人から文書で同意が得られていること(未成年の場合は保護者からも同意を得る)

2.2. 登録除外基準
2.2において期間で制限があるものは、特に説明が無い限りは、採血予定時を起点として判断する。
1) 精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される
2) 輸血歴、臓器移植歴がある
3) 妊娠中または授乳中
4) 次の薬剤の使用歴
① 育毛薬:プロペシア・プロスカー(採血予定前1カ月以内)、アボダート・アボルブ(採血予定前6カ月以内)
② 乾癬治療薬:チガソン
③ ヒト由来プラセンタ注射薬:ラエンネック、メルスモン
5) 次のワクチン等の接種歴:
黄熱、麻疹、ポリオ、おたふくかぜ、風疹、水痘、BCG:採血予定前4週間以内
動物に噛まれたあと、狂犬病ワクチン接種:採血予定前1年以内
抗血清:破傷風、蛇毒、ジフテリア:採血予定前3カ月以内
抗HBsヒト免疫グロブリン:採血予定前1年間以内
(CTL採血より24時間以内に下記の予防接種を行うことが想定される者:インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、A型肝炎、狂犬病、破傷風トキソイド)
6) 採血予定前3週間以内の麻疹・風疹・おたふくかぜ、帯状疱疹、水痘の既往。採血予定前1カ月以内の敗血症、発熱を伴う下痢、喘息発作の既往。採血予定前6カ月以内の伝染性単核球症、伝染性紅斑、パルボウイルスB19、サイトメガロウイルス感染症、ウエストナイル熱・脳炎の既往。職場・学校・家族内での採血予定前1カ月以内の肝炎、伝染性紅斑罹患者との接触。
7) 以下の該当者
① 医療機関以外でのピアスの穴をあけた(採血予定前6カ月以内)、口唇・口腔・鼻腔など粘膜を貫通したピアスの挿入をしている
② 採血予定前6カ月以内に刺青を入れた
③ 採血予定前6カ月以内に使用後の注射針を誤って自分に刺した
8) 以下の既往歴又は合併症がある
B型肝炎、C型肝炎、HTLV-1感染、梅毒、心臓病、悪性腫瘍、痙攣性疾患、血液疾患、脳卒中、ネフローゼ症候群
重篤な代謝内分泌疾患、膠原病、遺伝性疾患(家族歴も含む)
9) 採血予定前1年以内に以下の既往又は合併症がある
結核、手術、性感染症(梅毒、淋菌など)
治療を要した肝臓病、腎臓病、糖尿病
10) エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはその疑いがある。採血予定前6カ月以内に、赤十字の献血基準に準じて、エイズや肝炎ウイルス感染リスク者を除外するための問診にいずれか1つでも該当する項目がある
① B型肝炎ウイルスキャリアの配偶者等
② 鍼灸治療を受けた
③ 不特定の異性または新たな異性との性的接触があった
④ 男性どうしの性的接触があった
⑤ 麻薬、覚せい剤を使用した
⑥ エイズ検査(HIV 検査)の結果が陽性だった(6カ月以前も含む)
⑦ 上記③~⑥に該当する人と性的接触をもった
11) クロイツフェルトヤコブ病、またはその類縁疾患リスク者に該当する。
① クロイツフェルトヤコブ病、または類縁疾患と診断された
② 血縁者にクロイツフェルトヤコブ病または類縁疾患と診断された人がいる
③ ヒト由来成長ホルモンの注射を受けた
④ 角膜移植を受けた
⑤ 硬膜移植を伴う脳神経外科手術を受けた
12) 海外渡航
① CTL採血が、帰国4週間以内に行われることが想定される
② 外国(欧州、米国、カナダ以外)に1年以内に滞在、または4年以内に1年以上滞在
③ 英国に1980〜1996年の間に通算1カ月以上滞在
④ 欧州、サウジアラビアに1980年以降、通算6カ月以上滞在
13) CTL採血時に、以下の基準に該当することが想定される場合
① 過去の全血献血およびCTL採血を合わせて、年間総採血量が男性1200mLを超える、女性800mLを超える
② 年間採血回数が献血およびCTL採血を合わせて、男性6回を超える、女性4回を超える
③ 200mlの献血やCTL採血などの血液提供後4週間以内、もしくは400mlの献血や血液提供後、男性は12週間・女性は16週間以内
14) 試験責任医師または試験分担医師が血液提供者として不適当と判断される

3. CTLドナー登録
3.1 CTLドナー登録の手順
試験責任医師または試験分担医師は、対象ドナーが選択基準をすべて満たし、除外基準のいずれにも該当しないことを確認し、CTLドナー登録票に必要事項をすべて記入の上、登録センター(名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部 先端医療・臨床研究支援センター FAX 052-744-1302)にFAX送信する。
登録センターで適格性が確認された後、ドナー登録番号が発行され、ドナー登録結果通知が登録センターより試験事務局、試験責任医師または試験分担医師にFAXにて送付される。CTLドナー候補として不適格と判断された場合、試験責任医師または試験分担医師は、その旨をドナー候補者に説明し、その後の採血および細胞調製は行わない。

3.2. CTLドナー登録に際しての注意事項
1) CTL採血後の登録は例外なく許容されない。
2) CTLドナー登録票の記載が不十分なときはすべて満たされるまで登録は受け付けられない。
3) 試験責任医師または試験分担医師は、CTLドナー候補の本試験への参加に対する同意を文書で得て試験実施施設に保管する。
4) 一度登録されたドナーの登録取り消しはなされない。重複登録の場合にはいかなる場合も初回の登録情報及び登録番号を採用する。
5) 誤登録・重複登録が判明した際は速やかに試験事務局に連絡する。
細胞提供者(CTLドナー)の適格性の確認は、以下の条件を満たすこととする。
1. スクリーニング検査適格条件 CTLドナー登録後、以下のスクリーニング検査を行う。試験責任医師または試験分担医師はスクリーニング結果をドナースクリーニング検査適格性確認票に記載し、登録センターにFAX送信する。登録センターで下記 1)、2)を満たすことが確認されたドナー候補をCTL採血適格ドナーとする。
1) HLA-A, B, C, DRB1 locus 遺伝子型タイピングでHLA-A*0201、HLA-A*0206、HLA-A*2402、HLA-A*1101のうち少なくとも一つのHLA型を有する(ただし、造血幹細胞を提供したドナー以外の血縁等であり、HLA-A*0201、HLA-A*0206、HLA-A*2402、HLA-A*1101のうち少なくとも一つのHLA型を有することが判明している場合には、その検査結果をもって代用を可とする。)
2) 抗EBV抗体検査で既感染

2. 採血前適格基準 採血は、前日または当日の結果で判断する。適格判定の採血時に、感染症チェック用の血清保存採血を行う。
1) 造血幹細胞を提供したドナー以外であること
2) 体重 男性45kg以上、女性40kg以上
3) 16歳以上、64歳以下
4) 血小板数 100×10^3/µl以上、500×10^3/µl以下
5) 白血球数 2.8×10^3/µl以上、11×10^3μl/µl以下
6) 赤血球数 350万/µl以上、630万/µl以下
7) ヘモグロビン 男性 12.5g/dl以上、女性 12.0g/dl以上、
8) 肝機能検査:AST, ALT, γ-GTP 施設基準値上限の2倍未満
9) 感染症検査:HIV, HTLV-1, HBs抗原, HBc抗体, HCV抗体がすべて陰性
10) 凝固検査:PT 15秒以下、APTT 48秒以下
11) 腎機能検査:血清クレアチニン 1.3mg/dl以下、BUN 25mg/dl以下
12) 収縮期血圧:90mmHg以上

3. 採血前除外基準 採血で判断される項目については、前日または当日の採血結果で判断する。 期間で制限があるものは、特に説明が無い限りは、判定日を起点として判断する。
1) 当日の有熱者(37.2℃以上)
2) 感染(CRP 0.3mg/dl以上)または熱傷
3) 下痢または腹痛を有する
4) 抜歯・歯石除去を含めた歯科治療後3日以内
5) 抗生剤の3日以内の服用
以下、登録除外基準に準じて、細胞提供が望ましくないと考えられるもの
6) 精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される
7) 輸血歴、臓器移植歴がある
8) 妊娠中または授乳中
9) 次の薬剤の使用歴を有する
 ① 育毛薬:プロペシア・プロスカー(採血前1カ月以内)、アボダート・アボルブ(採血前6カ月以内)
 ② 乾癬治療薬:チガソン
 ③ ヒト由来プラセンタ注射薬:ラエンネック、メルスモン
10) 次のワクチン接種歴等: インフルエンザ、日本脳炎、B型肝炎、A型肝炎、狂犬病、破傷風トキソイド:採血前24時間以内 黄熱、麻疹、ポリオ、おたふくかぜ、風疹、水痘、BCG:採血前4週間以内 動物に噛まれたあと、狂犬病ワクチン接種:採血前1年以内 抗血清:破傷風、蛇毒、ジフテリア:採血前3カ月以内 抗HBsヒト免疫グロブリン:採血前1年間以内
11) 採血前3週間以内の麻疹・風疹・おたふくかぜ、帯状疱疹、水痘の既往。採血前1カ月以内の敗血症、発熱を伴う下痢、喘息発作の既往。採血前6カ月以内の伝染性単核球症、伝染性紅斑、パルボウイルスB19、サイトメガロウイルス感染症、ウエストナイル熱・脳炎の既往。職場・学校・家族内での採血前1カ月以内の肝炎、伝染性紅斑罹患者との接触。
12) 以下の該当者
 ① 医療機関以外でのピアスの穴をあけた(6カ月以内)、口唇・口腔・鼻腔など粘膜を貫通したピアスの挿入をしている
 ② 採血時より6カ月以内に刺青を入れた
 ③ 採血時より6カ月以内に使用後の注射針を誤って自分に刺した
13) 以下の既往歴・合併
B型肝炎、C型肝炎、HTLV-1感染、梅毒、心臓病、悪性腫瘍、痙攣性疾患、血液疾患、脳卒中、ネフローゼ症候群、重篤な代謝内分泌疾患、膠原病、遺伝性疾患(家族歴も含む)
14) 採血前1年以内に以下の既往又は合併がある
  結核、手術、性感染症(梅毒、淋菌など)
  治療を要した肝臓病、腎臓病、糖尿病
15) エイズ、肝炎などのウイルス保有者、またはそれと疑われる。採血前6カ月の間に、下記の赤十字の献血基準に準じて、エイズや肝炎ウイルス感染リスク者を除外するための問診に該当する項目がある者は除外する。
 ① B型肝炎ウイルスキャリアの配偶者等
 ② 鍼灸治療を受けた
 ③ 不特定の異性または新たな異性との性的接触があった
 ④ 男性どうしの性的接触があった
 ⑤ 麻薬、覚せい剤を使用した
 ⑥ エイズ検査(HIV 検査)の結果が陽性だった(6カ月以前も含む)
 ⑦ 上記③~⑥に該当する人と性的接触をもった
16) 以下のクロイツフェルトヤコブ病、またはその類縁疾患リスク者に該当する
 ①クロイツフェルトヤコブ病、または類縁疾患と診断された
 ②血縁者にクロイツフェルトヤコブ病または類縁疾患と診断された人がいる
 ③ ヒト由来成長ホルモンの注射を受けた
 ④ 角膜移植を受けた
 ⑤ 硬膜移植を伴う脳神経外科手術を受けた
17) 海外渡航
 ① 帰国して4週間以内
 ② 外国(欧州、米国、カナダ以外)に1年以内に滞在、または4年以内に1年以上滞在
 ③ 英国に1980〜1996年の間に通算1ヶ月以上滞在
 ④ 欧州、サウジアラビアに1980年以降、通算6カ月以上滞在
18) 採血については、以下の基準に該当する場合
 ① 過去の全血献血およびCTL採血を合わせて、年間総採血量が男性1200mLを超える、女性800mLを超える
 ② 年間採血回数が献血およびCTL採血を合わせて、男性6回を超える、女性4回を超える
 ③ 200mlの献血やCTL採血などの血液提供後4週間以内、もしくは400mlの献血や血液提供後、男性は12週間・女性は16週間以内
19) 試験責任医師または試験分担医師が血液提供者として不適当と判断される
細胞提供者より、抗凝固剤を入れた自己採血用バッグを用いて末梢血液を200ml採取する。

(2)特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物を用いる場合のみ記載)

第三者由来EBV抗原特異的細胞傷害性T細胞製剤
1.製造方法の概要
1.1. 末梢血単核球(PBMC)の分離
 F icoll-Paque Premium 15mlに末梢血液20~30mlを重層する。1500~2000 rpm で20~30分間、室温で遠心後、上清から自己血漿を採取し不活化する。また、単核球層はPBS(-)を分注した50mlチューブにピペットを用いて移す。1200~1500 rpm で10分間、室温で遠心後、上清を捨てて、PBS(-)を20~40mL 加える。1200~1500 rpm で10分間、室温で遠心後、上清を捨てて、再度、PBS(-)を20 mL 加えた後、1200~1500 rpm で10分間、室温で遠心後、上清を捨てて、RPMI1640(10% 自己血漿含有)を加える。

1.2. EBV抗原特異的CTLの誘導
 1.1.で調製したPBMC懸濁RPMI1640培地に、ウイルス抗原ペプチドを添加する。シリンジを用いてPBMCを培養用バッグに移した後、37℃で、CO2インキュベータ内で培養を開始する。2日間培養後、RPMI1640とIL-2を終濃度50 IU/mLとなるように添加した後、さらに5日間培養する。7日目にMHC-tetramer陽性細胞率を測定し、CTL誘導が弱い時には、ウイルス抗原ペプチドを追加し、等量のALyS505N (100 IU/mL IL-2)を加えた後、2~3日おきにALyS505NとIL-2を追加しながらさらに7〜10日間培養する。培養14日目以降で、細胞数、生細胞率、MHC-tetramer 陽性細胞率が規格に適合したことを確認後、細胞回収・保存工程に進む。培養17日目においても、規格に適合しない場合は以後の培養を中止して廃棄処分とする。

1.3. EBV抗原特異的CTLの回収と保存
 1.2で培養した細胞浮遊液を50mL遠心チューブに回収し、1200~1500rpmで10分間、室温で遠心後、上清の一部を回収し安全性試験用サンプルとし、残りを捨てて、RPMI1640培地20~40mLに浮遊し、一部を採取し総細胞数とMHC-tetramerを検査する。凍結保存バッグ数に応じて50mL遠心チューブに細胞浮遊液を分注し10mLに調製する。10mlの細胞凍害保護液CP-1 High Gradeと混和後、凍結保存バッグに移して-150℃で凍結保存する。有効期限は5年とする。

 保存条件:凍結保存(-150℃)
 保存期間:5年間
 保存場所:名古屋大学医学部附属病院 
   先端医療開発部 先端医療・臨床研究支援センター

1.4. EBV抗原特異的CTLの再調製
 CTLドナーの採血適格基準を満たせば、同一ドナーから末梢血200mlを再度採血して、再調製を行うことができる。

2.品質管理の概要
2.1.原材料の規格
 ① 末梢血単核球数:5×10^7個以上
 ② 生細胞率90%以上
2.2. EBV抗原特異的CTLの品質規格
 ・ 性状(外観):淡桃色~淡赤色の懸濁液
 ・ MHC-tetramer陽性細胞率(CD8陽性細胞分画):10%以上
 ・ 生細胞率:70%以上
 ・ 総細胞数:4×10^6個以上(コホート1)
       1.2×10^7個以上(コホート2)
       3.6×10^7個以上(コホート3)
2.3. 安全性
1) エンドトキシン:1.0pg/ml以下
  β-Dグルカン:10pg/ml以下
2) 無菌試験:陰性
3) ウイルス検査(PCR法)
    Parvovirus B19、HCV、HIV、HBV:陰性
4) マイコプラズマ否定試験(PCR):陰性
第三者由来EBV抗原特異的CTL細胞製剤の投与は入院において3回輸注(静脈内投与)する。
国立大学法人 東海国立大学機構
FC4150085
名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部 先端医療・臨床研究支援センター(バイオマテリアル調製ユニット)
(委託なし)

(3)再生医療等製品に関する事項(再生医療等製品を用いる場合のみ記載)

(4)再生医療等に用いる未承認又は適応外の医薬品又は医療機器に関する事項(未承認又は適応外の医薬品又は医療機器を用いる場合のみ記載)

4 再生医療等技術の安全性の確保等に関す措置

(1)利益相反管理に関する事項

① 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者からの研究資金等の提供その他の関与

② 再生医療等に対する医療薬品等製造販売業者等からの研究資金等の提供その他の関与

③ 再生医療等に対する特定細胞加工物製造事業者又は医療品等製造販売業者等以外からの研究資金

(2)その他再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置

移植ドナー以外の第三者末梢血から樹立したEBV抗原特異的CTLを用いた治療の安全性においては、以下の研究報告を中心に検討している。
(ref.Noは添付書類(6)(7)の参考文献の番号を示す)

欧米では移植ドナー以外の第三者の末梢血から樹立、増幅したEBV抗原特異的CTLを用いた細胞療法が実施されている。英国の多施設共同研究では、33例のEBV関連リンパ球増殖症の患者に第三者からのEBV特異的CTLが投与され、奏効率は投与後5週間で64%、投与後6カ月で52%、副作用はなかったと報告された(ref.9)。また、2013年には第三者からのウイルス特異的CTLを投与された50例の患者の安全性に関する米国の多施設共同研究の結果が報告され、輸注後の急性毒性は認められず、CTL投与に関連するGVHDを発症したのは2人のみであった(ref.10)。 これらの報告では輸注するCTLが移植ドナー以外の第三者由来であり、多くの症例で患者HLAとは一抗原以上の部分一致であるためにGVHD発症が懸念された。しかし、実際にはGVHD発症頻度は低く、HLA適合CTLを用いた場合と有意差はなかった。また、GVHD以外の重篤な有害事象もなく、安全性と有効性が示されている。 また、移植ドナー由来EBV抗原特異的CTL療法ではあるが、名古屋大学医学部附属病院血液内科と小児科において実施した、移植ドナーの末梢血からHLA-A2とHLA-A24拘束性EBVエピトープペプチドを用いてEBV抗原特異的CTLを誘導し、同種造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症に対して輸注する臨床第I相試験において、1例のEBV関連リンパ球増殖症患者にEBV抗原特異的T細胞を輸注し、重篤な有害事象は認めなかった結果についても、安全性の検討に加えている(ref.11)。

ref.9)  Haque T, Wilkie GM, Jones MM, Higgins CD, Urquhart G, Wingate P, et al. Allogeneic cytotoxic T-cell therapy for EBV-positive posttransplantation lymphoproliferative disease: results of a phase 2 multicenter clinical trial. Blood. 2007;110:1123-31.
ref.10)  Leen AM, Bollard CM, Mendizabal AM, Shpall EJ, Szabolcs P, Antin JH, et al. Multicenter study of banked third-party virus-specific T cells to treat severe viral infections after hematopoietic stem cell transplantation. Blood. 2013;121:5113-23.
ref.11)  Takahashi Y, Kawashima N, Narita A, Sakaguchi H, Muramatsu H, et al. Unmanipulated HLA Haploidentical Bone Marrow Transplantation Combined With PBSC With The Options Of Donor Virus Specific CTLs and Mesenchymal Stem Cells Infusion. Blood. 2013;122 (21)
同種造血幹細胞移植後の抗ウイルス剤抵抗性EBV感染に対する第三者由来抗原特異的CTL療法の提供については、以下のことより妥当であると判断している。
(ref.Noは添付書類(6)(7)の参考文献の番号を示す)

1.EBV特異的CTLを用いた海外での臨床研究について
 欧米においてはすでに骨髄移植後EBV関連リンパ球増殖症に対し、EBV抗原特異的CTLによる予防、治療が試みられ、良好な結果が数多く報告されている。EBV特異的CTLを用いた臨床研究は主にHeslopとRooneyらによってすすめられ、同種骨髄移植後のEBV感染症の予防、治療について1998年に報告されている(ref.4)。EBV特異的CTLを輸注しなかった61例中7例がEBV関連リンパ球増殖症を発症したのに対し、予防的にEBV特異的CTLを輸注した39例については発症がみられなかったこと、輸注前に高いEBV-DNAレベル(>2000 genomes per 1×10^6 単核球)を呈した6例について、輸注後、2-3週間以内に著しいEBV-DNAの低下(3-5 logs)を示したことが報告されている。さらに、EBVリンパ腫を発症した2例についてEBV特異的CTLを輸注したところ、両症例ともに治癒に至ったとしている。治癒に至った1例について生検を実施し、neo-marker geneを検出することにより、腫瘍壊死部に輸注したEBV特異的CTLが集積し、増殖していることを明らかとした。その他、全例において副作用(肝障害、腎障害、胸部XP異常、急性GVHD)がみられなかったこと、輸注後、末梢血中のEBV特異的CTLが増加したことが報告されている。 2000年以降にも、多くの同種骨髄移植後のEBV感染症の予防、治療におけるEBV特異的CTL輸注の有用性が報告されており(ref.5)、近年では移植後EBVリンパ関連増殖症の予防と治療のためにEBV特異的CTLを投与された114人において、予防的投与が行われた101人では1人もEBVリンパ関連増殖症を発症せず、また、治療目的に投与された13人中11人で完全寛解になった結果が報告されている(ref.8)。

2.国内におけるEBV感染症に対する細胞療法について
 国内においては、EBV抗原特異的CTLの臨床応用は未だなされてこなかったが、類似の方法としてドナーリンパ球輸注(DLI)が行われてきた。しかしながら、輸注リンパ球中に含まれるEBV抗原特異的CTLの頻度は限られており(HLA-A24陽性健常者で10^-4~10^-5)、EBV抗原特異的CTLの大量輸注に比べ、その効果は劣るものと思われる。またDLIは、非特異的T細胞が多く輸注されるためGVHDを引き起こす危険性があるが、欧米におけるEBV特異的CTLを用いた臨床試験においては輸注EBV抗原特異的CTLにより重篤なGVHDを起こした例は報告されていない。従って、EBV抗原特異的CTLは難治性EBV感染症に対して有効性、安全性の両面において優れているものと思われ、難治性EBV感染症における治療成績の向上が期待される。 CTLはその機能発現に際し、ヒト白血球抗原/Human leucocyte antigen (HLA) による拘束を受けることが知られている。欧米においては人口の多くがHLA-A2を持っているが、日本においては約60-70%がHLA-A24、10-20%がHLA-A2、10%がHLA-A11である。よって、わが国においてはHLA-A24拘束性のCTLを調製できることが望ましい。そのために不可欠なHLA-A24拘束性のEBVエピトープペプチドが愛知県がんセンター腫瘍免疫学部の葛島らにより同定され、これを基に愛知県がんセンター腫瘍免疫学部の赤塚、医学生物学研究所との共同研究によりEBV抗原特異的CTLの調製法が開発された(特願2006-228525 「ウイルス特異的CTLの製造方法」)。これらにより、HLA-A24拘束性のEBV抗原特異的CTLを臨床応用可能なレベルで調製することのできる技術が確立された。 名古屋大学医学部附属病院血液内科と小児科では、移植ドナーの末梢血からHLA-A2とHLA-A24拘束性EBVエピトープペプチドを用いてEBV抗原特異的CTLを誘導し、同種造血幹細胞移植後のEBV関連リンパ球増殖症に対して輸注する臨床第I相試験を実施した。その臨床試験において、1例のEBV関連リンパ球増殖症患者にEBV抗原特異的T細胞を輸注し、重篤な有害事象は認めなかった(ref.11)。 しかしながら、移植ドナーからCTLがうまく樹立できない場合もあること、非血縁者間移植では必要なEBV特異的CTLを得ることはできない場合があることなどから、治療が必要な時に速やかに細胞輸注ができる方法の検討が必要である。

3.第三者由来EBV抗原特異的CTLを用いた細胞療法について
 欧米では移植ドナー以外の第三者の末梢血から樹立、増幅したEBV抗原特異的CTLを用いた細胞療法が実施されている。英国の多施設共同研究では、33例のEBV関連リンパ球増殖症の患者に第三者からのEBV特異的CTLが投与され、奏効率は投与後5週間で64%、投与後6カ月で52%、副作用はなかったと報告された(ref.9)。また、2013年には第三者からのウイルス特異的CTLを投与された50例の患者の安全性に関する米国の多施設共同研究の結果が報告され、輸注後の急性毒性は認められず、CTL投与に関連するGVHDを発症したのは2人のみであった(ref.10)。 これらの報告では輸注するCTLが移植ドナー以外の第三者由来であり、多くの症例で患者HLAとは一抗原以上の部分一致であるためにGVHD発症が懸念された。しかし、実際にはGVHD発症頻度は低く、HLA適合CTLを用いた場合と有意差はなかった。また、GVHD以外の重篤な有害事象もなく、安全性と有効性が示されている。
特定細胞加工物の投与について、以下のような手順を経て投与する。

1.患者登録
試験責任医師または試験分担医師(以下、試験責任医師等という)は、対象患者が適格基準をすべて満たし、除外基準のいずれにも該当しないことを確認し、登録センターにて適格性を確認する。

2.登録後から特定細胞加工物の投与までの手順
1) 登録後、試験事務局は細胞培養加工施設と連絡をとり、試験責任医師等との間で治療計画の調整を行う。
2) 試験責任医師等は、調製細胞が規格の基準を満たし、プロトコール治療を実施する上で、輸注予定量が確保されていることを試験事務局に確認し、CTL選択基準をもって使用するCTL細胞を選択する。
3) 試験責任医師等は、患者がプロトコール治療開始基準をすべて満たし、治療適格性確認票に必要事項を記入し、試験事務局にて3回分の使用CTLロット番号を追記した後、登録センターにFAX送信する。登録センターは、適格性確認後、治療適格性確認通知を試験事務局、試験責任医師または試験分担医師、細胞培養加工施設にFAX送付する。
4) 登録センターは出荷依頼票を細胞培養加工施設に提出する。細胞培養加工施設は、出荷依頼票と共に試験責任医師または試験分担医師へ製剤の出荷を行う。
5)試験責任医師等は製剤と出荷依頼票を受領ののち、受領した製剤がオーダー内容に相違なく規格に適合していること、投与直前の患者の状態等が適格であることを確認した上で投与を決定し、調製細胞を投与する。投与終了後は速やかに、CTL輸注実施報告書を登録センターへFAXする。
6)試験責任医師等は治療開始後、定期的に治療効果、副作用の発現について観察、評価スケジュールに定められた通りに検査を実施し、決められた期限のうちにその内容を症例報告書に記載して報告する。
すでに当該再生医療等が提供された患者においては通常通り観察を行う。
健康被害が生じた時に、輸注した細胞と関連するか否かを調べるために、本試験終了後5年間は輸注細胞の一部と保存血清を保存する。
個人情報がないことを確認し、オートクレーブなどで滅菌処理後、適切な方法で廃棄する。
疾病等(以下、有害事象という)の発生における報告については以下の体制で実施する。
細胞提供者(CTLドナー)及び細胞治療を受ける者(患者)における有害事象発生時の対応と報告
1. 重篤な有害事象等発生時の対応
 試験責任医師または試験分担医師(以下、試験責任医師等という)は、重篤な有害事象が発生した場合は、直ちに患者またはCTLドナーの安全確保に必要な措置を行うとともに、試験責任医師等が有害事象発生を知りえてから72時間以内をめやすに、疾病等報告書(別紙様式第一(省令第三十五条関係))を作成し、試験事務局及び病院長に報告(緊急報告)を行う。その後、すみやかに、疾病等報告書(別紙様式第一(省令第三十五条関係))により詳細報告書を作成し、試験事務局及び病院長に報告(詳細報告)を行う。
 試験責任医師等は、当該有害事象に関する追加情報が得られた場合には、疾病等報告書(別紙様式第一(省令第三十五条関係))により、可能な限り速やかに病院長に追加報告を行う。  病院長は、試験責任医師等から報告を受けたときは、速やかに試験責任医師等に対して対応を指示するとともに、特定認定再生医療等委員会にその旨の通知を行い、試験継続の可否について意見を聞く。
 さらに、病院長は、「死亡」又は「死亡につながるおそれのある」因果関係の否定できない重篤な有害事象については、発生を知った日より7日以内に東海北陸厚生局長を経て厚生労働大臣に報告する。また、予期しない重篤な有害事象のうち、「死亡」又は「死亡につながるおそれのあるもの」以外の因果関係の否定できない重篤な有害事象については、発生を知った日より15日以内に東海北陸厚生局長を経て厚生労働大臣に報告する。
 なお、病院長は、必要に応じて、調査結果を厚生労働大臣等に逐次報告するものとする。  試験事務局は、疾病等報告書(別紙様式第一(省令第三十五条関係))を受け取った場合、すみやかに試験責任医師に報告し、効果安全性評価委員会による審議・検討が必要と判断した場合には、すみやかに効果安全性評価委員会委員長に審議・検討を依頼する。効果安全性評価委員長は委員会を開催し、症例の取り扱いと今後の対応について試験責任医師に勧告する。試験責任医師は、試験事務局を通じて症例の取り扱いと今後の対応について試験分担医師に指示する。

2. EBV特異的CTLと因果関係が否定されない有害事象が発現した場合の対応
 EBV特異的CTL投与後、有害事象が発生し、試験責任医師等がEBV特異的CTLと因果関係が否定できないと判断した場合、試験責任医師等及び病院長は以下の事項を実施する。
1)試験責任医師等は、直ちに患者の安全確保に必要な措置を行うとともに、EBV特異的CTLとの因果関係を判断する。EBV特異的CTLとの因果関係が否定できない場合は、その発生状況及び症状について、病院長に報告しなければならない。
2)病院長は、EBV特異的CTLとの因果関係が否定できない有害事象については、再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出した日から起算して60日ごとに当該期間満了後10日以内に特定認定再生医療等委員会に報告する。
プロトコール治療完了以降、最終輸注後3ヵ月までは、有害事象について調査する。それ以降に再生医療等の提供に関連する疾病等の発生した場合については、患者等に担当医師へ連絡に連絡することを説明し、連絡を受けた場合には速やかに適切な処置を行う。
また、当該試験が第Ⅰ相試験の安全性評価が主要評価であることから、効果については、プロトコール治療完了までとし、探索的に最終輸注後3ヵ月に効果の持続についても確認する。
適切に観察期間を設けて観察する
2014年11月13日
2016年09月08日
募集中 Recruiting

5 細胞提供者及び再生医療等を受ける者に対する健康被害の補償の方法

細胞提供者について

再生医療等を受ける者について

6 審査等業務を行う認定再生医療等委員会に関する事項

名古屋大学特定認定再生医療等委員会 Nagoya University Certified Committee for Regenerative Medicine
NA8150011
愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 65Tsurumai-cho,Shouwa-ku,Nagoya-city, Aichi
052-744-2479
ethics@med.nagoya-u.ac.jp
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成
2024年01月22日

7 その他

細胞提供者及び再生医療等を受ける者の登録及び症例報告書における細胞提供者及び再生医療等を受ける者の特定は識別番号で行うとともに、試験成績の公表においては、細胞提供者及び再生医療等を受ける者の氏名、疾患等のプライバシー保護に十分配慮する。細胞提供者及び再生医療等を受ける者の氏名など第三者が試験実施医療機関の職員やデータベースへの不正アクセスを介せずに直接認識できる情報が、試験事務局のデータベースに登録されることはない。この試験に関与するすべての者は、個人情報漏洩のリスクを踏まえた上で、個人情報保護のため最大限の努力を払う。
本試験の目的である安全性評価および治療効果に関連する細胞提供者及び再生医療等を受ける者の検体、検査値等は、連結可能匿名化とし、その個人情報管理者は、外部記憶装置に保存し、鍵をかけて保管する。また、本試験は連結可能匿名化とし、個人情報管理者がその個人情報を管理する。
No
名古屋大学医学部附属病院において臨床研究を行う研究者は、臨床研究認定者制度による資格を有する必要がある。臨床研究認定者制度の認定要件は、生命倫理審査eラーニング,同一年度内に、先端医療・臨床研究支援センターが指定する講習会を2回以上、生命倫理教育委員会が指定する講習会を1回以上受講した上で、確認試験に合格することとなっている。この講習会において、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に関する教育も行う。
また、平成26年9月4日に名古屋大学医学部で開催された東海北陸厚生局による「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に関する説明会、平成27年9月18日に開催されたARO協議会第3回学術集会の「セルプロセッシングセンター(CPC)専門連絡会セミナー」に参加して情報収集を行い、その他にも日本輸血・細胞治療学会、日本造血細胞移植学会などが開催するセミナー、シンポジウム等にも参加させることにより、再生医療等の提供に関する情報収集と適正な実施に努めている。
名古屋大学医学部附属病院において臨床試験に参加された方から、当該試験等に関するお問い合わせ及び有害事象発生などの安全性に関する連絡については、当該試験の担当医師に連絡し、当該試験の担当医師が適切な対応を行う。また、苦情などに関する連絡については、試験参加者が自由に意思を伝えることに配慮して、名古屋大学医学部経営企画課 臨床審査公正係に窓口を設置し、窓口担当者が対応し、必要に応じて当該試験担当医師等の該当者に連絡・報告を行うなど、参加者への適切な対応ができるようにしている。
非該当
なし none
非該当
非該当
非該当
UMIN000015634
大学病院医療情報ネットワーク University Hospital Medical Information Network

添付資料

4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 ●結合 ICF第10版部会後 高学年第3版 低学年第2版.pdf

変更履歴

種別 公表日
変更 令和6年3月4日 (当画面) 変更内容
変更 令和4年8月9日 詳細 変更内容
変更 令和5年2月28日 詳細 変更内容
軽微変更 令和4年9月26日 詳細 変更内容
変更 令和4年6月27日 詳細 変更内容
変更 令和4年1月24日 詳細 変更内容
軽微変更 令和3年12月20日 詳細 変更内容
軽微変更 令和3年5月11日 詳細 変更内容
軽微変更 令和3年2月8日 詳細 変更内容
軽微変更 令和2年10月12日 詳細 変更内容
新規登録 令和2年1月22日 詳細