第一種 | ||
令和2年6月18日 | ||
令和6年7月4日 | ||
令和5年8月17日 | ||
難治性皮膚潰瘍を対象とした間葉系幹細胞株由来血小板様細胞(ASCL-PLC)の探索的臨床試験 | ||
難治性皮膚潰瘍を対象としたASCL-PLCの探索的臨床試験 | ||
慶應義塾大学病院 | ||
松本 守雄 | ||
本研究では、ASCL-PLCの難治性皮膚潰瘍に対する安全性及び有効性を探索的に評価することを目的としたヒト初回投与試験である。 虚血性皮膚潰瘍は、標準治療である血管内治療施行後の1年後の創傷治癒率は70%程度、外科的バイパス術の6ヶ月後の創傷治癒率は50%程度であり治癒には時間を要する。また血行再建手術によって治癒が得られた症例においても、3年間で43.9%と高率に皮膚潰瘍の再発がみられるともいわれている。静脈うっ滞性潰瘍は50%以上の症例で一年以上の治療を要するといわれており、また治癒後の再発率は57%にのぼるとの報告がある。以上より潰瘍治癒が促進される治療が望まれている。ASCL-PLCは、間葉系幹細胞由来の血小板様細胞であり、治癒促進効果を非臨床試験にて確認している。本研究の実施は難治性皮膚潰瘍の新規治療法としてのASCL-PLCの開発の加速につながると考えられる。 | ||
1-2 | ||
難治性皮膚潰瘍 | ||
研究終了 | ||
慶應義塾特定認定再生医療等委員会 | ||
NA8150014 |
令和5年8月17日 |
令和6年6月12日 | |||
jRCTa030200053 | |||
慶應義塾大学病院 | |||
東京都新宿区信濃町35 | |||
松本 守雄 | Matsumoto Morio |
難治性皮膚潰瘍を対象とした間葉系幹細胞株由来血小板様細胞(ASCL-PLC)の探索的臨床試験 | Exploratory study of adipose-derived mesenchymal stem cell line-derived platelet like cells (ASCL-PLC) in patients with refractory chronic skin ulcer( Exploratory study of ASCL-PLC ) | ||
難治性皮膚潰瘍を対象としたASCL-PLCの探索的臨床試験 | Safety and efficacy study of ASCL-PLC in patients with refractory chronic skin ulcer.( Safety and efficacy study of ASCL-PLC ) | ||
第一種 | |||
本研究で用いる特定細胞加工物は、同種脂肪組織から得られたヒト体性幹細胞である。脂肪組織由来間葉系幹細胞を一定期間培養し得られた間葉系幹細胞株由来血小板様細胞である。そのため本品は「投与を受ける者以外の組織」から得られた細胞であり「再生医療等を受ける者以外の者の細胞を利用する場合(同種)」に該当するため、第一種と判断した。 |
本研究では、ASCL-PLCの難治性皮膚潰瘍に対する安全性及び有効性を探索的に評価することを目的としたヒト初回投与試験である。 虚血性皮膚潰瘍は、標準治療である血管内治療施行後の1年後の創傷治癒率は70%程度、外科的バイパス術の6ヶ月後の創傷治癒率は50%程度であり治癒には時間を要する。また血行再建手術によって治癒が得られた症例においても、3年間で43.9%と高率に皮膚潰瘍の再発がみられるともいわれている。静脈うっ滞性潰瘍は50%以上の症例で一年以上の治療を要するといわれており、また治癒後の再発率は57%にのぼるとの報告がある。以上より潰瘍治癒が促進される治療が望まれている。ASCL-PLCは、間葉系幹細胞由来の血小板様細胞であり、治癒促進効果を非臨床試験にて確認している。本研究の実施は難治性皮膚潰瘍の新規治療法としてのASCL-PLCの開発の加速につながると考えられる。 | |||
1-2 | |||
10 | |||
介入研究 | Interventional | ||
単一群 | single arm study | ||
非盲検 | open(masking not used) | ||
非対照 | uncontrolled control | ||
単群比較 | single assignment | ||
治療 | treatment purpose | ||
次の基準をすべて満たすものを対象とする。 1) 年齢が20歳以上85歳以下の患者(同意取得時の年齢)で性別は問わない。 2) 本人より文書による同意が得られている。 3) 本研究に同意取得から最終観察日までを通して参加することができ、本研究参加に関する要件事項を遵守する意思がある患者 4) 対象とする患肢の潰瘍部位が3ヶ所以下であり、総面積が0.1cm^2以上かつ10cm^2未満の難治性皮膚潰瘍を有する患者(1ヶ所の潰瘍部位の短径は1mm以上とする。) 5) 慶應義塾大学病院で実施される標準治療施行後あるいは施行中の患者、もしくは心臓血管外科専門医が常勤する施設にて治療されている患者(虚血性潰瘍では軟膏塗布等の局所処置、薬物療法、血管内治療、外科的バイパス術、静脈うっ滞性潰瘍では軟膏塗布等の局所処置、圧迫療法を標準治療とする) 6) 登録1ヶ月前時点の潰瘍面積の記録があり、慶應義塾大学病院で実施される標準治療、もしくは心臓血管外科専門医が常勤する施設にて実施される治療を1ヶ月間行っても潰瘍の改善が50%未満の患者 |
Patients who participate in the study must meet all the criteria shown below. 1) Between the ages of 20 and 85 (at the time of consent), regardless of their sex. 2) Providing written consent. 3) Being able to be followed up, and willing to adhere to the protocol related to the following-up. 4) Having three or fewer refractory chronic skin ulcers of the targeted limb, with the total area ranging from 0.1 cm^2 to 10 cm^2. (The shortest diameter of one ulcer site should be at least 1 mm.) 5) Having received or receiving standard therapy performed at Keio University Hospital, or being treated at other medical institutions with a full-time cardiovascular surgeon (Standard therapy includes local ointment, systemic medication, endovascular treatment or bypass surgery for ischemic ulcers; ointment or compression therapy for venous stasis ulcers). 6) Patients who ulcer area at screening is documented and ulcers with less than 50% improvement after 1 month of standard therapy performed at Keio University Hospital, or treatment performed at at other medical institutions with a full-time cardiovascular surgeon. |
||
次の項目のいずれかに該当する患者は除外する。 1) 対象とする患肢の潰瘍の中枢側の皮膚組織灌流圧測定値(SPP値)が20mmHg未満の患者 2) 治療前7日以内にトラフェルミン(フィブラストスプレー®)、アルプロスタジルアルファデクス軟膏(プロスタンディン軟膏®等)が使用された患者 3) 継続的な経口あるいは注射剤によるステロイドホルモン療法または免疫抑制療法を実施し、かつ基礎疾患のコントロールが不良で病状が安定していない患者(治療前1ヶ月以上、用法用量の増量なくステロイドホルモン療法又は免疫抑制療法を継続している場合は基礎疾患の病状が安定していると判断する。ただし、軟膏・クリーム剤、点眼剤等の使用及び喘息発作時のステロイド剤の頓用は除く) 4) 人工透析を受けている患者 5) 重篤な肝障害、腎障害、心疾患、肺疾患、血液疾患、代謝疾患等の疾患を有し、研究責任(分担)医師が研究の対象には不適切であると判断した患者 6) 糖尿病に対する内科的治療を行った結果HbA1cが9.0%以上の患者 7) 治療前30日以内に心筋梗塞/脳血管障害を発症した患者 8) 悪性腫瘍を合併しているあるいは症例登録前5年以内に進行癌と診断された患者 9) 授乳中の患者。妊娠している又はその可能性がある患者。研究終了までに妊娠を計画している患者。避妊を行うことができない患者。 10)他の治療を目的とした臨床試験に登録中である患者 11)精神障害又は精神症状を有しており、研究への参加が困難と判断される患者 12)輸血を含む細胞製剤の投与により重篤なアレルギーを引き起こしたことがある患者 13)動物(ウシ)に対してのアレルギーのある患者 14)ストレプトマイシン硫酸塩、アムホテリシンB、ペニシリンに対してアレルギーのある患者 15)その他、研究責任(分担)医師が登録には不適当と判断した患者 16)感染予防以外の目的で抗菌薬投与を必要とする制御困難な感染性潰瘍(感染症 Grade 1 を超える)を有する患者 |
Patients who satisfy any of the criteria shown below will be excluded in the study. 1) With the value of SPP in the proximal margin of the targeted ulcer being 20 mm Hg or lower. 2) Having received trafermin or alprostadil alfadex within the last 7 days before the initiation of the treatment. 3) Continuously receiving immunosuppressive therapy including corticosteroids with poorly controlled underlying disease and unstable medical status (the receiving immunosuppressive therapy without dosage increase for at least one month prior to treatment is considered to be stable for the underlying disease. except for ointment, eye drops, and short-term use for asthma). 4) Receiving hemodialysis. 5) Having severe liver dysfunction, renal impairment, cardiovascular diseases, lung diseases, hematological diseases or metabolic diseases and considered to be inappropriate for the study by a lead investigator or other investigators. 6) Having diabetes with the value of HbA1c being 9.0% or higher, even after the medication. 7) Having developed acute myocardial infarction or cerebrovascular disease within the last 30 days before the initiation of the treatment. 8) Having cancer, or having been diagnosed with advanced cancer within 5 years before the case enrollment. 9) Breastfeeding, being pregnant, or could be pregnant. Patient who hopes to bear child, or who could not keep contraception. 10) Being enrolled in other clinical studies which aim for the treatment. 11) Having mental disorder or psychiatric symptoms, and considered to be inappropriate for the study. 12) Having a history of severe allergic reaction caused by the administration of cell therapy including blood transfusion. 13) Having an allergy to animals (cattle). 14) Having an allergy to streptomycin sulfate, amphotericin B, or penicillin. 15) Considered to be inappropriate for the study for various reasons by the lead investigator or other investigators. 16) Having an ulcer with an uncontrollable infection which needs antibiotics administration (Grade 2 or higher). (Prophylactic antibiotics are excluded. ) |
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20歳 0ヶ月 0週 以上 | 20age 0month 0week old over | ||
85歳 0ヶ月 以下 | 85age 0month old under | ||
男性・女性 | Both | ||
<被験者ごとの中止> 以下のいずれかに該当する場合は、当該被験者に対する研究を中止する。 1) 被験者より本研究への同意撤回の申し出があった場合 2) 有害事象等の発現により、研究の継続が困難と判断された場合 3) 症状の明らかな悪化又は重度の有害事象を併発し、研究の継続が困難と判断された場合 4) 被験者の妊娠が確認された場合 5) 併用禁止薬剤が投与された場合又は併用禁止療法が実施された場合 6) 来院せず研究が継続できなくなった場合 7) 研究期間中に不適格例であったことが判明した場合 8) 本品の投与が規定通りに行われなかった場合 9) その他、研究責任(分担)医師が研究の継続を困難と判断した場合 <臨床研究の一部及び全体の中止基準> 研究責任医師は被験者の安全性に影響を及ぼし、本研究の実施に影響を与え、又は本研究継続に関する特定認定再生医療等委員会の承認を変更する可能性のある情報を得た場合には、本研究全体の中断又は中止を検討する。 |
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難治性皮膚潰瘍 | refractory chronic skin ulcer | ||
有 | |||
難治性皮膚潰瘍患者に対し、標準治療(虚血性潰瘍では薬物療法、血管内治療、外科的バイパス術、静脈うっ滞性潰瘍では圧迫療法を標準治療とする)に加え、本特定細胞加工物を投与する。 | To give the specific cell product in addition to the standard therapy (medication, endovascular treatment or bypass surgery for ischemic ulcers, compression therapy for venous stasis ulcers), to the patient with refractory chronic skin ulcers. |
||
安全性評価: 有害事象の発生頻度 |
Safety evaluation: Frequency of adverse events | ||
有効性評価: 1) day0(ASCL-PLC1回目投与直前)からの潰瘍縮小率 2) 完全上皮化率 3) Numerical Rating Scale (NRS)による疼痛スコア 4) 皮膚組織灌流圧測定値(SPP値) 5) レーザードプラ血流計測定値 6) 足関節上腕血圧比(ABI値) 7) EQ-5D |
Efficacy evaluation: 1) Ulcer size reduction rate from day 0 2) Complete epithelialization rate 3) Pain score by Numerical Rating Scale (NRS) 4) Value of skin perfusion pressure (SPP) 5) Measured value by laser Doppler blood flow meter 6) Value of ankle-brachial index (ABI) 7) EQ-5D |
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別添の通り |
医師 | |||||
尾原 秀明 | Obara Hideaki | ||||
慶應義塾大学医学部 | Keio University School of Medicine | ||||
外科学教室 | |||||
160-8582 | |||||
東京都新宿区信濃町35 | 35 Shinanomachi, Shinjuku-ku, Tokyo | ||||
03-5363-3802 | |||||
obara.z3@keio.jp | |||||
自施設 | |||||
東京都指定二次救急医療機関として、ICU10床およびHCU26床を東京都に申請しており、24時間体制の救急診療を実施している。エックス線装置、心電計、輸血及び輸液のための設備、その他救急医療を行うために必要な施設及び設備を有する。 |
河合 加奈 | Kawai Kana | ||||
慶應義塾大学医学部 | Keio University School of Medicine | ||||
臨床研究推進センター | |||||
160-8582 | |||||
東京都新宿区信濃町35 | 35 Shinanomachi, Shinjuku-ku, Tokyo | ||||
03-3353-1211 | |||||
03-5315-4294 | |||||
kana_kawai@keio.jp |
医師 | ||
尾原 秀明 | ||
慶應義塾大学医学部 | ||
外科学教室 |
医師 | ||
松原 健太郎 | ||
慶應義塾大学医学部 | ||
外科学教室 |
医師 | ||
山口 諒 | ||
慶應義塾大学医学部 | ||
外科学教室 |
医師 | ||
北 英典 | ||
慶應義塾大学医学部 | ||
外科学教室 |
医師 | ||
林 秀行 | ||
慶應義塾大学医学部 | ||
外科学教 室 |
シミック株式会社 | ||
林 建太郎 | ||
シミック株式会社 | ||
データサイエンス事業本部 |
シミック株式会社 | ||
西村 裕司 | ||
シミック株式会社 | ||
臨床事業本部 |
シミック株式会社 | ||
鈴木 徳昭 | ||
シミック株式会社 | ||
クオリティマネジメント本部 信頼性保証部 |
シミック株式会社 | ||
山下 毅 | ||
シミック株式会社 | ||
データサイエンス事業本部 |
慶應義塾大学病院 | ||
笠間 隆志 | ||
慶應義塾大学病院 | ||
臨床研究推進センター トランスレーショナルリサーチ部門 |
シミック株式会社 | ||
後藤 三千代 | ||
シミック株式会社 | ||
臨床事業本部 |
無 |
脂肪組織由来間葉系幹細胞 | |
医療法人社団東美会 東京美容外科, 医療法人社団 慶友形成クリニック | |
細胞提供者は、以下の選択基準を満たし、除外基準に抵触しない者を選定する。 <選択基準> 次の基準をすべて満たさなければならない。 1) 研究参加に関して文書による同意が得られた者 2) 同意取得時の年齢が20歳以上、65歳未満の男女 3) 脂肪吸引術あるいは脂肪切除術のため来院した者 <除外基準> 次の基準に一つでも該当する場合は、除外する。 1) B型肝炎、C型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス感染症、成人T細胞白血病、パルボウイルスB19感染症の既往歴、現病歴がある者 2) 梅毒トレポネーマ、クラミジア、淋菌、結核菌等の感染症の既往歴、現病歴がある者 3) 敗血症及びその疑いのある者 4) 悪性腫瘍の既往歴、現病歴がある者 5) 重篤な代謝及び内分泌疾患の既往歴、現病歴がある者 6) 膠原病及び血液疾患の既往歴、現病歴がある者 7) 肝疾患の既往歴、現病歴がある者 8) 伝染性海綿状脳症の診断あるいはその疑い並びにその他の認知症の既往歴、現病歴がある者 9) 特定の遺伝性疾患の既往歴、現病歴や家族歴のある者 10) 輸入感染症の既往歴、現病歴がある者 11) その他研究責任者もしくは研究分担者が不適と判断した場合 |
|
適格性は以下の方法にて確認する。 1) 医師の診察 2) 質問票への回答: 既往歴、感染症に関する質問項目への協力 3) 術前血液検査: 血算、生化学等、感染症検査 4) 術後血液検査:ウインドウピリオドを勘案した感染症検査 以上の内容をもって, 適格性を確認する。 |
|
脂肪吸引術あるいは切除術は手術室の清潔環境の中、清潔操作にて行われる。術後に廃棄脂肪組織は無菌的に回収される。麻酔方法及び採取量に規定はなく、麻酔は各術式に従い局所麻酔を中心に最適な方法が選択、実施され、採取量は廃棄される脂肪組織(可能な限り)全量を本特定細胞加工物の製造に使用する。 |
間葉系幹細胞株由来血小板様細胞 | ||
本特定細胞加工物は、以下の方法にて加工及び製造され、保管される。また、品質管理試験により品質・安全性を確認する。 <加工及び製造方法> 1) ヒト脂肪組織から間葉系幹細胞,間葉系幹細胞株の樹立及び拡大培養 2) 血小板様細胞への分化と精製 3) 血小板様細胞の取得 <品質管理方法> 本特定細胞加工物は各種安全性試験及び品質試験を行い細胞の品質が担保されていることを確認した上で出荷される。 |
||
本特定細胞加工物は、実施病院の病室あるいは処置室にて投与される。投与方法は創傷部位への塗布投与である。 | ||
有 | ||
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング | ||
FA4150005 | ||
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング細胞培養加工施設 | ||
原料であるヒト脂肪組織の受入から特定細胞加工物の製造、輸送までを委託する。詳細は別紙(特定細胞加工物概要書)を参照とする。 |
株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング | ||
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
無 | ||
無 | ||
無 | ||
無 |
有 | ||
株式会社AdipoSeeds | AdipoSeeds Inc. | |
非該当 |
本品と同等の手法で培養及び分化誘導を行って作製したASCL-PLCを用いて行われた。 1) 免疫不全創傷モデルマウスを用いたASCL-PLCの非臨床安全性の評価(一般毒性試験兼造腫瘍性試験: 学内試験) 免疫不全創傷モデルマウスの創傷部位に臨床研究使用量に基づいて使用量を算出した安全性試験への使用量を投与し、造腫瘍性の評価を行った。 全観察期間において造腫瘍及びその他関連毒性を示唆する所見や生着や投与部位への残存は認められなかった。 2) 免疫不全創傷モデルマウスを用いたASCL-PLCの非臨床安全性の評価 学内試験方法と同様の手法にてヒト細胞加工製品であるASCL-PLCの安全性に関する非臨床試験を外部委託試験として施行した。 全観察期間においてASCL-PLC投与に伴うマウスの異常死亡も含めた所見は認められず、毒性学的影響は認められなかった。 ASCL-PLC は本学が開発した細胞加工物であり、本研究がFirst-in-human 試験となるため、同様の技術の国内外の実施歴はない。類似する性質を持つ細胞を用いた試験として難治性皮膚潰瘍に対する同種脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた試験が国外にて5件実施されている。そのうち試験結果が公表されている1試験については、安全性および有効性が確認されている。 |
||||||
本品と同等の製造工程で作製したASCL-PLCを用いて以下の試験が行われた。 1) ASCL-PLCのin vitro有効性評価試験(慶應義塾大学内実施試験) ASCL-PLCのin vitro有効性評価試験として、創傷治癒促進効果を有する各因子の分泌能を検討し、創傷治癒に効果を示す各種因子の分泌を認めた。 2) マウス創傷モデルを用いたASCL-PLCの有効性評価試験(慶應義塾大学内実施試験) 創傷モデルマウス(免疫不全創傷モデルマウス、糖尿病創傷モデルマウス)へASCL-PLCを滴下塗布し、対照群と比較した。 結果、全観察期間においてASCL-PLC投与に伴うマウスの異常死亡も含めた所見は認められず、全例生存にて解析を施行でき、対照群と比べ創傷縮小を認めた。さらに病理組織学的所見においては対照群に比べ炎症所見が軽度であり、組織の構築が早期に開始されていることが示唆された。 3) 創傷モデルマウスを用いたASCL-PLCの有効性評価試験(外部委託試験) 外部委託機関(第三者機関)において、同様の手法にて有効性評価を行った。 結果、全観察期間においてASCL-PLC投与に伴うマウスの異常死亡を含めた所見は認められず、全例生存にて解析を施行でき、創傷部位面積の縮小を認め、ASCL-PLC投与による創傷治癒促進効果が有意差をもって認められ、ASCL-PLCの有効性が示唆された。 |
||||||
実施責任者はASCL-PLC投与前に、製造所から入手した品質検査結果を確認し、出荷可否の判断をする。再生医療等の提供を行う医師は、投与前にASCL-PLCの状態を確認し、問題がなければ投与する。 | ||||||
同種間葉系幹細胞由来血小板様細胞(ASCL-PLC)の出荷前に疑義が生じた場合は、速やかに実施責任者に対し疑義の内容を報告し対応を検討する。 出荷後、投与前に疑義が生じた場合は、実施責任者又は再生医療等の提供を行う医師は、疑義の内容を細胞加工施設へ報告する。実施責任者が投与可能と判断し、再生医療等を受ける者への説明・同意が得られた場合には、ASCL-PLCの投与も可能とする。 ASCL-PLC投与後に細胞加工施設にて疑義が判明した場合には、速やかに実施責任者に対し疑義の内容を報告し対応を検討する。実施責任者又は再生医療等の提供を行う医師は、疑義の内容について速やかに再生医療等を受ける者に情報提供を行い、健康状態を確認および必要に応じて適切な治療を行う。 |
||||||
1) 原料組織であるヒト脂肪組織の保管 保管期間は本品の有効期間から起算して10年間とする。 2) 特定細胞加工物の保管 保管期間は本品の有効期間から起算して10年間とする。 |
||||||
<原料組織であるヒト脂肪組織の保管> 保管期間終了後は、高圧蒸気滅菌器にて不活化処理後に廃棄する。 <特定細胞加工物の保管> 保管期間終了後は、高圧蒸気滅菌器にて不活化処理後に廃棄する。 |
||||||
研究分担医師は、疾病等の発生を知った時は、研究責任医師に対して速やかにその旨報告する。研究責任医師は、自ら疾病等の発生を知った時、又は研究分担医師から報告を受けた時は、速やかに医療機関の管理者に報告しなければならない。 疾病等の発生の報告を受けた研究責任医師、医療機関の管理者は、研究分担医師に対し、当該再生医療等の中止その他の必要な措置(例えば、疾病等の発生の原因の分析や、発生した事態が細胞加工物に起因するものであるかの検討)を講ずるよう指示しなければならない。 ① 特定細胞加工物製造事業者への通知 研究責任医師、医療機関の管理者は、当該再生医療等に用いる特定細胞加工物を製造した特定細胞加工物製造事業者に対し、発生した事態及び講じた措置について速やかに通知しなければならない。 ② 特定認定再生医療等委員会への報告 医療機関の管理者は、それぞれに定める期間内に当該事項を、再生医療等提供計画に記載された特定認定再生医療等委員会に報告しなければならない。 1)次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの:7 日 (ア) 死亡 (イ) 死亡につながるおそれのある症例 2)次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの:15 日 (ア) 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例 (イ) 障害 (ウ) 障害につながるおそれのある症例 (エ) 重篤である症例 「重篤」とは、2)(ア)~(ウ)までに掲げる症例に準ずるものをいう。 (オ) 後世代における先天性の疾病又は異常 3)再生医療等の提供によるものと疑われる又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症による疾病等の発生(1)及び2)に掲げるものを除く。):再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出した日から起算して60 日ごとに当該期間満了後10 日以内 ③ 厚生労働大臣への報告 医療機関の管理者は、再生医療等提供計画に記載された再生医療等の提供について、次に掲げる事項を知ったときは、それぞれに定める期間内に当該事項を、厚生労働大臣に報告しなければならない。 1) 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの:7 日 (ア) 死亡 (イ) 死亡につながるおそれのある症例 2) 次に掲げる疾病等の発生のうち、当該再生医療等の提供によるものと疑われるもの又は当該再生医療等の提供によるものと疑われる感染症によるもの:15 日 (ア) 治療のために医療機関への入院又は入院期間の延長が必要とされる症例 (イ) 障害 (ウ) 障害につながるおそれのある症例 (エ) 重篤である症例 (オ) 後世代における先天性の疾病又は異常 |
||||||
本研究は、同種間葉系幹細胞由来血小板様細胞(ASCL-PLC)に対して、安全性および有効性評価のための十分な観察期間(初回投与後24週間) を設けているため、本研究終了後には追跡調査は実施しない。 なお、被験者において中止、又は最終観察時点において疾病等が継続している場合は、追跡調査を行う。原則として、症状又は検査値異常等が消失もしくは回復するまで、回復に時間を要する場合や永続性・不可逆的な事象の場合は、少なくとも本品投与の24週後又は事象発生後30日後のうち遅い日まで経過を観察する。 |
||||||
再生医療等の提供に起因するものと疑われる疾病等の発生の場合に当該疾病等の情報を把握できるよう、及び細胞加工物に問題が生じた場合に再生医療等を受けた者の健康状態等が把握できるよう、あらかじめ被験者より同意を得る際に、当該被験者と確実に連絡をとれる連絡先及びご家族等の連絡先を確認し、医療機関管理のもと診療録等に記録する。 | ||||||
有 | ||||||
実施計画の公表日 | ||||||
研究終了 | Complete | |||||
無 |
有 |
慶應義塾特定認定再生医療等委員会 | Keio University Certified Committee for Regenerative Medicine | |
NA8150014 | ||
東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学信濃町キャンパス | 35 Shinanomachi, Shinjuku-ku, Tokyo 160-8582, Tokyo | |
03-5363-3503 | ||
med-saisei-jimu@adst.keio.ac.jp | ||
第一種再生医療等又は第二種再生医療等を審査することができる構成 | ||
適 | ||
本研究に関与する者は、被験者の本研究参加の如何にかかわらず、個人情報、同意書、症例報告書、原資料等の取扱い及び研究成績の公表に関して、被験者の身元の秘密を保全する。 研究責任(分担)医師は、被験者の識別のため、被験者識別コードを用いる。症例報告書にカルテ番号及び被験者イニシャル等は入力せず、被験者識別コードのみを記入する。 |
||
医療機関の管理者又は研究責任医師は、研究分担医師及び本研究に従事する者に対し、次の研修の機会を確保する。 ・慶應義塾大学医学部・慶應義塾大学病院における医学研究倫理による研修の受講 ・臨床研究に関する専門的知識の向上のため、慶應義塾大学病院臨床研究推進センターの講習会、セミナーやE-ラーニング等の受講 ・再生医療学会等の学術集会やセミナー等への参加、又は参加した者から最新の知見の情報を得る。 研究責任医師は、研究方法の標準化のため、研究開始前に研究分担医師及び本研究に従事する者に対し、それぞれの業務に応じて本研究に関する十分な教育を行う。 |
||
苦情及び問い合わせへの対応は、問い合わせ窓口(連絡先)を通じ慶應義塾大学医学部・外科学教室の研究責任医師(尾原)、研究分担医師(松原)が担当する。担当者は必要に応じ、医療機関の管理者に報告する。 [慶應義塾大学医学部・外科学教室] 外科学教室内担当者:尾原 秀明, 松原健太郎 〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 Tel 03-5363-3802 受付時間 月〜金 9:30〜16:30 (休診日を除く) [時間外・夜間等で緊急の場合] Tel 03-3353-1211(病院代表) [慶應義塾大学病院患者総合相談部総合相談窓口] Tel 03- 5363-3638 受付時間 月〜土(休診日を除く)午前 8:40 〜16:30 |
||
非該当 | ||
なし | none | |
無 | ||
非該当 | ||
非該当 | ||
非該当 | ||
4 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式 | 04_再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書_Ver3.0(マスキングあり).pdf |
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